どうせなら、笑っていようぜ。 作:インチネ・ズィ・マゼタルーノ
「ついにこの時が来ましたか…無様に這い蹲る準備は出来ていますか?」
「ねぇ、なんでこんな強気なの?」
良い子のみんな、こんにちは。
ワタシだ、赤蛇トグロだ。
いつぞやの約束を果たすため、ゲーム開発部に遊びに来たぜ。ケイちゃんと対戦するよ、多分余裕で勝てる。
「そりゃあ師匠を倒すために特訓したからね!私達全員でケイのレベリングをしたんだよ!あ、私は師匠に賭けるね」
「ふぁ~…そのせいで寝不足…私も師匠で」
「う、うん…最初の頃に比べたら、すごく上達した…師匠に賭けるね」
「ケイは睡眠が必要ないので、1日50時間を目標にレベル上げをしました!今はネル先輩といい勝負してます。アリスも師匠に賭けます!」
「おいおいそれじゃ賭けになんねぇだろ。しゃーねぇな、あたしがケイに賭けてやる」
「おい不純物混ざってんぞ」
「ブッ飛ばずぞ」
なんでネルが居るのさ。
銃口を向けないでくれるかな?怖いんだけど。ここで戦うのは止めよう。やるにしてもゲームにしよう。おねがいだ頼むよ。ワタシがなにをしたって言うんだ、ふざけるなよこの暴れん坊がよぉ…クソが、やーいやーいゲームクソザコ!
まあネルのコトはいいや、それよりなんのゲームするんだい?
「本日やるゲームは、この20本です。ここから私が選んで勝負を行います」
「オッケー」
「…ずいぶんと余裕そうですね、いつまで続くか楽しみです。先ずはコチラから。貴女のようなタイプの人は、頭を使うパズル系が弱いと決まっています」
あー…うん、まあ得意ではないかな?
てかぷよ◯よとか久しぶりに見たわ、しかも結構前のタイトルだし。なんで最新にしてないんだよ、趣味か?ワタシ、テ◯リスならたまにやるけど。落ちものパズルって、妙にやりたくなるタイミングってあるよな。
『19連鎖!』
「はぁ?」
「おおー全部消えた、おもれー!」
なんか知らんうちに勝ってた。
なかなか面白いな、これ。実はちゃんとプレイしたの初めてなんだ、楽しいぞ!
この消える時のボイス、クセになりそうな中毒性があっていいな。
「なっ…調査では初プレイのはず!」
「繋げて消えたら上のが落っこちるんだ。それさえ分かってりゃあ
「あ~…ケイ、コイツはこの手の感覚がヤベェぐらい鋭いから」
「そんな事、先に言って下さいよネル先輩……いえ、まだ1試合目です。次はコチラで勝負です!」
「1人用のRPGでどう勝負すんのさ」
「クリアタイムを競います。2番目のボス討伐までのRTAです」
「バグは?」
「禁止ですが、乱数調整は許可しましょう」
「勝っちった…」
「ノーカン!ノーカンです!7連続クリティカルなんて認めません!!」
「いやぁ~ほら運も実力の内ですしぃ〜?困っちゃうなぁ〜、天がワタシに味方してるなぁ~?」
「この女ッ…!次はこれです!」
アッハァ!
ケイちゃんめっちゃ悔しそうじゃん、かわいい!すごくかわいい!ジト目で睨まれてるけど、なんかもうどうでもいいよね、かわいい。好き。かわいい!
で、次は?
「あぁ…なるほど?」
チェスか…ワタシ、あんまし強くないんだよなぁ、それ。
「くっふふふ…やりました!どうですか、どんなもんですか!!」
「普通に負けたわ、ケイちゃん強くない?」
「はい!ケイは自分にチェス用のAIをインストールしています!」
「ズルじゃん!せっこ!」
「なんとでも言いなさい。勝てばいいのです、勝てば」
なんでAIがAI使ってチェス打ってんだ!?
それアリなの?せっこ、セコいだろそれ!
ってことは、格ゲーとかのコンボはマクロとか組んでんだろ絶対。始動技食らったら抜けられねぇかもな。
別にいいけどな、読み合いなら負けねぇし。
「気付きましたか、それではコチラで勝負しましょうか」
「ほうほう」
出てきたのは2Dの格ゲーだな、これ家庭版出てたんだ。アーケード版なら時々やってるぞ、ネルをボコってる。最近はユズと一緒にペア組んで大会出て、そのまま出禁食らったわ。殿堂入りしたぜ。
「知ってました!」
「さすがケイ!予想通りすぎるよ、ボロ負けじゃん!」
「やかましいです。アリス、モモイ」
「…でも完封されてたし、むしろなんでまだ強気なの?」
「ミドリも黙って下さい」
はい。3ラウンドをパーフェクトで取りました。ケイちゃんの攻撃はなに1つ当ってないぜ、動きが分かりやすすぎるんだよなぁ…ホイホイ誘いに乗りやがって、かわいいなぁ…心配だ。
「おまっ…それ出来てなんでッ!トグロてめえ、やっぱ手ぇ抜いて戦ってんのかよ!表に出やがれ!!」
「違うわ、全部人読みだわ!ネルのは読めても身体が追い付かねえんだわ!!オマエこそ早すぎんだろ、手加減しろ下さいお願いしますマジで!」
「〜〜…ッ黙らっしゃい!赤蛇トグロ次です!!」
そこからは、ムキになったケイちゃんをボコった。
チェスで1敗したけど、そんだけ。きちんと10勝した。
「…そんな、バカな……」
「はいはーい!ネル先輩は私達にジュース奢りね!」
「チッ…わーったよ」
「ネル、ワタシのも」
「テメェは自分で買え!」
ネルがジュース買いに行った。
さてさてワタシがやるべきコトは…そう、ただ1つだけ。
「ケーイちゅわぁぁん?えっとぉ…なんだっけ?『無様に這い蹲る』だっけ?ねぇねぇ、今這ってるのわぁ〜どっちなのかなぁ〜??…お返事が聞こえないなぁ、あれ?ケイちゃんいなくない!?おーい、ケイちゃーんどこでちゅか〜?」
「…言わせておけば」
「あ、みぃつけた!小さくなってて見えなかったよ。ごめんね、ワタシ、強くて偉大だからさ…低いラインを見るって結構な大変なんだ。上ってこいよ…高みへッ!」
「クッ…このッ」
「そういえば、1日50時間の練習だったっけ?成果は出たのかい?…はっ!そうだよね、出してコレだったよね。気が利かなくてごめんよ?まあ気を落とすなって、たとえ10−1の圧倒的敗北だったとしてもさ、ほら大きな1勝じゃん?あれ?たしかその1勝って、AIの代打ちだったっけ?もしかしてケイちゃん…なに1つ実力で勝ってない?プークスクス…まw、まぁ?気にw気にすんなよw大丈夫だって、ワタシは、気 に し て な い か らwww」
「ア゛ァァー!腹立たしい!!!!」
「アッハハハハハハハ!!ゴホッ…ゴホッ…クククッ、アーッハッハッハッハ!!!」
これぞ勝者の特権。煽り。
あ~キモチイイ…最ッ高の気分だ…!
ケイちゃんはかわいいなぁ!
実に煽りガイがある。煽って煽って煽りまくってからかってやろう!
ケ゛イ゛ち゛ゃん゛か゛わ゛い゛い゛ね゛ぇ 〜 !
なんって楽しいんだ!
いつまででも煽っていたい。でもそろそろ止めとくか、ケイちゃんにマジ泣きされても困るし。もう半泣きだし。かわいい。
「こうなったらもう…」
「お、リアルファイトか?気が乗らねぇからやらねぇぞ」
「やりませんよ、勝てる気がしませんし……はぁ…私は負けて気分が悪いので、早く機嫌をとって下さい」
「んんー?」
なんか言い出しだぞこの子。
機嫌とれってなにすりゃいいのさ、てかそれを自分で言うとか余裕あんだろ。
「察しが悪いですね。今の私はアイスが食べたいんですよ、早く買って来て下さい」
「ったくしゃあねぇな、オマエ等は何がいい?」
「え!私達も良いの?なら私はクリームなスイーツがいい!」
「じゃあ私は、フルーツの入ったヨーグルトでお願いします」
「わ、私も
「アリスは新発売のデラックスパフェが良いです!」
「ういうい。クリーム系とヨーグルトとパフェと
「待って下さい!私のアイスを忘れています!」
「何味?」
「チョコミント」
チョコミントか…いい趣味だ。
でもキヴォトスではなぜかマイナーなんだよなぁ…あのペロロ様よりも人気が低いからな。(ワタシ調べ)
「チョコミントとか、よく食べれるね…歯磨き──」
「おっとモモイ、それ以上はいけねぇ。それ以上言ったら戦争だぜ?…ワタシもチョコミン党だ」
さて、買い出しに行くか。
近くの売店でいいだろ、新発売のデラックスパフェとか多分その売店のヤツだろうし。なんか最近出たって聞いた気がする。
売店なんかめったに行かないから、品揃えとか分んねぇんよ。最後に行ったのはあれか、ウタハに銃を改造された時か。それからずっと行ってねぇな。
あ、ジュース抱えたネルだ。
コイツ、ケンカをけしかけたり煽ったりしなけりゃ普通にイイ先輩なんだよなぁ…かなりあの子達を気に入ってるし、外野から見たらヤバい先輩の縄張りなんだよね、ゲーム開発部って。
「あ?トグロじゃねえか、もう帰るのか?なら…あった、コーヒーでいいだろ?」
「サンクス、部室に置いといておくれよ。お菓子買ってくるけどネルは?」
「あ~なんか軽く食えるヤツ、朝食ってねえんだ」
「りょーかい」
自分で買えって言ったくせに、ワタシの分も買ってくるのはもうツンデレだろ。ツンギレか?まあワタシもネルの軽食買ってくるけどさ。
コイツ態度が悪いだけでそれ以外はかなりマトモなんだよなぁ…悪ぶりたいお年頃なんだろうね、弄りやすくてたすかる。
そんで売店で買ってきたぜ。デラックスパフェは、そこまでデラックスじゃなかった。どのへんがデラックスなんだ?まあカップスイーツにしては大き目なサイズか。
「ただいま、買ってきたぜ!…はいケイちゃん」
「どうも」
「ミドリ」
「ありがとうございます」
「アリス」
「おお!ぉぉ?デラックス…?」
「モモイ」
「ありがとー師匠」
「ネルのはパンケーキな」
「サンキュー」
「そして…袋に入ってるのは全部ユズのヤツです!」
「え、え?あの…」
アイスとケーキとヨーグルトとデラックスパフェとパンケーキ…を、全部2つずつ。だってユズが
完全におふざけだけどな。
あたふたするユズを見てると、とても癒やされます。
ユズは結局ヨーグルトを取って、残りは全部冷蔵庫に入れといた。そのうち食うだろ。
「今日はこのくらいにして差し上げます。せいぜい束の間の安寧に身を委ねると良いでしょう!」
ケイちゃんはアイスを食べ終わるやいなや、それだけ言って部屋から出て行った。捨てゼリフがザコすぎてかわいい。
「ケイちゃん、行っちゃったけどどうする?」
「どーせいつもの所だよ?」
「いつもなの?」
「はい、ケイはイヤな事があると高確率で逃げ出します!」
「まあ、すぐに帰って来るけど」
ケイちゃんの駆け込み寺か、ちょっと気になるな。
安心出来る場所か甘えられる相手かは知らんが、そういうのが出来たのならなにより。あの子も日々を楽しんでいるんだろうね、素晴らしい。
で、どこ?
「ヒマリ先輩か会長の所だよ。師匠は知らないの?」
「聞いたことねぇな。ワタシんとこには来ねぇし」
「そうなんだ、ちょっと意外かも。ココではよく師匠の話をしてるからさ」
「え、悪口?」
いつでもどこでもアナタに悪意をお届けするトグロちゃんだが、サスガに好きなヤツにワタシの悪口言われてたら傷付くんだけど?
「ううん、違うよ。なんていうか…惚気?」
「ほぉう…詳しく聞こう」
さあ話し給え話し給え、是非とも詳しくその話しを聞かせてくれ給えよ。
「じゃあトップバッターは私!ケイはこの前ね───」
「次は私。この前ケイと出かけた時に───」
「あ、え…えっと、昨日の夜なんですけど…───」
「は?あたしは知らねぇよ、なんかタイミングが合わねぇんだよなぁ…」
「ラストはアリスです!ケイと一緒に先生の所へ───」
「ただいま戻り……待って下さいアリス、今何を話していましたか?」
「いけません!乱入エネミーです!」
普段のケイは、思ってたよりも普通に学生やってた。
ゲーム開発部とワーキャーやって騒いでるのを見ると、こう…優しい気持ちになるな。あれだ、ペット的なマスコット的な感じだ。
さてと、そろそろワタシは出ようか。
「んじゃネル、行くか」
「もうそんな時間か」
今日はこれから、C&Cの任務に着いていくからね。珍しく外部協力者として頼まれたんだよ、詳細はまだ聞いてない。
ワタシとネルは、こっそり部室から退出した。
せっかくなので、ケイちゃんとの日常も書いてみました。
平和そうでいいてすよね、ゲーム開発部。
なんも思い付かないから、参考までに……
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