例の曲を流しながらお楽しみください(?)
1話 入学と出会い
目覚めるとそこはよく知っている自分の家の天井だった。
何かとても凄く嫌な夢を見ていた気がするが、その内容は一切思い出せない。でも、思い出す必要はないだろう。所詮夢なのだから。嫌な夢なら尚更、敢えて無理に思い出して自分を苦しめる必要もないだろう。
夢のことは考えないようにしてベッドから起き上がる。時計を見れば朝の6時、今日は確かトリニティ総合学園の入学式の日。
トリニティ総合学園とは、この学園都市『キヴォトス』においてゲヘナ、ミレニアムと並ぶマンモス校である。トリニティ、ゲヘナ、ミレニアムで三大学園と呼ばれることもあるらしい。
そんなトリニティに私は今日入学する。トリニティを選んだ理由はなんだっけ……。思い出せないけど、一番平和そうだったからとかそんな理由のような気がする。特に苦手なこととかはないから正直ゲヘナとかミレニアムに行っても不便はないと思う、多分。
ちなみに、トリニティ『総合』学園とあるようにトリニティ自体も複数の学園が固まって出来ている。主なのがパテル、フィリウス、サンクトゥスの3つだっけ。まぁ、どこに行くかなんて私にとって些細な違いでしかないけど。
「よっと……」
私は立ち上がり入学式の支度を始める。髪を整えるために洗面所に行って鏡を見ればそこには、白く長い髪に紅い瞳、背中には右側に黒色の、左側には白色の翼がそれぞれついた少女が写る。当然私の姿だ。
頭の上には銀色に輝くヘイロー、輪っかの中央に天秤のようなものが描かれている。これこそがキヴォトスの生徒である証とも言える。
私は慣れた手つきで髪を梳かしたり顔を洗ったりして身支度を整える。
「あっ……そろそろ行かなきゃ」
準備を終えて時計を確認すると、そろそろ家を出てもいい時間になっていた。
私は自分の銃をしまい、学生証を手に取った。学生証には『黒崎 ミソラ』と名前が書いてある。私の名前だ。
学生証を大切にしまって忘れ物がないことを確認して、トリニティに向けて出発した。
「ふぅ……入学式、長かったな……」
入学式は何事もなく終わった。そういうものなんだろうとは思ってるけど、やっぱり入学式での話は長かった。話の内容の大体は入学のお祝いの言葉とか、学校に関する説明がほとんどで、ある程度は事前に知っていたからそこまで聞いておかないといけない話はなかった。私にとってはどちらかというと長々と学校について再確認するだけの時間だった。
さて、入学式が終わってやることもないのでぶらぶらと散歩しているわけですが、トリニティですれ違う人達はやっぱりみんな明るくて清楚な見た目をしている。まさにお嬢様って感じの子が多い。まぁ、私はお嬢様でもなんでもないんだけど。
それよりも、部活とかどうしようかな。正義実現委員会にシスターフッド、救護騎士団とか色んな部活・委員会がある。正直どこに入ってもいい、というかやりたいことがないから入りたいところがない。保留でいいかな。
「……なにこれ?」
考えごとをしながら散歩していると道端に何かが落ちているのが見えた。近づいて見てみると落ちているものはぬいぐるみのようだ。
「これ……鳥、なのかな……?」
そのぬいぐるみを拾い上げるとそこにはなんとも言えない顔をした鳥?の姿があった。くちばしとか羽とかあるし鳥なんだろう、多分。舌とか出してるけど。
「あれ~……?落としたとしたらあとはこの辺りだと思うんですけど……」
ぬいぐるみのユニークな見た目をじーっと眺めていると、ふと困ってるような声が聞こえてきてその声の方向に視線を向ける。視線の先には栗色の髪のツインテールに特徴的なバッグを持った女子生徒が何かを探すようにきょろきょろとしていた。
「というよりあのバッグ……、もしかして……」
私は自分の右手にあるぬいぐるみとその女子生徒が持つバッグを見比べながら近づいていった。
「あの、これもしかして……」
「ふぇ……?あー!!!それです!!!それを探してたんです〜!!」
その子にぬいぐるみを見せながら声をかけたら飛びつくように近づいてきた。安心したようにぎゅっとぬいぐるみを抱きしめてるあたり彼女にとって大切なものみたい。見つかってよかった。
「えへへ、ありがとうございます!このペロロ様は初回限定版の特別なペロロ様でして!もう生産されることがないレアグッズなので無くしたら大変なんです!それなのに落としてしまうなんて……不覚でした……!」
「えっと……ペロロ様……?」
「あれ、モモフレンズをご存知じゃありませんか?」
モモフレンズ……聞いたことない、いや、名前だけならあるのかな
「うーん…ごめんね、わからないや」
「でしたら是非見ましょう!モモフレンズは魅力的で可愛いキャラクターがたくさんいるんですよ!ほら、この子がペロロ様です!可愛いでしょう?」
目を輝かせながらさっきのぬいぐるみを見せてきた。ほんとに好きなんだなって思う。うん、でも……
「ユニークな見た目で良いと思う。うん、嫌いじゃない」
「初見でそこまで感じられるなら才能があります!私が持ってるのを今度貸してあげますので……ってあはは……自己紹介がまだでしたね。私、阿慈谷ヒフミっていいます♪」
「あ、うん。私は黒崎ミソラ」
「えへへ、よろしくお願いしますね、ミソラちゃん!」
「うん、よろしくね、ヒフミちゃん」
その後、最終下校時刻ギリギリまでヒフミちゃんはモモフレンズのことをたくさん語ってくれた。私はモモフレンズのことを知らないから、分からない部分も多かったけど、モモフレンズのDVDを貸してくれたり、初対面のはずの私に「困ったことがあったら相談してくれていいですよ!!」なんて優しい言葉までかけてくれた。
最終下校時刻が来てしまったのでヒフミちゃんと別れて自分の家に帰ってそのままご飯とお風呂を済ませたら眠りについた。
今日はいい出会いがあったな、こうやって楽しくお喋りしたり出来るのが友達っていう感覚なのかな
そして同時に思った。
ああやって好きな物のために熱くなれることが羨ましいな………と
他の人の小説読んでたら1話あたりの文字が万単位行きそうなくらい詰め込んでる人がいてすごいなって思います。
でも一応この作品は他の作品にない設定があるんです
楽しみにしててくださいね!
そんなことはどうでもいいのでペロロ様を推すヒフミを推してください