どうせなら、笑っていようぜ。 作:インチネ・ズィ・マゼタルーノ
トグロは目茶苦茶に急いでいます。
クックック…覚悟しろ、恐れ慄けワタシの力作に!
良い子のみんな、こんにちは。
ワタシだ、赤蛇トグロだ。
今日はホワイトデー、バレンタインで貰ったチョコのお返しを渡す日だ。なんとか準備が間に合った、過去最多だよ。嬉しいねぇ、張り切って準備したぜ。
とりあえず、全員分のアイシングクッキー。デザインはデフォルメした蛇と数種類の花。1人当たり、蛇1つと花を3つ。花言葉は当たり障りのないモノにした。良い花言葉ならいいけど、悪意を持って受け取られても困るからな。前向きなヤツにした。
このアイシングクッキーは、今日会うやつのほとんどに渡すから数が多い。お返しではあるけど、配る目的でもある。ほら、貰えたらなんかちょっとラッキーって感じで。
それと、仲の良いヤツ向け……って言うと角が立つな、まぁよく喋るヤツ向けだな。ワタシにチョコをくれた全員に渡すのは、3種類用意してるチョコを使ったお菓子の内のどれか1つ。それぞれの好みに合わせてある。チョコオンリーとフルーツ使ったのと、それ以外だ。どうせならその子の好みに合わせたいじゃん、経験上そっちのが喜んでくれる。
全員にメッセージカードを入れるのも忘れない。ワタシはね、こういうのがあるとちょっと嬉しいタイプなんだ。だから書いて入れておく。
最後に、ワタシの贔屓でヒマリ、チヒロ、リオの3人だけの特別ケーキを作る。今年もその3人だけ。多分今後もずっとコイツ等だけのスペシャルケーキだ。まあ、普通のチーズケーキなんだけどね。
年々美味しくなってるって評判なんだ、コーヒーとよく合う。
うーん…やっぱせっかくだし、ちょっといいオマケも用意しとこうかな。特にシスターフッドの子達に。サクラコには世話んなってるからなぁ~。あ、正実にもあげよう。ハスミちゃん喜んでくれるかな?
「てなわけで、リオーノアーユーカーコユキー!居るかー?」
まずは手始めにセミナーに突撃、ノアとコユキしか居なかった。実はこの子達からもチョコを貰ったんだよ、嬉しかった。リオは休憩で席を離れてて、ユウカはシャーレの当番らしい。
この流れでヒマリのトコロへも行こう。
「ホワイトデーの時間だおらぁ!!」
「ひっ!ト、トグロでしたか……いえ、驚いてなどいません。超天才清楚系病弱美少女ハッカーなので」
「なにが『なので』だ関係ねぇだろ、ホワイトデーだぜヒマリ!今年はクッキーと飴ちゃんだ、それとチーズケーキ」
「まあまあこれはこれは」
「飴細工は力作だぜ?じゃあな、ワタシはまだ配らなきゃだから」
滞在時間は1分もない。
窓際の日向でうたた寝してたヒマリが飛び起きてた、ビクッ!ってなってたわ。完全に油断してたなアイツ。
「トグロじゃねえか、やけに大荷物だな」
「おやおや、ネルさんではありませんか。今日ってアカネ居る?」
「部室で掃除してたぞ。……あぁ、ホワイトデーか」
「ご明答。はいコレ、ネルにもお裾分け」
「お、サンキュー」
本日第1村人のネルにクッキーをプレゼントして、C&Cの部室へゴー。
掃除が終わって居なくなる前に向かわなくては。
ミレニアムに居る子って、思ったよりアクティブなんだよ。気付いたらさっきと違う場所に居るってのがよくある。その筆頭がワタシ。
「邪魔すんぞ〜アカネは居るかい?」
「あら、トグロさんでしたか。本日はどうされましたか」
「ホワイトデーのお返し持ってきたぜ、チョコありがとな」
「うふふ、ありがとうございます。…あら?」
「オマエのは黒いラッピングに入ってるぞ、デカいのはみんなのお茶請けにでも使ってくれ。どうせ貰ったのバレるだろ?」
そうなのだ、去年もホワイトデーにお返しをあげたんだが、それを見てた友達と一緒に食べてたらしい。それ自体は別にいいんだが、1人分で用意してたからアカネの分が減っちまったワケよ。アカネが好きでやってるとは言え、ワタシはアカネにあげたいんだ。だからお茶請け用に別で用意した。
ついでに、アカネ個人用はクオリティ高めにしといたぜ。
会話もそこそこに、次はエンジニア部へ行こう。
「バカ共にプレゼントじゃあ!」
チョコを使った既製品のお菓子…そっくりに見せかけた、ワタシの手作りお菓子だ。パッと見た感じは騙せるんじゃねえかな。
コレを、エンジニア部の工房の窓の外から、ウタハに向かって放り投げて次へ。
道中でリオとトキが居たから、渡しておこう。
「やあリオ、トキ。ホワイトデーだぜ」
「…ああ、そう言えばそんな時期だったわね」
「ごちそうさまです」
「まだ渡してねぇよ」
勝手にワタシの手から奪おうとするな、ちゃんと渡すから。
おいコラ、持ってくな。
「おや?私のとリオ様の物で重さが違いますね」
「よう気付いたな、トキのはフルーツタルトが入ってるぞ。リオと食ってくれ」
これは…ね?リオにはいつものチーズケーキだけど、絶対にトキも一緒だろうからな。流石に渡さないワケにはいかないだろうよ。だからフルーツタルト。
ワタシにとって『ホワイトデーのチーズケーキ』は思い出の品だからな、今日だけは譲れない。けど、コイツ等はそのこと覚えてんのかね?忘れてるに一票。
次はゲーム開発部だな。部室に居るのは知ってるんだ、さっきアリスに聞いたから。あの子、意外にもメッセージを頻繁にくれるんだよ。曰く、ワタシはマップを徘徊するレアキャラなんだとか。連絡をくれるのはマーキングなんだって、カワイイね。
「邪魔するでぇ〜」
「今いいところだからダメ……って師匠じゃん!」
「ダメらしいから帰るわ、ゴメンなみんな。せっかくホワイトデーのお返しを持ってきたんだけど、モモイがダメって言うから…」
「ウソウソ冗談だって!帰んないでよー」
「うぅ…お姉ちゃんが言うなら」
「…し、仕方ないよ…モモイが言うんだもん……」
「アリスも、モモイが言うなら諦めます。せっかく師匠が来てくれても、モモイが言うなら諦めます」
「仕方ありませんね。何せ、勝者であるモモイが言うのですから」
部室の前に全員分のお菓子を置いて、ワタシはホントにこの場を離れる。割と今日のスケジュールはカツカツでさ、余裕がないのよ。あの子達に囲まれると、間違いなくゲームして時間がなくなっちまう。
背後で、本当に帰っちゃうの!?って声が聞こえる。うん、ワタシはこれからトリニティに行って、その次はシャーレにも行かなきゃなんないからね。
メッセージでワタシが急いでたって伝えておく。あの子達の性格的にないとは思うが、アレで気分悪くさせたら申し訳ないからな。
チヒロが居たらそっちにも寄るんだけど、アイツは今日外へ仕事に行ってるからな。遅くなるって聞いてるから、後日ゆっくり時間を取ってもらってそこで渡す予定だ。
そんなワケでトリニティ、シスターフッドの聖堂前。
サクラコが仁王立ちしてる。そして、周りの何も知らないトリニティ生がザワザワしてる。
そりゃ今日は来るって言ってあるし、到着時間も伝えたし、少し早めに来てこれだよ。
あのね、君、シスターフッドの1番上なんだよ?もう少し外聞を気にしたほうがいいよ?どんなVIPだよワタシは。
それはそれとして
「やあサクラコ、待たせてごめんよ。中で待っててくれてもよかったんだぜ?」
「ふふ…トグロちゃんが期待してろと言うので、待ちきれませんでした」
「かわいいコト言ってくれるねぇ〜」
うん。好き。
ワタシ、サクラコのこういうトコロ好き。お堅いイメージから繰り出されるポワポワした人の良い天然と、意外にも融通の利く柔軟な態度。かわいい。
さて、結構な大荷物になってるからな。ロボットに運ばせてるから楽ではあるんだけど、さっさと配ってしまおう。
「まずはコレだな、ホワイトデーのお返し。サクラコ、チョコをありがとう。中身はお菓子だけど、君の為のモノだから後でゆっくり味わっておくれ」
「ありがとうございます。楽しみにしておきますね」
「そんで、コッチがいつものお土産だな。ホワイトデー仕様で……あ、サクラコはヒトの手作りとか大丈夫か?」
「大丈夫ですよ。トグロちゃんの手作りですか」
「おうともよ」
よかったよかった。
念の為に店売りのお菓子とかも買ってきてるから、他人の手作りがダメな子にはソッチを渡す予定だ。
大量にあるけど、残ったら自分で食べればいいし、配って周ってもいいし、ハルナとかアカリを呼べば解決する。作ったやつは見た目はモチロン味にも自信があるし、買ったやつも美味しいのが分かってるブランド品だから問題ないだろ。
サクラコと一緒にシスターフッドの敷地内を練り歩いて、チョコをくれた子達にお返しを渡していく。みんなの好みに合わせてあるから、間違えちゃダメ。甘いのが好きだったり苦手だったり、クリームはいいけどチョコは嫌とか、そもそもアレルギーだったりもあるからな。
「よし、みんな揃ってて助かったよ」
「そうですね。…所で、私達を集めた理由を伺っても?」
渡す時に一部の子を拉致って連れてきたんだ。この部屋にはサクラコ、ヒナタちゃん、マリー、レロイ*1、アシエ*2、リタ*3の6人。
「モチロン。キミ達を集めたのは他でもない。オマケを渡しておこうと思ってのコトだよ。はいどうぞ、みんなにはナイショだぜ?」
「はい、ありがとうございます?」
トキにも渡したフルーツタルトだ。数に限りがあるから、渡せる子は限定されるんだよ。だから特別だぜ?
「ハハッ、キミ達には特に世話になったからね。サクラコとヒナタちゃんには来るたびに、マリーとは掃除や晄輪大祭の時に、レロイとアシエにはお土産を預けてるしあのシスターフッドの衣装を考えてサクラコに提出してくれたからね、リタは新しい衣装とワタシのロッカー…クローゼット?を用意してくれたよね、ありがとう。みんなへ日頃のお礼も兼ねて、ちょっと特別なオマケだよ。受け取っておくれ」
ハッハッハ!
喜んでくれて何よりだ!
シスターフッドの子達は良い子ばっかりでかわいいなぁ、かわいいねぇ。
「さてと、そんじゃサクラコ。ワタシはそろそろお暇させてもらうよ、実はちょっと急いでいてね」
「そうなのですか?せっかくゆっくりとお喋りが出来ると思ったのですが…」
「ごめんよ、今日だけは外せなくてね。かわりに、後日ゆっくり時間を取るから許しておくれ」
癒やしのシスター6人に見送られて次の場所へ。
あぁ〜可愛かったぁ〜やっぱシスターフッドの子、1人ぐらい持ち帰りたいなぁ〜日替わりで連れて帰ればバレないか?あの子達、なんか謎の癒やし成分とか出てるだろ。一緒に居るだけで幸せな気分になれる。かわいい、癒やし、幸せ。
校舎付近を散策すると、見慣れた姿を発見だ。
「お、イチカみっけ!クッキーどうぞ」
「トグロさんじゃないっすか。ありがたく受け取るっすけど、今日何かありましたっけ?」
「ホワイトデーだろ?」
「…トグロさんにはあげてないっすよ?」
そんな不思議そうにしちゃってさ、かわいいかよ。
まぁたしかにイチカ、というより正実の子からはもらってないけどね。
「でももらってないからって渡しちゃダメってコトもないだろ?正実にも世話になってるからな。いつも頑張ってるのを見てるし、日頃のお礼さ。みんなで食べておくれよ」
「そういう事なら貰っておくっす。ありがとうございますっす!」
「おう、あんまし日持ちしないから今日明日中に食べきってくれよ」
イチカにまとめてドサッと大量のお菓子を預けて、次へ。
いざ、シャーレに向かおう。ミカもそっちに居るらしい。
でもその前に
「おつかれ、ホワイトデーのお返しを持ってきたよ」
「どうも。来た時に無かったので、てっきり忘れているのかと」
「来た時のワタシの荷物を見たでしょうよ、通行の邪魔になってしまうからね」
「そうですね。お気を付けてお帰りください」
ちょっと素っ気ない態度の受付ちゃん。名前は知らない。トリニティに来るたびにこの子が受付だから、多分1番顔を合わせてると思う。…休めてんのかね、ブラック受付か?
そして多分、モモフレンズのファンだ。
車に戻って荷物の整理をしよう。
シャーレに居るユウカとミカへのお返しと、先生に頼まれてた品を確認。ヨシ!
他にも当番の子達が居るだろうし、多めにお菓子を持ってくか。
今日のワタシは妖怪カシクバリ。
通い慣れた道を運転してシャーレに到着。ミレニアムとかエリドゥからよりも、トリニティからシャーレの道の方が詳しくなっちまったが誤差の範囲だろう。
「おーっすーセンセー、お届け物でーす」
“あ、トグロ!良い所に!”
「お困りかい?まあ先にコイツ、約束してた和服だ!たいていのドレスコードは突破出来るモノにしといたぜ。それに防火防水防刃防爆防弾の耐久素材だ、着心地にもこだわったぞ」
“おお!”
「さらにさらに、頼まれてたコイツも持ってきた。超強力小型空調機!」
“おおぉぉ!!”
「あとさっきすれ違ったユウカから預かった、不備のある書類」
“おぉぅ…”
コレで先生への用事はおしまいだな。
そんで良い所ってのはなんだ?なにか問題でもあるんか?
“トグロに相談なんだけどね、今日ってホワイトデーでしょ?どうお返しをするべきかで悩んでて…”
「そんなん先生の自由……は難しそうだな、たしかに悩むわ」
“うん…モヤモヤしたままズルズル今日まで……”
「そうだなぁ…ワタシなら全員にお礼のメッセージを送る。そんで、物で返せないってのも伝えて謝る。それはそれとして、今日来てるヤツにはちょっとしたご褒美的なのを用意しておくかな。少し高めのお菓子とか、少し豪華な食事とか。……で、先生はどうした?もう動いてんだろ?」
“概ねそれと同じかな?今胸を撫で下ろしてる”
「てか何でワタシに聞いたんだよ」
“今日来てくれてる子で、チョコをくれなかったのはトグロだけだったから”
なるほど。
そんなみんなして先生にチョコ渡したんだ、先生太るぞ。ほどほどにしてやれよ。
このヒト、律儀に全部食ったんだろうな。
「先生にもこのクッキーをあげよう。今日会うやつみんなに配ってんだ。いっぱい置いとくから、みんなで食べてくれ」
“ありがとう”
「じゃあな、ワタシはホワイトデーのお返し配りに戻るから」
“うん、またね”
さてさて〜ミカは別室に書類を届けに行って、そのまま休憩らしい。多分シャーレのカフェに居るだろう。
「お、居た」
見っけたので、ワタシは少し隠れて息を整える。
これからあの美少女と対面するからな、気合い入れてかからないと脳にダメージが入る。
「ばぁ!誰が居たのかな?」
「コ゜ッ」
死んだわ。
「はっ!」
「おはよ、トグロちゃん」
拝啓、クソ共。
ワタシは天国に居るのかもしれない。敬具。
『あら、起きたようね。それじゃあ私も仕事に戻るわね。懐かしい物が見れて良かったわ』
「リオ会長、どうもありがとうございました」
「なに、なにごと?……あ、ユウカじゃんさっきぶり〜」
「まったく、心配させないで下さいよ。ミカさんにも迷惑をかけて…」
「あっはは、私はいいよ。トグロちゃんみたいな子はあんまり居ないし面白いもん。……先生?まだ笑ってるの?」
“ぷっ…クク、だってメルトダウンって…”
なにやってんだ?
まあいいか、、ミカにお返しを渡しに来たんだったな。
あ、なくなってらぁ。
「なぁミカ、ワタシ、ホワイトデーのお返しをキミに渡したっけ?」
「うん。美味しかったよ」
「そっか、ならよかった。ユウカは?」
「一緒にいただきましたよ。ごちそうさまでした」
ワタシの脳がミカの顔面にやられてる間に食べてたらしい。直接は渡せなかったけど、美味しく食べてくれたならなによりさ。
結構時間食ったな、急がねぇと間に合わなくなっちまうな。
「予想外に時間食っちまったわ、じゃあなオマエ等!また会おう」
無事にホワイトデーを完遂できた。
なので、予てより計画していた
マエストロと一緒に、来客の様子を見てた。めちゃくちゃ楽しかった。
知ってる子も結構来てて嬉しかった。
トリニティの予言する子、セイアちゃんだっけ?他にもゲヘナの生徒会長のあの子…名前忘れたわ、ゴメン。ちっこい可愛い子を連れてた。メッチャ楽しそうだったわ、多分ゲヘナの生徒会はイイ奴の集まり。
あと意外にもゲヘナからの客が多かったな、会場が近いからか?今度は別の場所で開いてみるか。
そして、何故かすべての収入はワタシに入ってきた。
イベントのある日は、シャーレ当番の倍率が高そうですよね。
なんも思い付かないから、参考までに……
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