フルダイブVRMMOを遊んだら女の子にTSしてました! 女の子には染まりたくない、助けて。   作:えこだま

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29 クラフト店舗!

「えっと、隠れ場所隠れ場所」

「……何してんだ、ムーン」

「いや、いきなり庭にあんな小屋が立ってるのを見たみんなの反応が見たいなーって」

「子供か」

「今は子供だし」

「こういう時だけ都合良く使うなよ……」

 

 隣でごちゃごちゃ言ってる和希は無視するとして、上手く隠れられる場所を探す。

 

「あ、そうだ」

 

 インベントリから作ってあったクローゼットを取り出す。ギルドに置いてあった物を防水加工した、外に置くための物だ。これをしれっとドアの反対側のギルドの壁に置いておく。これでドアを開けた時にこのクローゼットは死角になる。

 

「よし、あとはこの中に入って隙間から覗くだけだ。ヤマトも入る?」

「入らないわ。1人でやってくれ」

「なんだよノリ悪いな。じゃあ何も知らないふりしてくれ」

「はいはい」 

 

 呆れ顔の和希を他所にクローゼットの中に入って、他メンバーがオンラインになるのを待ってスタンバイする。

 しばらく待っていると、偶然にもほぼ全員入ってきた。これはラッキー、サプライズにはピッタリだ。

 

「おはよう。あれ、ムーンちゃんは?」

「俺はまだ見てないです」

「そっか。後で来るのかな」

「えー、なんだ居ないんだ。……あれ? 外に何かあるよ?」

 

 真っ先に気づいたのはパメーラ。……なんかセンサー付いてるみたいで怖い。

 

「本当だ、家具が置いてあるね。ちょっと出てみようか」

 

 ルースに続いてみんなが出てくる。そして、小屋を見て。

 

「「「…………」」」

 

 全員がポカンと口を開けていた。そう、この光景を見たかった。

 

「小屋……?」

「いつの間にこんな物が……」

 

 困惑する一同の前に飛び出てネタバラシをする。

 

「じゃーん! びっくりしました?」

「うわっ、ムーンちゃん!?」

「実は皆には秘密で作っちゃったんです。ヤマトにも協力してもらいましたけど」

「いやあ、驚いたなあ……」

「ムーンちゃん凄い!」

「それほどでも」

 

 いやあ、努力した甲斐があったという物だ。これで更にクラフトショップが捗る。

 

「ヤマトと2人で、ねえ……」

 

 なんか星奈が渋い顔をしているがスルーしておく。というかこないだの件からずっとあの調子だ。和希との仲が戻った途端に星奈と距離が離れるとか勘弁して欲しい。

 

「ねえねえムーンちゃん、中見ても良い?」

「良いですよ」

 

 中はギルドメンバーが来る前の朝にある程度整えたのでとりあえず雑然として見苦しい状態からは脱してある。ドアを開けてみんなを受け入れる。

 

「さあいらっしゃい、クラフトショップ月光へようこそ!」

「名前まんまだな」

「私は好きだよー」

「パメーラはムーンちゃんがやる事は大体好きじゃないか……」

 

 ついにパメーラはルースさんにすら突っ込まれるようになってしまった。少し反省した方が良いぞ。ともかく、ドアを開けて中に案内する。

 

「おお、凄い! 手作りに見えないね」

「でしょ?結構な自信作ですよ」

 

 星奈のさっきの渋い顔は消えて笑顔になったので、とりあえず良かった。

 

「良く出来てるね。ここを店として使うのかい?」

「もしみんなからの許可が下りれば。勝手に建てちゃった訳ですし」

「誰もそんなケチな事言わないよ。どっちにしろここはムーンちゃんのスペースだった訳だしね。みんなもそれで良いよね?」

 

 メンバーの口々から良いよという答えが返ってくる。良かった、とりあえず取り壊しは無いようだ。

 

「ああ、それから庭にもみんなで座れる家具を作っておきました。材料は家を作った時の端材で申し訳ないんですが、我ながら結構良く出来てると思います」

「いや、端材から作ったとは思えないくらいしっかりしてるよ。今度バーベキューでもしてみたいね」

「あ、それ良いねー!」

 

 みんなでワイワイ盛り上がる。ああ、作って良かったなあ。他のゲームもそうだけど、実益の無い物を作っても褒めてもらえるのは嬉しい。

 

「バーベキューするなら今度工夫してバーベキューコンロでも作れるか試してみましょうか。作れるか分からないですけど」

「あっ、それ良いね。けど、攻略に関係ない物作ってる余裕あるの?」

「それに関しては大丈夫です、カリンさん。とある解決方を見つけましたから」

 

 俺の見つけた解決策。それは、クラフトレベルを上げて強力なバフを付けた装備を作ってステータスを底上げするという方法だ。

 色々クラフトしすぎた結果、恐らく俺はクラフトレベルが全プレイヤーの中でもトップクラスに高い。なら、レベルを上げるよりも装備を作って殴った方が早いという判断だ。最前線攻略をするなら問題になるけど、割と緩いうちのギルドなら問題にならないだろう。

 

「あ、そうだ。土地代を払わないとですね。流石に間借りじゃなくて建物を建てた訳ですし」

 

 いつでも片付けられる屋台式の店舗と本格的な建築物では話が違う。適正な土地代を払わねば。……と、思ったのだが。

 

「いや、大丈夫だよ。今まで通りそのまま自由に使って」

「え、でも……」

「そもそも当初の想定を遥かに超えた売上からマージンをもらってるからね。これ以上は流石に申し訳なくて受け取れないよ」

「そうですか。それじゃ、ご厚意に甘えて」

 

 この答えはルースさんらしい。仕方ない、本来ギルドに払うつもりだった土地代は別の形でギルドに還元するようにしよう。

 その為にもクラフトショップ、頑張らないとな!

 

「よし、改めてクラフトショップ開店だ!」




改めてショップ開店!
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