「うーん……」
噴水前、ベンチに座って私は考え事をしていた。この前の一件で銃を変えようと決めていた。しかし、実際に新しい銃をどんなのにしようかと考えるとかなり悩む。まず前提として私に銃の知識があまりない。今持ってる拳銃だっていつの間にか家に置いてた実質初期装備みたいなものなので性能とか知らない。戦いのときは弾数だけわかってればあとは感覚でなんとかなっているので、性能に関してはあまり気にしていなかった。
「あれ、ミソラちゃん、何かお悩み事ですか?」
「あ、ヒフミちゃん。うん、銃を新しいのに変えようかなって、今の拳銃じゃちょっと戦いにくいし」
そんな考え事をしているとヒフミちゃんがペロロ様バッグを背負ったいつものスタイルで話しかけてきてくれた。ちなみに私が好きなのはビッグ・ブラザーさん。相手を見るだけであらゆる真実がわかる力を持ってて、実はペロロ様にも負けないもふもふを持っている。あの視線を感じるほどに真っ直ぐ見つめてくる目を見つめ返すのがほんの少し面白い。
「そうですね……銃は外に出るときの必需品ですし、自分に合ったものを使うべきですね。ちなみに、ミソラちゃんはどういうのがいいとか決まってたりするんですか?」
「あんまりよくわからないけど、安定したのがいい、のかな?」
「うーん、実際に見て決めたほうがいいかもしれませんね。今から一緒にショッピングに行きましょう!」
「いいの?」
「はい!今日は私も予定はありませんし、困ってる友達の助けになりたいですから!」
「ありがとう、ヒフミちゃん」
そのままヒフミちゃんに連れられショッピングに向かった
場所は変わり、ショッピングモールに来ている。ここなら食べ物や衣服から銃器まで大体のものは買うことが出来る。今回の目的は銃なので銃器ショップに向かう。
店に入ると中はまさに武器屋って感じに色々な種類の武器や手榴弾等の投擲武器なんかもある。中にある武器は黒を基調とした銃が大半で自分が今使っている拳銃もここにあるような市販のものなのだろう。少なくともヒフミちゃんとかセリナちゃんが持ってるような可愛らしいデザインの銃は売ってなかった。
「せっかくのミソラちゃん専用の銃ですから、オーダーメイドで作っちゃいましょう!」
「オーダーメイド?」
「はい♪自分のスタイルに合った銃を作ってもらうんです!その方が自分の性能に合わせた使い方ができますし、可愛くデザインすることもできますから!私のこの銃もオーダーメイドで作ってもらったんですよ!」
そう言ってヒフミちゃんは持ち歩いてる愛銃『マイ・ネセシティ』を見せてくる。ピンク色を基調としたアサルトライフルでモモフレンズのグッズと同レベルで大切にしている。なるほど、こういう可愛らしいデザインとかかっこいいデザインとかしてる銃を使ってる人はみんなオーダーメイドで作っているのか。確かにあるものから自分に合いそうなものを探すより自分のスタイルや希望に合わせて作ってもらうほうが望み通りの銃が手に入るだろう。
「じゃあ、オーダーメイドでやってみようかな」
「わからないことも色々あると思うので、私がお手伝いしますね!」
「うん、お願い」
こうしてオーダーメイドで自分専用の銃を作ることになった。まずは基本となる銃種から、今使っている拳銃を含めショットガンやライフル、マシンガン等色々な種類がある。正直なところどの種類でもある程度は使えるだろう。今の銃が使いにくいというのは正確に言えば火力も少なく弾数も多くないので不良相手なら問題ないだろうが、相手が強者であれば、確実に火力負けしてしまうだろう。機動力は落ちるだろうけどそこは使い方次第でカバーは出来ると思う。噂によればライフルを打撃武器として近距離攻撃を行う人物もいるのだとか。
少し話はズレたけど、銃種はヒフミちゃんと同じアサルトライフルにすることにした。基本どんなスタイルでも取れるのでこれが自分に合ってるって特別思うものはなかったが、ちらっとヒフミちゃんのことを見てなんとなく自分もこれがいいって思った。
そこから性能とかの細かい部分はあまりよくわからないので、ヒフミちゃんと相談しながら決めていった。そして色々と相談しながら考えること数時間、大まかな部分が決まった。ここからは注文通りの銃を作成するのに2,3週間はかかるみたいだ。また出来上がったら来よう。
残りの時間はヒフミちゃんと遊んだりご飯を食べたりして充実した一日を過ごした。
二週間後……
「ミソラちゃん!早く行きましょう!」
「う、うん」
今、私はヒフミちゃんに手を引かれショッピングモールに向かって走っている。理由は当然、オーダーメイドで頼んでいた銃を受け取る為だ。ほんとは一人で受け取りに行く予定だったが、ヒフミちゃんが「せっかく二人で色々考えて作ったので最後までお付き合いします!」と一緒に付いてきてくれることになったのだ。ヒフミちゃんが凄くはしゃいで手を引いてくれているが、私もなぜか内心で早く受け取りたいという気持ちがある。それは、早く自分の武器を持って安心したいとか、そんな感情じゃない。いや、そんな感情も多少はあるが、それだけだとここまで高揚した気分にはならない。この感情の正体も知らないまま、ヒフミちゃんに引っ張られていく。
―武器屋―
目的の武器屋にたどり着いては早速、店員さんに注文していた銃を受け取りに来たことを伝える。店員さんは店の裏に入っていき、しばらくすると店員さんが一つの銃を持って戻って来る。店員さんが持ってきてくれた銃をヒフミちゃんが受け取ってはこちらに差し出してくる
「どうぞミソラちゃん!ミソラちゃんだけの新しい相棒です!」
私は差し出された銃を受け取る。白を基調とした色に空色のアクセントが加えられたアサルトライフル。その名を『フラット・イニティウム』と名付けた。ヒフミちゃんと選んだ私だけの銃、それを受け取った瞬間、心の高揚が高まる気がした。
―――あ、この感情知ってる、これが嬉しいって感情なんだ―――
先程まで正体のわからなかった感情、それがわかったような気がした。きっとこの感情は一人で選んでいたらここまで感じることはなかっただろう。ヒフミちゃんと一生懸命二人で考えて作ったものだからこそ、大切な友達と一緒だったからこそ、ここまで嬉しいと感じるのだろう。また一つ嬉しいという感情を、友達の大切さを学んだ気がする。
「ありがとうヒフミちゃん。大切にするね」
「いえいえ、私はただミソラちゃんのお手伝いしただけですから!」
「うん、だからいっぱいお手伝いしてくれてありがとう」
「えへへ♪率直に言われてしまうと少し照れちゃいますね♪」
ヒフミちゃんがほんのりと顔を赤くさせて照れる。
「では、この後ミソラちゃんに予定がなければ……ってあれは!?」
「えっ、あ、まって」
銃を受け取ったその後、恐らくこの前みたいに遊ぶのだろうと、ヒフミちゃんから誘ってくれるようだったが、その言葉の途中で何かを見つけたようで走っていく。私はその後を慌てて追いかけていく。走っていった先にはこのショッピングモールの屋上でモモフレンズのイベントが開催されるポスターが貼ってあった。どうやらあと一,ニ時間後には始まるみたいだ。
「ミソラちゃん、モモフレンズのイベントがもうすぐ始まるみたいですよ!!よかったら一緒に行きませんか!!」
「……ふふ、うん、行こう!」
「!?!?――はい♪行きましょう♪」
ほんの少し微笑んで返すとヒフミちゃんが驚きの表情を見せる、しかしすぐに笑顔に戻り、私の手を取ってイベント会場に向かって歩き出す。どうして驚いていたのかはわからないが、本人に聞いても「気にしなくていいですよ!」と笑顔で返されたので気にしないことにした。
その日のミソラは、ほんの少しだけ楽しそうな感情を表情に出しながら一日を過ごしていた
最後、ヒフミが驚いていた理由は普段感情を表情に出さないミソラが微笑んだからなんですね。いいですね、もっと色んな感情を学んでいってください。
知らないことを知っていって日々を楽しく過ごしていく姿はエデン条約編で出てくるアズサちゃんと近しいものがありますね。違いといえばばにたすを知ってるか知らないかの違いになるのかな?
それよりこれを書いてて思ったんですけど、始めはただミソラちゃんの固有武器を作ろうってだけの回だったはずなんですよ。なのに書いているうちに何故かヒフミちゃんとミソラちゃんの間に百合の花が見えるような気がして、これではヒフアズの前にヒフミソが出来てしまうじゃないですか!!!(いいぞもっとやれ)
実際ミソラちゃんの初期の設定が感情含め知らないことだらけの世界で色んなことを知っていきながら日常を過ごしていく感じなのでアズサちゃんと似てる部分があるこの子がヒフミちゃんとくっついたとしても違和感が働かないんですよね。
まぁ、百合の花が咲くかは置いておいて、ヒフミちゃんはこの作品でミソラと一番仲良くなるポジションになることは間違いないので、これからもっと仲の良い姿を見せつけて貰って