キヴォトスの位階序列六位   作:エドアルド

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久しぶりですまない。
頑張って書きました!


人類種

 

「……はあ、ここD.U地区だよね?」

 

 周りを見てつい、そう呟いてしまう。連邦生徒会のお膝元であるはずのD.U地区とは思えない程治安が悪化している。ヘルメット団やスケバンなどのよくいる不良生徒たちがところ構わず銃を撃ち放ち爆弾を転がしている。

 確かにココ最近治安が悪化していたがここまで大きい、もはや暴動とも言えるのは流石に驚く。

 

「しょうがない、捕まえていくか」

 

 目的の人物に会う為にも掃除しておいた方が良いだろう。

 

「しょ、『処刑人』!?」

「『トリニティの処刑人』だぁ!?」

「ど、どうしてここに!?」

「に、逃げ──ひでぶっ!?」

「か、勝てるわけが──ふおぉっ!?」

「や、やってやる!?」

「ニャメロン!あいつはトリニティの──ふあっ!?」

「お、おしまいだァ!!にっ、逃げるんだァ!!」

「あっおい、まっ……」

「「あぁっ……」」

 

 適当に不良達をシバキ回しつつ私を今日ここに呼んだとある人物──連邦生徒会長について思案する。

 元々彼女との接点は無いに等しい。僕はここキヴォトスに来てから基本的に大戦についてと勝ったはずの名も知らぬ神について情報を集めていた為に交友関係はあまり広いとは言えない。

 そもそも連邦生徒会長と面と向かって会ったのなんて一度もない。

 

 なのにだ私の家に彼女からの手紙が届いた。しかもその中身はとうてい無視出来るものでは無かった。

 連邦生徒会長は私の種族である天翼種(フリューゲル)を知っていた。今すぐにでも押しかけて尋問したいが表向きには伏せられているが行方不明になっている。手紙にもいなくなることむねが書かれていた。

 ただこれから来る先生の護衛として生活していれば私の望むものが手に入るとすら書かれていた。

 

 訳が分からない。なぜあの大戦を知っている?なぜ天翼種(フリューゲル)を知っている?なぜ私が望むものを知っている?

 いや、そこは問題じゃない。少なくとも大戦があった事と天翼種(フリューゲル)については本の1行程度には知っている存在はいる。

 

 だが《始まりと終わりまで》を明確に知っているのはおかしい。それこそ当事者でなければありえない。だが過去にサンクトゥムタワーのキヴォトス人に解析をかけた時には少なくとも他のキヴォトス人と身体的には変わり無く16の種族では無かった。その線は無い。

 

 なら、転生?僕という存在がいる限り無い事も無い。ならなぜ僕に接触してこなかった。あの大戦の当事者であるなら少なくともこちらに接触を測っても良いはずだ。当事者なら僕が天翼種(フリューゲル)である事は一目瞭然なはず。……わからない。

 

「……はぁ、考えても答えが出ない。情報が足りない。癪だけどあの手紙に従う他無いか」

 

 無数の仮定が生まれては消えていく、あまりにも情報が無い。なら、情報を集まる他ない。

 

 そんなこんなで不良生徒を気絶させ縛りながらやって来たのは連邦捜査部シャーレのオフィスビル。

 ただここも未だに戦闘している。しかも戦車まで出て来ている。

 

 いい加減イライラして来た。知りたい事が知れるかもしれないというのに私の前を阻むこの矮小な生き物たちを皆殺しに……。

 あまりにイラついてつい天翼種(フリューゲル)としての本能が出てきてしまった。はあ、人としては良くないんだけどなあ。友人知人はそんな事には思わないんだけど。

 

 まあ、イライラしているのは事実。さっさと終わらそう。

 

 探知術式を使って不良らしき存在を探知しなるべく多くを巻き添えに出来るルートを算出、ゴールは手紙に書かれていたシャーレという新しく出来る組織のビル前。もしこのルートに一般人がいたら申し訳ないがコラテラルダメージと言うやつだ。

 

「さて、()()()()()()()()

 

 とっ、と軽く地面を蹴る。ただそれだけの行為だがその瞬間蹴った地面はひび割れる。そして僕は音を超えた。

 

 ただ走る、それだけ聞けばなんてことは無い。だが、それが音を超えた速度ともなれば変わる。物体が音速、秒速にして約340m/sを超えるとソニックブームと呼ばれる衝撃波と轟音を発生させる。その威力は凄まじく遠く離れたガラスを割り人に当たれば失神は免れない、しかもこれは速度が上がる度に威力は増して行く。まあ、今回はマッハ1だし頑丈なキヴォトス人相手だから無力化には丁度いいぐらいだ。

 

 ルート上の不良たちや戦車の横を通り過ぎる、それだけで木の葉が散るように不良も戦車も進路上の何もかもが吹き飛んで行く。

 

 それをゴール地点であるシャーレオフィスビルまで続ければ私が感知した6割ぐらいの不良生徒は気絶させた。この後はヴァルキューレが不良どものあと後始末をするだろう。まあ、本来は僕じゃなくてヴァルキューレがやるべき事だからね。

 

「せ、先輩?」

「ん?ハスミか」

 

 シャーレの前に止まったらハスミに声をかけられた。何やら他校の何人かと一緒にいるようだ。

 

「どうしてここに?」

「シャーレの先生とやらに用があってね」

「先生に、ですか?」

 

 ハスミの反応からしてどうやら先生はすでにいるようだ。

 

「ああ、連邦生徒会長から手紙が来てね。シャーレの先生とやらのご、えい、に…………」

“やあ、先生だよ”

 

 ハスミに来た理由を話しているとその先生らしい人物が現れる。それは男だった、見た限り人間の男、キヴォトスにいる動物でもロボットでも怪しい奴らでもない人間の大人の男。

 その事実を認識した瞬間僕は先生の目の前に立って体のあちこちを触って解析をかける。

 

“あの、えっと……何を……”

人類種(イマニティ)……はは、生きてた……生き残っていたんだ」

 

 間違いなく人間だ。十六の種族、位階序列最下位【人類種(イマニティ)】かつて私が見て触って殺して来たその種族で間違いがない。

 すでに絶滅していたと思っていたその種族が今目の前にいる。

 

 その瞬間、僕は目の前の人類種(イマニティ)を涙を流しながら抱き上げる。

 

“え!?”

「はははは!!人類種(イマニティ)!十六の種族でもっともか弱い種族!!脆弱で!魔法も使えない!感知もできない!庇護するまともな神もいない!身体能力も弱い!無い無い尽くしのしぶといゴキブリのような種族!」

“ご、ゴキブリ!?い、色々と酷い言われようだ”

「昔みたいに!知性で!知識で!浅知恵で!頭で生き残っていたのかい!あっはははははははははははは!!!」

 

 ああ、ああ、こんなに嬉しいことは無い。

 

 リク、人類種(イマニティ)はまだ終わっていなかったちゃんと未来を繋いでいたよ。あの時の行いは無駄じゃなかった。星杯(スーニアスタ)は無理だったけど種の存続はかなったよ。

 

 僕は溢れ出る心のままに先生を抱き上げたまま笑い続けた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

なぜ君たちはいないんだい?寂しいよ、リク、シュヴィ




エブリース自体は強力な位階序列六位種族なのでナチュラルに他種族は見下してるし結構えげつないことは言うし軽視する。
ただし友達やリク、シュヴィは別とする。
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