ブルーアーカイブ 〜欠片の物語〜   作:眠り狐のK

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ほのぼの回ばかりだと思ってた読者に悲報です。
この作品はブルーアーカイブです。


6話 不吉な予感

「おはようございます、ミソラちゃん!」

「おはよう、ヒフミちゃん」

 

 トリニティのとある噴水の前、ヒフミちゃんと合流して挨拶を交わす。

 ヒフミちゃんと遊ぶ時はこれがいつもの光景となっていた。いつもの噴水で、いつも通りの景色を見ながらヒフミちゃんと合流して、いつものように挨拶を交わすところから一日が始まる。

 この場所はトリニティの外れ付近にあって、トリニティの外で遊ぶも、中で遊ぶも、どっちを選んでも丁度いい場所に位置している。この場所なら、無計画にその場その場で予定を立てるような日でも動きやすい。

 ちなみに、基本的にどちらが先に着いているっていうのはなく、五分五分といったところ。友達を待っている時間もワクワクするし、噴水に行ったら友達が待っててくれるのも、これぞ友達関係って気がしてワクワクする。

 ほんとに、トリニティで友達が出来るまではこんな感情は知らなかった。このワクワクも、人の優しさを感じることも、ポカポカする時間も、全てが初めての体験だった。トリニティに入学して数ヶ月、色々な経験をして少しずつ感情を理解していっている。このままもっと色々な感情を知れたらいいな。

 

 そういえばトリニティに入学する前の自分ってどんな感じだったかな。ごく普通の中学生として過ごして、普通に友達とかも作って、平凡な日常を過ごしてた気がするんだけど、ほとんど思い出せない。この世界に生まれ、ここまで生きてきたはずなのに、自分の過去に関して具体的なエピソードが一切出てこない。

 まぁ、それだけ何も無い薄くて平凡な日常を歩んできていたということなんだろう。そんなことより今を楽しく生きよう。

 

「今日はどこに行くの? ペロロ様のイベントとかは確かなかったよね?」

「そうですね。ですが、私はとある情報を入手してきました!」

「情報?」

 

 きょとり、と首を傾げる私にヒフミちゃんは話を続ける。

 

「実は私達が前に逃してしまったペロロ様桜verのクッションを入手できる場所の情報を聞いたんです!」

「おぉ、それはいいね」

 

 ペロロ様桜verのクッション、入学式verのイベントが終わったあとの春の終わり頃のほんの短い期間だけ販売されたモモフレンズの桜シリーズ。

 期間がかなり短いこともあってモモフレファンの集まりが凄く、私達もそれに参加したが、売り切れてたりそもそも店に一部しか置いてなくて販売されてなかったものがあったりしていて、色々なところをはしごしていった結果、一部入手できなかったものがあるシリーズである。そして、その一つがペロロ様桜verのクッション。

 確か、ペロロ様が桜の木にもたれ掛かって寝ている姿がデザインとしてクッションにされていたはずだ。寝てる姿なのに目は変わらずにぱっちりと開いたままなので「これで寝てるんだ……」ってツッコミを入れそうになったのは秘密。

 

「あはは……え、と、その手に入る場所というのがですね……、ブラックマーケットでして……」

「あ……なるほど……」

 

 急にヒフミちゃんが目を逸らして言いづらそうに喋り出すので一瞬頭に?マークが浮かんだがなるほど、ブラックマーケットは口に出しづらいのもわかる。

 ブラックマーケットとは、不良や裏世界の住人達が多く巣食っているような治安の悪い場所であり、そこにはキヴォトスで生産中止となった物や、違法指定されているような武器や道具なんかも当たり前のように売られている俗に言う裏社会に分類されるようなエリア、闇市とも言える場所である。

 確かにそんな場所なら発売が終了したペロロ様グッズが売ってあってもおかしくない。それにしても……

 

「もしかしてちょこちょこブラックマーケット行ってたりする?」

「あ、あはは……その、ペロロ様の情報があったときにほんの少しだけ……」

「あそこ結構治安悪いから危ない場所なのに」

「その、ちょっとお買い物するだけですし……問題が起こりそうな場所に近づかなかったら大丈夫かなって……」

 

 なんとなくカマをかけてみたら大当たり、目を泳がせながらヒフミちゃんが話してくる。とはいえ、好きな物の為と言っても、ブラックマーケットに行っていることに少しは思うこともあるのだろう。と、言いながらも今日もペロロ様のために行こうとしているのだからヒフミちゃんらしい。

 

「それじゃ、いこっか」

「ミソラちゃん……! ミソラちゃんがいてくれたら安心です!」

 

 安堵した様子でヒフミちゃんの表情が明るくなる。友達の頼みだし断るわけがない。

 それにしてもいくら友達相手とはいえ自分はブラックマーケットに行ってますなんてよく正直に言えたと思う。ブラックマーケットはトリニティの上層部でも警戒してるくらいには危ない場所なので、もしこのことがティーパーティーにでも知られたら何を言われるか……。

 まぁ、それだけ信頼されていると考えれば喜ばしいことでもあるのかもしれない。

 

「ブラックマーケットは危ないから気をつけていこう。こっち、近道を知ってる」

「そうですね、気をつけていきま……ん?近道?ミソラちゃん?」

 

 ブラックマーケットに行ってたのはヒフミちゃんだけとは限らない。

 

 

 


 

 

ブラックマーケットのとある路地裏

 

 この場所はトリニティのとある一つの路地裏からトリニティの外に出て、そこから一本道に最速でたどり着ける場所。

 ブラックマーケットの路地裏といえば不良とかが隠れて縄張りしてそうなイメージはあるし、実際そういう不良もかなりいる。しかし、この辺りの道に限ってはそうではなく、近くにマーケットガードの本拠点があることもあって縄張りにしようと思う不良なんてほぼ存在しない。

 つまりは、誰にもバレずにトリニティを抜け出せて、最速でほぼ安全にブラックマーケットに侵入できる絶好のルートとなっている。

 

「ここからはブラックマーケットに入っていくから気をつけよう」

「そ、そうですね……目をつけられないようにしないと……」

 

 マーケットガードの本拠点が近くにあるとはいえ、ここは裏の人間が集まるブラックマーケット、この付近で問題を起こそうとする人間が他の場所と比べて比較的に少ないためある程度安全とは言えるが、まったくいないかと言われればそうとも言い切れない。

 警戒を固めながら路地裏を出ようとしたそのとき、足元で何かが光った。

 

「これは……懐中時計?」

 

 光の正体を確かめようとその場にしゃがみ込み確認すると、そこには懐中時計が落ちていた。その懐中時計は、普通の時計と同じような長針と短針、それに加えて12の方向と6時の方向にまるでコンパスのような対象的な針がある遠目に見ても変わったデザインをしている。

 12時を指す針は明るい緑色に光っており、6時を指す針は白く、電源の入っていないライトのように落ち着いている。何かをすれば反対側の針と同じように光るのだろうか?

 そんな印象を持ちながらも、誰かの落とし物だろうかと懐中時計を拾おうと手を伸ばす。そして、手が懐中時計に触れた瞬間……

 

 

 

 

 

 

 

―――繧ォ繝溘ヮ豁」鄒ゥ 繧ク繝偵ヮ螟ゥ菴ソ  繧ュ繧ェ繧ッ繝主ー大・ウ―――

 

 

 

 

 

 

(……っ!?)

 

 目の前の景色が変わり、脳内に何かが流し込まれてくる。

 しかし、流し込まれてくるナニカが何かわからない。何かの言葉のようにも聞こえるけど、本当に言葉なのかと言われるとなんとも言えない。自分の知らない国の言葉みたいな雰囲気じゃない、まるでバグで文字化けした文章をそのまま言葉として発しているような、そんな言葉じゃない言葉が頭に流れ込んでくる。

 目の前の景色は、さっきまでのブラックマーケットの路地裏から一変して何も無い白い世界にいる。そして、そんな世界の中自分の前には黒い人の形をしたナニカがある。

 脳内に流れてくるモノ同様そのナニカの正体はわからない。本当に人なのかもしれないが、その正体を隠すように、黒い砂嵐で覆われてるような形をしている。

 

 

 

 

 

 

 

 ―――蠖シ螂ウ縺ッ繝翫ル繝ヲ繧ィ驕主悉繧偵Α繝ォ―――

 

 

 

 

 

 

(な、に……これ……)

 

 続く形で頭に同じような言葉じゃない言葉が流し込まれてくる。それに合わせるように視界に広がる景色が切り替わる。

 先程までは何も無い真っ白な世界にいたが、今は白い世界に黒い水のようなものが波を立てている。まるで色が白と黒の2色だけになった世界の砂浜にいるような感覚、それでも音はなにもしないので形だけそう見える感じになっている。

 そして、その白い世界に4つの先程見た黒いナニカがいる。それぞれが正体がわからないながらも人の形はしている。

 これらを人と仮定して、その姿は一人は別の一人を膝枕するような形になっており、膝枕されているナニカは死んだ人間のようにぐったりしているようにも見える。そして、その二人を見下ろすかのように残りの二人が近くに立っている。

 今自分が見ているこれは夢なのだろうか。いや、夢にしては意識がはっきりしすぎている。それなら幻覚?もしくは何かしらの能力みたいなものを使われている?

 

 

 

 

 

 

 

―――蠖シ螂ウ縺ッ繝翫ル繝ヲ繧ィ諷域ご繧偵い繧ソ繧ィ繝ォ―――

 

 

 

 

 

 そんな考えを遮るようにナニカが流れ込んでくる。そして、同じように場面は切り替わる。

 次に見えるのは角の丸い箱に黒いナニカが二人隣合って座っている。片方が片方の手を握っているような形に腕が伸びており、握られている側のナニカは浄化されているかのように黒い砂嵐が落ち着いており、柔らかな白い光がほんの少しだけ見える。その姿はまるで心を癒すカウンセラーとその患者の様子のように捉えられなくもない。

 

 

 

 

 

 

 

―――蟆大・ウ縺ッ繝薙Ι繧ヲ繝峨え繝守悄螳溘r繧キ繝ォ 蟆大・ウ縺ッ繧ォ繧ア繝ゥ繧呈Φ繧、邯壹¢繝ォ―――

 

 

 

 

 

 畳み掛けるようにナニカが流れ込み続けてくる。次に切り替わった先は黒いナニカが二人、一人が壁に寄りかかって座り込み、もう一人は壁に寄りかかったナニカを見下ろす形で立っている。やがて見下ろしている方のナニカが粒子のように消えていき、座り込んでいるナニカに入り込んでいく。

 

(……っ)

 

 一瞬、視界がテレビの画面のような砂嵐に埋め尽くされ、ザーッという雑音まで一瞬聞こえてくる。

 先程から言葉のようなナニカだったりテレビの砂嵐のような雑音だったり、一見不快に感じてしまいそうな音ばかり聞こえてくる。それなのに不快に感じず、寧ろ今見えているモノ、聞こえているモノの正体が何か気になってすらいる。この、夢とも幻とも現実とも、どの言葉で表そうとも異質な光景の正体を知りたいと。でも、その感情を持つと本能がこの正体を知ってはならないと警告を上げてくる。

 砂嵐が晴れると場面は更に切り替わっている。次の場面では、黒いナニカがぽつんと座り込み、掌のようなモノの上に優しくなにかを乗せているような光景が見える。変わらず白と黒だけの世界なのでその何かの正体はわからないが、目を凝らして見てみると、掌のようなモノの上にあるモノはハートの形をした何かのようだ。

 

 

 

 

 

 

 

―――蟆大・ウ縺ッ荳也阜縺ォ繧ォ繧ア繝ゥ繧偵ヮ繧ウ繧ケ 谿九▲縺溘き繧ア繝ゥ縺ッ荳也阜縺ォ隱阪a繝ゥ繝ャ繝ォ 繧ォ繧ア繝ゥ繝丈ク也阜縺ォ繝槭う繝「繝峨Ν―――

 

 

 

 

 

 次に切り替わった場面では、黒いナニカが膝の上にあるモノに対して手のようなモノを動かしている。あれは形からして本だろうか?

 

(本に何かを書き記している?)

 

 そんな動作のようにも感じられる。

 何を書き記しているのだろう。白と黒だけの世界、何かを書き記しているとして絶対にその内容を知ることは出来ない、それを理解しているのにそれでも中身が気になってしまう。

 そんなことを思いながら見つめていると先程のテレビのような砂嵐が再び視界を埋め尽くす。今度は先程よりも長い。もしかすると、この夢の終わりが近づいているのかもしれない。

 

 再び砂嵐が止むと、次の場面に移る。しかし、次の場面は他の夢と比べると違和感がある。

 黒いナニカが中心に立ち、それを囲むかのように黒いナニカがある。しかし、中心のナニカを囲んでいるナニカは他のナニカよりもモザイクがかけられているかのように判別ができない。

 他のナニカと同じように人の形をしているのか、何人いるのか、何をしているのか、他と比べて雰囲気ですら掴むことが出来ない。

 辛うじて中心に立っているナニカが人の形をしているのはわかるが、そちらも周りに比べてわかるというだけで、同じようにモザイクがかけられているよう。

 何かを持って何かをしている?左手には本……なのだろうか、モザイクのせいで分かりづらいが、本のような形のモノを持っている。右手には小さくて四角いものが、これは……カード?

 

 モザイクのせいで何を表してるのかすら見えにくい黒いナニカ達。しかし、他の映像と明確に違うことが一つ。

 先程のモザイクのことではない、真ん中にいる黒いナニカ、これを見ていると、何故か心が暖かくなってくる。他のナニカを見ていても起きることはなかった現象、知らない感情だけど例えるならそう、まるで自分の大切な相手を見つめているような、好きな人と一緒にいるような暖かさとでも言えばいいのか。

 気がつくと無意識のうちに黒いナニカに手を伸ばしていた。届くはずがないとわかっていながら、それでも本能が身体を動かしてしまっていた。

 

(教えて、この温もりはなに?)

 

 本能的に、教えを請うように手を伸ばし続ける。しかし、どれだけ届かせようと手は届かない。無意識のうちに話しかけようと口が動くが声が出ない。当然、届くはずもない。

 そんなことをしているうちに、視界が徐々に砂嵐で埋まっていく。この、暖かさが何かを知らぬまま、黒いナニカの正体もわからぬままこの映像が終わってしまう。

 

(待って……!せ―――)

 

 本能に従うように口が動くが、遮るように視界が砂嵐に埋められてしまった。

 今、自分は一体何を呼ぼうとしていたのだろうか。本能的に口が動いてしまったが、自分は黒いナニカの正体を知らないはず。それなのに何を呼ぶことがあるのだろうか。

 

(ぁ……ぅ……うぅ……)

 

 今までと違ってこの砂嵐が消えることがない、いつまでたっても次の場面に切り替わらない。砂嵐の音が徐々に大きくなっていく、直接頭に響いてくる音に声の出ない口から呻きが出てしまう。一体、自分の見せられているものは、音はなんなのだろうか。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ソして、この譛ェ譚・縺ョ蟷サ蠖アはオワリを告げル

 

 

 

 

 

 

 


 

「ぁ……え……?」

 

 気がつくと元の路地裏に戻っていた。

 先程まで、何か夢を見ていたような気がする。しかし、何を見ていたのかよく思い出せない。何か、得体の知れないものを見ていたような……。

 

「戻って……きて……ない?」

 

 確かに元の路地裏に戻ってきていたが、その風景には違和感しかない。現実という感じはしなく、まだ夢の中にいるような感覚がする。それに、ヒフミちゃんがどこにもいない、拾ったはずの懐中時計もどこにもない。

 また、何かを見せられるのだろうか。

 

 ふと気がつくと、後ろから複数人の足音が聞こえる。振り向くと不良が誰かを連れて歩いてきている。

 段々とこちらに近づいてくるが、自分に気づく様子はない。

 

「その子を、離して!」

 

 かなり近距離にまで近づいてきて、不良が連れている人物がはっきりと認識できるようになる。

 自分よりかなり小さい身体に、明るい黄緑色の長い髪、円の中心に木のような模様がある黄緑色のヘイローに左胸には紫色の花と黄色の花をつけた少女。

 その少女が不良に連れ去られるように担がれている。ぐったりしているので気絶しているのかとも思ったが、ヘイローが見えるので辛うじて意識は残っているようだ。

 そんな不良達を見て反射的に止めようと声を出して手を伸ばすが、声は届いてないようで、手も不良達の身体をすり抜けてしまった。

 ようやく、この世界が夢なのだと認識できた。しかし、夢にしてはリアルすぎる、意識もはっきりとしている、ただの夢でないことは明確だ。

 そのまま離れていく不良達に見ていることしかできなく、どうすればいいのかと頭を悩ませてる最中

 

 

―――たす……けて……―――

 

「え……?」

 

 脳内に囁きかけるように声が聞こえた。声が聞こえたであろう方向を見ると、担がれてた少女が顔を僅かに上げて透き通るような黄色い瞳でこちらを見ている。まるで、自分の姿が見えているかのように、自分のことを認識しているかのように。

 この世界がただの夢でないことは認識しているが、所詮は夢。不良達が自分に一切気づかず、触れることすらできない。つまりは自分が何をしようともこの世界で彼女を助けることは出来ない。だって、お互いに干渉することが出来ないのだから。

 しかし、彼女だけは自分を認識しているような動きを見せた。ただの錯覚なのかもしれない、でも、これをただの錯覚で終わらせてしまっていいのだろうか?

 

 そんな考え事をしながら再び彼女に目を向けると、ぐったりした姿でかなり遠くまで離れて連れ去られていた。ヘイローも消えており、恐らく意識が戻ったことに気づいた不良が再び気絶させたのだろう。

 ふと、不良達が通った道に何かが落ちていることに気づく。近づいて手に取ってみると、それは先程拾った懐中時計と全く同じものだった。状況からして彼女が落としたのだろう。

 こんな変わった懐中時計がいくつもあるとは考え辛い。つまり、先程拾った懐中時計は……。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「―――ん! ミソラちゃん!」

「え……?」

「大丈夫ですか?急にぼーっとしちゃって……」

「あ、うん、大丈夫だよ」

 

 何かに呼ばれて目が覚めると、ヒフミちゃんが心配そうな顔でこちらを見つめてきていた。長い間夢の中にいた気がするが、ようやく現実に戻ってこられたのだろう。先程拾った懐中時計も手の中にある。

 懐中時計に再び目を向けると、緑色に光っていた針は光が消えており、今ではもう片方の針と同じように白く落ち着いている。時計の針を見るとほとんど時間は進んでなく、ヒフミちゃんの反応から見ても、現実の時間はそこまで進んでいないようだ。

 

「それにしてもこの時計、初めて見る形です。誰かの落し物でしょうか?」

「落し物……うん、かも……ね」

「ミソラちゃん?どうかしましたか?」

 

 心配そうに声をかけてくれているヒフミちゃんに目もくれず、考えに浸る。

 

(そう、これは落し物……あの子の……)

 

 夢で不良に連れ去られていた少女のことを思い出す。今まで見ていた夢の内容は思い出せない、何を見ていたのかも、何を聞いていたのかも。

 でも、最後に見た少女の夢だけははっきりと覚えている。そして、それだけは夢で終わらせてはいけないと本能が言っている。

 今からすることは、傍から見れば妄言と言われ、笑われても可笑しくはないこと。

 だって、見ず知らずの少女の為に、夢を見たからって根拠のない理由だけで、彼女を助けに行こうとするのだから。

 それでもこの夢が、彼女が助けを求める為に見せられたものだとしたら、私はそれに応えなくてはいけない。

 

「ヒフミちゃん」

「は、はい……!」

 

 私は、真剣な顔でヒフミちゃんを見つめて告げる。

 

「私、人助けしてくる」

「人助け……ですか?」

 

 急な宣告に頭に?マークを浮かべながら首を傾げるヒフミちゃんであった。




気がついたら8000文字くらい書いてたんですねぇ。
ということで今回から数話は人助けミッションです。
ほのぼの回しかない小説だと思ってた方はすいません。
でもこの作品はブルーアーカイブなんです。

え?プロローグからほのぼのしてなかったって?
まっさかぁ


実際ほのぼの回も混ぜつつ、しっかりとしたストーリーも書いていく予定です。
マイペースな人間なので投稿頻度に関しては気分次第になるのでそこは申し訳ないです。

この回を読んでくれた方には分かると思いますが、この小説、ミソラちゃん以外のオリキャラもしっかり出てきます。
そこまでたくさん作る予定はないですが、ある程度設定もしっかり考えてるので主人公交代の可能性もあり得ますね(えっ)
実際は未定なので主人公はミソラちゃんです

文字化けした言語をそのまま言葉にした感じってなんだろうって思いながら書いてましたが、そこに関しては何も考えないことにします。考えたら負けです。永久機関が完成します。

さて、適当なことばかり言ってましたが、ほのぼのも感動ストーリーも頑張って書いていこうかとは思いますので、温かい目で見守ってくれるとありがたいです。
ギャグ回に関しては「私は面白いものが作れます!」とは中々言えないので皆さんのさじ加減です。
結局は自分の書きたいものを書きたいときに書いてるだけなので、自己満足なのですよワト◯ン君。
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