フルダイブVRMMOを遊んだら女の子にTSしてました! 女の子には染まりたくない、助けて。   作:えこだま

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20 素材集めの冒険!

「あー、今日も疲れた……」

 

 先日始めたクラフト屋は相変わらず大盛況だが、当然というか疲労感が強い。お陰で儲かりまくってるので文句は言えないが。

 

「ルースさーん、仮眠するのでベッド借りますー……」

「分かったよ、ゆっくり休んでね」

 

 まあ借りるも何も自分で作ったベッドなのだが、ギルドの備品なので。ちなみにルースさんの提案で男子用と女子用の2つが用意された。

 提案としては気が遣えているのだが、正直俺からするとカリンには非常に申し訳無い気分になる。パメーラは一緒に寝ようねとか言って抱きついてこようとするので蹴り飛ばしておいた。

 ともかく、カリンはそこらを察してくれたようで何も言わずに居てくれている。配慮がありがたい。

 

 ◇

 

 昼寝を終えてちょっとした作業を終え、明日のためにインベントリを見ていた所、材料が無くなっている事に気付いた。

 

「あー、明日は休みだな。材料調達してこないと」

「ん、もし良ければ俺が取ってくるぞ?」

「いや、大丈夫。気晴らしにもなるしレベルが上がらなくなる」

 

 ここ数日クラフトばかりやって全くレベルが上がっていない、これは不味い。それに、いくら好きとは言え流石に同じ作業もしんどくなってきたので気分転換の意味合いもある。

 

「という訳で、明日はちょっとフィールド行ってくるわ。看板には休みって書いとく。明日はギルド寄らないつもりだから来ないと思っててくれ」

「了解。それじゃあな」

 

 ◇

 

 翌日。クラフトに必要な品々を書いたメモを見ながら、カルストン草原とフーズル森林を回る。

 最初の方は良かったのだが、しばらくしている内に疲れが出て細かいミスが増えてきた。そんな状態で次に必要な素材をドロップするモンスターを確認する。

 

「……ライトロックかあ」

 

 初見で無様に吹っ飛ばされたアイツである。流石に攻略法が分かりレベルも上がった今なら普通にソロで倒せるくらいではあるが、集中力を欠いた状態で大丈夫なのか不安だ。

 

「まあ良い、やるか!」

 

 結局半分ヤケクソ状態で挑む事にした。幸い思っていたよりは苦戦せず、順調に削っていく。

 

「あー、これなら余裕だな」

 

 そう一息ついて余所見をした時だった。その一瞬で大きな岩を投げてきた。油断が命取りである。

 

「やっべ……!」

 

 ダメだ、間に合わない。そう思った時だった。

 

「《クイックシールド》!」

「へ?」

 

 横から凄いスピードで片手剣のプレイヤーが突っ込んできた。びっくりした。

 

「え、あんたは?」

「危なさそうだったからつい手が出てな。大丈夫か?」

「ああ、大丈夫。サンキューな!」

 

 無精髭を生やしたおっさんに感謝を伝えてからライトロックに突っ込み急所を攻撃する。元から大体は削ってあったので、一撃で残りの体力は削れた。

 

「ふう……危ないとこだった。助かった」

「間に合って良かった」

 

 ふむ、戦闘中は見る余裕が無かったが無精髭を生やしたオールバックのおっさんか。

 

「おっさん、ありがとな。なんかお礼する?」

「誰がおっさんだよ!」

 

 しまった、思った事がついそのまま口に出てしまった。疲れてるな……

 

「ごめんごめん、つい」

「まあ、言われ慣れてるから良いんだけどよ。それから礼は要らないぞ、好きで助けただけだしな。ほれ、これドロップ素材」

 

 そう言うとおっさんはライトロックのドロップを全て渡してきた。

 

「いや、悪いって。助けてもらったんだから」

「良いんだよ、どうせ吹っ飛ばされてたとしてもお前さんが倒してただろうしな。ガキは黙って大人の言う事聞いとけ」

 

 むう。なんか納得行かないが、好意なのでとりあえず受け取っておく。

 

「それにしても……なんか、聞いてた話と違うな」

「え? 何が?」

「いや、助けに入った後に身の丈程の大剣を背負った凄腕クラフトプレイヤーの女の子が居るって話題になってたの思い出してな」

「えっ、俺そんな話題になってんの?」

 

 初耳なんだけど。そりゃ客が途切れない訳だ。

 

「ああ。そんでそいつらが言うには見た目以上にしっかりとした丁寧な対応だったって言ってたんだよ。けど今話してる限りそんな感じ全くしないと思ってな」

 

 ここで初めて気付いた。俺全く取り繕った話し方してない。疲れてて気が回らなかったか。

 

「……いえ、ちゃんと丁寧ですよ? 私、しっかりしてるので」

「いや、今更取り繕うのは無理だろ」

「だよなぁ……ま、良いか。こっちが素であっちがキャラ作ってるだけだよ。見た目に対して不自然だしな」

「ま、そりゃそうだな!」

 

 おっさんがガハハと笑う。分かってるけど男の喋り方が変って言われると腹立つな。

 

「一応、ここだけの話にしといてくれよ? 表向きはアレで通してるからさ」

「分かってる、心配すんな。しかし面白い奴だな、気に入ったよ」

「そいつはどうも。俺はムーン、よろしくな」

「俺はサムエル、よろしく」

 

 こうして妙に気の合うおっさん、サムエルと知り合ったのだった。

 

「あ、そうだサムエルのおっさん。クラフトの材料集めたいんだけど手伝ってくれねえ? もちろん報酬の金は払う」

 

 正直若干疲れてきていた。ぶっちゃけここ数日のクラフトで稼いだ金は割と凄いことになってきてるので、多少払ってもプラスである。

 

「そうだなあ……金は減らして良いから、優先してクラフトしてもらっても良いか?」

「それで良いよ。交渉成立」

 

 無事契約成立したので、2人で雑談しながら材料集めを行う。

 

「じゃあサムエルのおっさんはソロなんだな」

「ああ。もちろんパーティ組む事はあるが、今の所ギルドには入ってない」

「そうか、アタッカーだし割と需要ありそうだけどな」

 

 ぶっちゃけサムエルのおっさんは結構強い。なんせソロで1章攻略済みである。うちへ来てという誘いがあっても良さそうな物だ。

 

「いや、あんま気の合う奴以外と組むのはやりづらいんだよな。自分のペースでやりたいからさ」

「なるほどな。まあ、俺なら暇な時に付き合っても良いぞ」

 

 実際、サムエルのおっさんと一緒に居ると割と楽しい。パーティを組むのは全然アリだ。

 

「おお、かわいい女の子から誘われるなんて嬉しいねえ」

「セクハラだぞ」

「冗談だよ。お前みたいなガサツな奴に女なんて感じられねえよ」

 

 それはそれでどうなんだよと突っ込む。そんな感じで笑ったりしながら素材集めを終えた。

 

「よし、これで最後! サンキューな、サムエル。はい、これ報酬」

「あいよ。クラフトも忘れるなよ?」

「忘れてねえよ。暇な時にメッセ寄越してくれ、迎えに行くぞ」

「オーケー。それじゃ、またなムーン」

「ああ、またな」

 

 こうして、終わってみれば結構楽しかった素材集めが終わった。……今度和希も誘ってみようかな? 結構素を出せて気軽そうだし。




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