どうせなら、笑っていようぜ。   作:インチネ・ズィ・マゼタルーノ

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午前の部とありますが、午後の部は考えていません。


晄輪大祭、午前の部

 

 良い子のみんな、こんにちは。

 ワタシだ、赤蛇トグロだ。

 

 今日は待ちに待った晄輪大祭の当日だ、昨日までは散々な目にあったからなぁ…何度ワタシがOHANASHIをしに行ったことか、ノアと一緒に証書を書かせてもコレとか、アイツ等アタマ狂ってんだろ。次があれば纏めて縛り付けて牢屋にでもぶち込んでおこうか。

 

 始まったワケだが、朝一からすぐに盛り上がりはしないからな。実行委員のトコロへ顔出しに行こうと思って向かってる。

 そりゃあ、セミナーと一緒になって調整とか準備とかをしてたが、別にワタシはセミナーでも実行委員でもないからな。……その割にはこき使われた気もするけど、あのまま進めててもセミナーがパンクするのは見えてたし、実行委員になってたユウカが張り切ってたし、力になってやりたいだろ。ユウカはかわいいからな、手を貸してやるコトに不満は無い。むしろこっちから手伝いたいぐらいだ。

 

 そんでこの時間だと、実行委員が集まってミーティングでもしてるんじゃないかね。暇だしちょっと覗いていきたい、誰が来てるんだろうな。

 

 

「おーっすー実行委員は居るかい?朝一の差し入れ持ってきたぞー!」

 

 

 ノック?そんな軟弱なコトはしない。

 おもっきり扉を叩きつけるようにしての豪快入室だ。

 

 他校ならいざ知らず、ミレニアムならやらかしてもリオがなんとかするだろ。

 

 

「トグロ先輩、うるさいです」

 

「あ!トグロさん、おはようございます」

 

「マリー!マリーじゃないか!おはよう、体操服姿とは新鮮だね。とても似合っていて可愛らしいよ」

 

 

 天使が居たわ。

 

 かわいい。

 

 これだけでココに来た甲斐があるってもんよ。マリーが居るってコトは、サクラコとかヒナタちゃんも来てるのかな?来てない?そうなのか、残念だ。

 でも、マリーちゃんを独り占め出来ると思えば悪くないな。

 

 

「あ、ユウカだ」

 

「『あ』ってなんですか、『あ』って。居るに決まってるじゃないですか。ただでさえ忙しいのに、冷やかしなら帰って下さい」

 

「ひどくない?せっかく差し入れ持ってきたのに」

 

 

 なんかピリピリしてんな、発生源は…あれか。片方は良く話すから分かるんだけど、あの青い子はゲヘナの風紀委員ってコトしか知らないんだよなぁ。そんだけ知ってたら充分か。

 

 

「やぁハスミちゃん、おはよ。差し入れ持ってきたよ。そっちの子もね」

 

「っ!貴女は…」

 

「おや、ワタシを知ってその反応ってコトは、なるほど守ってる側の子だね。さあ、これから忙しくなるんだろう?元気の出るおやつを持ってきたんだ、皆で一緒に食べようじゃないか」

 

「いきなり来て何を!」

 

「…はぁ、飲み物は紅茶でよろしいですか?」

 

 

 ワタシのノリに慣れてるハスミは、さっさとお茶を淹れに行った。ユウカに給湯室の場所を聞いてる。ハスミが淹れてくれるお茶は美味しいからな、楽しみ。

 

 そんで、ワタシが持ってきたのはフルーツを練り込んだカップケーキだな。ヨーグルトクリームと一緒に食べてほしい。

 

 ユウカに頼んでテーブルを用意してもらって、手早く準備を進めていく。この辺は慣れだよ、ワタシが居るってコトは、何かしらの飲食物を持ってきてるってコトだからな。特にココはホームであるミレニアムだぜ?そりゃあもう、どっからでも食べ物が出てくるぞ。

 我こそは、ハムスタートグロちゃんぞ。

 

 

「さて、ハスミちゃんが帰って来る前に自己紹介をしようか。君とは始めましてだよね。それでは、ワタシはミレニアム2年、赤蛇トグロだ。気軽にトグロちゃんと呼んどくれ。君の名前を教えて貰えるかな?」

 

「は?はぁ…コホン。ゲヘナ学園風紀委員会の、天雨アコ。本日は実行委員として来ました。アコで結構ですよ」

 

「アコちゃんだね、よろしく」

 

 

 なんか疑わしげな目で見られてるんだけど、その程度でへこたれるワタシじゃあない。その仕事出来ますって雰囲気と、ハスミちゃんと言い争ってたのを考えれば、プライドの塊みたいな感じかな。

 いいねぇ、そういう子は好きだよ。世話を焼いて甘やかしたくなる。そのうち外面を剥ぎ取ってやろう。

 

 

「それでアコちゃん。食べられない物はあるかな?好みじゃないってのでも良いよ。せっかくの差し入れなんだから、美味しく食べてほしいからね」

 

「特にありませんが…」

 

「それは良かった、なら安心だ。でも、食べてみて好みじゃなければ教えておくれ。別の物を用意するからね」

 

「別にそこまでしなくても」

 

「何を言っているんだい?君は多少の事なら黙ってしまいそうじゃないか、心置きなく、美味しく食べてほしいと思うワタシの気持ちは間違っているのかな?」

 

「……」

 

“スゴい、アコが黙った…!”

 

 

 なに?この子は黙らないタイプの子なの?

 多分、ワタシの勢いに押されてるだけだと思うけどね、そういう感じで喋ったから。

 

 あ、ユウカとハスミちゃんが帰ってきた。

 

 

「トグロ先輩。忙しいんだからもう少し手加減してくれませんか?」

 

「忙しくても、みんなで一服する程度は問題ないだろう?ゆとりは必要だよ」

 

「それはそうですけど…」

 

「張り切るのはいいけれど、少しは気を抜かないと倒れてしまうよ。ユウカが頑張っているのはみんな知っているんだから、実行委員以外でも周りを頼って良いんだ。君も楽しんでくれないと、ワタシが協力した意味がないじゃないか……さぁ、これから忙しくなるんだ、エネルギー補給をしよう」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 てなことを朝一やってて、今はお祭りを見て回ってる。

 いやぁ~開会式は最高だったな、あの不審者ハジケ過ぎてんだろ。まぁ…多少ならともかく、ド下ネタはあんま得意じゃないから、その辺はノーコメントで。

 

 百夜堂の出店を探してるんだ、どこにあるんだろうね、パンフレット見とけばよかった。

 

 

「あら、トグロさんではありませんか」

 

「出たなハルナ(テロリスト)、今日だけは大人しくしててくれよ。爆破するなら先にワタシに連絡しろ」

 

「…まだ何もしていないのですが?」

 

「どうせするだろ」

 

「それは、お店しだいですわ」

 

 

 他のヤツ等は居ないのか。まぁ別に珍しくはないな、美食研究会は個人が集まっただけの飯テロ集団だから。やりたいコトがあればそれぞれが勝手にやる。たまにやりたいコトが揃って、メンバーが集合する。すると厄介レベルが跳ね上がるんだよなぁ、面白いから好き。

 

 

「トグロさんもお店巡りですか?ちょうど、荷物持ちがほしいと思っていたのですが」

 

「いんや?百夜堂を探してんのさ」

 

「それでしたら、隣のブロックで見かけましたわ。モナカが美味しかったですわね」

 

「なるほど、ありがとな。あ、実行委員のテントに貸出用の荷物持ちロボットが置いてあるから行ってこい。自動追従だから楽だぞ」

 

「そんな物が…流石ミレニアムですわね。感謝いたします、良い美食を」

 

「オマエもな」

 

 

 聞いてみて正解だな、パンフ持ってるの見て聞いたワケだけど。隣か、端から周るつもりだったから良いけどさ…もしかしてハルナ、反対の端から周ってきてんのか?結構な距離と出店の数なんだけど…サスガ美食會だな、執念が違うわ。どんだけ食うつもりなんだ?アイツ別に大食いじゃねぇだろ。

 

 

 

 まあいいや、そんで隣のブロックだったな。

 たしかに百夜堂を探してはいるんだが、探しながら色んな出店を周ってたら思った以上に時間がかかっちまった。まだ昼にはなってないけど、日差しがかなり強い。

 

 え?ワタシは平気だぞ?

 だって着るタイプのエアコン装備してるから、結構な力作だ。なにせエイミに服を着せる為に開発した、超強力小型空調機だからな。見た目はほとんど変わらんよ、腰にちっちゃい扇風機をくっつけてる感じ。

 ワタシとヒマリとウタハとエイミの4人で構想を練って、ヒマリとウタハが設計して、ワタシとウタハが作った。

 

 喋る!光る!鳴る!さらにもう1回喋る!DXスーパーつよつよハイパー空調機だ。

 

 4人分しか作れなかったけどな、採算度外視ってヤツだ。ただ空気を流すだけじゃなくて、冷暖房に湿度調整、空気清浄と脱臭機能付き。『快適』になるため、一切の妥協を捨てたガチ装備だぞ。バッテリーが少し重いが、まあ暑いよりマシだろ。

 

 モチロン、ワタシは音声設定を全て切っているし、光らないように設定し直した。

 4人がノリノリで収録したけどさ、よく考えたら必殺技ってなんだよ、いらねえだろ。しかも歩くたびにSEが鳴るしゲーミング発光するとかいうクソ仕様だった。あの謎の音声収録と発光パターンの開発で3日持ってかれた。実に無駄な時間だった。

 …あの時はそれが最善だと思ったんだよ。あのメンツだと、悪ノリを止めるヤツが居ないんだよなぁ…

 

 

「あっ、マリーみっ……止めとこ」

 

 

 なんか忙しそうにしてるな、飲み物配ってんのか。

 マリーは休めてんのかね?あとでもっかい来て、まだやってたら拉致って休ませよう。

 

 にしても、マリーかわいいな、あの善良な心、穏やかな性格、優しさに溢れた振る舞い、気遣いの天使や。かわいい。トリニティっていっぱい生徒いるし、1人ぐらい持って帰っても……バレへんか?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 やってきました百夜堂!

 モナカとドリンクを注文して、それを待ってるトコロだな。タイミング的にワタシで波が引く感じだな、これなら少し喋っていける。

 

 

「お待たせしました!モナカとドリンクのお客さ、ま…うげぇ、トグロ…」

 

 

 ついに果たしたぞ、ワタシはシズコと出会えた。

 大きく息を吸って〜

 

 

「シズカ!シズカじゃないか!!どうしたんだいこんなトコロで!?」

 

「シズコよ」

 

「質問に応えておくれよ、シズネ。なんでココに?」

 

「シズコだって言ってんでしょうが!」

 

「ん?…ああごめん、うっかりしていたよ。それで、ミレニアム観光の話だったよね、まず清水ちゃんにオススメなのは…」

 

「聞こえてない!?清水って誰よ!シズコだっつってんでしょ!!?」

 

「分かったって、シノブ・S・カズコだろ?ちゃんと覚えてるよ」

 

「何も合ってないのよ!!シ! ズ! コ !

 

「へいへいピッチャービビってるぅ〜!」

 

「話を聞けぇ!!シ! ズ! コ !

 

「S,H,I,Z,U,K,Oで合ってる?」

 

「合ってる、知ってて間違えんじゃないわよ…言ってみなさい」

 

「ン・ゴヌクァ=トゥペ」

 

「何を読んだらそうなったのよ!?ふざけてんじゃないわよ!!? シ!

 

「シ?」

 

ズ!

 

「ズ?」

 

コ!

 

「コ?」

 

「そうよ、言ってみなさい」

 

「……なにを?」

 

「〜〜ッ馬鹿にするのもたいがいにしなさいよアンタ!!シズコだって言ってんでしょうが!!……はぁはぁ…」

 

「おいおい大丈夫か?ほら、これでも飲んで落ち着けよ。まだ午前中だぞ?」

 

「ありがと……ってこれウチのドリンクじゃないのよ」

 

「だから3つ頼んだんだが?お祭りに興奮するのはわかるが、熱中症にはなるんじゃないぞ」

 

「誰のせいでッ、はぁ~……………お買い上げありがとうございました、もう来ないで下さいね!シッシッ」

 

「こんど差し入れ持ってくな〜」

 

 

 はぁ~楽しかった!

 

 追い出されちゃったけどね。

 

 まぁ別に嫌われたワケじゃないのは知ってるから、これでいいんだ。どうせ近い内にまた会うんだし。百鬼で小さいお祭りを開くらしいんだが、シズコに誘われてるからな。

 なんだかんだで、シズコとは遊びに誘うし誘われるぐらいに仲がいいと自負してるぞ。この前は遊びに行って、シズコがエプロンを買ってくれた。ほぼ毎日使ってるぞ、嬉しい。

 

 

 さて、これで今日やりたかったコトが全部終わったワケだ。

 

 次はマリーに会いに行こう。

 買ったオヤツとドリンクを渡しに行こう。あの子はきっと、こっちから誘わないと最後までボランティアやってるだろうから…天使かな?天使だわ、かわいい。

 

 ありゃ?居ないね、移動してるわ。

 仕方ない、のんびり移動して見て回りながら探そうか。ドリンクの氷が溶けそうなら、もうワタシが飲んでしまおう。

 

 

 

 

 

 

 




ちょいちょい名前が上がるシズコが出ましたね。
トグロとの仲の良さランキング上位にいます。でも多分、会う頻度は低いんですよね…

未読モモトークが200を超えてしまったので、消化してきます。
メモロビ、ユウカの他に4キャラしか開放してない…

なんも思い付かないから、参考までに……

  • トグロだけの小話
  • 本家イベント
  • オリジナルイベント
  • 先生視点
  • 別キャラ視点
  • よく名前の上がるキャラとの小話
  • その他
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