ブルーアーカイブ 〜平等の幸せを求めて〜   作:眠り狐のK

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数ヶ月ぶりですね


20話 違和感と共に

――アビドスの捨てられた砂漠……あそこで、カイザーコーポレーションが何かを企んでる――

 

 あの時、ヒナさんから聞かされた情報。

 僕にとっては既に知っている情報ではあったけれど、本筋通りに行くとするならば確認しに行かないわけにもいかないだろう。

 とりあえず、この後はまたアビドスのみんなで会議をすることになる。そこでこの情報を渡してアビドス砂漠に向かう、そんな感じの流れでいいはずだ。

 他にもみんなの中でまとめておく必要があることはある。

 先程、柴関ラーメンの大将のお見舞いに行ってきて、今は学校までこれからの行動について考えながら向かっているところだ。

 

 まず、ヒナさんから伝えられた情報について。これに関しては先程も言った通り次の会議でみんなに伝えてアビドス砂漠に向かう。

 

 次に、便利屋68について。彼女達については少し前に事務所を移すとかいってアビドスを去っていった。まぁ、ゲヘナの風紀委員会やカイザーコーポレーションにも場所を知られてるわけだし、この間の騒動のこともあって移さざるを得なくなったというべきなのだろう。

 便利屋についてはまだ例の契約のこともあるし、そのために連絡先も聞いてある。この先アビドスのことでなにかあった時頼らせて貰うかもしれない。

 ……僕の身に何があってもいいようにこれもみんなに渡しておいたほうがいいかな。

 

 最後に、柴関ラーメンの大将のお見舞いに行ってきたときのことについてだ。

 大将の怪我に関しては軽傷で済んでいるみたいなのでよかった。

 問題はお店について。お店に関しては盛大に爆破されてしまったので建て直す他ないだろう。ただ、お店に関して、前から退去通知が来ていたとの話を大将から聞かされた。その話には一緒にいたセリカさんやアヤネさんもびっくりしていた。まぁ、僕は知っていたのだが。

 概要を話してしまえば何年か前にアビドスの生徒会が借金を返済しきれなくなり、カイザーに土地を売ったとのこと。

 大将は売った相手がカイザーかどうか自体は覚えていなかったが、借金の相手がカイザーであることもあるし、僕の記憶が正しければ土地を売った相手もカイザーでいいはずだ。

 そもそも、カイザーは確かアビドスの土地を手に入れるためにこうやって莫大な借金を取り付けたりヘルメット団を雇ったりしていたはず。土地を手に入れる理由はなんだったかな…………宝探しがどうとかって話なんだっけ?

 この辺りを再確認する為にもやはりアビドス砂漠には向かうべきなのだろう。

 それにしてもカイザーもカイザーで、自分の利益の為だけに子供にこんな事するなんて平等じゃない。このお礼もどこかでしなくちゃね、今は無理だけれど。

 

「おはようございます、先生」

「あ、おはようノノミさん」

 

 考え事をしているとノノミさんが挨拶をしてくれた。

 いつの間にかアビドスまでたどり着いていたらしい。

 

「大将の様子はどうでしたか?」

「怪我自体は大したことなさそうだったよ」

「よかったです。私もお見舞いに行こうかと考えましたがあまり大勢で行くわけにもいきませんからね……しかし、『怪我自体は』……ということはそれ以外で問題があったということでしょうか?」

「あはは、流石ノノミさんだね」

 

 バレちゃったか……と頬を掻く。

 ノノミさんは何となくそう思っただけと言うがいい推察力をしていると思う。

 どちらにせよ、みんなが集まったら話そうとは思っていたことだけれど。

 少しの間ノノミさんと校門前で雑談をしているとふと自転車の音が聞こえてきた。振り返って見てみるとシロコさんが登校してきたようだった。

 

「おはよう、シロコさん」

「ん、おはよう先生。……ホシノ先輩は?」

「ホシノ先輩なら恐らく学校の中でお昼寝してるのではないかと……」

「そう……大将の容態は?」

「大将は無事だよ。その他話さないといけないことはあるけどそれはみんなが集まってからにしよう」

「ん、わかった。じゃあ私は先に入ってるから」

 

 そう言うとシロコさんは少し考え込むようにしながら学校の中に入っていった。

 

「……シロコちゃん、なんだかちょっと……」

「いつもと違う気がするね」

 

 何か悩んでいるのだろうか、とシロコさんのその様子を見て感じたが、そう感じているのは僕だけではなかったようだ。

 

「やはり先生もそう思いますか? なんというか、少し不安そう……焦っているような……?」

「そうだね、少し見に行ってみようか」

「そうですね……心配です」

 

 僕とノノミさんはシロコさんの後を追うように学校の中へと入っていった。

 ――頭の片隅に違和感を感じながら。

 

 

 

 廊下を進んでいるとガタン! と大きな物音がふと耳に入ってきた。

 僕とノノミさんはお互いに目線を合わせ、物音のした教室に向かって駆け足で向かっていった。

 

「うへ、なんの事かな〜シロコちゃん」

「……とぼけないで」

「いやぁ、おじさんなんのことかわから……「ホシノ先輩、シロコちゃん、何があったんですか!?」あり?」

 

 教室の中に入ると尻餅をついたホシノさんとホシノさんを見下ろすシロコさん、先程聞こえてきた会話から察するに何かしら喧嘩をしているようだった。

 

「先生、ノノミ先輩……今はホシノ先輩と二人にして。これは私とホシノ先輩の問題だから」

「駄目です☆ 対策委員会は運命共同体、二人だけの隠し事なんて許しません」

「うーん……」

 

 こんな展開、あったっけ?

 今までも時々あったこの感覚。シロコさんとホシノさんの喧嘩、僕の知らない話。

 便利屋の時みたいに自分の意志で物語を改変させるのは自分で調整が利くけど、今回みたいな僕の知らない展開が出てくると少し困る。

 これが僕の介入によるものなのか、それとも元からあった展開なのか。

 後者なら問題ないが前者なら少々まずいかもしれない。何かした覚えはないけど。

 例の計画の為に原作知識を把握したからこそ、こういったことがあると違和感を感じてしまう。今回みたいな場合だと尚更、焦りまでも感じてしまう。

 あの計画は絶対に失敗するわけにいかない。だからこそ弊害となり得る要素は極力消していきたいところ。

 どうせ原作知識くれるなら一から十まで全部見せてくれればよかったのに……いや、あれ以上は出来なかったと考えるべきなのか。

 結局この話はとりあえず『ホシノが昼寝ばかりしていることを叱られた』ということにして収まった(多分)

 これ以上例の作戦に弊害が出ないと良いのだけれど。そんな事を考えながらも僕たちは対策委員会の部屋に向かった。

 

 対策委員会での話は僕の知っている通りだった。

 アビドスの大半の土地が既にカイザーの物となってしまっていたこと、昔の生徒会やホシノが生徒会にいた頃の話、膨れ上がった借金を返済するために土地を売ってしまっていたこと、それ自体がアビドスの土地を手に入れる為のカイザーの策略なのではないかという可能性の話まで。

 そしてヒナさんから貰った情報も話して僕たちはアビドス砂漠に向かうこととなった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

―――運命の日まで、あと僅か

 




今回は久しぶりの執筆もあり文字数少なめです
まぁ、このあたりは大筋は原作を通すのでぐだぐだ進めるのもあれなのでしっかりと書き込むのは大智先生が動きを見せるところからになりますかね
そこまでカットは出来ない仕様なのでもう少々お付き合い頂けたらと思います
恐らくもうすぐでその地点にたどり着くので
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