当たり判定の無い背景オブジェクトの壁で防御したら何も効かなすぎて強制和平交渉に持ち込んで平和を築く旅にでます!   作:セントラルド熊(ぐま)

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第二壁 異世界の人々と悪漢の消える希望 (前半)

真守「・・・あ・・・」

 

真守は一歩踏み出しかけて後ろの自らが建てた壁の建造物を見返した。

 

 

 

真守「その前に」

 

 

 

 真守が左手を左に指し示すように振るうと、初めに立てたものより長めの

 

屋根と壁の家屋がすぐに建てられた。

 

 

 

アイシャ「・・・・・・・・壁の魔法使い様、それは?」

 

 

 

真守「この道は長そうだし、次に雨に濡れる人たちがいたらここで足を止めて

 

ゆっくりできるかなあって。」

 

 

 

アイシャ「それは!素晴らしいですね!・・・きっとこれからこの道を来る皆さんが助かると思いま・・・

 

 

 

真守「う~ん?あと10個ぐらい建てた方がいいかなあ?少なくないかな?」

 

 

 

アイシャ「え!?・・・う~ん・・・そう、ですねえ・・・たくさんあれば

 

いいとは思うのですけど・・・景色が著しく変わりすぎるのも驚く方々もいらっしゃるかもですが・・・」

 

 

 

真守「う・・そうかも・・・って!これホントに建てちゃって大丈夫ですかね!?この国の法律的に?違法建築になったりとかしないですよね!?」

 

 

 

((((;゜Д゜))))ガクブル

 

 

 

アイシャ「あ!・・・・どうなのでしょうね(汗・・・・怒られたら片付ければいいかとおもいますが・・」

 

(>_<) ムムム

 

          

 

この世界にも国があることを知った。二人はその国の中心街へと続く道を

 

朗らかな気分で歩いていた。

 

 

 

アイシャ(~♪~♪~♪)

 

真守(すっかり涙も消えていい気分になってるなあ これだけでも大きな一歩だよね)

 

 

 

アイシャは真守より前に出て、優しく頼もしい「壁の魔法使い」と旅するのに心をはずませ、ややスキップ気味の足取りで進む。

 

真守はこの世界でまず一人を少しでも助けられたことで意欲が上がった。

 

 

 

アイシャ「!」

 

真守「どうしたの?」

 

 

 

アイシャが立ち止まった先はさっきまでの大雨により泥でぬかるんでしまっていた。

 

 

 

真守「うわ、これじゃ歩きにくいし、転んで泥も撥ねるかも」

 

 

 

アイシャ「私は・・・別に構いません!・・・ノームですし、多少の泥くらいは・・・それに壁の魔法使い様と会うまで、私、走ってなんとか逃げてきて・・・はわ!?」

 

 

 

真守「逃げてきて?・・・」

 

 

 

アイシャ「・・・あぁ・・・」

 

 

 

申し訳なさそうにうつむくアイシャ 

 

まず自分を守ろうと道にあった壁の雨宿りに助けを求めた先に、寂しさ悲しみに苛まれていた相手がいた。それでも雨風から守ってくれた相手の事情を

 

先に耳を傾けることを無意識に優先して 

 

自らのことを後回しにしたが、目の前のぬかるみと靴とひざ下についている泥で思い出し、それまであった事実がつい口からこぼれだしたのだった。

 

 

 

アイシャ「いえ、なんでもないです!」

 

真守「大丈夫、聞かせてくれないかな?」

 

アイシャ「・・・」

 

 

 

アイシャの住むノーム村 アイシャが父のように慕うノームの老人が病に伏し

 

治すには国の中心街で売られる特別な薬が必要なのだという。

 

ノーム村と街には徒歩のみではなく馬車が定期的に行き来しており

 

いつもならば問題なく馬車に乗って安全に街についていたはずだった。

 

 

 

アイシャ「その馬車を、この頃よく出る盗賊が襲ったと知らせがありました。

 

しかし私はすぐにでもおじさんに薬を届けてあげたくて、盗賊たちが見向きもしない大通りとはべつの険しい道を慎重につたってきました。

 

街までは遠くない距離まで来た時、ここからなら盗賊はいないと考えて途中で大通りに入ろうとしたとき・・・」

 

 

 

 大通りへの合流地に盗賊たちが馬を停めて休憩していたのだという。

 

アイシャはすぐ森の木の中に隠れて盗賊たちが合流地から出発するまでの長い時間を見つからないことを祈ってやり過ごした。

 

 盗賊たちが場所を変えてから大通りに入ると激しい雨風に見舞われ、

 

村で待つおじさまを案じる気持ちと荒れた天気に慌てて走りだし

 

真守の壁の即席停留所を目にして駆け寄ったのであった。

 

 

 

アイシャ「恐ろしくて心細かった・・・でもそれは私だけじゃなく、

 

壁の魔法使い様も同じで、私のことよりもお話を聞いてあげるべきだと思って

 

・・しばらく話さずにいました・・・」

 

 

 

真守「そうだったんだ・・・・」

 

 

 

アイシャ「おじさまのことはずっと案じていましたが、壁の魔法使い様が

 

来てくださるとおっしゃったので嬉しくなってちょっと舞い上がって

 

おじさまのことを忘れたみたいな顔でしたよね・・・何をしてるんでしょう私

 

早く病をなおしてあげなくちゃいけないのに」

 

 

 

真守「いや、アイシャさんはいい人ですよ 笑ってていいです!」

 

 

 

アイシャ「!?」

 

 

 

真守「おじさんを助けたくて危険でも、怖くてもここまで来たんだから

 

笑っていた方がいい。きっとおじさんは助かる。笑顔でいるほうが大切だと思う。暗くなりながらどうしよう?とか彷徨いながらよりも

 

元気を保ち続ければ目標を見逃さず狙い続けられて

 

・・・・・・・・成せるっていうか?・・・その、」

 

 

 

アイシャ「・・・・」

 

 

 

真守「とにかく、アイシャさんはボクがノーム村まで必ず守ります!

 

こんな泥の道は!」

 

 

 

アイシャ(・・・・守る・・・私を・・・)

 

 

 

アイシャの前に仇なすぬかるみの地面に真守のつま先から壁が水平のコンベアーのように這い出て長く伸び、泥の上を敷き進んでいく。街へ続く方向の消失点の先まで道が舗装された。

 

 

 

アイシャ「わああ!!すっかり歩きやすくなりましたあ!

 

さすがは壁の魔法使い様ですね!壁の大きさまで自由自在に作れて!」

 

 

 

真守「魔法かどうかはわからないけど、その、壁の魔法使いっていうのは

 

長くて恥ずかしいかな・・・・かべ・・でいいかな」

 

 

 

アイシャ「え?それでは失礼ではないでしょうか?せめて・・・

 

ええと、アイカベ様とマモル様、どちらがお名前でしょうか?」

 

 

 

真守「うん・・・名前はマモルなんだけど・・・ボクの生まれた国では

 

真に守りしものという言う字を当てる、けどこの壁に気付く前は・・・・

 

自分ばかり逃げ隠れして、他のものを守れてなんかいなくて、名前負けしまくりなんだよね・・・」

 

 

 

アイシャはまばたきを2回 きょとんとする。

 

 

 

真守「だから・・・・かべ、でいいよ・・・ボクが強くなって自分が納得できたとき・・・・マモルと呼んでくれればいいから・・ね?」

 

 

 

アイシャ「・・・・そのような誇り高い文字をお名前に記されながら・・・・

 

なんて謙虚なお方なのでしょう!・・・では・・カベ様!」

 

 

 

カベ「様はちょっと・・・・」

 

 

 

アイシャ「ではカベさん!・・・ええと・・・この綺麗な道を歩かせていただきます!」

 

 

 

カベ「もちろん」

 

 

 

2人は再び歩きだす。

 

 

 

(ぐうううううう)

 

 

 

カベ「そういえば食べ物を探してたんだった。あの巨大カマキリの生態をまじかに見て自分がご飯にもなりかけたから・・・食欲失せて空腹も忘れてたよ・・」

 

 

 

アイシャ「ああ・・・そうでしたね!・・かわいそう!どうしましょう

 

何か食べる物が周りにあれば・・・何をなさっているのですか?」

 

真守「・・・この草食べられそうかなって・・(もぐもぐ)」

 

道端の草をしゃがんで吟味する。

 

 

 

アイシャ「はわわわ!・・・牧場の動物さんみたいですよ!><

 

およしになってくださいませー!!せめて木の実とかを!><」

 

 

 

真守「木の実・・・高い木ばかりだし 木の実があっても採れなそう

 

あ!」

 

大通りの左側の草原の高い木の頂上近くの枝に、洋梨に似た果実が自生している。

 

真守「やっぱり採れないかあ・・・」

 

アイシャ「長い木の棒なんか探してみますね!あきらめないで!」

 

 

 

真守「棒って言っても10メートルはあるしなあ・・・そんな棒・・・持てる

 

ものじゃないし・・・」

 

 

 

アイシャ「めー・・・とる?・・・カベさんの国の、物の縮尺の単位でしょうか?」

 

 

 

真守「あー、そうそう! だよね 他の世界じゃいろいろボクのとことは重さも温度も角度の言い方も違うんだろうなあ 覚えないと困るよね・・」

 

 

 

アイシャ「心配ありません、私が一から教えさせていただきます!」

 

(๑•̀ㅂ•́)و

 

アイシャ「なにかワクワクしてきました!わたしがカベさんを助けられそうなこと、じつはたくさんありそうで!」(◕ฺ ω◕ฺ )むふう

 

 

 

真守「ハハ、ありがとう!」

 

 

 

小鳥が2人の前の木の上の枝に留まる。

 

 

 

真守「空が飛べたらなあ」 アイシャ「飛べるんですか!?」

 

真守「さすがにないわ」  アイシャ「そうですか・・・」

 

真守「・・・・待てよ?」 アイシャ「・・・・?」

 

 

 

 壁をペガサスマンティスからの防衛に出した初回の使用のように

 

目の前の地上1・5mくらいの空中を底辺に、長径2mの壁を出してみる。

 

少し壁を見つめて考えて 目線を横に動かすと

 

 

 

 壁が目の動きに合わせるように左右に空中を動いた。横方向には動くが上下に揺れは全くない。左右の動きを3往復させると上下にも動かせるか念じる。

 

 

 

↑↓にも動かせる。これも左右のぶれや、前後へ勢いで傾く様子もない。

 

念動力のようだが重さを持つ物体を体力と引き換えに重力に逆らいながら

 

持ち上げる物理運動とは異なるようだ。

 

 

 

 動かした方向以外のベクトルの力が存在していない。慣性がまるでないのだ。

 

 まるで関数のグラフで点が直線の座標をまっすぐ動くように、3Dの造形物を編集ソフトの画面においてコマンドで動かすように

 

 抵抗なくひっかかりのない素直な動き

 

 

 

 見た目は煉瓦の重そうな壁なのに重さをまるで感じない。

 

その気になれば懐中電灯のライトを高速で振り回すように急な高速運動もできそうな気がする。

 

 

 

アイシャ「はわ!こんな重たそうな壁がかろやかに、自由に飛んでいます!

 

壁を作れるだけじゃなく、自在に浮かせることもできるんですね!

 

すごいすごい!」

 

真守は位置の移動の試用を一通り終えると別のことを念じる。

 

 

 

 壁が傾いて水平に寝かされた。その壁を足元にゆっくり、高度を下げて

 

引き寄せ、地面から10㎝ほどに浮かせた。

 

 

 

アイシャ「もしかして?」

 

真守「うん!」 

 

真守は横のアイシャに目配せをすると 右足から浮遊する壁の上に乗った。

 

 

 

壁が高さを上げていく。大きな木の、高く生っている洋梨に似た果実のところまで真守を乗せて上昇する。

 

 

 

アイシャ「ふわあ・・・・」

 

真守「よし、採った」

 

 

 

果実を二つもいでアイシャのところまで壁を下降させる。

 

 

 

真守「はいこれ!どうぞ!」

 

アイシャ「・・・・!ありがとうございます!カベさん!」^^

 

 

 

真守「ちょっと待って、パク、・・・・おいしい!いけるよコレ!食べられる実でよかったあ!」

 

 

 

アイシャ「あー、大丈夫ですよ!その実はよく食べられるモノですし

 

毒や見たことないものなら引き止めますから!」

 

 

 

真守「あ、そもそもだいじょぶなやつなんだ・・・なんだ・・」ガクッ

 

ちょっとかっこをつけて毒見した意味はなかったようだ。

 

 

 

 大木の木陰に腰掛けて二人は果実を食べ終えた。

 

 

 

真守「ふう・・・やっとおいしいものを食べれた」

 

アイシャ「街にいけばもっといろいろな料理やお菓子がありますよ!

 

まだまだ楽しみは序の口です!」

 

真守「そろそろ行こうか」

 

アイシャ「はい!」

 

 

 

真守「ゆっくりいきたいところだけど、おじさんの薬を届けなきゃだし

 

ペースを上げてみようかな 閃いた!」

 

アイシャ「?」

 

真守は水平の壁に乗る。

 

真守「乗ってみて」

 

アイシャ「え?・・・はい・・・こうでしょうか」

 

 

 

 二人が乗ると壁は再び離陸して1mほどの高さになる。壁は二人を乗せても重さに耐えかねて下がる様子もなく大通りの方向に空中をゆっくり進んでいく。

 

大通りに入ると街の方向へ真守は壁を方向転換させた。

 

 

 

真守「じゃあ!行こうか!」

 

アイシャ「まさか!」

 

 

 

 二人の乗った壁が少しづつ、スピードを上げて地面と平行に直進していく。

 

歩く速さから徐々に、早歩き→駆け足→人の全力疾走→大地を駆ける馬ぐらい

 

さらに加速する!

 

 

 

真守「どう!?速すぎてこわかったら行ってね!」

 

アイシャ「ええ!このぐらいなら平気です!ふわあ!」

 

 

 

 アイシャがよろけて真守の左脇に寄り掛かった。寄り掛かって真守の袖を思わず握る。

 

 少し恥ずかしみを感じた真守 アイシャは自覚もなく真守の体に身を寄せて

 

両手で袖を握って姿勢を安定させていた。

 

 

 

真守「あ・・・じゃあこのくらいで・・・一気に街までひとっ飛びしよう!」

 

 

 

 大通りの上を風を切って、いかなる障害もなく空を飛んでいく壁

 

 

 

アイシャ「この速さなら街はきっとすぐです!すごいすごーい!

 

やっぱりカベさんは壁の魔法使い様です!!!昔話に出てくる空飛ぶ絨毯みたい!!!」

 

 

 

 空を行き続けて20分ほどたった。木や草原の続いていた景色に、まず人間が建てたと見て間違いない家が現れた、家の数が少しづつ増えていっている。

 

壁を進ませていくにつれてその規模は小さな町にみえるようになり

 

さらに規模が広がっていく。

 

 

 

真守「これはみんな人が建てた家?そうか・・・やっと他の人間と会えるんだ・・・人が住んでいるとこまで来れたんだ」

 

アイシャ「はい!・・・もうすぐ中央の街へ入る門が見えてくるはずです!

 

それと」

 

 

 

 アイシャが意味ありげに言葉を止めると、道を複数の人々が歩いていて

 

よく見るとその中には、ある人は頭髪から2本の角が覗いていたり、

 

ある人は手首と肩と顔が緑色の皮膚で全身がそうに思われ

 

またある人は頭頂にネコのような耳を生やし、毛に覆われた尻尾を揺らして歩く女性

 

 真守が知る人間の形態の定義とは異なる特徴が足されている人々がいる。

 

それでも肌色で角も翼も尻尾もない既知の姿の人間の割合が多いが

 

 

 

アイシャ「この国はですね!いろいろな種族の方たちが住まう他民族の社会なのです!獣人族さんやドワーフさんやエルフさん他にもたくさん!私もノームでこの国の民です!皆さん仲良くして平和に暮らせています。

 

そういえば、カベさんは・・・ヒト族?・・・ですよね?」

 

 

 

真守「え?・・・そりゃあボクは・・・ちゃんとヒトに見えてるのかな?

 

そういえばまだ鏡も見てなかったし、ヒトなんだボク・・・

 

サルとかじゃなくてよかった・・・・」

 

 

 

アイシャ「・・・(•ω•)?失礼ですが、もしかしてカベさんは御自分の種族がわからないのですか?」 

 

 

 

真守「え?ああ!ああ!ボクはね、気が付いたらこの国の辺境にいたみたいで

 

一度死んで・・・じゃなくて死んだと思ったくらい気絶してて

 

その前は間違いなくヒトだったけどボクを運んできたのはとても不思議な力みたいで、もしヒト・・ぞく?以外の種族に変えられてることもあるのかなあっと思って・・・」

 

 

 

アイシャ「・・・カベさんは、例えば私と同じ種族になったら不安ですか?」

 

 

 

真守「あ・・・違うよ?ヒト以外が不安とかダメなんじゃなくて

 

ヒトに生まれてきて、やりたいことがあったんだ。それはヒトだったからこそ見つけられたものだと思うんだ。犬とかネコに生まれてきたらそれはそれなりの幸せがあったかもしれないし、ヒトに生まれたけどいいことばかりじゃなかったし、ボクの場合・・・悪いことがかなり多いかもしれない

 

 

 

 だけどね、ボクはヒトでよかったと思うことに出会えた。

 

 

 

 それを一度は奪われかけたけど、取り戻すチャンスをもらえた。だからやる。

 

やりとげれば、ヒトとして、勝てたと思える。ヒトに生まれたことはハズレなんかじゃない、当たりだったんだって。

 

 

 

 例えこの世界ではヒト族以外に変えられても、最後にはヒトに戻って元の人生を取り戻す。それだけ

 

他の種族や民族の人が劣ってるなんて絶対思わないよ ノームの人もエルフやドワーフもボクの国でも知られてた。(創作でだけど)

 

みんなヒト族なんかよりすごい種族だって思われてて、憧れるヒトがたくさんいる。」

 

 

 

アイシャ「ええ?Σ( °ω° )はわわ!エルフさんやドワーフさんたちはもちろんですが

 

私たちノームの民までも?憧れてもらえるなんて・・・そんな・・・目立ったことはしてませんよお(n*´ω`*n 恥ずかしくて・・・・もったいなきことですう・・えへへ・・・」

 

 

 

真守「そして、ヒトにはヒトのいいところがある・・・と思う。

 

他のそういう種族の人たち比べたらヒト族なんてって卑屈になる人もいるけど、ヒト族だからこその優れた部分があって、人生がうまく行ったヒト族はそれをすでに手に入れてるんだと思う。」

 

 

 

アイシャ「・・・そうなのですね!ヒト族に生まれたこととしての誇りがあるということ。他の種族の方々を敬って自分の種族にもきちんと誇りがある

 

それは大切なことです!」

 

 

 

真守「うん!・・・あ・・いや・・・ちょっとだけ違うかもしれない。

 

一つの種族に生まれたっていろんな人生があると思うんだ。その中でたまたまボクの人生が捨てがたいものだっただけで。もしこれまでの思い出とボクの性格自体を持ち越せるなら、別にヒト族でなくてもいいわけだし

 

あのカマキリでもいいかな」

 

 

 

アイシャ「はわ!?ペガサスを食べるカマキリですか!?・・・

 

そうですね・・・カベさんの好みならいいと思うのです・・・

 

でも、あの子たちは美しいペガサスを食べるので嫌う人々もいますし

 

もし中身がカベさんでもカマキリでは話すことも難しい・・かなあと

 

大丈夫でしょうか?討伐されてしまうかも・・・」

 

 

 

真守「そこはあれだよ、身振り手振りでね?鎌で形を表現して伝えれば」

 

アイシャ「えええ!」

 

 

 

真守「ごめん!冗談だよwさすがに昆虫はね?嫌いじゃないけど

 

アレは怖かったし、自然界では有利だろうけど誰かと話すなら困るし

 

人間の頭のままで昆虫の体じゃ動かすのに苦労しそうだしね」

 

 

 

アイシャ「はわ、ふう・・・よかった・・・でも・・・

 

心がカベさんのままで

 

あの時と同じように雨から守って頂けていたなら・・・・カマキリさんでも

 

・・・・いいと思ったかもです」><

 

 

 

真守「ヒト族以外に生まれたならまずノームと思った。」

 

 

 

アイシャ「え?・・・それは・・・お世辞でも、ご冗談でもありがとうござ・・」

 

 

 

真守「本当だよ?だって、会ったばかりだけど、アイシャさんは素敵な人だと思ったから、心が綺麗だし」

 

 

 

 真守は同じく声も外見も女の子として可憐だと言おうとしたが恥ずかしいのでそう続けるのは止めた。

 

 

 

アイシャ「(๑°ㅁ°๑)!!」

 

 

 

真守「アイシャさんみたいな人がいるなら、アイシャさんのそのノーム村だっていいところなんだし、特徴もヒト族とそんな変わらないみたいだし

 

元の生き方に戻ってもノームでいいかなって思い始めた。少なくともボクの中では・・・もうノームって種族が好きかも・・・ボクの国でもいいイメージしかないし、今日改めて感じた!アイシャさんのおかげだよ!」

 

 

 

アイシャ「∑(ʘдʘ)!!Σ(ʘωʘノ)ノ(๑ʘㅁʘ๑)!!ฅ(º ロ º ฅ)( °-° )( •ω•)

 

     (∗˃̶ ᵕ ˂̶∗)(❃•̤ॢᗜ•̤ॢ)(ू•̤ᗜ•̤❁)(❁´ ︶ `❁)(´∩∩`)

 

     その・・・・そんなに褒められて・・・光栄です・・・

 

     ノーム村の者としてこれまでより一層の努力を・・・むふ・・・」

 

 

 

 真守の掛け値なしの心からの言葉に感激と羞恥にうつむいて

 

何を言っているのか聞き取りにくいアイシャだった。

 

 

 

真守「あれ?あの人たちは?」

 

 

 

 そうこうしているうち まだ少し遠くではあるが視認できるほどに

 

30mほどの高さの壁、真守の作り出す壁とは違う本物の石材でできた壁

 

それを連ねて建てられた城壁とその周囲に広い水路とそれに掛かる橋

 

橋の先にはゲートがある。そのゲートをヒト族やその他の亜人種の市民たちが

 

出入りしている。それは城壁の内部への門 とうとう着くのだ 中心街に。

 

 

 

 そして橋を渡り終えて大人数と馬たちでまとまった集団が真守たちの方向に向かってくるのが見える。全員が騎乗して銀を基調として青い縦線のある鎧と兜に身を包んで馬の平常時の歩行で大通りをゆく。

 

 

 

アイシャ「あの方々はこの国の防衛兵団です。街の治安を保ち

 

この国に災いが降りかからないように外よりやってくる恐ろしいもの?を迎えうち、私たち国民を守ってくださいます。」

 

 

 

真守「この国の軍隊の人たちか・・・じゃあもうこの壁は降りた方がいいかな?怪しまれて何か言われるかもしれないし」

 

 

 

アイシャ「それならば心配いらないです!」真守「どうして?」

 

アイシャ「あれを!」真守「!」

 

 

 

 アイシャが指さした城壁の上空に、空を駆けるペガサスたちが14頭ほど同じ空域内で旋回していた。

 

 

 

真守「うわ!あれは?ペガサス?今日は見るのは二度目だなあ。なぜあんなところを」

 

 

 

 よく見ると全頭誰かが騎乗している。こちらの通路上ではちあいそうな防衛兵団の一部隊と同じ鎧を着ている。城壁の空いた天井を警備しているのだろうか

 

 

 

アイシャ「空の騎兵さんたちです。街の空を見張っています。」

 

 

 

真守「空からの敵も警戒しているんだろうけどそれならなおさらボクたちは

 

ますいんじゃ・・・低いけど空を飛んでて、未確認飛行物体ていうか

 

所属不明機ていうか 空軍ならそれを捕まえるんじゃ・・・」

 

 

 

アイシャ「あそこも、ほら!」

 

 

 

 アイシャが言った先に今度は、空から人が下りてくる。

 

 何か空を飛ぶ生物に騎乗していたのではなく空を飛ぶ翼が背中に生えている亜人の市民がゲートの前に降下し、地に足をつけて歩いてゲートを抜けていく。

 

 

 

真守「空を自分で飛べる人たちもいるんだ!」

 

アイシャ「はい!ああいった種族の方々や道具を使って空をいく人たちも多く訪れるので、この国では珍しがられることではなくなっています。飛んで悪いことをしない限りは呼び止められることもないかと思うのです。ただし飛べるのはここの外周地までで、城壁を越えて中に入ったり、城壁内でみだりに飛行することは認められていません。」

 

 

 

真守「なら、門の前で下りないといけないんだね わかったよ」

 

 

 

 中心街のゲートへ向かって他の通行人の邪魔にならないように街の大通りの左側を低空飛行する真守とアイシャの乗る壁と、逆に大通りの中央を並列を組んで郊外のほうへ進む防衛騎士団がすれ違う。真守は兵士たちの兜の横顔を見つめるが彼らがこちらを見返してくる様子はなく、壁で飛ぶ二人を特に意識している者はいないようだ。アイシャは胸に右手を当て少しお辞儀するように頭を下げて、防衛騎士団たちに敬意を込めた挨拶をした。

 

 

 

真守「ほんとうに怒られないみたい」

 

アイシャ「でしょ?この国は多少の珍しいことには慣れっこで寛容なのです!」

 

真守「寛容な国なのかな よかった。貴族とか平民とかにわかれて格差社会で

 

奴隷制度とかあって、国民には食べ物もろくにない国じゃなくて・・・」

 

 

 

アイシャ「はわわ!そのようなひどい国ならば来ません!><安心なさってくださいませ!!どうしてそんな心配が・・・?もしやカベさんのお国ではそうなっておられるわけでは・・・?」(´;ω;`)

 

 

 

真守「ちがうちがう!ボクのいた国は一応身分の階級はないし、満足に食べることだってできるし、寛容っていうか、よくも悪くも他の人に無関心っていうか

 

でもボクの国から海を少し越えた他の国には今もそういうところがある。悲しいけどね・・・」

 

 

 

アイシャ「・・・なんだか同じですね・・・お互い生まれた国はいいところでも周りはあまりいいとはいいがたい国があって・・・・」

 

 

 

真守「・・・そうなんだ・・・」

 

 

 

アイシャ「私は望みます・・・自分の国だけではなくこの世界の全ての国の人々が幸せな日々を送れるように」

 

 

 

真守「・・・」

 

 

 

 二人の壁と部隊はすれ違いを終えて入れ違いに離れていく。

 

 

 

騎士「隊長、今の二人、引き止めて何者か問い詰めずによいのですか?」

 

 

 

女性の騎士団長「・・・ん?・・あの板で飛んでた者たちか?・・・

 

そうだな・・・・・・・・・・・まあ今はいいだろう!☆」

 

 

 

騎士「本当にですか?近日発生している辺境の盗賊襲撃事件との関係を疑えるかもしれません」

 

 

 

女性の騎士団長「そうかあ?何か怪しかったか彼らは?」

 

 

 

騎士「壁に乗って飛んでいたのが、まだ見ぬ飛行方法です 未知の魔法を使う外部の者たちかもしれないと考えます」

 

 

 

女性の騎士団長「空の飛び方なんて、いろいろなものを見てきただろ どれだって不思議だったし、新しい飛び方にしちゃあ 大通りを正直に通り他の者を避けながらやたら低く飛んでた 随分つつましいじゃないか 

 

 それに乗っていた女の子のほうは私たちに挨拶をしてくれていたぞ?

 

 あれは・・・この国のいち国民の何気ないしぐさだ

 

 よその怪しい者ではないな」

 

 

 

騎士「偽装も考えられます。この国の習慣を前もって調べ、国民を装い

 

怪しまれず潜入する可能性は?」

 

 

 

女性の騎士団長「ふむ☆どそれもないな 

 

監視部が草原の通りに、壁を未知の魔法らしき術で即座に建造する何者かを見つけたが、娘と居合わせて雨でぬかるんだ地面を踏まないように道を舗装したり、そこらの果実を二人で分け合って楽し気に話していたと。会話内容には潜入や破壊行為の企みを思わせる暗号さえ見当たらないと。ただの若者同士の何気ない無垢な慣れ合いだったとね」

 

 

 

騎士「そうですか・・・ならばあの者たちは捕らえずともよいと」

 

 

 

女性の騎士団長「一応その不思議な術で出した壁は調査しておくがな

 

 

 

それよりも今問題は、なぜ盗賊など現れたのかだ 国境付近まで監視部を張り巡らせているのに、誰もその犯行の始まりも最中も見ていないという 発見したのはその場所以外の管轄の隊員が、慌てる御者と散りじりになった馬たちに気付いて駆けつけたら馬車が壊されていたことだけ おかしくないか?」

 

 

 

騎士「それは確かに!・・・辺境ほど国民が少なく、人知れずなんらかの災いに巻き込まれぬように、この国では監視部隊を辺境ほど多数配置しています。

 

ですがどの者も事件発生に気付かず、しかもただの定期の馬車を襲う意味が不明です!盗賊団を潤すほどの金品などあるはずもなく、どういうことなのでしょうか?」

 

 

 

女性の騎士団長「だろう?非っ・・じょーうに臭い☆ ぷんぷんだ

 

何かやばいぞ 災厄の付け火でなければいいが・・・

 

これは忙しくなりそうだな…ア"ア"ア"ア"ア"ア"ア"ア"ア"ア"ア"ア"

 

もうッ!!!(ꐦ°᷄д°᷅)(ヤダヤダ・・・)」

 

 

 

騎士「隊長・・・?」

 

 

 

 そのころ真守とアイシャは中心街のゲートの前に到着した。

 

浮遊する壁を着地させて二人は道に降りた。

 

 

 

真守「ここからは壁はしまうと」

 

 

 

 見て念じると青い光の線が壁の片方の短辺からもう片方の短辺に移動するにつれて、壁が短くなっていく。スキャナーの読み取りのように光の線が進んだ後の部分から壁が消えていくのだ。

 

 残りわずかな棒のようになった面積を光の線が進み尽くすと存在したことが嘘のように完全に壁は姿を消した。

 

 

 

アイシャ「到着です!やっとおじさまのお薬が買えます!・・・・

 

あの・・・改めてお礼を言います。本当にありがとうございます!!」

 

 

 

真守「まだ早いよ、お礼を言ってくれるなら、おじさまに薬を届けてからだよ」

 

 

 

アイシャ「いえ・・・途中であっても何度もお礼させてください。

 

カベさんにはすでに多くをお世話になっています!だから」

 

 

 

真守「う、うん。そっか・・・とにかく中に行こうよ」

 

 

 

アイシャ「はい!」

 

 

 

 ゲートの両脇には見張りの騎士が一人ずつ立っている。その間を抜けて

 

出入りする人々に紛れて二人は中心街へ踏み入れた。

 

 城壁の外よりもたくさんの人たちがいる。食料品 飲食 衣服 靴 家具、玩具、宝石、酒場、宿屋 鍛冶屋 通りの両脇に各種の店舗が連なっている。

 

 

 

真守(中世ヨーロッパに近いかな だけど 綺麗に整備されてる 衛生のこだわりがあって 雰囲気も濁った感じがしない 日本の都市よりもそこは優れてるように見える。生き生きしてる。街自体が千葉県にある友達が多い人たちが逝くテーマパークの売店みたいで、見てるだけで楽しいっていうか

 

来てよかったかも!ワクワクしてきた!)

 

アイシャ「えーと ここからこの道に左に曲がってそこから斜め右に・・

 

うー・・・・」><

 

 

 

 アイシャはシテイマップであろう印刷物を見て薬屋への道順を確かめるが

 

忙しくマップと実際の街並みに交互に眼を往復させて苦闘の睨めっこに勤しんでいる。

 

 

 

真守「見せてもらってもいい?」

 

アイシャ「ふえ?(*'ω'*)・・・はい・・・」

 

真守「今ボクらはここで・・・あそこで右を曲がって・・・」

 

 

 

 真守の指し示す方向に行くと街の病院らしき建物とそのとなりに薬屋と見える小屋 その前に出ることができた。

 

 

 

アイシャ「すごーい!カベさんはこの街が初めてなのに地図が正しく読めるのですね!・・・・わたくしなどもう5回来ているのに><・・うう・・」

 

真守「・・・はは・・いや、ボクのいた国の街がとても入り組んでてね

 

地図を見ただけじゃわかりにくくて、ずっと住んで慣れて覚えないと行けない

 

ところで・・・この街の地図が分かりやすくて親切で形だけはわかっただけだよ この文字は初めて見るもので全く読めないし」

 

 

 

アイシャ「カベさん・・・そうですか・・・いきなり知らないこの国に運ばれてきたのですよね・・・この国の文字の読み書きは・・でも!それほど難しい文字でもないですしすぐにできますよ!」

 

 

 

真守「いや、見たところとても難しそうだよ・・・僕にとっては古の呪文みたいに見えてくる文章だね・・・頭が痛くなってくる・・・勉強しなくちゃならないのかな・・・とても覚えられる気がしない・・・壁を呼び出せるなんて不思議ななことができるようになったけど・・・いきなりハードル高そうで前途多難は変わらないのかな・・・」

 

 

 

アイシャ「・・・・」

 

アイシャは少し不憫な顔をする。しかし何かを思いついて優しく微笑えんだ。

 

 

 

アイシャ「わかりました!!」

 

真守「・・・何が?」

 

アイシャ「わかりました私!!私がカベさんを助けられそうなことを一つ!」

 

真守「?」

 

 

 

アイシャ「私がカベさんにこの国の読み書きを教えます!・・・

 

ごきげんようからありがとうまでの挨拶の綴りや、ことわざや格言まで 難しい言葉もあります、でも覚えていけば少しずつ自信もつきます!

 

そうしてカベさんはみんなと仲良くなれる!」

 

 

 

真守「アイシャさん・・・」

 

 

 

アイシャ「怖がることなんてないです!

 

カベさんがこの国の他の人たちともうまくよい関係を築けるように!

 

カベさんがこの国を好きになって、世界への怯えも無くせるように!

 

 

 

見ず知らずの国に来て不安でも

 

誰かを想いやることができるカベさんは強い人のはずです!

 

カベさんは私に優しくしてくれた。この国で最初に出会った私に・・・

 

 

 

ですから、この国でまず最初に始めるべき読み書きは、最初に出会ったわたくしが教えたいのです!!

 

 

 

どうか わたくしに任せていただけないでしょうか?」

 

 

 

真守「・・・・ありがとう・・・でも・・・ボクは英語、いや

 

学校で他の国の言葉を学ぶ授業でも・・・成績悪かったし

 

アイシャさんの母国語の勉強について行けるかどうか・・」

 

 

 

アイシャ「大丈夫です!学校の先生みたいに堅苦しいつもりはありません。

 

丁寧に少しずつ、わかるまで何度でも、優しく教えてさしあげます!

 

カベさんが楽しく読み書きを覚えられるようにわたし・・・どうか」

 

 

 

真守「!・・・・・わかったよ・・・その・・・お願いします。」

 

 

 

アイシャ(・・・(´。• ω •。`)ふふ・・・(⌒▽⌒))

 

 

 

アイシャ「はい!しっかり務めさせていただきます!」

 

 

 

 申し出を受け取ってもらえた喜びを切り替えてアイシャはここに来た目的を

 

振り返る。 

 

 

 

アイシャ「そうと決まればです!すみやか最初の目的を果たしましょう!

 

やっとおじさまのお薬が買えます!!」

 

 

 

 二人は薬屋に入った。会計机に女性店員と上司らしき薬師の髭の老人が話している。アイシャはポケットから紙を取り出して二人に差し出して見せる。

 

 

 

アイシャ「これが村のお医者様の書いた診断書です。このお薬をください」

 

 

 

女性店員「はい。ええと・・・はい!確かに承りました。おじさまの胸の病に効く薬ですね!」

 

 

 

薬師の老人「発病から日がまだ浅い、今から届ければ治るだろう だが

 

辺境で盗賊が馬車を襲ったと知らせが広まっている。一時、各種の乗り物は出発を見合わせているようだ。盗賊などこの国には何十年と現れたことがなかったというのに妙なことだな。」

 

 

 

アイシャ「わたし、盗賊たちを見ました。」

 

 

 

女性店員「ええ!?」

 

 

 

薬師の老人「よく無事であられた・・・ここまでの足はどうしたのかね?村の馬でも乗ってきたかね?」

 

 

 

アイシャ「・・・あー、いいえ!私はお馬さんを操ることはできませんし

 

小さい頃大人の人たちの後ろに乗せてもらったくらいで><」

 

 

 

薬師の老人「では?その足で来られたのか!?なんとたくましい!」

 

 

 

女性店員「それは大変!おじさまのためにそこまで・・・こわかったでしょうに・・・」

 

 

 

アイシャ「いえいえ!盗賊たちに見つからずには済みましたが 大雨に降られてしまって、でもこのお方に助けていただきまして!無事に街まで迅速にたどり着けました!とっても不思議で便利な魔法の壁をつk」

 

真守「おっと!アイシャさん!」

 

 

 

アイシャ「!!はわわわぁむふぉむう!・・・・カベさん!?」

 

 

 

 真守は咄嗟にアイシャの口を右手で封鎖した。

 

 

 

薬師の老人「君がこのノームのお嬢さんを守ったのかね?

 

見たところは華奢で肉体は心もとなさそうだが眼鏡で知恵は効きそうだ

 

いずれにせよ盗賊の集団相手にどのような手があったのかね?」

 

 

 

女性店員「便利な魔法・・・魔法使いなのですか!?どんな魔法で物騒になった道を問題なく?離れた場所を移動する魔法でしょうか?」

 

 

 

薬師の老人「転移魔法・・・ですかな?」

 

 

 

真守「え!?・・・ああ!・・・・そうですそうですう!街まで速く行きたいし道も泥だらけでアイシャさんの靴が汚れちゃうからその、

 

転移魔法で一気に街まで距離をショートカットしました・・・へへw・・・」

 

 

 

薬師の老人「なんと!そのような術が使えるとはさぞ高度な魔法使いと存じられる!これは失礼を・・・」 ペコリ

 

 

 

女性店員「まあ!それは確かに便利な魔法ですわ!他の人と一緒に転移できるなら物も運べて流通も捗ったり」

 

 

 

薬師の老人「どうだろうか?昨今の治安の悪化もあり、時間や距離によらぬ移動ならそれを気にすることもない。この店の薬と材料を運ぶ仕事をしていただくなどはどうだろうか?・・・」

 

 

 

アイシャ「え!・・・それは、仕事が見つかるのはいいことですけどカベさんは・・・」

 

真守「あー・・・せっかくだけどそれはできませんね。」

 

 

 

女性店員「どうしてですか?」

 

 

 

真守「ボクの魔法?はですね・・・つい最近身に着けたばかりでして、

 

多分不安定で商売とかには向かなそうだし、この力はひどいめにあって本当に

 

困ってる人を見つけた時に、その人を守るためだけに出せる制約がある・・・

 

ぽいんですよね(かっこつけちゃったかな・・・汗)

 

それに、すごい魔法をいきなり業務に使ったら、それまで体や頭を使って地道に頑張ってきた人たちの仕事がなくなるかもしれませんし、

 

ボクはそういうことは望みません。

 

 

 

そしてボクはこれからこの人を村まで無事に送り届けなければなりません。

 

ですから、仕事をもらえるのはありがたいけれど、今回は遠慮させていただきたいです。」

 

 

 

アイシャ(!)(*'ω'*)

 

 

 

薬師の老人「そうか・・・浅はかでしたな。お若いのに力におごることなく

 

周りの人々のことを案じておられる器、壮年になる頃にはさらに偉大な魔導士として大成することでしょうや」

 

 

 

女性店員「まあ!魔法使いで紳士なお方なのですね!

 

あなたはとっても幸運ですよ!こんな素敵なお方の傍らにいて守っていただけるなんて!いいなあ!私も貴方様のような殿方の恋人が欲しいです!」

 

 

 

真守「はぁ!?いえ!アイシャさんはそういうのじゃ

 

アイシャ「え!?はわわわ!え~とカベさんはですね!その//////

 

行きましょう!失礼しましたあ!」

 

 

 

アイシャは恥ずかしさのあまり真守の袖を引っ張って薬局を飛び出した。

 

 

 

アイシャ「ふう、とにかく、お薬は買えました!あとはノーム村に戻るだけです!」

 

真守「そうだね 行こうか この街には来たばかりだけど、

 

見てるだけで楽しかったよ。暮らしてる人たちもいい人が多そうだし」

 

 

 

アイシャ「それはよかったです!おじさまの病が治ったらまた来ましょう!

 

次はもっといろいろな楽しいものをゆっくり見ましょうね!」

 

真守「うん!」

 

      

 

           (ぐうううううう)

 

 

 

真守「・・あー・・・」

 

アイシャ「あ・・・」

 

 

 

街に入る前の道中で食べた果実だけではすぐにお腹が空いてしまったようだ。

 

 

 

真守「・・・また道に果物あったら食べるよ なくても草だっていい」

 

アイシャ「いいえ!!」 

 

 

 

     トンッ

 

 

 

強く地面を蹴って真守の前に躍り出るアイシャ

 

 

 

アイシャ「ダメです!ダメですよーカベさん☆ きちんと食べていきましょう!あと読み書きを覚えるための本も必要ですね☆」

 

 

 

真守「アイシャさん?」

 

 

 

アイシャ「それくらいすぐに済みます☆発つ前にご飯もしっかり食べて書店によりましょう!難しくてカベさんがめげないようにまずは簡単な子供用の本から始めましょう!挿絵があってどの文字が何を意味するのかすぐに分かって楽しいですよ!」

 

 

 

真守「子供よう・・・(まあ今は・・・ボクはこの国では情報アドバンテージのない小さい子供も同然だし・・贅沢は言ってられないかも・・)」

 

 

 

アイシャ「子供の本で慣れたら、少しずつ上の位の本で勉強していきましょう!」

 

 

 

真守「うん・・・でも・・・ボクはお金ないし・・何か仕事が見つかってから

 

働いてもらったお金で自分で食べ物も本も

 

 

 

アイシャ「何をおっしゃいますかあ!?そのくらいの持ち合わせがあるから

 

言っているのです☆ここまで助けていただいたほんの少しのお礼なんです!

 

さあご遠慮なく!」

 

 

 

真守「でも・・・」

 

 

 

アイシャ「・・・・・・こうやっておしゃべりしてる間にもおじさまの命の灯は・・カベさんは引け目を感じて申し出を受けてくださらず・・・・

 

カベさんが了解しなければ私は動けずノーム村には帰れず・・・一体私はどうなされば・・・およよ・・・」

 

 

 

 アイシャはわざとらしく八方ふさがりを演じて塞ぎこみだした。

 

 

 

真守「動けないって・・・アイシャさん・・・大袈裟な・・・」

 

        

 

          (ぐうううううう)

 

アイシャ(・ωノ| チラ、チラ

 

 

 

真守「わかった!また何か食べて本屋さんに行こ・・」

 

 

 

アイシャ「そうですよねー☆!では!!」

 

 

 

 アイシャは偽装を解いて 真守の手を握って引いた。

 

 

 

 真守は心臓が痛んだ。唐突な驚きと少しずつ沸いてくる喜びに面を食らった。異性と手をつなぐのはお互いに無邪気だった園児や小学生低学年の時

 

それ以降は体育やレクリエーションのダンスでの女子の嫌々ながらのもの以来

 

今のアイシャの手はそのどれとも違う気がする。アイシャの友愛?アイシャも無自覚な気がする。

 

 

 

アイシャ「えへへw・・・ごめんなさい☆

 

押してもダメならその壁を引いてみる作戦成功です!あのパン屋さんにしましょう!芳ばしくて美味しそうです!!」

 

 

 

 二人はホットドックの屋台に似た露店でパンを選んだ。

 

 

 

アイシャ「私はこれで!カベさんは?」

 

真守「ボクは・・・これで!」

 

店主「はいよ!野菜多めの魚肉挟みとそっちのあんちゃんはペガサスの肉のやつね!」

 

真守「ええ!まさか!」

 

アイシャ「はわわ!・・・・ペガサスマンティスみたいですね・・・」

 

真守「まいったな・・・・・・ふ・・・ふw・・あははははw」

 

アイシャ「・・・・ふふふふw」

 

真守「あははははw」

 

 

 

店主「あん?」

 

 

 

 奇妙な巡りあわせに二人笑い合うことで、恐怖の思い出がだいぶ和らいだ。

 

 

 

 次に二人は街の書店に来た。アイシャは本棚を見上げて子供の語学の学習本を吟味する。

 

 

 

アイシャ「これです!これがいいです!」

 

 

 

 アイシャがその本をめくると、開いたページには子供が親しみやすい

 

かわいらしげな等身の少ない絵で描かれた、中世の冒険ファンタジーに登場するような剣を携えた勇者の少年と魔法使いの少女のキャラクターが写っていた。その二人が村を発ち、森や川、洞窟、やがて城へ 手を取り合いながら

 

道中にある石、草木、花、動物たち、そしてドラゴンの絵に

 

それぞれを意味する単語が指し示されている。

 

 冒険というシュチュエーションで世界に存在する物事の名前の文字を知っていく。子供が楽しく言葉を覚えられるよう工夫された形式になっている。

 

 

 

真守「わあ、これは面白そうだなあ これをボクの歳で読むのは・・・・

 

ちょっと恥ずかしいかもだけど//////仕方ない」

 

 

 

アイシャ「この本は私が小さいときやノーム村の小さい子たちも読んでいる人気の本なんですよ!国が教育のために各地に配っていただいているのです☆」

 

 

 

真守「そうなんだ!じゃあこれで!」

 

 

 

 街の噴水の広場に二人は来た。アイシャの言葉通り時間は20分もたたないうちに街を出るまでの真守への用事は済んだのだった。

 

 

 

真守「今日はありがとうアイシャさん。仕事が見つかったらお金は返すから」

 

 

 

アイシャ「ですから!返さなくてよろしいです!これは感謝の気持ちなんですから☆」

 

 

 

真守「本当にいいの?」

 

 

 

アイシャ「はい!カベさんにはここまででもたくさん感謝しています!

 

村に無事着いたら、改めてお礼をさせてください。ちいさな宴くらいなら用意させていただきますから!!」

 

 

 

真守「宴・・・か・・・騒がしいのは苦手だったけど

 

アイシャさんの親しい人たちとなら話もしてみたいと思うよ」

 

 

 

アイシャ「いい人たちばかりですよ!きっと皆さん興味津々で話を聞きたがると思います!」

 

 

 

真守(皆さんか・・・大人数に質問攻めされて体がもつかな・・)

 

「じゃあ、ノーム村に出発するよ アイシャさ・・

 

 

 

アイシャ「カベさん」

 

真守さん「ん?」

 

アイシャ「アイシャ・・・でいいですよ。ちょっと長すぎて、えへへ☆

 

それにカベさんとは親しくなりたいですから!私にとってはもうカベさんは友達です!」

 

真守「いや・・・そんな馴れ馴れしく、アイシャさんに失礼だと思うし」

 

アイシャ「馴れてはいけませんか?」

 

真守「え・・・」

 

アイシャ「カベさんは私と慣れ親しむのは嫌でしょうか?・・・」

 

真守「・・・いいや・・・嫌じゃないよ・・・仲良くしたいと思う」

 

アイシャ「そう言ってくださるなら☆、お願いします」

 

真守「・・・じゃあ、アイシャ?行こうか・・・」

 

アイシャ「はい☆!」

 

 

 

       

 

          ゴオオオオオオン!!

 

       そのとき突然激しい轟音が鳴り響いた!

 

 

 

通行人「今のはなんだッ!?」

 

商人「なんだなんだ!何が起きたんだ!?」

 

通行人「城壁のほうから聞こえたぞ?何かの爆発か?」

 

 

 

アイシャ「きゃあ!」><

 

真守「!」

 

 

 

 中心街を囲む城壁で事は発生していた。

 

 

 

 真守たちから東の方向の城壁 そこに大量の煙と土埃が近くにいた人々を包み込んで立ち昇る。それらが落ち着いて薄くなり煙の向こうに隠されていた状況が徐々に表れてくる。周囲の地面には大小さまざまな岩や石が飛び出て転がっている。その石は城壁を形作っていたものだった。何者かが城壁を突き破って来たのだ。何らかの手段で 常人ではない強いパワーで

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