どうせなら、笑っていようぜ。 作:インチネ・ズィ・マゼタルーノ
いやね、書いてて楽しいんだもんコレ。
マスコットと化したモモイ
「あ!あっちにエネミー発見!アリス勇者号、攻撃ー!」
アリス勇者号(機内通信越し)
「分かりました!うぉー勇者キーック!今のアリス達無敵です!」
楽しくなってきたマスコットモモイ
「アリスアリス、この建物…中にアイテムがあると思わない?」
ゲーム気分になってきたアリス(通信越し)
「マップは……隠し部屋まで埋めるべしですね!」
被害が、洒落にならなくなってきた。
その頃、ミドリは…
「納期が…時間が足りない……お姉ちゃんがギリギリになってからリテイクとか言うから……あーもう!外がうるさい!集中できない!!」
各方面へ腹を立てながらも、イラストレーターとしての職務を全うしていた。
この一件により、ケイの中で助けに来たユズと正しく仕事をこなしていたミドリの評価が爆上がりするのだが、それはまた別のお話だ。
「イヤです!」
「…それは、何故かしら?」
そう言ったケイは不機嫌そうだが、真剣そのものである。
これだけ真剣に拒否されれば、無下にはできない。普段からきちんとしているケイの事だ、それ相応の理由があるのだろう。ここは一つ、その訳を聞いてみようではないか。
「……て、だって………あんな小っ恥ずかしいセリフ!言えるわけないじゃないですか!!」
「えっと、それは、どういう事なの?」
「あぁ…すみません、少し取り乱しました。順を追って説明しましょう」
何がイヤなのか、何が小っ恥ずかしいセリフなのかはケイしか知らないのだ。想定よりも意味の分からない拒否の理由に、リオは少し面食らいながら説明を求める。
「おいおい聞いたかオマエ等?小っ恥ずかしいってよ、あんなロマンに溢れたカッコいいセリフを、小っ恥ずかしいってよ。信じらんねぇぜ…」
「ああ、同意見だね。一体何が恥ずかしいのか、まるで理解できないね。思いと情熱を込めて吼えるのに、なぜ葛藤が必要なのか…」
「ムグゥン、モゴモゴ。モッモ、フゴー。モゴモゴモゴモゴモゴモゴ」
やや主張強めに、部屋の隅では阿呆が野次を飛ばしているが、当然の如くスルー。
ただ、そろそろヒマリの拘束は解いてやっても良いかも知れない。
「──…そう、今回だけ我慢してくれないかしら?」
「なっ!?」
「そんくらいなら別によくねぇか?」
「ネル先輩まで!?」
そうこうしている内に、ケイの主張は終わった様だ、けれど残念ながら認められはしなさそうだ。
味方が居ない事に気付いたケイは絶望していた。
「ッ!大変です!アリスちゃんが建物にも攻撃を始めました!」
「そんな!どうしてですか!!?」
アリスの乗る人型兵器 H.U.M.P. ザ・ぶれいぶばーにんぐを、念の為監視していたユウカの声が上がる。先程までは最強決定戦とかやっているアホなロボットを壊してくれていたので、推定中立に近い扱いをしていたのだが、こうなってくると話は違う。
ミレニアムにも被害を与えるのであれば、校則違反者として捕まえなければならないからだ。
「ネル。何としてでもアリスを止めてきてちょうだい。」
「はぁ〜、しゃぁねぇ…いっちょやるか!色々ぶっ壊しても文句言うなよ」
「この際、大抵の問題には目を瞑るわ。兎に角、あのロボットによる被害を食い止めるのが最優先よ」
お前ら行くぞ!と、ネルは先程と同様のアタッカー部隊全員を引っ張りながら部屋を飛び出した。
「あっ、ちょ!?ムリ、ムリですッ…私あんなの相手に出来ないですってぇ〜!!」
「つべこべ言ってんじゃねぇ、行くぞ!」
しっかりと戦力として数えられているレイに、逃げる術は存在しない。泣きながら連行されて行った。
“それじゃ、私も”
そして目をキラッキラに輝かせた先生も、止める間もなく部屋を飛び出して行った。
「ユウカ!」
「追います!」
その後を追うユウカ。
ホント、楽しそうな職場だ。
残されたメンバーは、今まで通り裏方作業を進めていこう。施設内の隔離や、混乱に乗じたアホなハッカーの逆探知、被害の損害に合わせて部品等の発注、やらなければならない事は山積みなのだ。
「ケ、ケイちゃん…ちょっといいかな?」
「はい。どうしましたか、ユズ部長」
その中でも、手持ち無沙汰なのがユズだ。セミナーの仕事なんて知らないし、この場で教育とかしている余裕はない。アワアワとしながら、捕まえたトグロ達を見張っておくくらいしかやる事が無いのだ。
まあ、セミナー側からすれば、問題児達を見張っておいてもらえるだけでかなり助かっている。あの問題児達はなんだかんだユズを気に入っているので、近くに置いておくだけで随分と大人しくなる。本当に助かっているのだ。
「ケイちゃんは…その、どうしても、イヤなの?」
「…それは、その……」
そんなユズの控えめで、小さな質問。
けれどしっかりと目を見て、その心を確かめようとする真っ直ぐさに、ケイは口篭る。気まずそうに、視線をそらして言葉を探している。
「ふふっ…」
「何がおかしいので?」
それがちょっと面白くて笑ってしまったが、ケイは速攻で反応する。この子、煽り耐性とか低いから…
「あっ、ご…ごめんね?その…ケイちゃんはさ、本当はアリス達を、止めに行きたいんだよね?」
「…まぁ、そうですね」
「でも、イヤだって言っちゃったから、やっぱり行くって言い出しにくいんだよね」
「……」
つまりはそう言う事である。
一度イヤだと言ってしまったし、強めに否定してしまったケイは、プライドが邪魔してやっぱり行きますとは言い出せないのだ。
こんな面倒くさい性格のケイから、その辺の本心を比較的スムーズに聞き出せるのは、今のところユズしか居ない。人望の差だ。ネルやトグロにも気に入られているし、ユズにはちょっと面倒な人から好かれる才能があるのだろう。
「わ、私は、みんなを追いかけたい。だから…ケイちゃんも、一緒に来てくれる?」
「…はぁ〜〜〜……分かりました、分かりましたとも。えぇ、えぇ、ユズが行きたいと言うなら、私も協力しましょうとも!えぇ!」
ユズ、一世一代の勇気を振り絞ってケイを誘う!
もしも断られようものなら、ショックで寝込んでロッカーに引き篭もるのは間違いない。そんな青春を賭けたユズの説得に、ケイは折れた。
この告白は、部屋に居る全員が聞いている。
緊張しっぱなしのユズは、自身が発した声の大きさに気付けていない。
これを聞いていたリオは、じゃあ頼むと言いに2人の元へ向かおうとするが、優しくチヒロに止められて首を傾げている。
「あ、あの!私たちも行きます!」
「えぇ、よろしく頼むわね」
私、頑張った!で頭がいっぱいになっているユズは、その調子のままリオへ出立を伝え、トグロと少し話したケイと共に部屋を飛び出した。
所変わって、アタッカー部隊と先生はアリス勇者号との戦闘を始めていた。
「勇者パンチ!」
「勇者キック!」
「勇者ずつき!」
ネルを最前にアスナ、レイの2人で撹乱。カリンとエイミで後方からの支援を行う。
事前に行ったある程度の戦闘シミュレーションの結果、まともに被弾してしまうと即戦闘不能レベルのダメージを負うと出た。
今も必死にアリスからの攻撃を避け、装甲の薄そうな箇所へ集中攻撃をしているのだが…
「うわぁーん!まるで当たりません、命中率の改善を要求します!!」
激しい抵抗に加え、攻撃もあまり効いていない様だ。現状は何とか被弾を避けているが、少しでも集中力を欠いた時点でアウトだろう。
そんな極限の超集中、次第にギアが上がっていくネル。
遂にはゾーンに入ろうかといったその時!
全員が装着しているインカムから、阿呆共の声が響く。
『わーっはっはっは!どうだいネルちゅわーん、我等が人型兵器 H.U.M.P. ザ・ぶれいぶばーにんぐのパゥワァーは!素晴らしいだろう?』
『わーっはっはっは!何を隠そうその人型兵器 H.U.M.P. ザ・ぶれいぶばーにんぐは、他の機体とは一線を画く出力に加え、各種センサー感度はもちろん、アリスと言う認識から反応までの速度がほぼ0に近いパイロットが乗っているんだ!いくらネルでも、この最高傑作には敵うまいよ』
『フォーッモッモッモ!ムゴゴ、モゴモゴ。フゴフゴーッゴ、モゴモゴモゴモゴモゴモゴモゴモゴ!』
緊張が、解けてしまった…
「うっせぇ!──やべっ!?」
『勇ぅ者ぁぁ…ラリアットォー!』
ネルが彼方へ、コメディ悪役の様にふっ飛ばされてしまったではないか。そんな、もう戦える仲間は居ないのか…
「テーテテテテー!アリスはマップボスを倒しました!…あれ?モモイ?どこに行ってしまったのでしょうか?」
モモイなら、早い段階で乗ったドローンごと撃ち落とされ、確保されている。
“みんな!ケイちゃん達も向かってきてくれてる!もう少し、もう少しだけ時間を稼ぐよ!”
「よーし、リーダーが飛んでっちゃったけど頑張るよー!」
「や…やってやりますよー!!?うおーー!!!」
“いくよ…みんな!うぉーーーー!!!”
「ちょっ先生!?先生は前に出ないでください!先生!!」
この時間稼ぎはのちに、壮絶な戦いだったとユウカは語る。
特に、自ら最前線に立って指揮を取る先生の機敏な動きと言ったら、普段の運動不足はどうしたのだと言いたいとの事だ。
そんなこんなで、最終的に立っているのが先生とアスナの2人だけになり、とうとうコレはマズいんじゃないかと焦る頃に、援軍はやって来た。
「はぁ…はぁ…ま、まってケイちゃん…少し、休憩を…」
「またですか!?普段の不摂生が祟っているんですよ、これからはもう少し運動量を増やしましょう」
「うぅ…」
「見えて来ましたよ、もう少しです」
バテているユズの手を引いて、ケイがやって来た。
部屋から出る時はユズが前を歩いていた筈だが、いつの間にやら逆転している。
「あ、ケイ!見てください、このハンプを!アリスの新しい仲間です!」
走って来るケイを見つけたアリスは、ハンプの手を大きく振って呼びかける。見て見て、すごいでしょ。自慢したくてたまらない様だが、その腕、建物の外壁にぶつかってない?
頭の頭痛が激痛で痛そうなケイは、大きなため息を吐いて辺りを見渡した。
崩れた建物、潰れた自販機、壊れたロボット、抉れた地面、割れたガラス、散らばった何処かの部活の書類、まさに激戦地。荒廃したと言っても過言ではない。
これには、いくら温厚(当社比)なケイといえども怒りが湧き上がる。ワナワナと震え、止まり、真顔になって顔を向ける。アリスに嫌な汗が一筋、流れた。
「いい加減になさい!」
ケイの怒号が辺りに響き渡り、誰もがそちらへ注目した。
「Justice Alert SCRAMBLE!」
決戦の火蓋は、切って落とされた。
お前は…ブルーノ!
なんも思い付かないから、参考までに……
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