「突撃だー!」
「今度こそアビドスを占領するぞー!」
ぞろぞろと、カタカタヘルメット団が銃を乱射しながら近づいてくる。とはいってもこちらの位置を把握して撃っている様子ではなく、どちらかといえば威嚇射撃と言うほうがいいだろう。
そんな無駄撃ちする金が唯の不良集団であるカタカタヘルメット団のどこにあると言うのだろうか。といっても先生の中では大体予想はついている。
「うへ、君たちも懲りないねぇ~」
「っ!? う、撃て!」
何度も襲撃してくるヘルメット団に率直な感想を呟きながらもホシノは盾を前に距離を詰めていく。
ホシノの姿を認知した3人のヘルメット団が一斉に銃弾を放つが、ホシノは盾で的確に防いでいく。そして、その間もヘルメット団との距離は詰められていく。
やがて、その距離はホシノの射程圏内に入り、ホシノは愛銃の『Eye of Horus』を構える。
「んじゃ、次はこっちの番だよ」
そのままホシノはヘルメット団の一人との距離を一気に詰めて至近距離から愛銃を撃ち込む。至近距離から放たれる散弾にヘルメット団が耐えられるはずもなく、撃たれたヘルメット団は吹き飛ばされて気絶してしまう。
「くっ……!」
別のヘルメット団がホシノに向けて再び銃弾を撃ち込むが、先程よりも近くなった距離でも構わずに的確に防ぐ。そして、銃撃が終わり、リロードのタイミングで即座に攻撃に切り替え、残りの二人にショットガンを撃ち込み倒す。
先生のサポートがあることによって敵の数や射線や動きが情報としてリアルタイムに伝えられている為、防御も攻撃もやりやすくなっており、弾薬に関しても補給があった為今は気にする必要がない。
ホシノとしては大人からの支援ということで複雑な感情もあるのだが。
ちらっと敵と味方の位置を確認すると、新たに7、8人ほどの敵がこちらに向かってきていることを確認する。
ホシノはそれを確認すると、警戒を続けたまま後退し、障害物に隠れる。
「あいつ、隠れたぞ!」
「逃がすな、詰めろ!」
隠れたホシノを逃すまいと一斉に隠れた障害物に向かってヘルメット団が走り出す。
ほんの少し距離が縮まった頃、ホシノが隠れていた場所から何かが飛び出してくる。
飛び出してきたのはホシノ……ではなくノノミ。ノノミを認識したヘルメット団が銃を構え直して銃撃を始めようとするが、既に準備を済ませてあるノノミの方が早く、ノノミの『リトルマシンガンⅴ』から放たれた凄まじい銃撃が、薙ぎ払うようにヘルメット団を吹き飛ばしていく。
「お掃除完了で〜す☆」
(うん、流石に連携が上手いね)
それらを見ていた先生は心の中で感心する。流石にたった5人でこのアビドスを守ってきただけのことはある。
個々のレベルは高く、それぞれがそれぞれをカバーするように動く為、チームワークも良い。
特に、ホシノは飛び抜けて能力が高く、状況判断能力もいい。先程の場面で無理に突撃せず、味方の位置を把握して入れ替わる形でノノミに任せたのはいい判断だろう。
左側のほうではシロコとセリカがそれぞれをカバーする形で的確に敵を倒していっている。優秀な子たちだ。
「さて、と」
自分も指揮の為に無線機を手に取る。
正直、このレベルなら先生が何もしなくても問題なく終わりそうだが、無駄は少ないほうが良い。
マップ情報を確認すると左側に一つ、シロコとセリカと撃ち合ってる敵からほんの少し更に左に外れた障害物に2名隠れているのが見える。三階の窓から覗き込むが今のところ出てくる気配はない。前に出てきたところを横から急襲する、といったところだろうか。
さて、自分ならどう倒すか。考えながら無線機に話しかける。
『砂狼さん、アサルトライフル以外に攻撃手段はある?』
「ドローンのミサイルと、手榴弾ならあるよ。あと、シロコって呼んで、名字だと呼びにくいと思う」
『……うん、わかったよシロコさん。左の障害物に敵が2人隠れてるのは見えてるかな?』
「ん、確認してる」
シロコは銃撃を続けながら、一瞬目を動かして敵の隠れている場所を見る。先生は指示を続ける。
『それなら、手榴弾投げ込んじゃおう、待ち伏せしてるみたいだからね、投げてる間の火力はドローンに任せよう』
「了解、ドローン起動、行くよ」
先生の指示を聞いたシロコは、自らのドローンを起動させて火力支援の準備に入る。
『黒見さん、ドローンの火力支援があるとはいえ、少しの間一人で任せるよ』
「えぇ、任せなさい! あと、私のこともセリカでいいわよ!」
『うん、わかったよセリカさん。お願いね』
合図と共に、ドローンからミサイルが発射される。セリカもミサイルに合わせるように愛銃を掃射する。ミサイルと銃弾の雨にヘルメット団は為すすべもなく倒されていく。
「くっ、みんながやられた……!」
「やりやがったな!絶対占領してや……なんだ? 何か転がってき……っ!?」
隠れてた2人も仲間がやられて飛び出そうとするが、シロコが投げ込んだ手榴弾の爆発に巻き込まれ戦闘不要となってしまう。
「さて、これで終わりかな〜」
「ん、そうみたい」
ヘルメット団の残党が慌てた様子で気絶した仲間達を担いだり引き摺ったりしながら撤退していく姿を見て、これ以上の戦闘は必要ないと判断する。
『みんな、お疲れ様』
「お疲れ様でした〜☆」
「ん、お疲れ様」
無線越しではあるが、みんなに労いの言葉を伝える。
「いやぁ、まさか勝っちゃうなんてね〜。ヘルメット団もかなりの覚悟で仕掛けてきたみたいだったけど」
『まさか勝っちゃうなんて、じゃありませんよホシノ先輩……。勝たないと学校が不良のアジトになっちゃうじゃないですか……』
ヘルメット団がどうしてここまで必要にアビドスを狙うのか、何度も襲撃できるほどの資源をどこから調達してきているのか、謎なことは多いが、わかるのは負けたらアビドスが不良のものになってしまうということだけだった。
『とりあえず教室に戻りましょう。お話の続きはそこで』
「了解」
「一応戻るまで警戒はしておくわ」
『うん、気をつけてね』
そうして、それぞれ片付けしながら教室に戻っていった。
キリがいいところまでって考えてやったら戦闘だけで終わってしまいましたね。
2500文字と少なめですが、次のキリのいいところまでで更新がまた遅れるよりいいのかと
次回はちょっと多めにしようかとは思っています。
一応、今回戦闘シーン頑張って書いてみました。プロローグでは手抜き祭りでしたからね。
複雑な戦闘描写とか書くのはあまり得意じゃないんですけど、ブルーアーカイブ戦闘も多いので避けられない道です。この作品はほのぼの回ばかりにするわけにいきませんしね。
次の戦闘シーンも頑張ります。