王権の光 作:ウェストフォード
映画撮影の現場を、美空とアリスちゃんと一緒に見にゆく…
そう決意した私であったが、ここで一つ問題がある。
「問題は、どうやってその場所まで行くかだね…」
それが1番の問題であった。
この山奥のホテルから映画の撮影場所まで、ちょっとしたハイキング程度の距離はあるが遠くはない、問題はどうやって抜け出すかだった。
「問題は、抜け出すかだね…」
「でも抜け出したらお父さんやお母さんを心配させちゃうよ、ルーナ」
「そもそも、こんな警備が厳しい中、私たち子供三人で抜け出すなんて無理ですよ」
今日パパ達がやって居る会議は、その内容が内容なだけに警備体制は厳重だ。
ホテルの周りはウェストフォード家の門閥に属する民間軍事会社に所属する、元イギリスの特殊部隊上がりの兵士達で守られている。
だから習い事を抜け出して領地の山で昼寝をする、お転婆娘の様な感覚で抜け出せるものでは無い。
なにより、勝手に抜け出そうなど知られたら、後でママに怒られて、最悪明日から一週間、3時のおやつ抜きと、外出禁止のダブルコンボを決められる可能性もある。
ならばどうするか、私と美空、そしてアリスちゃんの三人は、まだ幼い頭脳を回転させ、方法を考えていた。
そんな時だっま
「お嬢様、3時のおやつの準備が整いました」
私のおつきの女性執事のリリー・クライドが、どうやって撮影場所まで行こうか頭を捻っていた私にそう告げて来た。
「有栖様、そして美空様のおやつもご用意しておりますので、よろしければお召し上がりください」
「ありがとうございます」
「えっ、私まで良いの?」
「いいのいいの、一緒に食べよう美空」
有栖ちゃん、美空の二人の背中を押して、私はそう言いながらおやつが準備されているホテルの中庭にあるサンルームへと、一緒に向かった。
その時だった
(そうだ…)
私の脳裏に、天啓とでも言うべきナイスアイデアが浮かんだ。
サンルーム
「美味しかったー」
「喜んでくれて良かった」
おやつを食べた後、満足そうにそう言った美空に、私は和かにそう言った。
ちなみにおやつはケーキバイキングであったが、美空は食いしん坊だった様で、大量に用意されていたケーキを美味しそうに食べており、その姿を見て
「可愛かったな…」
「えっ、何て?」
「いや、美味しそうに食べてる美空の顔が可愛かったなと思ってさ、ほら」
そう言い私は、隠し撮りしていた美空が美味しそうにおやつを食べてる写真を見せた。
「ちょ、ちょっと!!恥ずかしいから消して!!」
「えーやだ」
その瞬間美空は顔を真っ赤にして恥ずかしそうにそう言ったけど、私は笑いながら一蹴した。
「では、私はおそばで控えておりますので…」
その一方でリリーは、気を利かせたのかそう言い、サンルームから出てゆこうとした。
「リリー、少し良い?」
「はい何でございましょう」
だがその瞬間、私は出てゆこうとするリリーを引き止め
「少し…お願いがあるんだけど…」
私は、少し笑みを浮かべながらとある事を話した。
ちなみに、後日聞いたのだけれども、その時の私の目はとても鋭かったそうだ。
「いけませんお嬢様、その様な事」
私が話した事、それはすぐ近くで行われている映画の撮影現場へと、車を走らせて連れて行って欲しいとの頼みであった。
確かに三人だけでこの場所から脱走するなら、すぐに捕まるだろう。
しかし仮にも大人であり執事であるリリーが同伴であれば、堂々とホテルを抜け出し、撮影場所へと行ける、そう考えた。
だけどやはりと言うべきか、リリーは反対して来た。
「どうしてもダメ?」
「いけません、そんな事がバレたら私が叱られますし、何よりお嬢様の身に何かあれば…」
「そうなんだ…」
リリーは断固とした口調でそう言い、それを聞いた美空とアリスちゃんも、これはダメだとそんな顔をしていた。
しかし、この時の私には、こんな事もあろうかと秘策を用意していた。
「…そういえば、今年のグラストンベリー・フェスティバルには、エルトン・ジ○ンとキース・リ○ャーズがゲストとして出るってね…確かリリーは、二人のファンだったよね、チケットは抑えてあるの?」
「…」
そう聞いた瞬間リリーは少し暗い表情になった。
「…残念ながら」
実はこのリリー、ママより二つ年下なのだが、学生時代ママがリーダーをしていたバンドのメンバーの一人であり、その事もあって趣味がイギリス出身のロックスターの音楽鑑賞であった。
特にその中でもエル○ン・ジョンとローリ○グストーンズがお気に入りであり、一度彼女の部屋を覗いた時には、膨大なポスターが貼られており、まさにロックンローラーの部屋と、表現するのにふさわしい部屋であった。
その為、今年のグラストンベリー・フェスティバルはリリーにとって是非とも見たいものであったのだろうが、その時の暗い表情から分かる通り、チケットの抽選に外れた事は目に見えていた。
そこで
「そうなんだ…おっとコレは何だ?」
私は少し不自然な様子で、とある物を持っていたカバンから落とした。
それは
「こ、これは…」
「ただのグラストンベリー・フェスティバルの"最前列"のチケットと"バックステージパス"だよ」
そう、こう言う時もあろうと、私はウェストフォード家のコネと職権を密かに利用して、リリーにとって垂涎ものの、この2枚のチケットを用意していた。
さて、これを見てどこまで耐えられるかな…
「ど、何処で…」
「まぁ、知り合いから貰ったんだ。だけど私、ロックには興味が無くて…あーあ、誰か私達を撮影場所まで車で乗せてってくれる、優しい人にあげたいな〜」
私はこれ見よがしにチケットをトーマスに見せびらかしそう言った。
その結果
「お嬢様方、くれぐれもこの事はご内密に」
「「「わーい」」」
胸ポケットにチケットを仕舞い込んだリリーは私達を乗せたロールスロイスを運転し、映画の撮影場所へと快く向かってくれた。
「それにしても、まさか買収という手を使うとは…」
「私と同じ4歳のする事か?」
まさかの大人を買収と言う、子供離れにも程がある方法を成功させた私に、アリスちゃんと美空は、驚きながらも少し呆れた様子でそう言っていた。
「いや〜パパがね、人を動かすのは信頼と利益だって、そう言っていたから」
ちなみに、リリーを買収した手法は、パパが仕事をしている光景や電話越しに仕事をしている時の話し声、そして社交パーティでの立ち振る舞いなどを見て、そう言うやり方を、私は覚えていた。
兎に角、リリーが運転するロールスロイスに乗り、ホテルのを離れ、麓の撮影現場へと向かう事になったが、私は内心ドキドキでいっぱいだった。
「映画の撮影…どんなことをやってるんだろう」
私が窓の外を見てそう思っていだその時。
突然リリーが、運転していたロールスロイスのブレーキを踏み、車を停止させた。
「どうしたの、リリー?」
「はぁ、どうやらこの先は車での移動ができないみたいで…」
「じゃあ、ここからは歩いて行くから、リリーは車の中で待ってて。じゃあみんな行こう!」
「「おーー!!」」
「あっ、ちょっとお嬢様!!」
私はそう言うと、リリーの静止を聞かず、美空とアリスちゃんと一緒に車を飛び出し、その先へと進んで行った。
天才で金持ちの家出身の恵まれた環境と才能を持ったアイドルって、皆様は推せますか? (今後の作品制作の参考にしたいので理由があればぜひコメント欄で教えてください)
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推せる
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うーん