夜の海、海面には近くの島の大きな影と綺麗な半月が映し出され、静かな波の音が聞こえる。
そんな中、突然空から流れ星が落ちてきた。
それはたまにあるいつもの流れ星とは違っていた。流れ星は島に落ちたからだ。
隕石のように思えるが、島からは特に衝撃・爆発の音は聞こえない。地表に衝撃が起きないほど小さなものではないはずだ。
その後はこれといって何事も起こらず、いつもの静かな海だった。
この島には住民はおらず、その
唯一あれを見たのは、海面に浮かぶ一匹のウミガメだけであった。
その海とは遠く離れたとある大地のとある街にて。
その一角に、一軒の屋敷があった。この小さな街の建造物の中では最も大きい。恐らく裕福な家庭の人間が住んでいると思われる。
「本当に大丈夫なの? あそこには悪い精霊やクラーケンが出るって・・・・・・」
「そんなものはただの噂だ。何、あんな木偶どもすぐに捕らえてみせるさ」
屋敷の中、外観と違って意外と質素な大部屋の中で、一組の家族が話し合っている。
30歳ぐらいの年齢の夫婦。妻が夫の今回の仕事への不安を正直に打ち明け、夫は特に問題ないと元気づける。5・6歳ぐらいの娘が、二人の会話には興味がないのか、脇で夢中に絵本を読んでいた。
夫はこの先、長期間仕事で家を空けることになる。だがその仕事の内容に、妻は心配しているのだ。なにしろ相手をするの海賊。しかもサンダーバードという魔物を飼い慣らし、暴虐を繰り返しているとんでもない者達なのだ。
そいつらも危険だが、彼らがいる縄張りも大問題。彼らは人を遠ざける為、魔物が棲むとされる危険海域に潜んでいるのだ。
だが軍人であるらしい夫は、特に気にとめず、軍の制服を着て玄関に向かって歩いてくる。
「じゃあな。なるべく早く戻ってくる」
「ええ、いってらっしゃい。気をつけてね、エイド」