キヴォトスの位階序列六位   作:エドアルド

2 / 7
前回の文章と設定の一部を読者様からのご指摘で変しました。
リクとシュヴィ転生してたわけじゃないんやな。小説は読んでないからニワカなんです。これからも何かこれ違うとかあればぜひご指摘ください!


トリニティ総合学園という場所

 

「はー、ウッザ」

「や、やめ、ぎゃ、がっ!?うっ、あ……」

 

 へヴゥンリー・ウィングを足元で転がる生徒に掃射しながらそう思う。あ、へヴゥンリー・ウィングってのは前に買った銃ね、なんかここの生徒たちみんな自分の銃に名前付けてるみたいだから真似してみたんだよね。

 

「……あれ?弾切れか」

 

 無心で撃ってたからもう撃ち終えちゃったのか。空になった弾倉を投げ捨てながら新しい弾倉を装填してもう一度足元の生徒に向ける。

 

「……も、もうやめ──」

「うるさいから黙っててくんない?」

「そこまでだ」

「……ツルギ」

 

 再度引き金を引こうとした僕の腕を止めたのは剣先ツルギこのトリニティで一番最初に友達になった少女だ。

 

「それ以上はダメだ」

「…………はぁ、そうですね」

 

 ツルギの言葉に僕はへヴゥンリー・ウィングを背中に背負う。

 

「ハスミ、この生徒を医務室に」

「は、はい!」

 

 担架に乗せられて連れてかれる生徒を見送りながら棒付きキャンディを口に放り込む。嫌な事があったら甘い物に限るね。

 

「……それで、今回はどうしたんだ?」

 

 その言葉を聞いたと同時にツルギの端末に動画を送信する。ちなみにこの動画を撮ったのは頭にある機械チックの髪飾りだ。これはシュヴィにちょっと無理を言って機凱種(エクスマキナ)の技術で作ってもらった万能デバイスだ。

 

「いつもの」

「なら、いつも通りに処理しておく。が、やりすぎるな」

「善処しよう」

 

 今回僕がズタボロにした生徒はイジメをしていた生徒だった。僕そういうの嫌いなんだよね。トリニティがこんな場所なら治安は最悪でも真っ直ぐなゲヘナかそれ以外の学校の方が良かったかな。でも、今更転校とか面倒臭いしティーパーティーもシスターフッドもうるさそうだし友人を置いていくのもなんか嫌だから残ってる感じなんだよね。

 

「……そこは頑張って欲しいんだがな」

「ここでもっともわかりやすくちゃんと出来る()があれば僕もここまでする必要なんて無いんだよ」

「すまない」

「ツルギが謝る事じゃ無いでしょ」

 

 その言葉を最後に僕は離れた所にいたイジメられていた生徒に近づく。

 

「大丈夫……じゃないね」

「え、あ、あの……」

 

 内履きはズタズタで色んなものが散らばって壊されてるね。修復術式でちゃっちゃと直して、まとめてっと。

 

「はい、これで大丈夫かな」

「あ、え、直ってる」

「ところで抹茶ラテは好きかい?」

「え?まあ、はい」

 

 その返事を聞いて僕は早速椅子と机を魔法で作って座らせる。そして抹茶ラテを作って彼女の前に置く。

 

「嫌な事があった時は美味しものでも飲んで落ち着くと良いよ」

「…………美味しい」

 

 戸惑いながらも抹茶ラテを飲んだ彼女はそう言って涙を一筋流した。その涙に気付いてないのかそのままチビチビと抹茶ラテを飲んでは涙を流していく。そんな彼女を見ながら僕も抹茶ラテを飲む。うーん、今日も良い出来だね。

 

 ほんとトリニティって腐ってるよな。

 格式と礼儀を重んじるトリニティ総合学院なんて言われてるし表向きはニコニコ平和そうにしているが、裏では腹の探りあいは当たり前、陰謀・策略・騙し合いが行われ、イジメや不正の巣窟。精神を病んでない子がいないのが不思議でしょうがないね。これだからトリニティの内情を知る人からはトリカスなんて呼ばれるんだよ。

 

 思ってもない言葉のオンパレードで会話し心では他人を見下して他人が自分より下である事に愉悦を感じて他人よりも優れていたいという醜い心で生きている。もちろん全員では無いけど大多数はそうで嫌になる。

 前世にも大戦の時代にもこんな奴らいなかったよ。いや、戦争なんてものがないからこそかもね。

 

 しかもトリニティの頂点であるティーパーティーもまともに運営出来てない。いや、運営、自体はできるけど派閥なんてものができてる時点でなんとも言えない。派閥ができててもちゃんとコントロール出来るならあれだけどそれもできてないし。…………やっぱり所詮は子供かね。

 全翼代理のアズリール姉さんと比べるとどうしても劣ってしまうのもあるんだけど。

 

「……あれ?」

 

 考え事を辞めて正面を向けばいつの間にかいじめられていた子は泣き疲れたのか眠っていた。

 

「仕方が無いですね」

 

 眠った子をお姫様抱っこで抱えて机と椅子、ティーカップとかを消す。何処か別に場所に移そうとした時ふとこちらを見る子を見つける。

 

「イチカ、どうした?」

「あ、いえ、部長に一応事情聴取を被害者の子にしてきて欲しいっていわれたんっすけど。無理そうっすよね」

「そうね、疲れてしまったみたいだからね」

 

 そう言って手の中で眠る子に視線を向ける。

 

「そうだ、イチカ」

「はい?なんっすか、先輩」

「この子あなたが委員会の部屋まで連れて行って」

「え?私がっすか?」

「ええ、そっちの方がこの子も安心出来るだろうしあなたの仕事もすぐに始められるでしょ」

「あー、そうっすね。でも、運ぶのは先輩にお願いしてもいいっすか?起こしちゃったら悪いっすから」

「……そうね、起こしたらいけないからね」

 

 そのまま僕がお姫様抱っこを継続したままイチカと一緒に正義実現委員会の部室まで連れて行く事になった。

 

 

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。