王権の光 作:ウェストフォード
「…有馬、こいつ等は誰だ?」
初めて、星野アクアという人物に出会った時の、アタシの第一印象は、分からない…その一言であった。
大人びた様子と、知性に溢れる佇まい、今思い出しても、とてもでは無いがアタシより年下の男の子とは到底思えず、アタシのパパと同じ歳か近い年齢…そんな人物では無いかと感じさせる様な謎の雰囲気が、当時私とさほど変わらない、その小さな男の子には感じさせられた。
「さっきそこで会ったのよ、名前は…」
「天月ルーナだよ、初めまして。もしかして君がさっきかなちゃんを泣かした子かな?」
「高見沢有栖、初めまして」
「朝日奈美空です」
誰だ君達はとでも言いたそうなアクアくんに、アリスちゃん、美空、私は順番に名前を名乗った。
「泣かした…と言うより…向こうが勝手に泣いたと言うか」
そして、私の冗談混じりの挨拶にたいして、なんて言えば良いのか、私の記憶の中のアクア君はこの時、そんな顔をしていた。
すると
「誰だ、こいつら?」
突然、無精髭を生やし、台本を持った怖そうな人が、そう言い私たちの前に現れた。
「早熟、お前の知り合いか?」
「いや監督…こいつらは…」
アクアくんが、説明しようとする前に、私が前に出て説明をした。
「近くで映画撮影があるって聞いて、美空とアリスちゃんと一緒に見に来たんだ」
「あっ?見に来たって…お前らの両親は…」
そう監督が、文句の様に言おうとした時。
「美空!」
「有栖!」
「ルーナ!!」
突然、私たちを呼ぶ声が聞こえ、声の方を向くと。
「お母さん!」
「父様!」
「ママ、パパ!」
美空のお母さん、アリスちゃんのお父さん、そして私のパパとママが、スタッフとリリーを引き連れてやって来た。
「どうして、ここにいる事がわかったの?」
そうアリスちゃんが、パパ達に聞くと、私は。
「そう言えば、携帯のGPS切ってなかった」
そう二人に説明した。
「抜け出すのに、なんで切ってなかったの!?」
そう美空に言われたが
「だってGPSを完全に切ったら、もう言い訳できなくなるじゃん」
そんな事をすれば、ウェストフォード家の総力を挙げての捜索が行われ、見つかったら後で死ぬほど怒られるのは目に見えているし、最悪リリーがクビになる可能性があった。
「申し訳ございませんライラ様」
今この瞬間も、リリーはママにあやっていた。
「ママ、リリーは悪く無いから許してあげて」
子供ながら、リリーに抜け出すのを手伝ってくれる様頼んだ私としては、ウェストフォード家の人間として、責任は取らなければならないとそう思い、彼女を庇った。
すると
「ルーナのお母さん、ルーナを怒らないであげて!」
「ルーナさんを許してあげてください」
美空とアリスちゃんは、私を庇ってくれる様にそう言った。
すると
「はぁ、まあ良いじゃ無いかライラ、宗一、こうして子供達は無事だったんだし、何より、GPSを切らずに行動し、責任を回避せずリリーを守ったのは、評価に値する」
パパが、庇う様にそう言った。
だが
「ただし、俺たち親に黙って行ったのは感心しない。一つのことをやる時には、最低百のシナリオを考えろルーナ」
続いてパパは、釘を刺す様にそう言った。
「…一体なんなんだ、この状況」
この状況を見た
するとその時であった。
「あれ、随分と賑やかな現場だね」
私の後ろから、そう明るい声がし、その声の方を向くとそこには
「うぁ…」
整った顔、観客の目を引きつける天性の才能とも言えるオーラ、そして引き込まれる様な、お星様の目…
アイ…B小町のセンターにして、私の憧れ、そして私が初めてライバルになりたいと思えた人物との、初めての出会いである。
その後…私は、アイがどんなふうに輝くのか、子供ながら興味を持ち、パパに映画の撮影を見たいと、人生で初めてごね、それは私だけじゃなくて、美空もアリスちゃんも同じであった。
私たちが映画の撮影を見学したいと言う事に対して、監督さんは渋っていたらしいけど、パパと有栖ちゃんのお父さんが
「「実はこう言うものでして」」
「SMART・X社長と高見沢財閥総帥!?」
後で聞いたけど、名刺を見せ、少しばかりの支援と称して、小切手を切り大人しくしているならとの条件で、見学させてもらえる事になった。
そして撮影でのアイは、まさに輝いていて、今でも私の深層心理まで、残っている。
「ふっ、すごいでしょ私達のマ…究極のアイドルは」
静かに撮影を見ていた私のすぐ隣にやって来た女の子、アクアくんの妹の、星野ルビーちゃんは、胸を張ってそう私に言ったけど、正直、その時はアイの輝きに夢中のあまり、声は聞こえなかった。
そして、そんな私はアイの輝きに夢中になりながらも、よく分からない、初めての感覚を味わっていたけど、その感情の正体に気づくのは、もう少し先になる。
その後
「じゃあね」
「さようなら」
「バイバイアクア君、かなちゃんを泣かせちゃダメだよ!それと、ルビーちゃんと仲良くね〜」
撮影の見学が終わり、アリスちゃん、美空、私はアクア君やかなちゃんにそう別れを告げ、ママとパパに手を引かれ、帰路についた。
すると
「あれが両親なんだね…なんか、良いな…」
ふと、アイがそう呟く声が聞こえ、私が振り返ると、その時のアイは、一瞬寂しそうな顔をしていたのが見えたけど
「じゃあね、また会おうねルーナちゃん」
私が見ていると気づくとすぐに、初めて会った時と同じ、明るい笑顔で見送ってくれた。
だけど私は、あの時の寂しそうな顔を、今でも鮮明に覚えいて、そしておそらく、2度と忘れる事は無いと思う。
その夜の事
「なるほど、職業は建築家と?」
「えぇ、でも最近になってやっと食える様になりましたが、まだまだ駆け出しで…」
その夜、私達家族と、美空のパパとママ、そしてアリスちゃんのお父さんは、夜ご飯を食べた後、話をしていて、その中で美空のお父さんが建築家という事に、パパは興味を示していた。
その一方
「やったーまた私の勝ち!」
「ぬぬぬ…」
私と美空、アリスちゃんは、流石に夜な為、外でバスケをする事は出来ないため、私が泊まっている部屋で、一緒にトランプやオセロなどのゲームをして遊んでいた。
しかし、いつも私が勝ってしまう為、次は本を読もうと言う事になり、私たちはベッドに寝転がりながら、本を読んだ。
その内容は。一人の王様が、親友と自分について来てくれる騎士達と共に新しい国を作る、そんな物語だった。
「どうしたの、ルーナ?」
だけど、私は本を読んでいるその時でも、今日のあの出来事を忘れる事は出来ず、どこか上の空で、そんな様子の私を見て、美空がそう聞いた。
だけど、上の空にならざるおえないだろう、夜空に輝く一等星の様に光り輝く一人のアイドル、アイ…彼女のキラめき、そして
「うん…ちょっとね…」
その奥にある何処か寂しそうな雰囲気と、私たちが帰る前にアイが呟いたあの言葉…当時の私は、多分子供特有の第六感だろうか…彼女の心の中にあった孤独を感じていたんだと思う。
そんな事を思っていると
「美空、何描いているの?」
隣で、美空がスケッチブックを手にして、何を書いていた。
「これ?ルーナが読んでいる本に出てくる騎士をイメージして、じゃん、どうかな?」
そう言って美空が見せてくれたのは、私達が読んでいた本に出てくる騎士をイメージした服を着て、剣を高く掲げる私とアリスちゃん、美空の3人の絵だった。
後々、この絵を美空と二人で見た時には、幼稚な絵だねって、二人で笑ったけど、当時これを見た私は。
「かっこいい!」
純粋にそう思った。
「ルーナが物語の王様で、私と美空ちゃんが騎士だね」
それを一緒に見たアリスちゃんがそういうと。
「ルーナが王様か…色々と大変そう…」
後々聞くと、今日の映画撮影を見るために、執事同伴とはいえ抜け出したり、3人だけで暗い森に入ったりなど、今日の事を思い出して、美空はそう言ったとの事。
でも
「でも…ルーナが王様なら、退屈はしなさそう」
そう美空はニッコりと笑い、私に言った。
すると、ふとある事を思いついた。
「ねぇ、三人とも、私達も騎士になろうよ!」
「「騎士?」」
「うん、そうすればたとえ別々の場所に住んでいても、心は繋がっていられると思うんだ!」
後に美空から聞いたら、当時の私の決意に満ちた、青い目の前に、断ると言う選択肢は無く、何より、美空自身も、面白そうだと思ったらしい。
だから
「うん、面白そう」
「そうだね、二人と一緒なら良いか」
美空もアリスちゃんも、賛成し、私と美空、アリスちゃんは互いに手を重ね。
「私たちは、たとえ離れ離れになっていても心は一つ、三人で助け合い、いつか一緒に戦う時が来れば、勇敢に戦おう!」
「「一緒に戦おう!」」
その日、私と美空、アリスちゃんは、お互いに一緒に戦い、支え合う気高き騎士になる事を誓った。
天才で金持ちの家出身の恵まれた環境と才能を持ったアイドルって、皆様は推せますか? (今後の作品制作の参考にしたいので理由があればぜひコメント欄で教えてください)
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推せる
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うーん