五条悟の双子の妹の話。   作:mugi.

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話の展開が急だったり、変だったりします。
気をつけてください(何目線)

今回は続き、次回は任務の話にしよーと思ってます


2006年4月―――自己紹介

「夏油傑です。一般家庭出身で、術式は呪霊操術。よろしくお願いします。」

 

傑の声が狭い教室に響く。

廊下側の端に座る茶髪の子だけが、傑に拍手を送った。

ただその拍手には、歓迎の心などないのだろう。まだ飴を舐めきっていないのか、飴の棒が上下し、口の中からカコン、と音が聞こえる。

 

傑がそんなことばかりを気にしていると、悟が立ち上がった。

 

「五条家次期当主、五条悟。雑魚は嫌いだ。行動は慎めよお前ら。」

 

じゃ、とだけ言って悟は席に戻る。先生が悟を凝視するが、本人はそれをものともしない。先程傑と喧嘩をしていたから、どうせあとから説教されるのだろう。

 

千里は席を立ち、教卓の前に来ると気怠そうに口を開く。

 

「五条千里、悟の妹。馴れ合いごっこはする気ないよ。よろしく」

 

言っていることが矛盾してはいないか、と傑は思った。本人は、馴れ合い―――友達付き合いと言うよりは呪術師としての関わりは持っておこうとでも考えたのだろうか。

 

千里がカタン、と小さく音を立てて椅子に座った。続いて茶髪の子が席を立った。

 

「初めまして、家入硝子でーす。術式はなし、反転術式での他人の治癒のみ可能です。よろしくね、千里ちゃん」

 

何故か千里を指名して話を締めたので、男子2人はぎょっとしていた。

指名を受けた当の本人はと言うと、硝子を見て「…え、何…?」と混乱しているようだった。

 

そして、最後に先生が自己紹介をする。

 

「君たちを4年間受け持つ、夜蛾正道だ。よろしく頼む。」

 

大人の自己紹介というのは、とても淡白だろう。

五条家でも、女中や世話係が交代する時に事務的な挨拶しかされなかったことを思い出した。時には、好きな食べ物なんかを話す者もいただろうか。

 

「今日は最初の登校日ということで、任務は全てなしにしてある。この後は寮に戻るなり、ここにいるなり鍛錬するなりするといいだろう。」

 

ただ、と夜蛾は付け加えた。

 

「明日からは任務がある者もいるので覚えておくように。五条と夏油は、この後俺は忙しいから午後5時に職員室まで来なさい。」

 

それだけ言い終わると、夜蛾はくるりと踵を返し教室を出ていった。

 

―――

 

夜蛾が出ていき、と静まり返った教室。

4人とも今だに残っていたが、硝子と傑は千里に話しかけようと試みていた。

 

「ねぇ、千里ちゃん」

 

硝子がついに話しかけた。

 

「…何?」

 

千里は面倒くさそうに硝子を見た。

だがそんな視線を気にせず、硝子は続ける。

 

「千里ちゃんと仲良くなりたいと思って。私家入硝子。硝子って呼んでくれると嬉しい。私も、千里って呼んでもいい?」

 

「それは別に構わないけど…?」

 

千里は、脳裏に疑問符を浮かべている。

それもそうだろう、つい先日まで五条家の箱入り娘だったのだから。

関わる人は制限され、他人との距離も教わらず、呪術の勉強ばかりで年相応の遊びなど何も知らずに生きてきたのだろう。

 

(すぐには心開いてくれないよね…)

 

硝子は少ししょんぼりする。

 

「…。」

 

ただ千里は、硝子の距離感に興味を持ったようだ。顔に少しばかり光が宿る。

悟と傑は、ある程度のコミュニケーションは取ったようだ。仲直りをしたのか悟が少し楽しそうだ。

 

そして話を終えた傑は、硝子に話しかける。

 

「…硝子、だっけ」

「何お前、怪しいね。どっかで教祖やってそう。胡散くさぁ…」

「返答がそれって酷くない?」

「いいだろ別に。なんかお前は女誑しでクズな雰囲気が出てる。」

「いやもっと酷いじゃん」

 

2人が半ばコントのような会話をしていると、双子が立ち上がった。

 

「…今日は寮戻る。」

「ありがとう千里。また明日。」

 

それには答えなかったが、千里が襖を閉め出ていった。




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