ブルーアーカイブ 〜平等の幸せを求めて〜   作:眠り狐のK

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一ヶ月も更新してなかった、ダト?


16話 出動!覆面水着団!

「みんな、準備はいいかな?」

「おっけ〜」

「ん、いつでも大丈夫」

 

 闇銀行の前、それぞれ銃を持って目を寄せて頷き合う。みんなの反応を確認すれば、僕はタブレットを指でタップするように叩く。すると、ぱっと闇銀行の灯りが消え、銀行内は真っ暗となる。僕がみんなに合図を送ると、次々と銀行の中に入っていった。

 

 銀行に入ると、真っ暗の中銀行員や客はかなり混乱している様子だ。それも当然のこと、日常が唐突に非日常へと変わってしまえば大抵の人間は困惑するだろう。

 そして、銀行の灯りがつく。

 

「全員その場に伏せなさい! 持ってる武器は捨てて!」

「言うこと聞かないと痛い目見ちゃいますよ☆」

「なっ!? 銀行強盗だと!?」

「緊急事態! 警報を鳴らせ!!」

 

 ざわざわと銀行内で混乱が広がっていく中、銀行員は冷静な対応で警報機に手を伸ばす。だが――

 

「無駄だよ〜。ここの警備システムは全部落としてるからね〜」

 

 ホシノさんが解説してくれたけど、アロナの力でここのシステムは全部切り離した。つまりは、外部に通信を繋げることは不可能、助けは呼べない。

 

「こ、こいつら!!」

 

――バァン!

 一発の銃声とともにカランカランッと、何かが床を転がっていく音が聞こえる。音の先に見えるのは一つの拳銃。

 

「ぁ、え?」

「あはは……危ないですから……」

 

 先ほど声を上げた警備員とは別の警備員がこっそりと隠していた拳銃を取り出そうとしたところをヒフミさんが弾き飛ばした、というところだろうか。警備員の人もこんな一瞬で気づかれるとは思ってなかったのか呆然としている。ちなみに僕はまったく気づかなかった。

 

「さっすがリーダーのファウストさん! 痺れるねぇ〜♪」

「えっ!? わ、私がリーダーなんですか!?」

「当然〜♪ ささっ、次の指示を〜♪」

「あ、あぅぅ……リーダーになっちゃいました。あの子になんて説明すれば……」

「ちなみに私は覆面水着団のクリスティーナだお♧」

「ダサっ!! というかいつから覆面水着団になったの!?」

 

 ヒフミさんが項垂れてる横で漫才が繰り広げられている。とても銀行強盗してる光景には見えないけど楽しそうだから良しとしよう。

 というか、ちらっと見えたけど便利屋68の子達もいるね。何事もなければいいかな。

 

「防犯カメラの死角も、警備員の動きも全部頭に入ってる。抵抗は無駄。この鞄に少し前に来た現金輸送車の集金記録を――」

「は、はいぃ!! 現金でも金塊でも何でも差し上げますので命だけは!!!」

「ん、そうじゃなくて……」

 

 シロコさんの方は上手くいってるかな? うん、無事に鞄を受け取れてるみたいで安心。集金記録を入れただけにしてはかなり大きい気もするけど。

 

「シロ……ブルー先輩! 例のブツは手に入った?」

「え、あ、うん。確保したよ」

「よーし、撤収だよー!」

「アディオ〜ス☆」

 

 こうして僕達は無事に銀行の外まで脱出した。でも後ろでちらっと銀行員さんの逃がすなって声が聞こえたしもう少し離れたほうがいいかも。

 少し走っていると前からマーケットガードが来る。思ったより早かったね。

 

「ここは強行突破しよう」

「うへ、あまり時間かけたら後ろからも来ちゃうだろうし仕方ないね〜」

「ど、どうしてこんなことに……」

「項垂れるのはあと、来るよ」

 

 そう言ってアビドスもとい覆面水着団は射撃を開始する。射撃によりマーケットガードの大半は倒せたが盾を持っている相手には防がれているようだね。あの大きな盾を突破するのは中々骨が折れそう。

 

「あーもう! あの盾が厄介!」

「ここはシロコさんのドローンで――」

 

 その瞬間、横から何かが飛び出していく。

 

「ヒフ……ファウストさん!?」

 

 ヒフミさんはそのまま盾と距離を詰めると相手の盾を足場に高く飛び上がった。盾を飛び越え空中で身体を逆さにしたヒフミさんはそのままの体制で的確に盾持ちの頭に銃弾を撃ち込み倒す。

 

「ん、すごい」

「うへぇ〜、おじさんも若い頃はあれくらいブイブイ言わせてたんだけどな〜」

「いや、先輩私達と同年代でしょ!!」

 

 意外と余裕そうで安心。もう少しで道は開けそうだね。

 

『シロコさん、ノノミさんは右を、ホシノさん、セリカさんは左を。盾持ちはシロコさんとホシノさんで、いけるかな?』

「ん、任せて」

「うへ、おじさんが? 仕方ないなぁ〜」

『ヒフミさんは正面、一人でいけるかな』

「あ、はい! これくらいなら大丈夫だと思います!」

『アヤネさんはヒフミさんのサポートしてあげて』

『わかりました!』

 

 僕は銃弾が当たらない場所に身を隠して無線でみんなに指示を出す。一通り指示を飛ばし終えれば、それぞれが動き出す。

 

 

 まずは左、ホシノセリカグループ

 

「いやぁ、おじさんにこんな重労働させるなんて先生も酷だね〜」

 

 そんな軽口を叩きながらホシノは敵の銃撃を盾で軽く防ぐ。敵がリロードに入ったタイミングでホシノは自らの盾を足場に敵の盾ごと飛び越し、背後に着地してはショットガンを撃ち込み吹き飛ばす。その後、敵の盾を利用し背後からの銃撃を防ぎながらショットガンで次々と近くの敵を倒していく。そして、敵のヘイトがホシノに向いている間の隙をつき、セリカも的確に敵を狙撃していく。

 

「いや、ホシノ先輩も普通にやってのけてるし……」

 

 

 

 右、シロコノノミグループ

 

「ドローン起動、発射」

 

 シロコの指示によりドローンからミサイルが発射される。ミサイルは真っ直ぐに盾持ちの敵に向かい、そのまま盾ごと吹き飛ばした。

 

「貴方にはこれ」

 

 さらに、ミサイルを発射しながら別の盾持ちには手榴弾を投げつける。手榴弾による爆風は敵を吹き飛ばすまではいかなくとも大きく仰け反らせる。その隙を突いたノノミの銃弾が盾をそのまま吹き飛ばす。

 

「ん、終わり」

 

 その言葉とともにシロコは銃弾を撃ち込み、守るものがなくなった敵を撃破する。

 

「流石ですね、ブルーちゃん☆」

「ん、そっちこそ。えっと……」

「クリスティーナですよ♤」

 

 

 正面、ヒフミアヤネグループ

 

「こうなったら無事に帰るまでやるしかありませんね」

 

 「まだ正体がバレてるわけじゃありまそんし……」と心の中で呟きながらヒフミは正面の敵を次々と倒していく。

 

「あなた達にはペロロ様爆弾です!」

「「!!!」」

 

 その台詞と共にヒフミはペロロ様がデザインされた爆弾を盾を持った敵二人の間に投擲する。

 敵は冷静にその爆風を盾で防ぐが――

 

「そこです!!」

 

 盾を爆弾の方に向けたことにより、ヒフミからの銃撃を守る為の手段がなくなってしまう。当然、ヒフミがその大きな隙を見逃すはずもなく、ヒフミの銃撃によって二人の敵は打ち倒される。

 

『ファウストさん!』

「ありがとうございます!」

 

 ヒフミの銃の弾がなくなったところでアヤネから弾倉が投下される。

 ヒフミが弾倉を掴もうと手を伸ばしたその瞬間――

 

「っ!!」

 

――カチャッ 

 

――バァン!

 

 いつの間にか隣に近づいていた敵がヒフミに向けて発砲する。

 ヒフミは弾倉を掴みながら身を捻り銃弾を躱す。そして、捻った勢いで身体を回しながらリロードを済ませ、敵に銃弾を撃ち込み撃破した。

 

「ふぅ……あ、危なかったです」

 

 

 


 

「うん、みんないい感じだね」

 

 僕は頷きながらみんなの戦いを眺めていた。

 アヤネさんのサポートがあるとはいえヒフミさん一人で大丈夫かと少し心配なところもあったけど、いらない心配だったみたい。

 

『先生! 後ろから敵性反応、増援のようです!』

 

 ふと、アロナの声が聞こえてくる。あんまりのんびりもしていられないね。

 

「みんな、今のうちに突破しよう!」

「「「「「「了解!」」」」」」

 

 僕は物陰から飛び出し、みんなに呼びかける。そして、みんなと合流して先に進もうとしたその瞬間――

 

ヒュン――

 

 と、僕の頬を掠めるように後ろから銃弾が通り過ぎた。

 幸い、アロナバリアが働いてるおかげか痛くもないし傷一つついてない。しかし、増援が到着するのが早いね。

 

「皆さん、行きましょう!」

「うん、行こうか」

 

 ヒフミさんの呼びかけに頷いて先に進む。追っ手をなんとかしないと逃げ切るのは難しい。しかし、ここで迎え撃ってしまうのも相手にとっていい時間稼ぎとなってしまうだろう。さて、どうするか……

 そう考えていると――

 

「ペロロ様!!」

 

 ヒフミさんが鞄の中から円盤を取り出して後ろに投げる。その後、少し間を置いて何かを円盤に向かって投げた。

 

「「!?!?」」

 

 円盤が増援の真ん中当たりに落ちると、ペロロ様? のホログラムが展開される。

 ホログラムに気を取られ増援が足を止めたその瞬間、大きな爆発がホログラムを中心に巻き起こった。よし、今なら逃げられる。

 

「今だよ、みんな!」

 

 僕の呼びかけにみんな頷き、その場から離れていった。

 

 

 


 

『封鎖地点を突破しました、この先は安全です』

「よし、大成功ね!」

 

 暫く追っ手から逃げ、いつの間にかその追っ手も見えなくなっていた。

 封鎖されるであろう場所を通り過ぎたのであとは大丈夫だろう。

 

「シロコちゃん、集金記録の書類はちゃんと持ってるよね〜?」

「う、うん……これ」

 

 シロコさんは肩にかけた大きな鞄を置いて中を開ける。

 

「へ? なんじゃこりゃ!?」

 

 その鞄の中には大量の札束が入っていた。

 

「シロコ先輩、お金盗んじゃったの!?」

「ち、違う……これは銀行員が勘違いして……目当ての書類は、これ」

 

 シロコさんはその中から例の書類を取り出す。うん、確かに目的の書類みたい。

 

「うへ、これ軽く一億はあるね〜。ほんとに5分で一億稼いじゃったよ〜」

「やったぁ!! ほらみんな、早く運ぶわよ!!」

『えっ、そのお金使うつもりですか!?』

「なんで? 早く借金返さなきゃ」

『そんなことしたら……ほんとに犯罪だよセリカちゃん!』

「だ、だから何? このお金は元々私達が汗水流して稼いだお金、それが闇銀行に流れたんだよ! それに、このままにしておいたら悪いことに使われるかもしれないじゃない!」

「確かに、そう考えれば私達で正しい使い方をしたほうが……」

 

 セリカさんとノノミさんは使うのに賛成派みたいだね。でも

 

「駄目だよ、使ったら」

「せ、先生?」

「悪いことは悪いこと、犯罪は犯罪、相手が悪人だからいいってことはないよ」

 

 物事には越えてはいけないラインというものがある。みんな平等に幸せになるために、色んな意味で火種となる物はできるだけ持ちたくない。選ばなくてもいい選択肢なら選ぶ必要はない。

 

「うんうん、それにもしこれがいいとして、『次』は? もし同じようなことが起こったときまた仕方ないってやっちゃうよー? そして、慣れちゃったらきっと平気で繰り返すようになる。 おじさん、後輩たちがそうなるのは見たくないなぁ〜」

「……」

「そんなことするくらいなら、最初からノノミちゃんの黄金に輝くカードに頼ってたはず〜」

 

 ホシノさんは僕と同じく反対みたい。そしてホシノさんの意見は僕も懸念しているところ。悪いことを繰り返し、慣れてはそれが当たり前になり、やがて破滅する。

 僕は、そうなってしまった人間を知っている。昔……いや、前世で僕がそれを許したことで多くの人を不幸にし、当の本人すらも破滅させた。過去の自分の罪の一つ。

 生徒たちには、そうなってほしくない。

 

「確かに、私のカードを使うことは提案しましたが、ホシノ先輩に却下されて……きちっとした方法で返さないとアビドスがアビドスでなくなってしまう……ホシノ先輩の言いたいこと、わかります」

「そそ、悪行で守ったところで何の意味もないからね〜。だから持っていくのは書類だけ、委員長命令だよ〜」

 

 うん、決まったみたいだね。

 

「あーもどかしい!! こんな大金を捨ててく!? 変なところで真面目なんだから!!」

「アビドスの事情はよくわかりませんが、このお金はトラブルの元になる災いの種になるかもしれませんから」

「それじゃ、いこっか」

「このお金は私が適当に処分しておきますね」

「うん、お願いね」

 

 こうして僕達は無事に銀行強盗を成功させ戻るのであった。

 

 ちなみにこのあと便利屋68が来てまた一イベントあったのはここだけの話。

 




ヒフミ無双です
つよつよヒフミちゃんもいいねっ
原作ヒフミは多分こんなに強くないんですけど、この作品でどうやってヒフミが強くなったのかはどこかで明かされると思います。たぶんおそらくきっとめいびー

こんな投稿頻度ですが感想とか評価とかくれたらモチベに繋がると思うのでオネガイシマス
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