ブルーアーカイブ 〜欠片の物語〜   作:眠り狐のK

7 / 25
大変長らくお待たせしました!
自分のペースで書いていこうとのんびりしてたらのんびりしすぎちゃってました。
まぁ、実際のところ仕事疲れやコロナの後遺症とかもあって難しい部分もあったり……
ということで今回もちょっとしたほのぼの会です
ゲヘナ出張編です


5話 太陽の下のフロイライン

「うーん、もう少し……寝心地のいい場所……」

 

 現在、私はお昼寝にちょうどいい場所を探してゲヘナまで足を運んでいる。今日みたいになにもない日は、その日の気分次第で音楽を聞きながら日向ぼっこしたりもしている。今日は部活のお手伝いもないし、ヒフミ達も他の約束があるとのことで完全にフリー、さらに今日は快晴なのでお昼寝にちょうどいい天気なのもあって、日向ぼっこに良さそうな場所を探している途中である。ちなみにどうしてゲヘナまで来ているかというと、たまにはトリニティ以外の場所でお昼寝したいなと、そんな気分だっただけなのである。

 

「あ、この辺りとか良さそう」

 

 お昼寝にいい場所を探し始めてから数十分、一帯の草むらが目に入った。周りには何もなく、木が何本か生えているだけの場所。それ故に人も殆どおらず、きっと静かな一時を過ごせることだろう。

 私は、草むらに入り一番お昼寝にいいポジションを探し出す。どうせお昼寝するなら一番気持ちがいい場所がいい。気持ちよく風を浴びられて、寝心地もよく、座っているときにはいい景色が見られるような場所、そんな場所を選びたい。そうして良さそうなポジションを探していると、一人の先客がお昼寝しているのが目に入る。ふわふわとした赤い髪にその腕にはゲヘナの校章が入った腕章がつけられており、気持ちよさそうにお昼寝している少女に少し近づいてみると、足音が聞こえたのかその少女が目を覚ます。

 

「ん……ぅ…………おや……貴方もお昼寝ですか? こんな天気の良い日ですからね、お昼寝したくなる気持は良く分かります。ですが、ここは私が先に見つけたベストポジションなので別のところに…………ってその制服、トリニティのじゃないですか。トリニティの生徒がゲヘナに何の用です?」

 

 目を覚ました少女は、途中まで眠そうな目でこちらに話しかけて来ていたが、私がトリニティ生と分かると一変してその目には警戒の色が浮かぶ。私はどうしてそんなに警戒されているんだろうとくてっと一瞬首を傾げたが、そういえば聞いたことがある。ゲヘナとトリニティは対立関係にあって、その仲はかなり悪いのだとか。

 

「何の用って、君の言った通りお昼寝しに?」

「いやいや、お昼寝のためだけにトリニティからゲヘナに来るって流石に怪しすぎます……ってなんでナチュラルに隣に寝転がってるんですか! ウェーブキャットの枕まで用意して……もしかしてほんとにお昼寝するためだけにここに来たんですか……?」

 

 困惑した様子の少女を横目に寝転がり、日向ぼっこの体制に入る。

 

「はぁ……これ以上ツッコむのも面倒くさいですね。私としては面倒事にならないなら別に構いませんしね」

 

 赤髪の少女も諦めたかのように再び寝転がる。こちらとしても面倒事を起こすつもりはなく、トリニティとゲヘナの仲が悪いとか知ったことではない。無論、相手がゲヘナだから扱いを変えるなんてフェアじゃないこともするつもりはない。

 

「名の知れぬ人物が隣で寝てるというのもモヤモヤしますので、自己紹介くらいはしておきましょうか。棗イロハです、お見知りおきを」

「うん、私は黒崎ミソラ、よろしく」

 

 互いに寝転がった体制を崩すことなく自己紹介を終える。

 

「それで、どうしてわざわざゲヘナまで?」

「たまにはトリニティ以外でお昼寝したかったから?」

「そんな理由で……ミソラさん貴方、ゲヘナでも充分やっていけると思いますよ? ともあれおサボり仲間……もといお昼寝仲間が増えたのはいい収穫です」

 

 いつの間にかおサボり仲間認定された……というよりサボってたんだ。と一瞬思いながらも暖かい陽の光と心地よく吹く風にそんな思考もどうでもよくなってくる。心地よい風に心を落ち着かせていると隣で寝転がっているイロハちゃんが口を開く

 

「ミソラさんは……ゲヘナのことはなんとも思ってないんですか?」

「なんとも……って?」

「ゲヘナとトリニティは犬猿の仲にあることはご存知だと思います、でもミソラさんからはゲヘナに対して敵対心が見えません。それどころかこうやって初対面のはずの私とお昼寝までしてます」

「んー……うん、別にゲヘナのことは嫌いじゃないよ、だってゲヘナだからって嫌うのはフェアじゃないから」

「フェアじゃないから嫌わないと? ゲヘナだから嫌いというトリニティ生も多いというのに……ミソラさんみたいな人もいるんですね……これはトリニティの評価を改めてもいいかもしれませんね」

 

 最後らへんの言葉はよく聞こえなかった。しかし、イロハちゃんの表情は最初と比べて警戒の色もなくなり柔らかいものへと変わっていた。そして出来上がったのがトリニティの生徒とゲヘナの生徒が隣り合って日向ぼっこしながらお昼寝しているという何も知らない人間からすれば異様な光景、ましてやこの二人は付き合いの長い友人というわけでもなく数十分前に初めて会ったのだというのだからその異様さにも拍車がかかる。

 

「さて、せっかくおサボり仲間も増えたことですし、二人でのんびりサボるとしましょう」

 

 とうとう堂々とおサボり仲間と言い切っちゃった。というよりここでサボってていいのだろうか。私は元々仕事もなくお昼寝しに来てるから問題ないが、この人は堂々とサボってるって言っている。つまりは仕事があるはずだ。

 

「おや、今仕事サボってて大丈夫なのかって顔をしましたね? 問題ありません、今日の分の仕事は既に終わらせてありますから、サボってても影響はないですから」

 

 顔に出ていたのか考えていたことが読まれたしまった。ともあれ、問題ないならよかった、のかな?

 

「ところで、こんないい天気の中でのおサボりです、コーヒーとか甘いものとかも欲しくなっちゃいません?」

「うん、欲しくなるね」

「実は私も先程まで食べていたのですが」

 

 と、そう言いながらイロハちゃんはこちらの視線を誘導するように目線を動かす。その視線の先を見ると、既に空になったお菓子の袋が置いてある。自分のお菓子がなくなったから私のを分けてほしいということかな?

 

「私もお菓子とコーヒー持ってきてるけど、食べる?」

「おや、分かってますね、流石です。……まぁ、実は私もまだ残ってるんですけどね」

 

 イロハちゃんは隣の鞄の中をごそごそと漁ると中から新しいお菓子を出してはにやっとしながらこちらに向けてくる。あぶなかった、立った状態でこれをされていたらどこぞの新喜劇みたくがくっと転んでしまっていたかもしれない。

 

「ふふっ、まんまと誘導されてお菓子を出してしまいましたね? それではお互いにはんぶんこといきましょう」

 

 いたずらが成功した子供のような反応をしながらもお菓子の袋を開けては一つどうぞと差し出してくる。お礼を言ってありがたく受け取っては、自分のお菓子も同じように開けて中身を一つイロハちゃんに渡してみる。そうするとイロハちゃんは少し微笑んでありがとうございますと返してくれる。

 この感情は知っている。ヒフミちゃんやセリナちゃんと一緒にいてよく感じる感情。美味しさをはんぶんこする喜び、幸せを共有する楽しみ、そんな感情。

 ゲヘナは野蛮な人が多いなんて噂をよく聞くけど、噂は噂。確かにそういう人もいるかもしれないけど、みんながそうじゃない。それは平等に接してみないとわからない。

 だって、イロハちゃんはこんなにも優しい。確かに、お仕事をサボったりする自由な人ではあるけど、こんなにも暖かい。

 この世界の人達は、私に暖かい感情を教えてくれる。このままずっとみんなと暖かい世界で生きていきたいな。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 そんなことを思いながら残りの時間をイロハちゃんと楽しく日向ぼっこして過ごした。




このままミソラちゃんには暖かい世界をずっと感じていてもらいたいですね(できるといいね)

今回はイロハ編でした。
え、タイトルで予想ついてたって?それは失礼しました。
個人的にイロハの性格はやることはしっかりやってその上でサボるっていう面倒くさがりでサボり魔だけど実はしっかりしてるタイプの子だと認識してます。仕事での僕と同じですね
あとはモフモフ度合いがとてつもなく高くキヴォトス生徒の中で「一緒にお昼寝したい生徒ランキング」の五本指に入る子だと認知してます(?)
フロイラインって意味を調べてみるとドイツ語で未婚の女性を意味するらしいですね。キヴォトスの生徒全員フロイラインなのでは?
でもなぜかイロハが一番しっくりくる気がするんですよね。
そういえばイブキもとうとう実装されましたね。イブキの絆ストーリー最後まで読んでとてつもなく加護欲をそそられるんですよね、なんというか、娘の成長を見守る父親の感情ってこんなかんじなのでしょうか?
イブキは僕の娘だったかもしんない(は?)
そうなるとイブキのママはやっぱりイロハになるんですね、そしてパパが先生と……あれ、なんかデジャヴ……
ミレニアム……ゲーム開発部……アリス……ママユウカに先生がパパ……(存在しない記憶)
またアリスにお時間頂かれたいです
ゲヘナって自由が過ぎた人達の行動が目立ちすぎて野蛮なイメージがありそうですけど、その裏いい子もたくさんいるんですよね。
ヒナとかフウカとか、例に漏れずイブキやイロハもですね。というかイブキはいい子すぎてこの子だけでゲヘナの印象ひっくり返せるのでは???

っと、イブイロのことばかり語ってしまいましたね。
実はこのおサボり期間の間にいくらかこの作品の設定が固まっていった部分もあるので、その辺りしっかり出せていけたらなと思います。
オリキャラも出す予定なのでお楽しみに!

ところで、オリキャラ作るのって適当に設定作るのは簡単ですけどブルアカのキャラになぞってモチーフからそこにあたる共通点までさりげに盛り込んだ設定とかまで考え出すと一人一人に使うリソースが大きくなってかなり大変じゃありません?
どうせやるならしっかりしたいっていう天使の部分とちょっとぐらい手抜きしても……っていう悪魔の部分が常に脳内で銃撃戦してる作者さんなのでありました。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。