●登場人物
○
本作の主人公でセイバー?のマスター。年齢は十六才で進学のために天宙市に越し、生活している。身長は172cmで普段着は大体シャツ。茶髪で快活な好青年ではあるものの、夢想家でやや変わり者である部分と、人間関係より自分の夢を叶えるための勉強を優先する性格もあり友人はほとんどいない。かと言って冷淡と言うわけでなく、一度知り合った人間は何だかんだ大事にする性格で、助けを求める人間は放っておけないくらいには善人。別の言葉で言えば主人公気質。学校では弘明が友人で、アパートを借りて一人暮らしをしている。
幼い頃から天涯孤独でありコズミック・セントラルの関連団体が経営する児童養護施設で育つ。しかし……ある事故のせいで、施設での記憶の一部が欠落している。ただ記憶喪失以降は宇宙に強い興味と憧れを持つようになり、いつか自分がそこに向かいたいと夢見るようになる。その夢を叶えるために未開の宇宙を探査する職、宇宙航行士の探査士官を目指して勉強と体作りにも取り組み、その甲斐もあってコズミック・セントラルより特待生として支援を受けて天宙市の生活と、月にある名門宇宙航行士官校への進学校である天宙学園の学費の援助を受ける事が出来た。この事には彼方も強く恩義を感じているらしい。
○セイバー
右目に眼帯をかけた黒いボブヘアーの美青年? 美少女? 性別不詳のサーヴァント。紫がかった黒色をした魅惑的な左目に、しなやかな手足、その容姿は思わず誰もが愛でたくなるくらいに可憐。つまりカワイイヤッター、なのである。
しかしそんなカワイイとは裏腹に戦いとなれば攻撃的な性格が表に現れ、端正な顔に似合わずギザっ歯を口元から覗かせる。背中に背負う武器は物騒な機械仕掛けの太刀。刀身の後部、背にはAエナジー(エーテル)を放出して加速するブースターが内蔵、加えてある特殊な機構を備えているようだ。この太刀は原型となったある武器の模造刀らしいが、一部機能を無理やり再現した結果、元となる太刀の面影は見る影さえないごつい機械刀になってしまったらしい。
服装もサイバーパンクと和服が合わさったSFチックなもので、どこから来たのか、正体は不明。しかしマスターである彼方を『主さま』と呼び強く慕っているらしく、昔から面識があるかのように振る舞う。
『〜であります』が口癖。
○タケル
フルネームは竜禅寺タケル。彼方と同年代、暗い影を抱えていそうな雰囲気を持つ少年で、ランサーのマスター。右手の甲には三本線で形作られた三角形の令呪があり、濃紺色のパーカー着の格好、少し長めな灰色髪で左前髪はピンで留めている。身長は170cm。
聖杯戦争に参加したマスター(彼方は除く)の中では一番最後に登録されたマスターであり、アーチャーのマスター──ガイアスの総帥を追っている。身体能力はわりと高いものの、何か持病を抱えているらしく体調は不安定。
○ランサー
鋭く歪な槍を武器にする、竜のような赤い角と尻尾を生やした白黒のひらひらしたゴスロリ衣装を纏った十四才程の少女の外見をしたサーヴァント。肉体をある程度なら変異させる事も出来るようで、空中を飛翔する翼を生やすことも可能だ。
赤に近い桃色髪のロングで、澄んだ水色の瞳の美少女。乙女かつ高飛車な性格で良家のお嬢様のような高貴さを思わせる所がある。しかし怪物と人間の少女が交じったその姿は、彼女の人格にさえ……怪物性を内包している事を予感させる。
○ガイアス総帥
この世界で脅威である反科学文明、及び反宇宙開発を掲げるテロ組織『ガイアス』の総帥かつ今や絶滅に瀕している魔術師……その中のある一族の現当主でもある。黒いマントとフード、仮面で素顔を隠しているものの年齢は九十代前半と高齢。かつて魔術師であった天原煌星とは過去に交友関係があった。
一族の滅亡を回避するため彼に賛同する他の魔術師達、経済支援を受けるために経済界の有力者も抱き込みガイアスを組織。魔術師の復興のために各地でテロを主導。
文明の時計の針を巻き戻し魔術師の世に。それは根源を目指す過程で一族を存続させなければならないと言う大義名分ももちろん理由だが、もう半分の理由は魔術世界を離れ科学文明に与した天原輝星とその息子、銀星に対する怒り、復讐の念である。
銀星が天宙市で何らかの手段を使い聖杯戦争を行っていると知ると自ら天宙市に出向き、本来アーチャーのマスターだった男を誘拐、令呪がある腕を奪い移植することでマスターに成り代わり聖杯戦争に乱入する。
○アーチャー
ガイアス総帥のサーヴァント。鋭く野心に燃える紅い瞳を持つ、赤と濃紺、白が交じった派手な長髪の青年。長い髪は後ろに束ね、袖と袴が長く胸元が開いた白い和服姿。優男のようにも一見見えるが、その実頭脳明晰かつ野心に燃える、いわゆる時代の風雲児を思わせる男だ。
自身の戦闘能力は不明なものの、自身が所持する軍隊をその時代最新の装備にアップグレードすると言う、科学技術が発展した世界では強力な特殊能力を持つ。しかしアーチャーの最大の武器は彼自身を突き動かす野心と頭脳、それによって張り巡らせる壮大かつ大胆な策略だと思われる。
○
天宙学園での彼方の友人。誰とでも仲良くなれるほどの社交性を持ちさらに人が好い少年で、学校に友人がいない彼方を気にかけている。
しかしそれと同じくらい宇宙航行士を純粋に夢見ている彼方に、憧れに近い感情を持っているようだ。
○
機械、宇宙産業など様々な技術分野でこの世界をリードする大企業グループ、コズミック・セントラルの会長。初代の頃には単なる一会社に過ぎなかったものの、彼に代替わりして以降急速に発展、拡大。現在では世界有数の企業体へと成長させた。
そして今回の聖杯戦争を始めた張本人である。
企業家のみならず彼自身様々な科学分野に精通し、過去に幾つもの博士号を取得。
そして、表にはなっていないものの科学とは異なる……魔術に関しても過去に魔術師であった父の蔵書から学び一定の知識を持つ。
彼が聖杯戦争を始めたのは魔術の知識にあった同名の儀式を参照にしているらしい。しかしそれは魔術師の行う物とは異なる手法らしく──。
○
銀星の父親で、宇宙企業コズミック・セントラル社の初代社長であり創業者。
会社を創業するより以前、煌星は若くして父を亡くし魔術師一族の当主の地位にあった。……しかし彼自身すでに魔術師としてのあり方を見限り、地位を放棄。妻と幼い息子とともに魔術世界から足を洗う。その際、他に跡継ぎもいなかった一族は滅亡し、彼は新たな道として、当時世界で流行していた宇宙開発に乗っかる形で会社を創設。その後会社を息子に託す。
魔術世界から離れたとは言え、その資料の幾らかは所持しており、息子である銀星が魔術の知識……聖杯戦争、サーヴァントなどを知るきっかけにもなった。
○ハル
銀星の下、聖杯戦争の監督官の役目にある人型アンドロイド。長い前髪で顔の左半分は隠れ、右目からは赤い瞳──を精巧に模造したアイセンサーが覗かせる。外見は二十代前半ほどの若い女性でスーツ姿。人形のように整った容姿で、常時眠たげな表情で感情が薄い、と言うより見せない。
ハルと言う名前は銀星が名付けたもの。また彼女には都市全体のネットワークに接続する機能を持ち、天宙市で行われている聖杯戦争の全体状況を把握する。巧妙に行方をくらませているアーチャーとそのマスター以外、大体の状況は分かるらしい。
また監督官以外にも銀星の専属秘書としての役割があり、世界規模の大企業を運営する彼を、高性能なアンドロイドの力で補佐している。
ちなみに感情はないわけではなく、人間に対しても……実はいくらかの興味を持ってはいるみたいだ。
●用語など
○世界観
舞台は宇宙開発が進んだ近未来ではあるものの、現代の延長線上のものではなく二十世紀、厳密には1969年にNASAのアポロ計画によって初の月面着陸が成功して以降、史実では以降宇宙開発は緩やかなものになったが、この世界ではその時点で史実から別の方向へと辿ったパラレルワールド的なものになる。
月面着陸以降も宇宙開発は更に発展を続け宇宙ステーションはもちろん、月面や地球圏内の小惑星に開発、資源採掘のための基地、さらに僅かではあるものの宇宙移民が始まる程になった。
二十世紀中にそこまでの宇宙開発が進んだが更に二十一世紀の初頭、2001年に日本の宇宙企業、コズミック・セントラルの探査宇宙船が外宇宙から漂着した小惑星を調査、その調査チームの一員だった若き天原銀星が地下深くで重要な発見を成し遂げて以降急速に発展のスピードが増した。
様々な工学分野の改革、新エネルギーの発見と多くの新発明がコズミック・セントラルによって成し遂げられた。宇宙分野でも宇宙船、基地、コロニーのコストダウンかつ高性能化、さらにロボットによる宇宙環境下における労働力の確保によって人類は地球圏から火星、木星にまで文明圏の拡大、開発をたった半世紀で成し遂げた。
本編はその丁度半世紀後、2051年の地球、天宙市を舞台にして繰り広げられる。
なお、この世界ではそれだけ科学が発展した事に反比例し、魔術、神秘の類は相当に衰退している。
加えてそれらを知り扱う事が可能な人間、魔術師などの人口が深刻過ぎる程にまで減少。魔術協会も現状組織を維持するだけでも精一杯(そのため今回の聖杯戦争に干渉する力がない、と言うより存在自体察知さえ出来なかった。天原銀星による情報封鎖に、魔術師であるガイアス総帥は知ってはいたが協会に秘匿していたため)。魔術師の一族も大半は途絶え、残った一族の多くも……いつまで保つのかと言う状態。故に文明を巻き戻そうとするガイアスに与する魔術師も存在するのかもしれない。
○コズミック・セントラル
今や世界の技術、産業の多くを支配するとされる大企業体。元々は魔術師崩れの男、天原煌星が二十世紀に創設した宇宙開発に関わる会社、中小規模の宇宙企業に過ぎなかったが、2001年の重大発見と煌星の息子、天原銀星が会社のトップに代替わりするとともに一転。
多くの工学の分野での革新、汎用人型ロボットの開発、量産に惑星間通信システム、新合金の発明に熱核融合炉の実用化。これまでの電気、ガスに代わるほどの万能の新エネルギー、Aエナジーを生み出しもした。宇宙開発に関わる宇宙船や基地、コロニーの類も設計構造から一から見直されて今やコズミック・セントラルが生み出した新規格の物が一般化されている程だ。そして地球には人類初の軌道エレベーター、アマノバシを建造。
これらの取り組みにより事業は年を追うごとに比例定数ばりに急速拡大、現在の超大企業としての地位を戴くにまで至った。
しかしあまりにも急速な技術革新の数々。何か裏があるのではないかという噂もある。
○天宙市
コズミック・セントラルが直接管理、運営する大都市。
その実態は会社が開発した新技術を数多く導入した試験都市で、特に新エネルギーであるAエナジーの都市規模での運用および、軌道エレベーターアマノバシの基部・地上基地も兼ねている。街を動かすAエナジーは都市全体の建物、道路、地下に張り巡らされ、都市の管理整備はロボットにより自動化がなされている。
宇宙から運び込まれる物品、資源を地球に流通させる上での拠点としての発展も遂げた。日本某所の半島に建てられた天宙市の都市構造は軌道エレベーターを中心にして円形に作られており、外周部から工業、産業区画、中間部には人々の暮らす居住区画、そして中央部には前述のように軌道エレベーター、そして周囲に高層ビルに商業施設が立ち並ぶ経済商業区画と大まかに分かれている。
しかし完全に区画分けされているわけではなく、海岸沿いの外周にはビーチにヨットハーバーなどのリゾート地もあったりする。
○天宙学園
天宙市にある私立の中高一貫校。コズミック・セントラルの運営下にあり、将来企業の優秀な人材を育成する事も目的にしており、ふさわしい人間に対しては特待生として支援を行っている。これは月面都市にある宇宙航行士官校など、他コズミック・セントラル運営の系列校でも同様である。
中等部は普通学科のみ、高等部から複数の学科に分けられる。特に力を入れているのが宇宙航行学科、及び宇宙工学科。前者は宇宙パイロット、後者は宇宙船、宇宙基地、コロニーでの技術士官、エンジニアを育成する学科となる。最も学生の段階でそれらに必要な知識やスキルを身につけることは難しいため、本校では座学を中心に基礎知識を学び、その後は専門の系列校に進学し実技など本格的に学習する形になる。一言で言うなら進学校に限りなく近い。
○ガイアス
反宇宙開発、反科学文明を掲げるテロ組織。
本編より十数年前に組織され、表向きには急速な宇宙開発、人類の宇宙進出に対する反動により表面化した一部自然派閥──母なる地球こそ本来人類のいるべき場所で、かつ進みすぎた科学は邪悪だとしてそれを捨て地球の自然の中で生きて行くことこそ正しい……と、地球、自然を信仰するグループがテロ行為に走るまでに過激化したものとされている。
実際半分は正しく、多くの構成員および陰ながら組織に資金提供などして支援するスポンサーはその思想のもとで動いている。……しかし派閥の人間を組織としてまとめテロ行為を積極的に推し進めたのは現ガイアス総帥の地位に立つ魔術師の男と、その傘下にいる魔術師のグループ。ガイアスを実質支配しているのは彼らだ。
○アマノバシ/マガハラ
コズミック・セントラルが建造した軌道エレベーター。
地球上にある天宙市から宇宙にまで伸び、500キロメートル上空の中継宇宙ステーション、そして更に先……小惑星を移動、改造して建築したコズミック・セントラル本社『マガハラ』に繋がる。
中継宇宙ステーションは月、小惑星、火星より資源を運搬する宇宙船が停泊し、軌道エレベーターを通じで地球へと供給。一般人の旅客もここで行われ、展望台やホテルなどの施設も存在し大規模な宇宙港になっている。
天宙市、宇宙ステーション間は軌道エレベーターを使い民間人の行き来は可能ではある。……が、軌道エレベーターの終着点に位置するマガハラへは一般人の立ち入りはおろか、コズミック・セントラルの社員でもごく限られた一握りの人間しか立ち入りを許されない。
マガハラはコズミック・セントラルの本社であると同時に、新エネルギーであるAエナジーの最大生産供給施設。軌道エレベーターの稼働はおろか、宇宙ステーション、そして天宙市で消費する全エネルギー──Aエナジーも全てマガハラからもたらされている。
しかし世界規模の大企業の本社であるにも関わらず、マガハラの内情は一切明らかにはなっていない。立ち入りの制限は無論。マガハラ周囲の宙域もコズミック・セントラル開発のフォースフィールドで阻み完全封鎖、宇宙船さえ侵入を許さない。
この完全封鎖、秘匿性の高さもまた、何か重要な秘密があるのではないかと噂になっている……らしい。
○Aエナジー
コズミック・セントラルが発見、実用化した新エネルギー。使用用途によって例外はあるものの、大体青く発光するエネルギーで、Aエナジーを流す供給ラインもまた同様の発光をする。
そしてAエナジーは旧来のエネルギーに代わるとされる万能のエネルギーとされ、あらゆる機械、システムの動力として現在でも研究がなされている。が……実用化されたのはこの時代でも最近であるためにまだ一般化はされていない。Aエナジーを生成可能な施設もほんの僅か。
その一つかつ最大のAエナジー生成、供給施設が宇宙に浮かぶコズミック・セントラル本社マガハラ。マガハラで生み出したAエナジーは本社に繋がる軌道エレベーター、中継宇宙ステーション、そして地上の天宙市の全エネルギーを賄うほどに膨大。
その製法、構造はコズミック・セントラルが独占し企業秘密とされている。
なおAエナジーは
○人型機体
ロボット工学も発展した時代における、大体三〜五メートル級の人型をした大型ロボットを指す。機械かつ人型による汎用性から、主に宇宙空間などの極限環境における建築、整備作業などで使用。……過去には兵器としても運用されていた事もある。
操作は大体プログラムを組み込んだAIによる自律型、もしくは人間による遠隔操作型。ごく少数ではあるものの、人が直接乗り込む有人操縦型も存在している。
○宇宙企業
宇宙開発、探査など宇宙に関わる事業を展開する企業の事。
○宇宙航行士
今で言う宇宙飛行士と大体同じ職業。
○魔術師
名前の通り魔術を学ぶ者の事。自身の魔力と知識、体内に宿す魔術回路により、計測不能な超常の奇跡を行使することが可能。科学や社会から隠れて忍ぶものが多数で、魔術協会など彼ら同士の組織を作ってもいると言う。
彼ら、そして一族の最終目的は万物の源であり、この世全ての知識が収められているとされる『根源』への到達。また魔術の対極にあるとも言える科学への忌避感、嫌悪の念も強い。
科学文明が大きく発展したこの世界においては魔術師の衰退は深刻化。一部派閥がこの現状に憂い、将来の一族存続のために世界そのものを変えようとする動きもある。
忌避していた世俗、科学さえ使ってでも魔術師の為の世に変えようとする彼らこそ、現状世界の脅威とされるテロ組織、ガイアスを影で動かす魔術師組織となる。
詳しくはFate原作より
○魔術
人為的に奇跡・神秘を再現する行為。自身の生命力=魔力をマナへと変換し、等価交換により現実世界に神秘を発現させる。
詳しくはFate原作より。
○魔力
魔術を起動する動力源であり、魔術師が体内で製造するエネルギー。一種の生命エネルギーとも言えるもので魔術師に比べれば微微だが一般人も製造可能。
なお大気中にも存在し、それはマナと呼ばれるようだ。
○エーテル
錬金術で知られる地、水、火、風の四大元素に次ぐ第五元素で物質の基本形態。
サーヴァントの肉体もエーテルによって形作られている。
○マスター
聖杯戦争に参加する人間。契約したサーヴァントを使役し、最後の一組になるまで他のマスター、サーヴァントと戦う。
本来は聖杯による超常的な力によって選ばれた魔術師が、魔術的な儀式を用いてサーヴァントを召喚、契約を行う。
しかし本作の聖杯戦争においてはコズミック・セントラルもとい天原銀星とハルが適正がある人間を選出、マスターとして登録を行っている。サーヴァントも魔術と別手段で生み出し、マスターとなった人間に貸し与えている形になる。(ただしコズミック・セントラルが生み出したサーヴァントではないセイバー、そして本来のマスターから奪い取られたアーチャーは例外)
魔術師でないただの人間をマスターへと登録する過程でナノマシンによる外科的な改造を使用。これにより本作の聖杯に当たる存在も対象を正式にマスターと認識し、その際体内に生成される疑似的な魔術回路によるサーヴァントとの契約と繋がり、魔力供給を行う事も可能とする。
また魔力を自分自身に使用する事で、五感、身体能力の強化も出来る。この能力は魔術師の身体強化魔術に近いものであり、マスター自身が戦闘に加わると言うより人間を超える力を持つサーヴァントの戦いに追従、自衛するために必要な力となっている。
右手の甲に浮かぶ三画のアザでマスターの印、『令呪』も本来の聖杯戦争、そのマスター同様に浮かび、サーヴァントへの絶対命令権の行使も可能。しかし令呪の模様は本来魔術師であるマスターの性質を反映した装飾的なものではなく、丸、三角、四角のようなごくごく単純な図形で済まされている。
○サーヴァント
かつて偉業を成した過去の偉人が死後、時間軸から外れた高次元へと記録された精霊に近しい存在──英霊の一端が聖杯戦争によって召喚、マスターに仕える使い魔となったもの。身体はエーテルによって形作られて、非実体化による霊体化も可能。マスターである人間から魔力の供給、依代にして現実世界に存在が出来る。
人間以上の身体能力と超常的な力を扱い、中には魔術師同様に神秘を扱うサーヴァントもいるらしい。
本来は魔術的な召喚で喚び出すものであるが……今回の場合は召喚と言うよりは何らかの手法で『製造』したようだ。最も現界する手法が異なるぐらいで、存在そのものは魔術師が召喚したものと大体は同じ。
○聖杯戦争
万能の願望機たりえるアーティファクト、聖杯をかけて七人のマスターと召喚されたサーヴァント同士が対決を繰り広げる……魔術師が管理し行う儀式の一つ。
聖杯にはマスターの選別と英霊召喚など聖杯戦争そのものを司る大聖杯に、倒されたサーヴァントの魂が蓄え、儀式の際に大聖杯の炉心となる小聖杯に分かれている。聖杯の存在、そして聖杯戦争は本来魔術師によって行われ、監督されるものにはなる。
聖杯戦争の勝者は聖杯の力を手にする事が出来、あらゆる願いが叶えられると言う。
またこの方法でなくとも、広義的には聖杯と思われる存在に対し、手に入れるための競売行為そのものを指すが……ここで言う聖杯戦争は上記の手段を指すことにする。
が、本作の場合魔術師とは関係なく一人の人間が引き起こした、『聖杯戦争と限りなく似た何か』。聖杯に準ずる何かがあり、サーヴァントも存在してはいる。しかし現段階においてその詳細は監督官であるハルと、聖杯戦争を起こした天原銀星しか知らない。