誰も私を追わないでください(涙目) 作:明負悟
故に不定期になりがちだから長い目で見てね
読んでる君が書いてくれてもいいんだぜ!!
何日も同じ服を着ているはずなのに不気味なほどに綺麗なスーツを正し、異形の頭が他者の目に触れぬよう帽子を深く被り黄色いマフラーを軽く巻く。
ここに杖があれば完璧なんだけどなぁ…とぼやきながらもう2度と訪れることはないであろう廃れた小屋から離れていく。
次なる目的地は中央区の市街地
ここでの最終的な目標は風呂に入ることだッ!
この身体はすごく便利だ。
転生してからもう1ヶ月ちょっと経つが一度も風呂に入っていないにも関わらず全くの無臭。
服もなんか汚れないし…言うことはないんだが…こう……元日本人として風呂に入りたくてしょうがない!
え?金はどうするんだって?舐めるなよ
この世界に来てから約2週間ぽっちだが貧民街での死体漁り・無防備地べた寝野郎からの窃盗は毎日のように続けてたんだ!
それで足りるかって?
えーー、、、襲撃してきた娘の残骸後を一夜明けた後に様子見に行ったんですよ…その時に瓦礫に混ざってた財布パクりました……
…見るな!そんな目で私を見るなッ!
院長が畜生ムーブするのなんて今更だろ!!
この金で風呂に入って何が悪いッ!!
湯船に浸かるだけなら大衆浴場にでも行けばいいんだが今の私にそんなことできるわけがないッ!
人目につくところで少しでも顔や身体を晒したら初日の二の舞だ。
だから狙っているのは個室風呂付き宿屋だ
まぁ高い
一泊でも大体金貨3枚……円だと9万ぐらい?
暴利が…!!
正直稼ぐ手段が窃盗しかないから極力節約しなくちゃいけないことを考えたら削れるところ削る為に寝ないし食べないから野宿が1番いいんだけどさぁ…
でも風呂には入りたいよッッ!!
ちょっと前に軽率な行動慎むって誓ったけどッ!
地区を移動すれば多少は追手の目を巻けると思うからッ!
しばらく葛藤していた彼だが、突然冷水を浴びたように冷静になっていく…
その時頭の中に浮かんでいたのは自らの軽率な行動で起きた初日の大惨事だった。
大声で私の存在を伝え避難誘導していた衛兵
動揺し動けない私を攻撃してきた勇敢な能力者
その場から離れようとする私を野次馬根性で追いかけてきたメガネの男
途中から聞こえなくなった放送の声
(……………厄災の条件少し緩めるか)
厄災の発動条件を私への攻撃行動に限定し「即死級の厄災」のみとする
殺しても大してショックは受けないが前世の倫理観があるからか忌避感はある…
それ抜きにしても見ていて気分のいいものでもない。私はすき好んで人を殺したいなんて思えない。
でも院長は……透龍くんは違うんだろうな…
彼もきっとすき好んで殺したりはしないだろう
だが他人がどうなろうと彼はきっと歯牙にも掛けないだろうな…
でも今はこれでいいんだ
院長には憧れてるしいつかは完全に成って見せたいけどまだ俺でいい
おっと考えすぎたな……
と、まぁ目をつけられてるのが前の襲撃で分かったわけだから厄災の基準をそのままにして動き回ったら知らない所で死んでそうなんだよな
流石に私の命に手が届く相手が殺しにきたり、収拾つかないレベルで存在周知させにかかってきたら容赦しないが
死にたくないし
あと中央区行くのは風呂入りたいってのもあるけど大きい図書館で情報収集したいのが本命だ
南区の図書館は一般公開されてなかったわ
やる気あるのか!だから教育水準中世なんだよ!
流石にスラムの死んだおっさんの情報だけを頼りに生きていくのは怖いし
それが終わったら一旦人類圏から離れて魔族圏(仮称)で体隠さなくていいライフを求めて集落とか街とか国とかあったら訪ねてみたいなぁ……
あるかわかんないけど
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南区中央通りの終着点、人の往来が特に活発で平常時は開いておりその大きな門で中央区の大通りへ繋がっている「民の門」
ルーシー王国の中で最も人の通りが多く、商人も他国の人々も国民も多くの人が利用していたその門が活発さの影も形もなく重く閉じられていた。理由は…
「門の前に来たッ!」
彼のせいである
と、言いつつ門から一歩引いた場所にある家の裏で彼は杖の上に両手を添え院長のジョジョ立ちをしている。
「ふむ…どうしたものか
門が閉まっているな……噂通りだ…
門の側に関所があるのか…警戒時にはあそこで移動理由と身分の証明が必要なのだな」
関所には行列ができており、並んでいる人の中には「何で門が閉じてるんだよォッ!」
「この小せェ門を商品詰んだ馬車が通れると思ってんのかァァ!?」「買い物に行きたいだけなんですけど!!この理由じゃダメなの?」
など門兵も待機列の人達も中々苦労しているようだ(他人事)
こんな中、私が中央区に行く方法だが
正攻法だと至近距離で顔を見られた時点で詰みだ。
なんなら列に並んでいる時にバレるだろう。
移動理由も身分証明も何もかもが足りない。
となればアレを試してみたい
スタンドの基本技能「壁の透過」だ
スタンドは通常の物理法則に囚われない
それ故に壁を透過できるかというとそうでもない。
壁が厚すぎると透過ができなかったり、エコーズのように簡単に抜けれるスタンドもいる。
遠距離型はよく壁を通り抜けているイメージがあるので射程の限界値とかが関係しているだろうか?
スタンドはパワーあるビジョン、その仕様は成り立ちによって異なるのだろう。
少し脱線したがワンダー・オブ・Uはどうかというと楽勝だ
むしろ特化していると言ってもいい
このあらゆる障害を無視して距離を取り、移動し続ける力も院長を最強たらしめている部分の一つだ。
門から少し横に距離を取り、関所の人集りが遠くに見える辺りで周囲に人がいないことを確認し壁に手を添える。
(雑な作りとはいえボロ屋で手に入れた地図によるとこの先は露店街……
出てくるところさえ見られなければ違和感のない場所だと言えるだろう)
指先から水に沈むように彼の体が壁の中にスルスルと入っていく、そのまま前のめりに頭をぶつけると少しの間を置いて勢いのままに全身が透過していった。
この間約3秒
(バレてない…バレてない…
普通に壁際から歩いてきただけです…
堂々と歩いてもダイジョブダイジョブ……)
彼が壁の先で見たのは想像よりも大きな露店街、人通りは規模に対して心なし少ない気がするがパッと数えられる程ではない。
帽子を深く被り、俯いて顔が見えないように杖をついて目的の宿屋があるであろう高等地を目指して進んでいく。
周囲の目を気にしながらいつバレるか分からないドキドキを抱え、少しずつ足を早めていくのだった。
(予定は未定!だけどこのドキドキをずっと抱えたままなのは怖すぎるからある程度用事が済んだら人類圏から一旦離れたいな…)
彼がもし能力を全開にして逃げに徹した場合大大大惨事になります。
全てを敵にしても彼を追うことすら叶いません。
「厄災を超えて彼に攻撃が当たることはない」
それが世界のルールなので