王権の光 作:ウェストフォード
俺の名前は星野アクア、元は雨宮吾郎と言う一人の人間として、宮崎県の病院で産婦人科医をやっていた。
だがある時、俺の推しのアイドルである星野アイの妊娠という衝撃的な現実を乗り越え、彼女の子供をとりあげると決意して数日後の事
予定日を控えたある日、何者かによって崖から突き落とされ、俺の人生は終わりを迎えた…はずであったが、どういう事か、俺はこの世界に、よりにもよってアイの双子の片割れの一人として転生してしまった。
そして、アイが出演したドラマの現場で出会った監督に気に入られた俺は、アイを映画に出させてもらう代わりに、この映画に出てくる子供役として、子役デビューをする事になった…
控室
「ママぁ〜ママぁ!ママのどごがえりだい!なんでママいないの!」
俺の横で、俺と同じ転生者である妹のルビーが地団駄を踏んで、泣き喚めいていた。
「アイとは撮影時間、が違うんだよ、後で会えるから我慢しろ」
「早くママにバブりたい!ママの胸でオギャりたいよぉー!」
(いい年して恥ずかしくないのか?中身何歳か知らんけど…)
俺は少し呆れながらそう言った。
(そういえば、何で急に撮影時日が変わったんだろうな…)
本来であればアイの撮影時間は今日とは違う日に設定されていたか、だけど、撮影場所として借りているこの場所で何か不都合でもあったのか、何故か昨日突然撮影時間が変更になり、今日の夕方にアイと合流し、今日の夜にアイのシーンを撮る事となった。
とまぁ、そんな感じで、俺とルビーは、出番があるまで控室で待っていた。
すると
「ここはプロの現場なんだけど!遊びに来てるんなら帰りなさい!」
声の主の方を向くと、そこにはいかにも小生意気と言う言葉が似合いそうな子供がいた。
「えっと…」
「有馬かな、この映画の女優よ」
有馬かな、どこかで聞いた事がある名前だと、そう思った俺は記憶を辿り、彼女を思い出そうとした。
すると
「あっこの子あれじゃない、えっとなんだっけ…」
ルビーが思い出したように
「重曹を舐める天才子役…?」
そう言った
「10秒で泣ける天才子役!」
それに対して、有馬[コイツ]はそうツッコんで来た。
「ドラマでの泣きっぷりがすごいってみんな言ってるの!すごいんだから!」
そしてコイツはすかさず、まるで自分をひけらかすような、自慢する口調でそう言い、その傲慢な態度に、俺はただ呆れるしかなかった。
「私この子あんま好きじゃないのよねー…なんか作り物っぽくて生理的に無理」
「たまに子役に対して異様に厳しいやつっているよなお前みたいに」
まぁ確かに、妹の言う通り今目の前のコイツの態度を見たら、憧れや可愛いよりも、呆れと、そして少しの殺意が湧いてくるのは確かだ。
すると
「知ってるわよあなたコネの子でしょ!本読みの段階じゃあなたもアイドルの子の出番もなかったのに監督のゴリ押しってママも言ってた。そういうのいけないことなんだから!」
「いや、そういうわけじゃ…」
「こないだ監督が撮ったドラマ見たけどあのアイドル全然出番なかったじゃん」
「「は? 」」
このクソガキ、今なんて言った?
「どうせカットしなきゃいけないほどヘッタクソな演技してたんでしょ。媚売るのだけは上手みたいだけど」
コイツ…よりにもよって俺の前で、1番の地雷を言いやがった…もはやこの有馬(クソガキ)に対して、呆れの感情すら消え去り、もはや殺意の炎が沸々と湧いて来ていた。
「お兄ちゃん…」
「分かってる相手はガキだ…殺しはしない」
だがこの映画にはアイが出る事になっている。
だから何か問題を起こすわけにはいかないから、俺はアイツへの殺意を寛大な心と強い心で抑えてやった。
数十分後
「よーいっ!アクション!」
まぁ、そんな事があったが、諸々の準備が終わり、いよいよ映画撮影が始まった。
映画のあらすじをざっくり言うと、自分の容姿にとことん自信のない女がなぜか山奥にある怪しい病院で整形を受ける、それがこの映画の話であり、俺はさっきの
「ようこそお客さん歓迎します…どうぞゆっくりしていってください…」
さすが天才子役、上手い
さっきは、あんなにもムカつくほど自信満々で自慢していたが、その自慢が本物であった事を今確信している。
少なくとも、俺が同じことしても実力の差で目も当てられないことになるのは、ズブの素人でも分かる。
(ならどうする?普通に考えれば気味の悪い子どもの演技をすればいい、けど求められてるのそれじゃないよな…)
その瞬間、俺の脳裏には先程の
『本読みの段階じゃ、あなたもアイドルの子の出番もなかった…』
そうだ、監督は俺が出演する事を知ってあの台本を書き直した。
(なら、監督が欲しい画はきっと…)
その瞬間、俺の脳内にはこの場の演技における最適解を叩き出した。
「この村に宿は1つしかありません、一度チェックインしてから村を散策するといいでしょう」
俺がとった演技、それは…演じないだった。
いつもの俺のままセリフを言い、いつもの俺のままの立ち振る舞いをした。
何故なら…
(監督の意図、それは…演じなくてもお前は十分気味が悪い…そうでしょ?)
俺がそう心の中で思った時、後ろにいる監督の表情は見えなかったが、おそらくニヤリと笑っている、そう俺は感じた。
「では…ご案内します」
「カットOKだ!」
最後にそう言った直後、監督からのOKが下った。
そして、製作陣達は先程のシーンを満足そうな顔で、このシーンをどう編集するかを、監督と話し合っていた。
その時
「よくないわ…」
横にいたアイツが、呟く様にそう言った。
「次の頭撮るぞ」
「監督 撮り直して」
「ん?いや問題なかったから」
「問題大ありよ!」
そして、監督に直訴した
「今のかな、あの子より全然ダメだった…!」
ギャン泣きながら、監督の服の袖を掴みながらそう言った。
「もっかい!お願いだから!次はもっと上手にやるから!もっかい!ねえ!」
その姿を見たオレは、あったばかりの鼻に浮くような態度からは想像がつかなかったほどに、大泣きしていた。
その後、
「早熟、役者に一番大事な要素はなんだと思う?」
オレと
「ん…実力とかセンス?やる気と努力の量?」
「まぁそれも大事だけどな、結局のところコミュ力だ、他の役者やスタッフに嫌われたら仕事なんてすぐなくなる。小さいうちから天狗になって大御所気取りしてたら未来はねぇ」
そう言われた時、オレの脳裏には最初にアイツに…有馬と出会った時の事を思い出し、そして悟った。
「あの子にお灸を据えたかったの?」
「そんな偉そうなことは考えちゃいねえけどよ、こういうのも栄養だ」
監督が、オレの言葉にそう言ったその時だった。
「うん、あっ戻って…えっ?」
何処かに行っていた有馬が戻って来た事に気づいたオレは監督に戻って来たと、そう言おうとしたが…
「…誰だアイツ等?」
その視線の先には、有馬だけでなく、有馬を慰めている様子の、三人の美人で育ちが良さそうな女の子
一人目は同じ年齢くらいのロングヘアー女の子
二人目はバスケットボールを抱え少し緊張した様子のサイドテールの女の子
そして最後の三人目は、楽しそうに笑っている、明らかに日本人とは思えない、インゴットを溶かし込んだ様な金髪とサファイアのような碧眼のポニテの女の子
そして、泣きすぎて目が赤くなっている有馬と、計四人の女の子がやって来た。
「えっと…有馬、こいつ等?」
有馬はともかく、それ以外の三人も皆子役と見間違えるほどに美人であり、一体何の集団だと心の中で思いながらオレはそう聞いた。
すると
「さっきそこで会ったの、名前は…」
「高見沢有栖、初めまして」
「朝日奈美空…です」
「天月ルーナ初めまして、もしかして君がさっきかなちゃんを泣かした子かな?」
天才で金持ちの家出身の恵まれた環境と才能を持ったアイドルって、皆様は推せますか? (今後の作品制作の参考にしたいので理由があればぜひコメント欄で教えてください)
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推せる
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うーん