どこだ? 何処に居る? 高度制限が限られているとはいえ、妖気を探ることは出来るはずだ。この木以外に目立って動く対象の探し方なら速度を鑑みれば判別できる筈……あークソっ、流石に100匹全部と同調して妖気の捜査はキツイ! 必要経費とはいえ、妖怪相手にスイーツたかっても良いだろこれ!
色々と入ってくる木っ端なヤツは無視! それ以外、それ以外……ッ!
「居たッ! そこかテメェ!」
すぐに矢を抜いたトライクに乗って目的地に急ぐ。別の場所に放っていた式神の殆どは自分の元に集合し体内へと帰っていくが、目標を追っている残り18体の式神の気配を頼りに走らせていく。
暫く走らせていると、目当ての妖怪を目視で確認できた。ウチの式神の獰猛さと小ささとすばしっこさに手間取っていて、逃げ切るのが難しいらしい。一先ずコイツを一刻も早く祓ったら、さっさと矢を飛ばした奴を探して見つけ出してやる。
残りの式神が体内へと帰っていく様子を見ていた妖怪は、発生源である自分にその目玉を向けると接近し始めた。アタシがただの人間に見えるんなら、大間違いってね!
「【
左手でブレーキを掛けながら右手を
このまま、絞め殺す! 金蛇を伸ばし、妖怪の身体に巻き付かせ絞めあげる。そのまま停車したトライクから降りて妖怪を拘束し続けることに注力していく。これならすぐにでも終わって──軋む音!?
「ッ!」
咄嗟にその場から転がるように離れた途端、弓矢が先程まで居た地面に突き刺さった。やはり、この妖怪に関わって欲しくない誰かが……何だこの音、金蛇の方から?
すぐに妖怪へと視線を向けると、妖怪と自分を繋いでいる金蛇が何故か錆び付いていた。慌ててすぐに金蛇を消して、自分のもとの右手に視線を向ける。一体何が起きていた? あの妖怪が酸化反応を発生させていたのか?
「って、んな事考えてる場合じゃ……ッ!?」
目当ての妖怪を追うために空へと視線を向けたところで、自分の目に奇妙な存在が映った。人のようなナニか、ソイツは月明かりをバックにしているため姿がハッキリと見える。
だがあれは到底人とは思えないし、ましてや妖怪の類とも思えない。仮面と帽子をつけて中空に浮いている全身ローブ姿のソイツに警戒心を向け、自分の右手に炎の投擲槍を顕現させる。
「テメェ、何モンだ!? あの妖怪と一体全体どういう関係だ!?」
しかしその問いかけには答える事は無く、目の前に居る人のようなナニかとの間に無言の時間だけが流れていった。このまま待っていても埒が明かないので、炎の投擲槍を投げる姿勢を取ろうとして、人のようなナニかが不気味な静けさを破った。
「
「……あっ?」
何言ってんだコイツ?
「人うまれ人うまれ、在りしを捨て去りさりさりとて、ひとよ生きて
「何喋ってっか分かんねぇよ会話をしろや、そこを退きやがれクソ亡霊」
このままコイツに構ってると目当ての妖怪を逃しかねない。さっさと追いかけて終わらせたいので、ナニかに目掛けて投擲槍を投げる。しかし炎の投擲槍はナニかを貫く事は無く、ナニかは霧散して消えていった。
炎の投擲槍も直ぐに消え、すぐにバグズ・サーチャーを呼び出して索敵を開始する。最大射程である半径1kmの間を探してみたが、既に範囲外に出ているのか全く引っかからずに終わった。
「チッ」
ったく、舌打ちなんて久々だ。いつもならとっくのとうに妖怪を祓い終えて、明日に備えるか休みを堪能していたのに……許さんぞあの亡霊。今度会った時はすぐにでもぶちのめしてやる。
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