ハイスクールD×D ~特別番外編~   作:さすらいの旅人

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第四話

「お、聖書の神(おやじ)、ソレを何処で知りやがった!?」

 

 おやおや、アザゼルが大変恥ずかしい黒歴史神器(セイクリッド・ギア)を耳にした途端に赤面してる。と言うか、この世界でも作っていたとは少しばかり驚いた。

 

「何処で知ったも何も、お前がよく知ってる筈だろう? ミカエルが遥か昔の戦役時に、『ぼくが考えた最強の神器(セイクリッド・ギア)資料集』と言うタイトルで、長々と設定が書かれていた上に自筆のイラストまで添えてたやつを、ビラで撒いてたじゃないか。この世界で死んだ聖書の神(わたし)がソレを見ていたかどうかは知らんが、平行世界から来たこの聖書の神(わたし)はミカエルから、『神よ、アザゼルが大変素晴らしい物を考案したので、この資料を是非ともご覧になって下さい』って献上してきてな。いやはや、アレを見た時は思わず素晴らしいって思ったよ。『閃光(ブレイザー・)と暗(シャイニング・)黒の龍(オア・ダークネス)絶剣(・ブレード)』だなんて考えもしなかったよ。何とも秀逸な神器(セイクリッド・ギア)じゃないか」

 

「なるほど。向こうの私は聖書の神(ちちうえ)にも献上していましたか」

 

「ミカエルてめぇぇぇええええ!! よりにもよって聖書の神(おやじ)にも見せやがったのか!?」

 

「私に当たらないで下さい、アザゼル。やったのは向こうの世界にいる私なんですから」

 

 経緯を聞いたミカエルは、さっきまで泣いていた顔とは打って変わったかのように爽やかな笑みを浮かべている。対して元中二病のアザゼルは赤面しながらミカエルに食って掛かった。

 

 因みに此処にいる俺とアザゼルとミカエルを除く面々は――

 

 

 ブッ!

 

 

 気絶してるアーシアを除く殆どが物の見事に吹いていた。

 

 イッセーは気絶してるアーシアを片手で介抱しながらも、もう片方の手で口を押さえて爆笑しないよう必死に堪えている。あと普段感情を面に出さないソーナや椿姫は、一見無表情を装いながらも両肩がプルプルと震えている始末で、各々も似たような反応だった。

 

「ブハハハハハハッ! いやはや悪ガキ堕天使よ、何もそんなに恥ずかしがる事は……クッ……ブハハハハッ!」

 

「お、オーディン様、いくらなんでも、笑い過ぎです……ぷっ」

 

 他と違って爆笑してるオーディンを諌めようとするロスヴァイセだったが、彼女は彼女で笑いを堪えるのに精一杯だった。

 

 

 

 

 

 

「取り敢えずアザゼルの黒歴史公開はここまでにしよう」

 

「おい聖書の神(おやじ)! 俺の思い出したくねぇ過去を引っ張り出しといて勝手に終わらせんじゃねぇ!」

 

「何だ、まだ公開して欲しいのか? だったらお前が幼少時に色々とやらかした恥ずかしい過去もこの場で――」

 

「もういい!! 分かったからもう止めてくれ!」

 

 別世界のアザゼル弄りを一通りやった俺は、そろそろ本題に入ろうとする。アザゼルも流石に黒歴史以上に酷い幼少時の恥を公開されたくないのか、すんなりと従ってくれた。

 

 我ながら随分と意地悪くなってしまったものだ。これが人間へと転生したが故の悪い部分ってヤツなんだろうか………フフフフ。思わず黒い笑みを浮かべてしまいそうになる。

 

「あのアザゼル先生が手玉に取られるなんて……色々な意味すげぇな」

 

「……あれ? イッセーさん?」

 

 俺がアザゼルを弄ってる事に驚いてるイッセーだったが、気絶していたアーシアが漸く目覚めた。

 

 さて、彼女が起きた事だし、そろそろ真面目な話に戻るとしますか。

 

「とまあ、アザゼルが原因でこの世界に来てしまった私だが、暫しこの世界で厄介になろうと思っている」

 

『っ!』

 

 俺が真面目な発言をした瞬間、さっきまで笑いの場となっていた空気が一変して、サーゼクスを含めた現魔王達やアザゼル、そしてオーディンが剣呑な雰囲気を醸し出す。突然の重苦しい空気にイッセー達はビクッと震えている。

 

 今の状況を分かりやすく言うなら、俺の発言次第でロキが望んでいる神々の黄昏(ラグナロク)が発生するような感じだ。

 

「安心してくれ。別に厄介になると言っても、あくまで元の世界へ戻る手立てを講ずるまでの間だ。そちらのやる事に干渉する気はない」

 

「赤龍帝等とロキの戦いに介入したお主が言える台詞ではないのう」

 

「それを言われると耳が痛いな」

 

 オーディンからの批評に思わず苦笑する俺。

 

 確かに干渉する気は無いと言っておきながら、俺はイッセー達がロキと戦ってる最中に介入したからな。

 

「本当なら私も手を出すつもりは無かったのですが、ロキが神の力を最大限までに解放して神々の黄昏(ラグナロク)をやろうとしたから、それを阻止する為に急遽参戦せざるを得ませんでした。もしもオーディン殿が私が介入する前にミョルニルを早く持ってきていたのであれば、状況が大きく変わっていたかもしれませんが」

 

「……お主も言うではないか」

 

 ちょっとした仕返しも込めた俺の皮肉に、オーディンは痛いところを突かれたかのように顔を歪めるも否定しなかった。

 

 今のオーディンの心情は、俺が参戦しなかったら不味い事になっていたと思ってる筈。普段であれば更に意地の悪い事を言ってるのだが、それがないのは即ち事実だと受け止めている証拠なのだ。

 

「まぁ、そちらの重要な神であるロキを私が手を下した事に変わりはありません。ですのでオーディン殿に何かお詫びをしようかと――」

 

「ふん。聖書の神(こぞう)の詫びなど要らぬわ」

 

「そうですか」

 

 オーディンには後ほど、俺が以前プライベートで海へ遊びに行った時に撮影した『ガブリエルの水着(ビキニ)写真』でも差し上げようと思ったんだが……。今は黙っておくとしよう。

 

「さて、話の腰を折ってすまなかったな。ともかく私は、この世界で再び天界の長として戻ろうと考えていない他、ミカエルや他の天使達を率いて嘗ての戦争を再開する気は微塵も無いと、今この場で宣言する」

 

 俺の宣言にミカエルは悲痛な顔をする。世界が違えど聖書の神(わたし)が現れたのなら、今の地位を私に返上しようと思っていたに違いない。

 

 何しろ元の世界にいるミカエルは俺の正体を知った後、俺を天界へ連れて再び神の座に就かせようと考えていたのだ。宣言と言う名の釘をさしておかなければ、ミカエル達を含めた天使達は躍起になるのが目に見えている。

 

「聖書の神よ。その宣言、我々は素直に受け取って宜しいのかな?」

 

 悪魔の代表として魔王サーゼクスが俺に問う。

 

「信じる信じないは其方の自由だ、魔王サーゼクス・ルシファー。だがこれだけは言っておく。決して嘘ではないと聖書の神(わたし)の名にかけて誓おう。それでも信じられないなら、今この場で血判付きの契約書でも書いても構わないぞ」

 

「っ! 神よ、そのような事をせずとも――」

 

 神である俺が悪魔に契約書を書こうとする事にミカエルは横槍を入れようとするも――

 

「ミカエル、今は口を挟むな。お前は私のやる事に異を唱えるつもりか?」

 

「……申し訳ありません」

 

 軽く一睨みをしながら声を低くして言うと、身体を震わせながらも俺に謝罪してすぐに引き下がる。

 

「では魔王サーゼクス・ルシファーよ、返答は如何かな?」

 

「こちらとしては願ってもない事だ。現四大魔王を代表して、貴殿の言葉を信じよう」

 

「堕天使総督アザゼルは如何かな?」

 

「はっ。んなもん訊くまでもねぇだろ、聖書の神。コッチはただでさえ禍の団(カオス・ブリゲード)の相手で手一杯だってのに、これ以上の厄介事なんざ真っ平御免だ」

 

「オーディン殿は?」

 

「ふんっ。転生したとは言え神であるお主がそこまで言うのであれば、ワシには何の異論も無いわい」

 

「では最後に我が息子ミカエルよ、お前はどうする?」

 

「私は、神の御勅命に従うだけです」

 

 少し辛そうな顔をしながら答えるミカエルに、俺は内心すまないと謝った。

 

 元の世界にいるミカエルにも言える事だが、こうでも言って突き放しておかないと、また俺に縋ってしまう可能性がある。いつまでも聖書の神(ちちおや)に頼っちゃダメだという事を教える必要がある為に、な。

 

 そして全員が剣呑な雰囲気を解いた瞬間、重苦しい空気は見事に無くなると同時にイッセー達は凄く安堵したように大きく息を吐いていた。

 

「各々の返答を聞いて安心した。あとコレは私からの個人的な頼みだが、私の存在はなるべく隠してもらいたい。尤も、ロキとの戦いで敵側にはもうバレているかもしれないが」

 

「元よりそのつもりだ。世界が違えど、聖書の神が存命していると知れ渡ってしまえば、敵味方関係無く世界が再び混乱するのが容易に想像出来る。ミカエル殿には申し訳ないが、それで宜しいかな?」

 

「……ええ、それが最善でしょう。もし神の存在を教会上層部の耳に入れば、向こうは必ず何かしらの動きを見せると思います」

 

 俺の提案にサーゼクスは賛成し、ミカエルも少し間がありながらも賛成する。

 

 う~ん、ミカエルは賛成してるけど少しばかり不安だな。やはり俺の方でちょっと手を打っておかないといけない気がする。

 

「それで聖書の神(おやじ)、元の世界に戻るまでの間は厄介になるって言ったが、一体どこに居座るつもりだ? 天界に戻るつもりがねぇなら、冥界か人間界のどっちかになるが?」

 

「貴殿が冥界に留まるのであれば、私の方で屋敷を用意するが」

 

 話題を変えようとするアザゼルとサーゼクスに俺はすぐ答えようとする。

 

「お気遣いどうも、サーゼクス。だがそれはもう私の方で考えてある。暫くの間は人間界にある駒王町――兵藤家にいるつもりだ。平行世界とは言え、あそこは私の第二の生まれ故郷でもあるからな。と言う訳でイッセーとリアス達、勝手で悪いが私は暫くそこに泊まらせて貰うよ」

 

『………え?』

 

 俺が兵藤家に泊まると言った瞬間にイッセー達は――

 

「何でよりにもよって俺ん()なんだよぉぉぉぉぉ!!!???」

 

『えええええぇぇぇぇええええええええ!!!???』

 

 各勢力のトップ達がいるにも拘らず大声で叫んでいた。

 

 

 

 

 ~おまけ~

 

 

 話を終えて一旦解散しようとするところ、俺は背を向けているオーディンにある事を言った。

 

「オーディン殿、先程話したお詫びの件ですけど、本当なら海で撮影したガブリエルの水着(ビキニ)写真を差し上げようと思ったんですが」

 

「な、何じゃとぉっ!?」

 

 一瞬で足を止めるどころか即座に此方へ向けて、途轍もないショックを受けたように口を大きく開くオーディン。

 

 父親の俺が言うと自慢になってしまうが、ガブリエルは天界一の美女で冥界だけでなく、他の神話体系の男神にも人気がある。

 

 当然俺の前にいるスケベ爺こと北欧主神オーディンもガブリエルのファンの一人だ。と言っても、このスケベ爺はガブリエルの美しい容姿と抜群なスタイルにしか目が無いだけだが、な。

 

「が、ガブリエル様の水着写真だなんて……!」

 

「それは女の私も見てみたいかも……!」

 

 ガブリエルに人気があるのは男だけじゃなく、ゼノヴィアやイリナみたく元人間から憧れの存在でもあるので女性にも人気がある。

 

 そんなガブリエルの激レア写真を自ら不意にしたオーディンは――

 

聖書の神(こぞう)! 貴様何故それを先に言わなかったんじゃぁ!?」

 

「言わなかったも何も、私の言葉を遮ったのは貴方でしょう。言っておきますけど、今更撤回してもあげませんからね」

 

「あぁぁぁぁぁ……くっそぉぉぉ……! 何故、何故ワシは何も聞かずに断ってしまったんじゃぁぁあ……!」

 

 自分の誤った判断を死ぬほど後悔しているようだ。今のオーディンは持っている杖を手放すどころか、両手両膝を地面に付けて、片目からも本気の悔し涙を流している。

 

「オーディン様! 主神ともあろう方が情けない姿を見せないで下さい!」

 

 余りにも情けない姿を見せる北欧の主神オーディンに一同が呆れた視線を送っている中、ロスヴァイセはそれを窘めていた。

 

「おい聖書の神(おやじ)、ひょっとしてオーディンの爺さんにも恨みがあったのか?」

 

「いいや、別に何にも」

 

 アザゼルからの問いに俺は素っ気無く答える。

 

 遥か昔に私や何人かの天使がヴァルハラへ行った際、オーディンが私の女性天使(むすめ)達にセクハラしてた恨みを晴らそうだなんて、微塵も思っちゃいないよ。




タダで手に入る筈の超激レアな美女のエロ水着写真を自ら不意にしたら、皆さんはどのような気持ちになりますかね?

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