ゲ謎、2回目見てきました。
沼って渋で二次創作を漁ってました。
ニャンちゅうに乗っ取られた長田で今も笑ってます。
以上です。
月明かりに照らされた男の額にある2本の角は鬼太郎や目玉おやじ、ひいては妖怪のことに詳しくない犬山まなでもある存在に行き着く位にはその姿を知っていた。天に向かって伸びる2本の角を持った、妖怪の名前を。
「お、鬼……?」
「待て、嬢ちゃん見えてんのか? この角」
男は自身の額に生えている角を指さして訊ねると、まなはぎこちなく首肯する。その事に眉間を小突きながら何かを考えていた男だったが、その疑問の答えを言う前に鬼太郎からも尋ねられた。
「貴方は、何でのびあがりを追っていた?」
「のびあがり?…………ちょっと待て、あれが!?」
「のびあがりを知っておるのか?」
「ん? うおっ、目玉!?」
まなの手に握られていた目玉おやじを見て男は驚いたものの、眉間を抑えて小さく何かをぶつぶつ呟き始める。少しして男が自身の親指と中指の腹を合わせて指パッチンをすると、男はしゃがんで視線を低くした。
「よし、色々と聞きたいことが纏まった。ともあれまず、最初に……誰よアンタら?」
「それはこっちの台詞だ」
「まぁ待て鬼太郎、そう邪険にするでない。見たところ鬼ではあるが、儂らを害そう等と思うてはおらんようじゃ」
「鬼太郎……待て、お前が鬼太郎か?」
「僕の事を知ってるのか?」
「話として知ってただけだ。それがまさか、マジの話とは思ってなかったがな」
そう言いながら、男から生えていた2本の角は額と同化していくように消えていき、鬼から人間へと変わっていく。
「角が……!」
「一応社会の中で暮らしてるんでね、消せなきゃやってられん。で、嬢ちゃん名前は?」
「私? 犬山まな、です」
「そうかい。そんでそこの……目玉さんは何て?」
「儂は目玉おやじという。そこの鬼太郎の父よ」
「…………まーじで言ってる?」
「そうじゃよ。訳あってこの姿になったが、これでも昔は人の姿を持っておったのじゃ」
「あー……ちょいと失敬、【マルバツダt」
男が何かをしようとしたその時、ドスッと何かが刺さった音が鬼太郎の方から聞こえたかと思いきや、鬼太郎が地面へと力無く倒れていく。鬼太郎の背中にはどこからか飛んできた矢が刺さっていた。
「鬼太郎!?」
「き、鬼太郎!?」
2人が鬼太郎の安否を心配して駆け寄る中、男は視線を仕切りに動かして辺りを探るが、誰も見つからない。すぐに倒れた鬼太郎のもとまで駆け寄り、容態と刺さった矢を確認する。
鬼太郎の方はまだ生きている。刺さった矢は肉体を貫通している訳ではなく、着用されているちゃんちゃんこによって阻まれていたからだ。男は刺さっていた矢を抜き取り、鏃に刻まれた逆五芒星に顔を顰めた。
「息はある、安心しろ。だがあんまり状況が良くない、コイツを何処かに運ばないと」
「ならば、ゲゲゲの森に連れて行きたい。そこならば安全じゃろう」
「ゲゲゲの森……?」
「あいよ、なら乗ってくれ。移動用の足なら持ってる。まな嬢ちゃんも来い」
「は、はい!」
「目玉のおやっさん、案内頼む」
「うむ、任せておけ」
男が鬼太郎を抱え、3名は停めてあるトライクに乗り込み目玉おやじが指定する場所まで走らせる。辿り着いた場所はとある神社に続く階段であり、犬山まなと男は階段を上がり目玉おやじが呼びかけると、本殿の横にある木々の向こう側から老爺と老婆、そして浮かぶ布が現れた。
「コイツらも妖怪か」
「儂らの仲間じゃ、安心せい」
「おやじ殿、鬼太郎は無事なのかい!?」
「無事じゃよ、じゃが目を覚ましておらん」
「誰に渡せば良い?」
「子泣きに渡してくれ」
「子泣き……子泣き爺か」
「おぉ、ワシの事を知っておるのか」
「色々とな。それより、鬼太郎を」
子泣き爺の背に鬼太郎を乗せた直後、犬山まなが動く布に言い寄られていたが老婆が“色ボケふんどし!”と怒鳴り、妖怪の面々は木々の奥へと入ろうとしていた。
「あぁ、ちょっと良いか?」
そこに男が一声かけ、妖怪達の足が止まり男を見た。
「俺はまな嬢ちゃんを家まで送ったら、またすぐここに戻ってゲゲゲの森に行きたい。あの矢について話したいこともあるしな」
「お主、あの矢について何か心当たりが?」
「昨日その矢と同じものを2回射られてね。情報共有は出来るはずだ」
「うむ……ならば一反木綿、この男に付いて行ってくれるか?」
「男に付いて行くんは趣味じゃなかよー」
「文句を言うな! ちゅーするぞ!」
「ありがたいが、良いのか?」
「良い。お主にも聞きたいことがあるしの」
「分かった、なら一旦ここで」
「うむ、ではまた」
一反木綿を除いた妖怪達は木々の奥へと入っていき姿を消していった。男は一度犬山まなを家まで送り届けたあと、自宅へと戻りトライクを停めてから一反木綿に乗ってゲゲゲの森へと向かったのであった。
正直、九州の訛りがよく分からん