ブルーアーカイブ 〜平等の幸せを求めて〜   作:眠り狐のK

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前回投稿日一か月前ってマ?


17話 近づいていく真実

 バンッ! と、大きく机を叩く音が鳴り響く。

 

「どういうこと!?」

 

 回収した集金記録を確認すると、そこにはアビドスで788万円の集金、その後にカタカタヘルメット団への補助金として500万円が提供されている旨記載されている。

 

「それって……」

「私達からお金を受け取った後にすぐにカタカタヘルメット団に補助金を渡したってことだよね!?」

「まさか、先生が予想していたヘルメット団の裏にいる人物は……カイザーローン?」

「そんな……学校が破産すれば借金も回収できないでしょうに、何故こんなことを?」

 

 確か、僕の知ってる知識なら宝探しがどうとか言ってたような……

 ということは、目的はお金じゃない? その宝探しのためにアビドスを襲撃している? なるほど、そういうことですか……

 

「この件、銀行単独の仕業じゃなさそうだね。カイザーコーポレーション本社の息がかかってるとしか思えない」

「はい、私もそう考えるのが妥当だと思います」

 

 うんうん、みんなも徐々に真相に近づいていってるね。

 

 

 


 

「みなさん、色々とありがとうございました!」

「変な事に巻き込んでしまってごめんなさい」

「あはは……ある程度は慣れてますから」

 

 ぺこりと頭を下げるノノミさんにヒフミさんは苦笑いで返す。というか慣れてるんだ。

 

「この件はティーパーティーにも報告しますね。カイザーコーポレーションが犯罪組織や反社会勢力と繋がりがある事実上の証拠になり得ますから。あと、アビドスの状況についても……」

「んーまぁ、ティーパーティーは既に知ってると思うけどねー」

「そうなんですか!?」

 

 驚く表情を見せるヒフミさんにホシノさんがこくりと頷く。

 

「マンモス校のトップだしね、それくらいは把握してると思うんだよね〜。ヒフミちゃんの気持ちは嬉しいけど知らせたところで打開策が見つかる訳もないだろうし、逆効果にもなり得るからね〜」

「逆効果……ですか?」

「そーそー、アビドスって廃校寸前じゃん? トリニティとかゲヘナとかのマンモス校からのアクションをコントロールできる力ってないんだよね〜。言ってる意味わかるよね?」

「えと、支援っていう名目で悪さをされてもそれを阻止できない……ということですよね?」

「そういうこと〜」

 

 恐る恐るといった感じで答えるヒフミさんにホシノさんは頷いて返す。

 

「あぅ……政治って難しいです……。あ、それなら私だけでもお力になれることがあれば言ってくださいね? 政治に関係ない部分なら何かしらお手伝いは出来るかもしれませんし……」

「うへ、ヒフミちゃんは優しいね〜。気持ちは有り難く受け取っておくよ〜♪」

「では、えっと。あまり長居するのもあれなので、私はこのあたりで」

「ん、楽しかった」

「……楽しかったのはシロコ先輩だけじゃないの?」

「あはは……、私も楽しかったですよ」

 

 ヒフミさんは苦笑いを浮かべながら肯定してくれている。

 

「いやぁ~、お世話になったね〜、ファウストちゃん〜♪」

「そ、その呼び方はやめていただけると!」

 

 こうしてアビドス+ヒフミさんは解散していった。

 

 

 

 

――次の日――

 

「おはようございます」

「あ、おはようございます、先生」

「先生おはよ〜」

 

 朝早くから起き、アビドスのいつもの教室に入ると、そこにはソファに座るノノミさんとその膝の上に頭を乗せてゆるりと寝転がっているホシノさんがいた。俗に言う膝枕というやつだ。

 

「リラックスしてていいね」

「うへ〜、ノノミちゃんの膝枕は最高だからね〜♪ ここは私の特等席だから先生は駄目だよ〜♪」

「あはは、僕は大丈夫だよ」

 

 膝枕かぁ。

 人生で……前世含めてやってもらったことなんてあったかなぁ。いや、なかった気が……

 

「っ……」

 

 何気なく記憶を探っていると、頭に思い浮かぶ存在しない記憶。一人の少女に膝枕されて、共に笑い合う記憶。その少女の顔は見えないけれど、きっとその時の少女も僕も楽しそうに過ごしていたのだろう。

 これは僕の前世の記憶じゃない。でも、この記憶を僕は知っている。誰にでも平等な僕がこんなことをしてもらえるほど誰かと親密になるなんてあり得ないとも思うけど、前世と、過去と決別した僕ならばあり得なくもないのだろう。そして、それが今僕がここにいる理由にもなっている。

 

「……先生?」

「あ、ごめん。ぼーっとしてたよ」

「うへ、もしかして先生朝からお疲れ〜? 仕方ないなぁ、おじさんの席、先生に貸してあげよ〜」

「あはは、またの機会にしておこうかな?」

「そう〜? んまぁ、他のみんなもそろそろ戻ってくる頃だろうしね〜。じゃ、おじさんもこの辺でドロンだね〜」

 

 ホシノさんは身体を起こしてはよっこいしょと、ソファから立ち上がって教室の外まで歩いていく。

 

「あれ、ホシノ先輩どちらへ?」

「今日はおじさんオフだからね〜。適当にサボってるから何かあったら連絡頂戴〜」

 

 そう言い残しては教室から出ていった。

 

「ホシノ先輩、またお昼寝に行くみたいですね。まぁ、いいんじゃないでしょうか? 会議はアヤネちゃんがしっかり進めてくれますから」

「相変わらずだね、小鳥遊さんは」

「これでもホシノ先輩、以前に比べてかなり変わったんですよ?」

 

 嬉しそうに微笑むノノミさんに心のなかで「そうだね」と返す。

 声に出さないのは、ホシノさんの過去のことを僕が知っているのはおかしいかな、と思ったから。

 実際、ホシノさんの過去のことは少ししか知らないけど、それでもキヴォトスの外から来た大人が何故ホシノさんの過去を知っているのかなんて怪しまれでもしたら少し面倒事になる気がする。一番警戒心を持たれそうなのはホシノさん本人かもしれない。

 

「そうなんだね」

「はい、初めて出会った頃のホシノ先輩は何かに追われているような感じでしたから」

「小鳥遊さんも、アビドスの為にたくさん頑張ってたんだろうね」

「はい、本当に。今のアビドスがあるのはホシノ先輩のお陰と言っても過言ではありませんから。今ではホシノ先輩もかなり丸くなったというか、余裕が出来てきたというか……うん、これも先生のお陰ですね☆」

 

 それは本当に僕のお陰なのだろうか?

 きっと、ホシノさんにとって心の支えになってるのは僕よりもアビドスのみんなだと思う。僕はそれを守るために動いているだけに過ぎない。

 

「でも、余裕が出来たのは良いことだね」

「はい、そうですね」

 

 少しの間ノノミさんと雑談をしているとシロコさん、セリカさん、アヤネさんも合流して会議が始まった。

 

 

 

 会議が始まって数十分後、アビドス市街地から爆発が検知された。

 




今回は銀行強盗の後日談的な感じなので文字数はそこまで多くないですが、次の話はそれなりにあるんじゃないかなと思ってます。
現状、物語としては土台作り、実質的にプロローグみたいな感じとしての1章でありますが、その終わりも少しずつ見えてきましたね。
プロローグ終わるのに20話以上かかる小説ってなんなのでしょう???
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