どうせなら、笑っていようぜ。   作:インチネ・ズィ・マゼタルーノ

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2/6話です。
一瞬間違えて投稿して、そのまま消えていったので書き直しました。違和感を覚えたら教えて頂けると助かります。


只今仕込み中、少々お待ちを…

 

 

 

 

 ごめんなさい。シャーレには行けません。

 ワタシは今、ゲマトリアの隠れ家に居ます。

 希望を繋ぐための道具を用意しています。

 だから少しだけ、先生の呼び出しには気付かないフリをしています。

 この調整で、きっと誰かの青春の助けになると信じているから。

 

 これでよし。送信!

 

 

 良い子のみんな、こんにちは。

 ワタシだ、赤蛇トグロだ。

 

 先生へのメッセージで書いた通り、ゲマトリアの隠れ家に居るぞ。

 移動中に自己解釈の反動が来てな、場所的にエリドゥもミレニアムもシャーレも絶妙に遠いしで困ってたから、黒服を呼んでワタシを保護させた。あんな場所で放置されたら死んでまうからな、超急ぎで保護させたぞ。

 

 ところで黒服よ、あんたそんなにヒビ割れてたか?なに、追い剥ぎにでもあったんか?オモロ、ぜってぇ襲撃受けてんだろ。

 

 

「クックック…なるほど、今の状態が代償なのだと。これは興味深いですね」

 

「あーそうだな、血ぃでも採っとくか?保護してくれた礼にな。そんで解析の結果をワタシにも教えてくれ」

 

「よろしいので?それでは遠慮なく…の前に、マエストロ、トグロさんに飲み物を用意して頂けますか。倒れられても困りますので」

 

「良いだろう。私が最高の珈琲を用意してやるので、大人しく待っていると良い」

 

「いや、普通に水をくれよ。あと甘い物」

 

 

 マエストロもな、なんかセクシーになってたわ。やっぱなんか襲撃受けてんだろ、おもろ、自業自得じゃん。

 

 そんなマエストロはエプロンを付けて引っ込んでいった。ねぇそのエプロンさ、ものすごい量の絵の具が着いてるけど間違ってない?異物混入しない?

 

 

『“もしもしトグロ!!無事!?”』

 

 

 

     

 

 

 はいそこ、先生の声に反応しない。マエストロも顔を覗かせない!大人しくしといてくれよ。

 

 待って、ワタシ応答してないぞ。ハッキングか?先生あんたまでワタシの端末をハッキングするんか?勘弁してくれよ。そういうのは緊急事態だけにしてくれ…ん?ゲマトリアに拉致られたとあれば緊急事態か?緊急事態だな、たしかに。

 

 あ、おい黒服!ワタシの端末返せよ!

 後なんで自己解釈の反動知ってんだよ、誰にも話してないのによぉ…こわっ…

 

「これはこれは先生、先程ぶりですね」

 

『“この声…黒服?トグロは無事なの!?”』

 

「えぇ勿論です。命に別状はありません。少々、対価を頂きましたが」

 

『“トグロに何をしたの!”』

 

「体液を少々採取させて頂きました。このような機会は多くありませんからね」

 

『“体液…ハッ!そういうのは駄目!!”』

 

「ナニを想像してんだ!血ぃ抜いたんだわ!思春期か!?」

 

 

 おぞましいイメージをするなよ先生、鳥肌立ったわ。

 てかそろそろ端末返せよ、どんだけ先生と話したいんだよ。そんなだからワタシに先生大好きクラブとか面白マッド集団とかゲマサーとか呼ばれるんだぞ。

 はよ返せよ、渋ってんじゃねぇよ。

 

 おい、手ぇ離せよ。力強く握ってんじゃねえ、いいから返せってのひび割れ黒狂人がよぉ。

 

 

「もしもし、先生。ワタシは無事だ安心してくれ」

 

『“良かった、ゲマトリアに捕まったって聞いてビックリしたよ…”』

 

「別に捕まってもないけどな、ちょっとアジトで休ませてもらってるだけだよ」

 

『“大丈夫なの?私が迎えに行こうか?いや今から行くから!すぐに迎えに行くから待ってて!”』

 

「いらん!アンタはアンタで忙しいだろうが!やることをやってくれ、ワタシに構うな」

 

 

 おいおいゲマトリアくん達さぁ、先生からの信用なさすぎじゃねぇの?笑っちゃ失礼だよな、うん。

 

 

「ははっ、オマエ等信用なさすぎだろ、ウケる」

 

 

 駄目だった。思ったことはちゃんと口に出さないとな、うん。コイツ等に失礼とかもうどうでもいいもん。

 

 

「トグロよ、持ってきてやったぞ。さぁ味わうが良い最上の珈琲をおぉぉぉ!先生!先生ではないか!」

 

『“マエストロまで!待っててね、やっぱりすぐ行くから!!”』

 

「あ"ぁウッゼェなぁ!テメェ等いっぺん黙れや!!」

 

「クックック…先生──」

 

「待っているぞ先生、新たな芸術を──」

 

 

 バカ共が、バカ共がよぉ…このクソボケが…

 今度はマエストロに端末取られた。

 

 あ、コーヒー美味いな。飲まないくせにめっちゃ美味いじゃん。でもなんでお茶請けがどら焼き?あ、これも美味い。おもちはいってるじゃん。もちもち。

 

 先生よ、アンタの周りに絶対他のヤツ居るだろ。こんだけ騒いだら目立つぞ、いや何もなくてもアンタ目立つんだからさ…止めてくれよ。通話先のワタシまで変な目で見られるじゃねえかよ。

 

 水もコーヒーもどら焼きと平らげたから、マエストロから端末を奪い返す。別に動けないワケじゃないからな。さっきまでは採血用の針が刺さってたから動かなかっただけだ。

 

 

「で、先生。用はそれだけか?ならもう少し休んで、コイツ等に研究の相談したら帰るから安心してくれよ」

 

『“ダメ!すぐに離れて!”』

 

「ダメじゃない!もう少し!」

 

『“ダメったらダメ!”』

 

「ダメじゃないもん!!」

 

 

 どうしたよ、そんないきなり知能指数下げて来るんじゃねえ。ビックリするだろうが。

 

 おいおいおいおい、このワタシ相手に駄駄を捏ねるつもりか?舐めてもらっちゃ困る。そう簡単には負けねぇぞ?

 こちとら駄駄を捏ねるプロよ!ダダこねのプロよ、プロダダコネラーよ。

 

 ん、だいぶ回復してきたな。そろそろ帰るか。

 いい加減うっとおしいんだよ、黒服とマエストロも先生好きすぎるだろうが。騒がしいったりゃありゃしねぇ。

 

 

「黙れや!先生もだ!いちいち相手にするから調子乗るんだ、ほっとけよ。んじゃワタシは帰るぞ、世話んなったな」

 

「貴女でしたら、何時でもいらしてくれて構いませんよ」

 

「そうか、また会える日を楽しみにしよう」

 

 

 お土産にどら焼きもらった。おっもち、おっもち。おもち然り求肥しかり、もちもちは正義だ、甘ければ最高だ。コーヒーは今度教えてもらおう。

 

 

「ああそうだ、先生達はアビドスの砂漠に向かっている筈です。今から行けば、面白いものが見られるかも知れませんよ?」

 

「ほーん。じゃあな、ゴルコンダにもよろしくな」

 

「ゴルコンダは居なくなりました、今はフランシスですよ」

 

「???」

 

 

 ゲマ謎が増えた、もうお腹いっぱいなんだけど…

 このオモシロ異形頭共はいったいどうなってやがるんだ。

 

 そんじゃエリドゥに行こう。帰ろう。

 

 


 

 

 やってきたぜエリドゥ。

 あ、エリドゥだが、名実ともにワタシの所有物件になったぞ。もともと財政難に近いミレニアムだからな、維持し続ける利点もないしでワタシが買い取った。お陰でワタシの資産の半分ぐらいが飛んでったが、黒服に滞在許可を出したらほとんど帰ってきたから減ったのは全体の2割ぐらい。怖ぇってマジで黒服オマエなんなんだよ…金持ちアピか?札束で殴るのは楽しいんか?殴られてるワタシは戦慄してるぞ。

 

 セミナーからは戦闘設備は大半撤去しろって言われたが、ワタシがするわけないだろ。見えるところは減らしたけど、総合でみたら戦力は強化したぞ。あとは最新設備とオーパーツ、あるもの何でも使った情報関連を増設した。ワタシとリオで、死んだ目になりながら設置し続けたからな…お陰で大幅パワーアップに成功だ。バレたら怒られるが、セミナーのトップが共犯だからな。揉み消してやるぜ。

 

 エリドゥの居住エリアに来たら、ケイちゃんが居た。まあ呼び出してたからな。居るのは当然か。

 

 

「やっと来ましたか、赤蛇トグロ。さっさと用件を教えて下さい。下らない理由ならはっ倒しますよ」

 

「おまたせケイちゃん。遅くなってごめんよ」

 

「で、用件は?」

 

「ケイちゃんの権限で、プロトコルATRAHASISはどこまでできるかなってね」

 

 

 あれからワタシなりにオーパーツ、無名の司祭関連のアレコレを調べて嗅ぎ回ったワケよ。それこそゲマサー連中にも話しを聞いたし、ヒマリオの2人にも聞いた。なんなら遺跡を巡って残滓を拾ったり解析したりしたぞ。なかなか面白かったから、今後とも継続しようと思ってる。

 コレで色彩に目ぇ付けられてたら考えるわ、意地汚く生き足掻いて諦めないつもりだが、ワタシ一人じゃ多分ムリ。ワタシの神秘の量と質的に、あるとしたら驕ってない夜を知らない司祭達が先に接触してくるだろうな。そしたら目の前で踊って煽ってやろうか、アリスとケイちゃん関連で腹立ってるし。反省を促してやろう。理解出来る用に。何度でも何度でも、ハッピーで埋め尽くせるようにな。

 …あれ?司祭って踊ってるんだよな?違ったっけ…なんか混じって覚えてるのか?変な記憶だけが残ってんだよなぁ…

 

 まあそれはそれとして、今回はケイちゃんが頼りだからな。

 

 

「ワタシの予測ではプロトコルの起動自体は可能で、明確な障害排除は権限の範囲内。ついでに権限の拡大解釈で実行の直前まではどうにかってところかな。どうだい、合ってるかな?」

 

「…たまに思うのですが、貴女は知り過ぎなのではないですか?そのうち消されますよ」

 

「合ってんのね、オーケー。そんじゃ予定通り、このエリドゥを使っておくれよ。試験は頼めるかな?」

 

 

 ワタシがやろうとしてることは、既に話してあるからな。と言っても、謎エネルギーとか言う不明瞭な情報からの推測と、ワタシの持ってる役に立たない原作知識が出処の考察だから少人数にだけ。ワタシとヒマリ、チヒロにリオ、あとはケイちゃん、トキ、ノアだけ。先生には話してないぞ、あっちはアッチで動くっぽいしな。

 

 

「必要ありません。情報を組み換えればどうとでもなりますので。それよりも、第3サンクトゥムで使用した私の(・・)武装の点検をお願いします」

 

「私の、ねぇ…」

 

「なんですか、文句でも?」

 

「製作者として嬉しくてね、愛着を持ってくれていてなによりさ」

 

 

 ケイちゃんに渡してる武装は全部ワタシのお手製だし、持ってる銃はアリス経由でリクエストを伝えられてるからね。モデルはS&W M500、ハンドキャノンとか言うバカが考えてバカが作って、バカが使うためのバカの武器を指定してきやがった。まあ、ワタシの銃のモデルはPfeifer Zeliskaとか言う、更にバカの銃がモデルだけどな。

 ワタシはともかく、ケイちゃんは問題なく扱えるんじゃないかな。だってアリスほどじゃないけど、相当な出力があるからね。機腕を展開して体を固定すれば、光の剣も扱えるんじゃないかな。

 

 あと関係無いコトとかを、リクエストついでにアリスが全部喋ってくれたぞ。たまに姿見の前でニヤけてるとか、柑橘とかミント系のお菓子が好きとか、負けず嫌いで寝る間も惜しんでゲームしてるとか、送った服を着てニヤけてるとか、炭酸が飲めないとか、静電気にマジビビリしたとか、プレゼントした小物を大切にしてるとかな。その割には態度悪くない?反抗期かな?可愛いね。

 

 ロボットには必要ない五感を感じ取れるように作ったボディを楽しんでくれているみたいで嬉しいね、でもホントに外見の変更は無くて良かったのかな?色とか髪型程度ならいつでも変えられるからね、オシャレも楽しんでおくれよ。  

 

 

「それにしても…貴女には危機感というものがないのですか?今のエリドゥを使い、あの時と同じ事をするとは思わなかったのですか?」

 

「別にしたければすればいいけどさ…君、ワタシより弱いじゃん」

 

「はあ?まさかあの時の事を言っているのですか?多少上振れただけのまぐれ勝ちを持ち出されても困るのですが…まさか現実というものが見えていないのでは?かわいそうに…」

 

 

 スッゴい言ってくるじゃん。

 そんなグサグサ刺してこなくてよくない?それに多分、ワタシまだ勝てるし。

 

 

「ははっ、やらない事を言われてもねぇ。だってもう『鍵〈Key〉』じゃないんだから、ケイちゃんなら安心だよ」

 

「…貴女という人は……やはり一度泣かせてやります」

 

 

 それに気付いてるかな、ケイちゃん。

 君は今、笑っているんだよ。そんな子を信じてあげないなんて選択肢、あるワケがないじゃないか。意地でも君を守るからね、最後まで笑って居ておくれよ。

 

 

「そう言えばなんだけどさ、よく抜け出して来れたね。いやワタシが呼んだんだけどさ」

 

「貴女が来いと言ったのではないですか!…まぁ、アリス達には事前に伝えておきましたので問題はありません。もとより過剰戦力ですよ、アレは」

 

「ありがとね」

 

 

 さて一段落かな、とか思った矢先にワタシの端末が再度鳴り響く。そう、ヤツだ。ヤツがハッキングしてきやがったんだ!勘弁してくれよ。

 

 

『トグロ、トグロ聴いてください!なんと、アビドスの砂漠にとんでも無い物が埋まって居たのです。なんだと思いますか?フフフ…聞いて驚いて下さい、なんと宇宙船です!どうです?驚いたでしょう?』

 

「…ああ、だいたい知ってる。話しはそれだけか?」

 

 

 全知さんさぁ、そんなだから全恥なんだよ?

 てかまさか、ホントにそれだけのためにワタシの端末ハッキングしたんか?ちゃんとした用件あるんだろうな?

 

 ないんだろうなぁ…コイツ、結構浪漫ポイント高いから。割と浪漫を追う側だし、テンション上がってかけてきたんだろうな。でもハッキングは止めてくれ。

 

 

『知って、はぁ?知ってる?……私だってトグロの計画を知っていますからね!』

 

「ガキかよ…ガキだわ。知ってるどころか計画の大半はオマエが考えてくれただろうがよ、その節は大変お世話になりました」

 

『ふふん。では、この超天才清楚系病弱美少女ハッカーは忙しいので。トグロに時間をかける訳には行きませんからね』

 

 

 切れた。

 オマエが掛けてきたんだろうが、わざわざハッキングまでして切断出来ないようにしてよぉ!こんのクソガキがよぉ!

 なんでそんな簡単にハッキング出来るんだよ!?ワタシの端末、キヴォトス中探しても頭おかしいぐらいにセキュリティ厳しいんだぞ。チヒロが呆れるレベルで厳しいんだぞ!なんで当たり前のように突破してくるんだ…本物の天才からしたらザルなのか?そうなのか?ワタシにプライベートは無いのか?

 

 とか静かに思ってたら、普通に端末が鳴った。

 普通に連絡を入れてきたのは、リオだ。

 

 これが常識だ!

 省みろ、大人。

 見習え、全知。

 

 

「はいよーリオリオなんだい?元気だぜ」

 

『良かった、無事だったのね。それと、第2サンクトゥムをやったのはトグロね?エネルギーは流入しているけれど、タワーが再び顕現しないのは何故かしら?』

 

「頑張った」

 

『そう…貴女が無事ならそれで良いわ。もう少ししたら私もエリドゥへ向かうわ、ゆっくり休みなさい』

 

 

 そう言って切れた。

 最近、リオが癒やしに思えてきたんだよな。ロリオの再臨か?アレはいいものだ。ゲーム開発部に良く顔を出してるし、なんなら箱庭系国家運営シュミレーションゲームをやってるぞ。ヒマリとどっちが上手く発展させられるか勝負してるらしい。多分、ヒマリが一方的にな。目標は人口1億なんだとか。

 

 そうそう、セミナーは今、空前のゲームブームが到来してるぞ。

 まずリオがモモイに誘われてゲームするだろ、リオは割とやり込むタイプだしゲーム自体は嫌いじゃないからセミナーの休憩中にもやるだろ、それに気付いたユウカが声を掛けるだろ、リオは普通に応えるだろ、興味を持ったユウカがゲーム開発部に行って遊ぶだろ、ユウカが遊ぶならノアもやるだろ、気付けばセミナー全員ゲームしてるとか言う光景が出来てた。勿論仕事は完璧だった。さすがだぁ…

 

 コユキ?コユキは強制参加に決まってるだろ?

 オンラインカジノだけは辞めさせた、見ててかわいそうだったからな…

 

 

「また鳴っていますよ。出なくて良いんですか?」

 

「これウタハなんだよなぁ…」

 

 

 絶対ヒマリと同じ用件をじゃん。

 出るけどさぁ…はいはい、どうせ宇宙船だろ?

 

 

『トグロ!トグロ!聞いてくれ宇宙船だ!アビドスの砂漠に宇宙船が眠っていたんだ!これから内部を調査するのだけどね、ああなんという事だ楽しみでたま──』

 

「あっそ」

 

 

 な?同じだろ?

 目の前でケイちゃんがワタシを見てる。かわいい。

 

 

「また鳴っていますよ」

 

「はぁ…なんだよオマエ」

 

『トグロ!何故か通話が切れてしまってね。それでこの宇宙船なのだけど、我々の知っている技術もあれば全く不明な未知の技術まで、パッと見ただけでも大量に見つかるんだ!この配管なんてとても長く続いているのに継ぎ目が無いんだ、もうこれだけでも───』

 

 

 長ぇよ。しかもどうでも良いわ。

 てかなんで掛け直すんだ。切れたんじゃなくてワタシが切ったんだわ。折り返しが早すぎる。

 

 取り敢えず、ヒマリとウタハを着信拒否にしておこう。

 

 

「まだ鳴ってますよ」

 

「…ワタシだ」

 

『良かった、繋がった。トグロ先輩は聞いた?アビドスに宇宙船があったんだ。どうしても1番に伝えたくて、今少し時間良い?』

 

「もちろんだよヒビキ、宇宙船だって?是非とも君と見てみたいモノだね、いったいどのような姿をしているのか、その場に居ないことがこんなにも悔しいとは思わなかったよ」

 

『そう?じゃあたくさん写真を撮っておくね、私も出来るだけ詳しく調査するから、帰ったら一緒に見よう』

 

「ありがとう。では楽しみに待っておくとするよ、しっかり見て学んで、これからの君の糧にしてきておくれよ」

 

『うん。また後でね、トグロ先輩。バイバイ』

 

「無理はしないように、またね」

 

 

 ヒビキも掛けてきたな。

 こうなったらもう分かるぞ、コトリもだろ?

 

 だって今も端末鳴ってるもん。

 

 

「出ないのですか?」

 

「今気合い入れてるんだ、ヨシ!……やぁ、ワタシだ」

 

モシモシトグロセンパイデスカ!キイテクダサイ!ジツハデスネ、ナントアビドスサバクニウチュウセンガマイボツシテイタンデス!コレハレキシテキカンテンカラミテモオドロクベキコトデ、コノチイキハカツテイセキガアッタトブンケンニハノコッテイタノデス、デスガソノブンケンハイママデミムキモサレズネムッテイタノデス。アアデモゴメンナサイヤッパリウチュウセンニツイテハナサセテクダサイ!コノウチュウセンハデスネゲンザイワカッテイルカギリデストフクスウノヘヤニクカクワケサレテイテ──」

 

「ごめんよ、コトリ。もう少し話しを聞いていたいのだけど、仕事が入ってしまっていてね。君がその宇宙船を調べて分かったコトを、帰ってきてから教えてくれるかな?」

 

「なんと、ごめんなさいトグロ先輩。夢中になってしまっていました」

 

「謝ることなんてないさ、無事に帰っておいで。君の考察を聞ける日を、楽しみに待っているからね」

 

「はい!失礼します」

 

 

 鼓膜が吹っ飛ぶかと思った。

 相変わらず元気良いな、何度この元気を分けてもらったかわからないね。今もこうして声を聞いて、ワタシは笑顔が溢れているに違いない。

 

 あのさぁ…エンジニア部さぁ…

 なんで別々にかけてくるかな、全員同じ内容ってなんだよ!?テンション上がりすぎだろうがよ、ワタシをバカにしてんのか?

 まったく…面白すぎるだろうがよ、これだから嫌いになれないんだ。

 

 

 ふと目線を上げれば、怪訝そうな顔でケイちゃんがワタシを見てる。かわいい。

 

 

「…態度、違い過ぎませんか?」

 

「ハハッ、そりゃそうでしょうよ。アホを煮詰めたバカ共と、可愛らしくて愛らしい後輩を同列に扱うワケがないじゃないか」

 

「そうですか」

 

 

 モチロン、ケイちゃんもかわいい後輩だからね。これからも甘やかすから覚悟してくれよ?見習えとは言わないけど、トキのレベルで寄りかかってきても良いんだぜ?ワタシが嬉しい。

 

 なに?そんなにじっと見ても、新しい紅茶とケーキしか出ないけど?かわいいな。

 

 

「…苦労してるんですね、どうぞ」

 

「あ、うん。ありがとう」

 

 

 ケイちゃんのポケットから出てきた飴ちゃんをもらった。いちごミルク味美味しい。ありがとう。

 でもなんかスッゴい哀れみの視線な気がするんだけど、目を合わせなければ大丈夫だ。別にワタシは少ししか困ってないから。

 

 

「うっし、元気出たしメンテするわ。使った装備を見せてくれるかい?」

 

「外して工房に置いてあります。早めに頼みますよ」

 

「あいよー」 

 

「ああそれと、全てが終わってからで構いませんので、私とゲームをしましょう。10先です。そろそろどちらが上かハッキリさせましょう」

 

 

 ゲームは良いぞ、ケイちゃんから誘ってもらえるなら何でもするさ。ケイちゃんさゲーム開発部にめちゃくちゃ影響受けてんな、いっぱい学んでおくれよ。

 でもいいのかな?アリスから聞いているけど、ゲームの腕はネルといい勝負らしいじゃないか。ミドモモにも勝てない君が、ユズといい勝負できるワタシに勝てるのかい?手加減はしないからね。

 

 そんじゃ、この先に備えて整備をしちゃおう。ワタシも自分の装備を更新しておかないとな。マイセット変更だ、既に用意はしてある。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 なんか、宇宙船のコスチュームを作るらしい。ヒビキに草案を送っといたけど、どんなふうになるんだ?てかそんな余裕あるの?

 面白そうだから、ワタシ達も別で用意するけどね。面白そうだからさ、面白そうなら仕方ないからな。




そろそろ空へ行きますよ。宇宙までは行きませんけど。

なんも思い付かないから、参考までに……

  • トグロだけの小話
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  • オリジナルイベント
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