修羅がダンジョンで冒険を求めるのは間違っているだろうか 作:赤城灯火
恩恵は神の血を介して背中に刻まれる。
子供たちは冒険して恩恵はエクセリアを効率よく蓄積する。
そして、俺たち神はエクセリアが子供たちの力になる手助けをする。
そのために、日々ステータスを更新する。
「いろいろ言ったが、神が力を与えるわけじゃない。力をつける手助けをするのさ。ここまで理解できたかな?」
「かすかに、いや確かに強くなったぞ。」
「おや、ファルナを刻んだだけだからステータスの変動はないはずだが、うーん、っ!!いや心当たりがある。神が眷属の背中に血を垂らすだけで力が大きく伸びる瞬間、それはランクアップ。とすればレベルアップ。その中でも第二級以上の冒険者のレベルアップだ。」
恩恵を刻まれた者がランクアップすれば上級冒険者と呼ばれ、レベル2の上級冒険者がランクアップすれば第二級冒険者に、レベル4の上級冒険者がランクアップすれば第一級冒険者と呼ばれるようになる。
それはランクアップしたの者とそうでないとでは、天と地ほどの差があるからだ。
「もしかしたらと思ってたけど、カムイくん、ランクアップの覚えはあるかい?あーステータスを持たなかった君の場合は殻を破ったというべきかな?そんな生まれ変わったように強くなった経験はあるんじゃないか?。」
空気がざわついた。
何らかの方法で話を盗聴されているのかもしれない。
神が神なら子は子だな、おそらくあのアスフィという女性の仕業だろうが揺らいだ気配は複数だ。
「仕方ない奴らだ本当に、アスフィ、聞こえているな、部屋に入るんだ。」
少しして罰が悪そうなアスフィが神の部屋に入ってきた。
最初に感じた大人っぽい綺麗な印象が反転して、今は余計子供っぽかった。
「さっきの続きだ。殻を破った経験は?」
「二度ある。一度目はオーガの群れを倒した時、二度目は山の頂上にいたオーガの主を倒した時だな。それよりこれでダンジョンに入れるのか?」
空気が固まった。
何か変なことを言ったらしい。
「それは問題ないよ。もう少し君と話をしたかったが、子供の冒険の邪魔をするなんてどんな神でも御法度だ。無事な帰還を待っているよ。」
これでようやくダンジョンに行けるな。
ヘルメス様の話じゃ10000ヴァリスもあればご飯も宿も十分なものを確保できるらしい。
◇
カムイが出ていった神室には主神と眷属が残された。
「先ほどの話は事実だとお思いですか?」
「アスフィも薄々ながら事実かもしれないと感じているのだろう。彼と戦ったらどうなる。」
アスフィはレベル3、都市の冒険者の中では上から数えた方が早い。
しかし、本人は顔をしかめながら口を開く。
「私は武闘派というわけではないので正直分かりません。ですが、真正面から向かい合いたくない雰囲気を感じます。」
「ハハ、そうか。彼は馬鹿じゃないだろう、恩恵もなしでモンスターのルツボに突っ込んで行くほど彼は鈍くはないだろう。それに彼はとても面白いと確信できる。今はそれだけで信じようじゃないか!神は気まぐれだからね。」
薄ら寒い笑みをより楽しそうな大笑いに変えて主神は、ステータスの刻まれた用紙を見つめる。
カムイ 14歳
Lv.1
力:I0 耐久:I0 器用:I0 敏捷:I0 魔力:I0
剣士:B 集中:I
《魔法》
【カムア・セレス】
第一魔法:カムア・スレイン
・武器に雷属性付与魔法
・雷の斬撃を放出可能
《スキル》
【至天渇望】
・単独戦闘時、成長速度超域補正
・経験値をどこまでも蓄積できる
初めて会った時に感じた精霊の気配は、雷属性の魔法として表れた。
発展アビリティとしてランクBの剣士とランクIの集中。
レベル1として破格の熟練度の剣士に、見たことない発展アビリティの集中。
いったい都市外でどんな経験を積んできたのか。
刻んだばかりでこれほど、これほどテンコ盛りなステータスの持ち主が何もしてこなかった訳がない。
彼は神が地上に降りる前の古代の英雄たちを、神々の度肝を抜いた英雄神話を思わせる。
もしもの話、古代の英雄たちに恩恵を刻むことが出来たなら、そんな叶うことのなかった妄想が俺の中で輪郭を帯びた。
心の踊る彼の存在はきっと、この暗黒期を照らす一筋の光、迸る雷光になるに違いない。
「楽しませてくれよ。カムイくん。」
主人公ステータス
カムイ 14歳
Lv.1
力:I0 耐久:I0 器用:I0 敏捷:I0 魔力:I0
剣士:B 集中:I
《魔法》
【カムア・セレス】
第一魔法:カムア・スレイン
・武器に雷属性付与魔法
・雷の斬撃を放出可能
《スキル》
【至天渇望】
・単独戦闘時、成長速度超域補正
・経験値をどこまでも蓄積できる