ブルーアーカイブ 〜欠片の物語〜   作:眠り狐のK

6 / 25
今回はセリナ回です


4話 お泊り会

 さて、新しい銃を手に入れてから数週間が経った。自分のスタイルに合った銃だとやはり戦いやすい。別にどの銃を使っても使いにくいとかそういうのはないけれど、自分自身に合わせた銃だから一番しっくり来る。この間も不良たちがお金が欲しいって銃を向けてきたからみんな眠らせておいた。

 

「おはようございます、ミソラちゃん。この前の怪我の具合はどうですか?」

「うん、セリナちゃんのおかげですっかり治ったよ。と言ってもかすり傷だけど」

「この前も言いましたが、小さな怪我でも油断して放置してると悪化しちゃうかもしれないので、ちゃんと適切な処置をしなくてはいけません。なので、どんなに小さくても怪我をしたら私を呼んでくださいね? どこにいても治療しに行きますから」

「わかった、ありがとう」

 

 そういえば、前の一件からセリナちゃんともお友達になった。セリナちゃんともたまに遊びに行ったりもしてるんだけれど、セリナちゃんは救護騎士団のお仕事で忙しいのかそこまで頻繁に遊べるわけではないので、どちらかというと怪我の治療とか救護騎士団のお仕事のお手伝いとかでお話することのほうが多い気もする

 

「まったく、ミソラちゃんは少しではあっても医療の知識持ってるんですから、これくらいの怪我なら自分でも治療出来るはずなのに、自分の怪我に関しては無頓着なんですから」

「無頓着というか、セリナちゃんのほうが気づくのが早いもんね」

「寧ろ気づかないほうがおかしいと思うのですが……」

 

 と言われても気づかないものは気づかないのだから仕方ない。それにそのときはセリナちゃんが基本的に気づいてくれるからその辺り安心している

 

「もう、自分でも気付けるようになってくださいね? あ、そういえばミソラちゃんって帰宅部でしたよね? よければ救護騎士団に来ませんか?」

「救護騎士団に?」

「はい、たまにお手伝いに来てくれますし、そのときのお仕事も問題なく出来てますから。寧ろ最初にお手伝いしてくれたときにあまり経験がないと言いながら完璧な処置しちゃうんですから驚かされちゃったくらいです。それに、私としてもミソラちゃんと一緒に治療するのは楽しいので」

 

 救護騎士団にか、考えたことなかった。というより色んな部活のお仕事お手伝いしたり色んなところに遊びに行ったりしてるから部活に正式に入るっていう事自体考えてはいなかった。

 確かに、救護騎士団でもそこそこお仕事はこなせてると思うし、セリナちゃんと一緒にお仕事するのも楽しい、でも

 

「ごめんね、色んなことをしてみたいから、今は難しいかも」

「そうですか……残念ですが、仕方ないですね。気が変わったらいつでも来てください。歓迎しますから♪」

「うん、どこか入るなら選ばせてもらうかも。お手伝いはいつも通り行くから」

「はい♪ あ、そろそろお昼の時間ですね。ミソラちゃん、特に予定とかなければ一緒にどうですか?」

「うん、食べる」

 

 何気ない会話を続けているといつの間にかお昼になっていた。お友達とお話してると大体時間の流れが早く感じる。きっとこれも、自身が楽しいって感じている証拠なのだろう。

 二人でお昼ご飯を食べることになったので近くのベンチに隣り合わせで座る。セリナちゃんは鞄からお弁当箱を取り出す。ピンク色のお弁当箱に蓋にはかわいいうさぎのイラストが書かれている、セリナちゃんらしいかわいいお弁当だ。自分も鞄の中からカロリーメイドの箱を取り出す。

 そのまま箱を開け、袋を開けて一本口に運ぶ。そんないつも通りの食事が始まろうとしているそのとき、ふと隣から視線を感じ視線の方向を向く。その視線の正体はセリナちゃんだった。

 

「……もしかしてミソラちゃん、お昼ご飯ずっとそれなんですか?」

 

 ふとそんな質問を投げかけられる。向けられた視線は自分を見ている、というよりは自分の食べているものに向けられているようだった。そして、その表情からは僅かに心配の色が見える気がする。とりあえず隠すこともないので正直に答えることにした。

 

「うん、そうだけど」

「駄目ですよ? ちゃんと栄養バランスのいい食事を取らないと、今日は私のお弁当を分けてあげますから」

「別に私はこれでも「駄目です! 栄養不足は身体にもよくないんですから、ちゃんとしたご飯食べてください」う、うん」

 

 別にこのままでもいいって返そうと思ったらまるで心を読まれてるかのように速攻で✕を出された。

 ご飯は基本的に簡単に済ませている。作るのがめんどくさいとか料理ができないとかそういうのではなくて、色んなことに手を出してる分時間を作ろうとご飯を作る時間が削られただけなのだ。

 

「……晩御飯もまともに食べてないとのことなので今日のご飯は私が作ってあげますね♪」

「えっ」

 

 

 


 

―――その夜

 

 あれからセリナちゃんのお弁当をはんぶんこしながら雑談して、お昼ご飯のあと少し遊んで別れた。晩御飯を作ってくれるとか言ってたからてっきり夜まで遊んでそのまま家に来るものだと思っていたが、準備があるらしく途中で帰っていった。別れてからは特にすることもなかったのでそのまま帰って今の時間まで家でのんびりと過ごしていた。今日はセリナちゃんが晩御飯を作ってくれるらしいのでご飯は用意してない。といっても基本的にカロリーメイドかコンビニのお弁当だから用意するも買うだけなのだが。

 

 ……そういえば家の場所教えてなかった気がするけど大丈夫なのだろうか。

 まぁ、来なかったら来なかったでいつも通りコンビニでカロリーメイドでも買って食べれば……

 

「駄目ですよ?」

 

 ナチュラルに心を読まれた。

 声のしたほうに振り返ると買い物袋にたくさんの野菜やお肉を入れて立つ私服姿のセリナが立っていた。

 

「こんばんは、セリナちゃん。家の場所教え忘れててごめんね」

「こんばんは、ミソラちゃん。いえいえ、救護騎士団としてすぐ治療に向かえるようにミソラちゃんの自宅は把握してたので大丈夫ですよ。ミソラちゃんはすぐ怪我してきちゃいますから」

 

 なるほど、理解した。家の場所はヒフミちゃんなら知ってるしヒフミちゃんから聞いたのかな。家の鍵は閉めてたはずだけど入れて来れてるし閉め忘れてたんだろう。

 

「お部屋は思ったより綺麗なんですね、ご飯は適当に済ませてると言ってたのでてっきり多少は……って失礼なこと考えちゃっててすいません……」

「ううん、大丈夫。汚れないようにしてるから保ててるだけで汚れだしたらそうなってたかもしれないから」

「そ、そうですか……。ともかく、今日はお昼に言った通り、ミソラちゃんの晩御飯を作りに来ました♪」

「わざわざありがとう」

「いえいえ、これも救護騎士団の活動の一環とも言えますから。健康的な食生活は身体の不調の防止にも繋がってきますから。ということで少しキッチンをお借りしますね?」

「うん、大体の調理器具はあるはずだからなんでも使って」

 

 そう言ってセリナちゃんはキッチンに入っていく。私は席に座って大人しく待っておくことにした。

 そういえば、誰かにご飯を作ってもらうなんてことは初めてだなとふと思った。トリニティに入学する前にも友達はいたはずだが、ここまで貰った記憶はない。まぁ、その友達も顔も名前も覚えてないし、今どこで何をしてるのかもわからないし、年月で忘れてしまうくらいの仲だったのだろう。となると、自分の人生で一番の友達はヒフミちゃんになるのだろうか、その次がセリナちゃん?

 ここまで昔のことを考えてきたけど、正直覚えてない昔のことはどうでもよかった。昔に何か大きなトラブルを起こしたとか、事件に巻き込まれたとかあるわけじゃないし、トリニティに入学してから色々な出会いがあって、色々な感情を学べて、日々楽しい生活ができている。そんな平凡な過去のことより、今のことを考えるほうが何倍もいい。

 

「お待たせしました♪」

 

 そんなことを考えているうちにいつの間にか料理が終わったようでエプロン姿のセリナちゃんが料理を持ってキッチンから出てきた。そしてテーブルの上にカレーやらスープやらサラダやらが並べられる、凄くいい匂いがする。

 

「凄い、美味しそう」

「えへへ、野菜もたくさん入れてるので栄養バランスも問題なく作ってるので、たくさん食べてくださいね」

「うん、ありがとう」

 

 私もお皿を出したりジュースを出したりとお手伝いをして一緒にテーブルに並べていく。料理を並べ終えると、二人揃って向き合うようにテーブルに座り、手を合わせる

 

「「いただきます」」

 

 二人揃って食事の挨拶を済ませると、早速カレーをスプーンで掬って口に運ぶ。熱々のカレーのまろやかな風味とごろっとした野菜やお肉が口いっぱいに広がっていく、そこに程よい辛味がさらに旨味を引き立たせていく。辛さで言えばどちらかというと甘口寄りだろうか、辛さよりもまろやかさが引き立つように作られているその味はまさにセリナちゃんの優しさが込められてるとも言える。

 

「うん、凄く美味しい」

「お口に合ったみたいでよかったです♪ 救護騎士団として患者さんのために栄養バランスを考えた食事を作ることは結構あるんですけど、こうやってお友達の為に作るのって実は初めてだったので、味にも色々気を遣ってみたんですけど、美味しいって言ってもらえて安心しました♪」

 

 素直な感想を口にするとセリナちゃんは少し照れながらも安心した表情を浮かべる。その表情見て心の中がぽかぽかする。セリナちゃんが作ってくれたご飯を口にするたびにそのぽかぽかが強くなっていく。それは、どこかで感じたことのあるようで、僅かに違う温かさ。ヒフミちゃんと、一緒にご飯を食べてるときに似たようなぽかぽかを感じる。でも、それとは少し違うような気がする。

 ふと、一つの言葉が頭をよぎる。これが、〘家庭の味〙というものなのだろうか、と。

 聞いたことがある。コンビニの弁当や、お店の料理では感じることの出来ない、誰かが自分の為に作ってくれる手料理でしか得ることの出来ない感情が存在すると。それが〘家庭の味〙というものなのだろう。この感情も悪くない、幸せの感情の一つだ。

 そんな温もりを感じながらご飯を食べていると、気がついたらもう完食してしまっていた。お腹も満たされ、心も満たされ、食への楽しみをまた一つ知れた気がする。

 

「ご馳走様でした、凄く美味しかった」

「お粗末様でした♪ 美味しそうに食べてくれてたので私も嬉しいです♪ あ、カレーとスープは数食分作ってあるので、明日明後日と温めて食べてくださいね」

「うん、色々ありがとう」

「いえいえ、それでは私は片付けが終わったらそろそろ帰りますね?」

 

 いつの間にかセリナちゃんも食べ終わって食器を片付けていた。ご丁寧に食器を洗うところまでしっかりやってくれている。時計を見るともう9時近くにまで時間が経っていた。この時間に一人帰らせるのも気が引ける。となればあのイベントの出番かもしれない

 

「時間も遅いし、よかったら泊まっていって?」

「え!? そ、それは流石にミソラちゃんにご迷惑をかけちゃいます……! それに、着替えとかも何も用意してないですし……」

「着替えは私のを使えばいい、この遅くに帰るほうが危ないし、晩御飯のお礼と思って」

 

 そう、あのイベントとは〘お泊り会〙。着替えはヒフミちゃんから貰ったものとか一緒に買ったものとか色々あるし、お客さんが来てもいいように布団とかも2人分ある。どちらかというとこの時間に帰らせるほうが不良に襲われる危険性とかもあるし、まぁ、そこに関しては自分が一緒に行って送ってあげればいいのだが、セリナちゃんさえよければこっちのほうが手っ取り早い。お泊り会をしてみたいっていうのもほんのちょっぴりある。

 

「晩御飯に関しては私がやりたくてやったので気にしなくていいのですが……え、と、そうですね…………ふふ、それではお言葉に甘えちゃってもいいですか?」

「うん、もちろん」

 

 最初は困惑した表情を浮かべるセリナちゃんだったが、少し考えてはお泊りしてくれることになった。

 

「すいません、あんまりそんなことを言ってもらえることがなかったのでちょっと混乱しちゃいましたが、えっと、お世話になります♪」

「うん、せっかくだし楽しいお泊り会にしよう」

「そうですね♪ せっかくなので楽しんじゃいましょう♪」

 

 セリナちゃんが改めてとぺこりと頭を下げた後、こちらに笑顔を向けて来たので、こちらも微笑み返す。

 それからセリナちゃんには先にお風呂に入ってもらって、私はセリナちゃんの着替えやお布団を準備することにした。そして、一通り準備が施錠のほうも確認しておく、泥棒とか入ってきたら危ないしね。うん、玄関の扉も窓も鍵は閉まってるね、閉め忘れがあったら閉めないといけないけどまぁ、家に帰ってからどこも開けた記憶がないから、基本的には大丈夫なはずなんだけどね。

 セリナちゃんがお風呂から出た後は自分がお風呂に入り、その後は就寝まで二人で楽しくお話したりした。

 

 

 

 

 

 

 

 

――その日はセリナちゃんとのお泊り会を目一杯楽しんだ――

 

 




今回の話を書いててセリナちゃんのママ力が凄い高くなってるような感じがしました、セリナママ概念?
原作でセリナが料理をする描写はなかった気がしますが、多分それなりに出来ると解釈してます。
セリナちゃんが作るご飯は家庭的な料理というよりは栄養バランスがしっかりと考えられた料理っていうイメージがあります。そこにセリナちゃんの手心と優しさが込められるので最強ですね、はい
この作品ではヒフミちゃんを親友ポジに置くことは決まっていて、それ以外は割とノリで書いてるんですけど、この調子で書くとセリナちゃん、負けないくらい友好度上がりますね、いいぞもっとやれ
セリナちゃんの不思議能力、先生にしか発揮してる描写がないので先生限定の能力なんて説もあるみたいですね。シャーレのセキュリティをくぐり抜けるなんてどんな能力なのでしょうか。テレポートだったりテレパシーだったりこれで星1ってまじですかキヴォトスとんだ魔境ですね

さて、冗談はおいておいて、セリナちゃんの不思議能力についてですね。正直明確な描写がないので想像におまかせしますって部分になってる気もしますが、この作品に関してはまぁ、どんな捉え方で考えてもらっても影響はありません。セリナちゃん優しいので悪いように使われることはないですしね。
あ、あと、後書きに関しては自分の思ってることを適当に書き殴りますがミソラちゃんに関して呟くことはほとんどないと思います。
表面上でうちの子を可愛がるとかはあるかもしれないですけど、せっかく撒いた伏線を潰すことはしたくないですからね、するとして回収した後になりますかね

さて、セリナちゃんを語る会はこの辺にしておいて、一つ報告として、感想の設定をログインユーザーのみからログインしてなくても書けるように変更しました。まぁ、デフォルトで匿名でもいけると思ってたら違っただけなんですけど。
感想に関しては読んでくれるだけで嬉しいので書かなくても全然いいですが、応援コメとか貰えたらモチベに凄く繋がるので書いてくれたら泣いて喜びます
といっても、自分が書きたいものを書いてるだけなので、たとえアンチされても書きますけどね!
と、報告は以上になります。次話も是非楽しんでくれたらと思います









みなさんはセリナちゃんはママか嫁かそれ以外か、どれがいいですか?
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。