どうせなら、笑っていようぜ。   作:インチネ・ズィ・マゼタルーノ

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5/6話

できらぁ!


え、命綱無しで飛び降りを?

 

 

 

 

 良い子のみんな、こんにちは。

 ワタシだ、赤蛇トグロだ。

 

 今ね、ワタシ。

 地上75000mから紐なしバンジーしてる。地上に付く前に死ぬかもしれないが、色々対策はしてきてるからまだ元気。

 

 

「いぃぃ〜〜やっほぉ〜〜〜ッ!」

 

 

 そんなコトより、やっべぇめっちゃ楽しい!

 眺め最高、スリル満点、ワタシは今空にいるぞ!!

 

 心なしか、背中にいるプレナパテスさんが白目向いてる気がする。気がするだけだ、仮面で見えないからね。気の所為だろう。きっとこのフリーフォールにテンションが上がって喜んでるに違いないな!

 

 

「絶景かな!絶景かな!!ワタシはまだ、生きているぞ!」

 

 

 テンションが上がりきって、ハイになってるワタシの脳内CPUが落ち着いてきた。エンジンなら暖まってきたってところだな。ワタシの頭はもう、ダメなのかもしれない。

 

 それでもそろそろこの状態にも慣れてきた。

 ちゃんと落ち着け、高笑いしてる場合じゃねえから。

 

 状況確認だ、うっすい空気、ひっくい気圧、さっむい気温。対策してなきゃもう動けなくなってるな、そのうち断熱圧縮で燃えるだろうしな。

 あぁ、対策だが、ゴリッゴリの力押しだぞ。

 

 最高倍率で強化した神秘で、ワタシ達をカリカリ回廊の空間ごと呑み込んで、その状態の中に居る。ワタシ達はワタシの腹の中に居るんだ。

 外から見たら、デカい蛇が頭から落ちてるんじゃないか?ああでも、見える頃には燃えてるかもな、流れ星になるかも。

 

 ははっ、星に願いでも掛けてみるか?

 

 

「まずはヒトの世界に戻らねぇとな、加速だぁ!」

 

 

 ワタシの神秘が枯渇する前に、さっさとまともな空気圏に行かないとな。元気ある内に流れ星にならないとマズイ。イヤなコトは先に済ませたいんだよ、ワタシは。

 

 んじゃ、羽生やしますか。

 格好良く神格なケツァルコアトルって言いたいが、どちらかと言えばカドケウスだな、司るは嘘つきってな。でも多分、ワタシにそんな大層な神秘はねぇよ。せいぜいデカい蛇がいいところさ。

 

 羽ばたいて落ちろよワタシ、このままじゃイカロスになっちまう。

 

 

「落ちるぞプレナパテスさん。しがみついてろよ」

 

 

 流れ星改め、天彗蛇ってな。

 ブーストするぞ!

 

 

聴けよ世界!

 

 

 ワタシを認識するモノを、ワタシを定義するモノを、ワタシをワタシたらしめる根源を、ワタシはワタシの世界を広げよう。 

 神秘を疑え、自身を曲解しろ。

 

 

望まば遠く、手繰れば近く。あるいは普遍に在るとする。意志により神秘の有様を解く。変幻する世界に一雫の信念をもって立ち上がれ、己の根源に火を灯せ、奮って響けや我が心!──自己解釈:ワタシこそが浪漫!!

 

 

 今こそ頑張り時だろう。

 心から笑うために、心底笑うために。

 振り絞って行こう。チョー本気出していこう。

 

 まさか自己解釈をこんな風に使うなんて、これっぽっちしか考えてなかったわ。だって自己解釈って、ワタシがキヴォトスの最強格と戦うのを想定して習得したわけだしな。

 いや、だってアリス殺してたらネル筆頭にシャーレと敵対するだろ?

 

 まぁ汎用性が高すぎて、何時でも使いたいレベルなのは予想外だったぞ。気軽には使えないけどね。

 

 ちなみにだが、この自己解釈を使うとワタシのヘイローが変化するぞ。元々は赤と黒のデフォルメされた2匹の蛇が互い違いに回ってるデザインだが、2匹が繋がって、デカい1匹になる。そんで、強化が切れると元に戻って赤色の蛇が消える。そのうち戻るけどな。

 まあ、ヘイローって本人の気持ちで変わってくるし、そんなもんじゃないの?特にヘイローの強度なんかはメンタルと直結してるっぽいし。ならワタシのヘイローは、メッチャ固いだろ。

 

 こちとらメンタル無敵系でやらせてもらってるトグロちゃんだぞ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ねぇプレナパテスさん。こっから入れる保険とか知ってるか?」

 

 

 ヤベェ、死ぬかも。

 

 自由落下+加速=止まらねぇ…

 

 全力で逆噴射してるぞ、燃えながらな。

 まあ燃えてるのはワタシの神秘の外殻的な部分だけだから、中のワタシ達は無事だよ。なんかワタシの中のナニかが削れていってる様な、頭の内側を荒いヤスリをかけられてるみたいに痛いし、ちょっと手足が痺れてるような感覚があるけど。

 

 許容範囲だな、ヨシ!

 

 背負ってるプレナパテスさんは、さっきからワタシの肩をバシバシ叩いてるぞ。ワタシの恐怖の上書きが上手くいったっぽいな、ある程度自由に動けるハズだ。それときっと、フリーフォールが楽しいんだろうな、ワタシも結構楽しいぞ。命の危機が伴ってなければもっと楽しいだろうけどな!

 

 

 

 グングン地上が近付いてきたな、こっわ。

 持ってるもん全部使ってやろう。このために持ってきたんだもん。戦闘にはあんまり役に立たないヤツを。

 

 燃えてた神秘の外殻はさっき切り離したぞ、あれ負荷が強すぎるわ。背中にプレ先抱えてなければ痛みで絶叫してるレベルだ、さすがに音速超える速度はキツイて。

 

 えっと今の高度は、もうじき20000mか。

 もう少し勢いを落とせば…あ、パラシュート先生に渡したんだった。取り敢えず機腕を広げとこ、面積広げて速度を落とさないとな。もう燃えるコトもないだろうし。

 

 こんなネタ弾丸が陽の目を見るとは思わなんだ、一時期ライフルとサブマシンガンの2丁スタイルだった時期があったんだが、そん時に作った。同じ弾丸じゃないが、コンセプトは同じだ。

 そのコンセプトは、反動だ。

 威力とか射程とか全部捨てて、撃った時にかかる反動をでっかくした。撃った反動で、その場からの緊急離脱が出来るようにしたかったんだよ。悲しいコトに、そん時の技術じゃ銃の方が耐えられなかったが、今の銃なら耐えられる。

 

 地上に向けて、撃ちまくれ!

 この弾撃つの楽しいんだよ、しかも神秘籠めまくりの全力で使える機会は今後ないだろうからな、楽しんでこう!

 

 

「浪漫式番外、神秘装填。這う遠吠──虚影の灰!」

 

 

 撃った瞬間、空中で静止したような感覚がある。感覚だけな、ちゃんと落ちてるから。それでも落ちる速度は下がるだろ、多分おそらくキット絶対に速度が落ちてる。そうじゃなきゃ、着地出来ねぇからな。

 

 あと、腕がジー…ンってしてる。これ、偽装神秘と自己解釈なしだと手首と腕と肩を持ってかれるレベルだわ。

 

 

「……を、連射ぁぁ!!」

 

 

 それが今なら撃ち放題だ!

 

 

「アッハハハハハ!まだまだぁ!アッハッハッハッハ!!」

 

 

 なんて爽快な気分なんだ、素晴らしい…素晴らし過ぎるだろコレ!?

 最高に楽しい。

 

 火力もいいが、この反動…銃を、撃ってるってコノ感じ!

 ワタシの脳ミソを揺らす爆音と衝撃、あぁ本当に気持ちがイイ!!

 

 

「アッハハ、アッハハハハハ!アッハッハッハッハハハ、アッハァ〜……ん、どうしたよ?」

 

 

 いっそう強く肩を叩かれて思い出した。そうだった、ワタシいまプレナパテスを背負ってるんだった。楽しすぎて忘れてたわ、ゴメン。うるさかった?気を付けるね。

 

 とかやってたらそろそろ10000mを切ってた、普通にスカイダイビングするなら地上4000m前後のハズだ。地上までにかかる時間はだいたい30秒ぐらい。今はその倍ぐらいの高さ、既に落下してるし1分も猶予がないかもな。

 

 時間がねぇぞ!頑張れよ、ワタシ。

 

 

「そろそろ地上だ。一気に速度を落とすぞ、歯ぁ食いしばれ!」

 

 

 残った黒色のカード2枚も砕いちまうか、全部を神秘ブーストの逆噴射に使ってやろう。

 

 衝撃に備えろよ!

 

 

「ン、グッ……!」

 

 

 短時間にこんな量の神秘と恐怖を扱ったのは初めてだよ、今にも器が割れそうだ。いい加減許容限界が超えてるんだよ、そもそも偽装神秘も自己解釈も器が足りないから使ってるし、許容限界を超えてるから反動なんてもんがあるんだよ。なんとかなんねぇかなぁ〜踏み倒してぇなぁ~…無理か。

 

 まだ終わんないんだけどな!

 気張れよワタシ、せめて生きて着地しないとな!

 

 

 

 

 

 

 

 

 目の前に大地が迫ってる。

 

 

呑み込め!

 

 

 地上からワタシに向って、大口を開けたもう1体の蛇を呼び出す。それにワタシとプレナパテス、既にボロボロになってる神秘の蛇をまとめて呑み込ませる。

 

 新しい蛇にはワタシ残りの神秘を全部注ぎ込んである、これで着地出来なきゃ多分死ぬ。上手く衝撃を殺せるコトを祈ろう。

 

 

 

 

 

 そして、ワタシの意識は暗転した。

 

 

 

 

 


 

 

 

 

 

 

 

「あら、やっと目が覚めたようですね、トグロ」

 

「ヒマリか、動けん…なんか甘い物くれ」

 

「まったく…トグロ、死にかけだったんですよ?」

 

 

 ここはヒマリのセーフハウスか?

 なんか賢そうな機械の向かい側に、スピリチュアルな雑誌やらアイテムが並んでるからな。小綺麗にしてあるのは好感が持てる。オカルトって言っても、インテリアとしてみればキレイなもんだからな。

 

 なんでワタシがココに居るのかとか、一緒に居たプレナパテスはどこ行ったとか、気になることは多い。まあでもワタシは生きてるし、なんかあったら間違いなく取り乱すであろうヒマリが落ち着いてるからな、多分大丈夫なんだろう。

 

 でも聞いておく。

 

 

「ヒマリ、どんだけ寝てた?」

 

「さぁ?長くて1時間も経っていないはずですよ。それと、先生は無事です。現在は、ウトナピシュティムの本船に乗っていた全員の健康確認中です」

 

「そっか、ならいいや」

 

 

 ヒマリのセーフハウスなら、ミレニアムが近いな。そっからなら安全に我が家(エリドゥ)に帰れそうだ。まあ、偽装神秘の反動の後でな、今回は何時間動けないのやら…

 

 

「良くありません。トグロ、私達がどれだけ心配したと思っているんですか!?」

 

「んー…かなり?」

 

「いいえ、それなりに。トグロは目覚めると、無事であると確信してましたので。だいたい、チーちゃんもリオも心配し過ぎなんですよ、トグロは何時も簡単に嘘を吐きますが、私達との約束を破った事はありませんから。心配するだけ無駄なんですよ」

 

「なるほど…じゃあさ、なんで簀巻きにされてるワケ?」

 

 

 なんでなん?

 逃げねぇよ?

 

 

「だって放っておいたら、また無理するじゃないですか」

 

「んー?」

 

「ふふ、冗談ですよ。トグロなら簡単に解けるでしょう?ドッキリと言うやつです。びっくりしましたか?」

 

 

 うん、まあびっくりはしたよ。

 でもヒマリはそういうタイプじゃないからな、誰かの入れ知恵だろう。

 

 簡単に解けるだと?ワタシは今、まったく動けないんだが?

 具体的に言うなら、喋れるし首は回せるが、それ以外が出来ないな。退屈な時間だよ。

 

 

「なぁヒマリ、ワタシと一緒にプレナパテス居なかったか?」

 

「居ましたとも。倒れ伏したトグロを守るように。今は隣の部屋に居ます。そろそろエイミが呼んで来るはずです。…それにしても、まさか本当に彼処から飛び降りただなんて。トグロはバカですね、本当にバカです。生きているからこそ良いものの…そもそもなんで生きて居られるのですか?方法が無いのなら先に言ってくれれば良かったんです。そうすれば脱出シーケンスの回数を増やせたかも知れないんですから。先生もです。自分の分を回して自分は飛び降りるだなんて、そうするのなら早く言って欲しいものですよ。そうですよ!トグロもトグロで、そこまでするぐらいなら何故もっと準備しなかったんですか。トグロならもう少し安全に帰還する程度出来たんじゃないですか?」

 

「一言で」

 

「おかえりなさい、トグロ」

 

「ただいま。お前も頑張ってたな。おつかれ、ヒマリ」

 

 

 まあいいか、それなりに心配かけたのは分かった。実際死ぬかもってトコロだったし、逆の立場ならワタシは大パニックだもん。

 ヒマリも良くやったよ。ワタシにはよく分からんかったオペレーターやらシステム関連をやり切ったわけだしな、さすが超天才だ。個人的にヒマリの能力は、自称分よりも上にあると思ってるぞ。身内贔屓はあるかもだがな。

 ていうか、そのヒマリと同じレベルで仕事出来てたあの不審者もといハナコちゃんスゴイな。あの子そんな頭良かったんか、もう不審者とか言えねぇじゃん。頭良いのは知ってたよ。少し話しただけでも賢いってのが分かるレベルだったし、でもあんなに頭良いなんて思わんて。なんであんな不審者ムーブしてんだよ、組織のトップで君臨できそう。でもなんか苦労してそうな雰囲気はあるよね。

 

 

「部長、連れてきたよ」

 

「ありがとうございます、エイミ。プレナパテスさんも、どうぞこちらに。…トグロ、そろそろ起き上がったらどうですか?」

 

「いや、動けねぇんだってワタシ。あと1日ぐらいはこのままかもしれん」

 

「どこか痛むのですか!?」

 

 

 やめれ、オマエ等。ペタペタ触んな。

 プレナパテスさんも、その図体と見た目のわりに動きが可愛いな、ギャップがすげぇ。

 

 ワタシは別に外傷はないし、神経に異常があるわけでもないから。

 ただちょっとヘイローにヒビが入って、頭が痛くて、全身に力が入らないだけだから。そのうち治るから。

 

 

「いや痛いとかじゃねえって、全身に力が入んねぇんだよ。ほら前にエリドゥでワタシが車椅子だったろ?そん時と同じだ」

 

「なるほど…結局理由を教えてもらえなかったアレですか、なんでそうなったんですか?トグロの健康状態であれば、何も問題が無いはず。まさかトグロもドッキリを!?」

 

「ちがうわ。体が動かないのは無理に神秘を使った反動とでも思ってくれよ、詳しく話すつもりはない。理解してくれ」

 

 

 これでヒマリとエイミからの追求は逃げるつもりだ。エイミならいいけど、ヒマリなら好奇心で偽装神秘も自己解釈も使えるようになりかねない。そんなコトしたら身体が耐えられないだろう。覚えるにしても1から自分で調べてくれ、そうすれば検証とか実験を重ねるだろうからな。危険性は理解するだろう。

 

 そんでずっと視界の半分以上を占拠してるプレナパテスさんを見る。落ち着いて観察すると、なんとなく先生の動きと似てる気がするな。まぁ別世界の本人なんだしそりゃそうか。動けるようでなによりだ。

 

 でも絶対に伝えとかないといけないコトがあるからな、これだけは話しておきたい。

 

 

「プレナパテスさんよ、ちょっと聞いてくれ。先に伝えておくが、アンタはなにもしなければあと3日と保たない。ワタシが持てる手段を尽くしたとして、現状では1〜2ヶ月の延命が限界だ」

 

 

 リアクションが薄く見えるのは、なんとなく分かってたからか?それともたんに固まってるだけか?表情が見えんから分かんねぇな。

 

 延命と言っても、ワタシが恐怖を補充するぐらいなんだけどな。1回やったし次からはもっと上手くやってやるんだが、量が足りねぇんよ。さっきワタシが不足分を埋めたワケだが、さっそくその分が減ってきてる。燃費の悪さが半端ねえ。

 2週間程度なら、ストックしてる反転した神秘と謎タワーからパクった恐怖でどうにか出来るが、そっから先は多分ワタシの神秘の回復が間に合わなくなってくるだろう。そうなりゃワタシかプレナパテスさんのどっちかが先に倒れるだろうね。

 

 

「そんなワケだから、アンタがやりたいコトやり残したコト、伝えたいコトとかをやろう。ワタシは聞いてたぞ、コッチの先生に生徒達をよろしくって言ったろ?ホントにそれだけか?あの子に伝えたいコト、残ってんじゃねぇの?言えなかったから、託そうとしたんじゃねぇのか?」

 

 

 今度こそ分かりやすく固まったな。

 ああそうだ、もう1つ。

 

 

「ワタシの上着の内側に、アンタのタブレットと折り鶴がある。あの場に落ちてたが、大切なもんだろ?エイミ、ちょっと出してやってくれ」

 

「わかった。えっと…これのこと?」

 

「おう、ありがとな」

 

 

 大切そうに受け取っちゃってさ、そんなに思い入れのある物なんだな。まあ自分のカードはコッチの先生に渡してたし、タブレットの中のヒトも移動した後だろう。

 この青い折り鶴が、このヒトを繋ぎ止めてると見ていい。…待てよ、この折り鶴なんか見覚えあるんだよなぁ。たしかこの前シャーレに行ったとき、先生のデスクに置いてあった気がする。同じかは知らんが、青い折り鶴はあったと思う。

 

 

「プレナパテスさんよ、必要なもんがあればコイツ等に伝えてくれ。筆談ぐらいなら出来るよな?………うん、なら大丈夫だ。ヒマリ、細かい話の調整は任せていいか?」

 

「ええもちろん。どうせそのつもりで落下地点に呼んでいたのでしょう?この世界の危機を救った英雄であり、ミレニアムが誇る高嶺の花。更に『全知』の称号を有して澄み渡る清涼の心根の持つこの超天才清楚系病弱ハッカーにおまかせあれ。後は引き受けましょう。エイミ、まずはお客様をもてなしますよ!」

 

「えっ…部長?トグロ先輩はどうするの?」

 

「トグロは寝るつもりです。放っておいて構いませんよ」

 

 

 エイミとプレナパテスを引き連れて、ヒマリは部屋から出ていった。態度の割りにアイツは気が利くからな、ワタシが今1人になりたいのを察していたのかもしれない。

 

 だってさ、メッチャ頭が痛いんだよ。

 ワタシはな、辛いとか苦しいって顔を見られるのがイヤなんだ。必死こいてヘラヘラしてたけど、結構しんどい。

 酷い脱水症状みたいな感じ?これ多分、ワタシの神秘と器が回復しきるまではこのままっぽい。気合いで慣れるしかない。

 

 それにしても、ヘイローにヒビが入ったのは初めての経験だから、ちょっとワクワクもしてる。死にかけってのは置いといて、貴重な経験をしてると思えばこの痛みも悪くないような気が……しない。痛いもんは痛い。2度とゴメンだわこんなん。次からは鎮痛剤と回復用のなにかしらを用意することを誓おう。痛いのは嫌いだ。

 

 それにしても、今回はかなりの無茶をした。

 思い返せばフリーフォール、すげぇ楽しかったな。もう一生やりたくないけど、あの景色は宝物と呼んでもいいレベルだ。もう見たくないけど。

 

 どうしよ、あれ?スカイダイビングの記憶しか残ってねぇ…そんなわきゃねえって、ケイちゃんの衣装可愛かったもん。あれ、それぐらいしかしてない?

 知ってたさ、始めからそのつもりだったさ!でもワタシ、今回なんの役にも立ってないな。キヴォトス滅亡の危機に、ワタシ自分の欲望満たしてたな。

 うわぁ…キッツ、引くわ…最低じゃん……

 

 ま、まあ? 

 ケイちゃんは消えなかったワケですし?当初の目標は達成したから許してほしいね、なにせケイちゃんが生き残ってるからな!!

 

 ……プレ先も出来れば生かしたかったな。本っっ当に死ぬ直前で色彩に触れたんだろう、ギリギリ死んでない状態。というか、死ねない状態で固定されてるとか思わんじゃん。

 今もその状態だけどさ、あの人、多分だけど常時とんでもない苦痛を受け続けてるぞ。だって、死ぬような苦痛を受けたまま死ねないんだもん。

 

 延命、しても良かったのか分かんねぇ…

 あのまま死なせてやるのも、救いだったのかも知れない。そんなコトを今更ながらに思うワケですよ。らしくもなく、不安なワケですよ。

 せめて、アッチのシロコちゃんと話してからだ。なし崩し的にお別れしなきゃいけないってのと、きちんと言葉を交わしてからのお別れでは雲泥の差だろう。

 

 ワタシだったら、一言でいいから話してほしいもん。

 余計なお世話ならもうそれで良いよ、所詮は自己満足以外の何物でもないからね。でも、もしその自己満足で少しでも救われてくれるのなら、それほど嬉しいコトはないだろう。

 

 

「はぁ…寝よ」

 

 

 疲れたし動けないし疲れたし頭は痛いし疲れたし、1回も戦闘をしてないのにスッゴイ疲れた…

 取り敢えず寝よう。自慢じゃないが、寝ようと思えばワタシは何時でも何時まででも寝てられるからな!起こされるまでは寝ようと思う。ガチ寝だ、明日まで寝よう。

 

 おやすみ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

なんも思い付かないから、参考までに……

  • トグロだけの小話
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  • オリジナルイベント
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  • よく名前の上がるキャラとの小話
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