どうせなら、笑っていようぜ。   作:インチネ・ズィ・マゼタルーノ

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 最近、ちょっとだけ小話のモチベーションが湧いてきました。

 でもネタがないのでそのうちね?
 


既に有った矢印の方が大きい人達

 

 

 

「やぁやぁトグロちゃん、わざわざ来てもらっちゃって悪いね~」

 

「いいってコトよ。ワタシが会いに行くって言ったんだからね、このくらいは当然さ」

 

 

 

 良い子のみんな、こんにちは。

 ワタシだ、赤蛇トグロだ。

 

 今日はね、とうとう来てしまったホシノちゃんとの対談の日なのさ。なまじ『暁のホルス』を黒服越しに話を聞いてるだけあって、内心バックバクのビックビク。でも意地でも表には出さない、なぜならワタシがトグロちゃんだから。

 

 メンタル無敵系のキャラは貫かせてもらおう。それでこそワタシだからな、むしろそうしてないと怪しまれそうだし。

 

 それにだ!

 今のワタシは武装を全部解除してるから、さっき校舎の入口辺りで全部外して置いてきた。ホシノちゃんにスゴい目で見られてた。ロマンが分かるタイプかな?ワタシの武器はカッコいいだろう?

 

 対してホシノちゃんは銃を持ってる。部屋の入口にショットガンを立てかけてたけど、君ハンドガン持ってるよね?服の膨らみと歩き方で分かるんだけど…指摘はしないけどね。言ったら絶対に警戒されるし。

 

 戦おうもんならネルを相手にした時レベルに負け散らかす未来しか見えん。逃げに徹すればなんとかなるかもだが、そもそもワタシはホシノちゃんと戦う気がない。この子には負い目しかないので…

 

 

「アビドスは今日お休みだから、他の子は来てないよ。だから…お話、聞かせてね?」

 

「モチロンそのつもりで来たんだ、洗いざらい喋っちゃうぜ。……でもその前に、君に2つ謝罪をさせてほしい」

 

「ん~何かな?あんまり心当たりがないんだけど」

 

 

 先ずは先制だ。ワタシはかなり前、それこそ黒服がホシノちゃんに接触する前から君のコトを知っていた。というか黒服と一緒になって神秘の研究をしてたし、ホシノちゃんの存在もそこで聞いて色々調べたりもした。

 

 つまりね…絶対にいい感情は向けられない相手ってワケ。過去のワタシを殴ってでも止めさせたい!

 

 

「1つは、過去に君のコトを嗅ぎ回った件について。系統は違うけど、ワタシも黒服と同じように神秘の研究をしてるからさ。キヴォトス最高の神秘である『暁のホルス』は、ワタシにとっても喉から手が出るほど魅力的なサンプルだったんだよ」

 

「うへ…そんな事してたんだ。でもこれと言って実害も無かったし、まぁ良いかな?」

 

「それがそうも言ってられなくてね…ワタシはワタシ自身を掛け金にして黒服の研究に協力をしてたのさ。貴重な研究サンプルを無駄にしないように、実験を確かなモノに昇華させる為の試験にね。そのせいで君が大変な目に遭うのも分かっていたし、実際に大変なコトになってしまった」

 

「ふーん…2つ目は?」

 

 

 こッッッわい!怖いぃぃいい!!

 

 でも黙ったままにしてバレた時の方が怖いから続けるぞ、出来る限りの誠意を持って話をしなければ……!

 

 幸いにも話を聞いてはくれてる。

 それだけでも救いだろう。

 

 

「君の先輩、アビドスの会長のコト」

 

「ッ!…何か知ってるの」

 

 

 イッッ゙……ちっこいクセに力強いな。

 

 こりゃラインを見誤ったな、やらかしたわ。

 てっきりホシノちゃんの地雷は後輩達だけだと思ってたんだが、どうにもこっちにも埋まってたらしい。無遠慮に踏み込んだのはワタシだし、しゃーないわな。

 

 今後の面会謝絶くらいは覚悟しとかねぇとなぁ…

 

 

「悪いが何も知らない。失踪した後、気になって情報を集めて推測した程度だよ」

 

「そう、なんだ………あ、ごめんね」

 

「悪いのはワタシだ。んで、失踪した理由にアビドスの借金と返済の為の契約。直前に交わしたのがネフティスグループとの契約とかが引き金にな──」

 

「待って!ネフティスグループって、どう言う事なの?」

 

 

 あれ?知らんのか?

 知らんなら教えるが、大した情報はないぞ。

 

 

「会長が失踪する直前に会っていた相手がネフティスの関係者なんだよ。内容までは知らないが、土地だか建物関係じゃないかな。その後すぐに一部の鉄道やら駅やらが動いてたし。気になるなら聞いてみたら良いと思うぞ、契約の再確認って言えば答えてくれるんじゃね?鉄道も絡むなら、案外ハイランダーとかも関わってたりするかもしれんし。まあ推測にしかならんけどな」

 

「ん~そうなんだ、知らなかったよ。教えてくれてありがとね」

 

「構わないさ。…それで話を戻すが、ワタシならその契約に横槍を入れて時間を稼ぐくらいは出来たんだよ。まぁ…そんな『もしも』だが、見捨てたのは間違いない」

 

「うわっ、え?トグロちゃん?」

 

ごめん!結構前からホシノちゃんを観察してたし、君の先輩を見殺しにした。煮るなり焼くなり好きにしてくれ」

 

 

 土下座である。

 ぶっちゃけホシノちゃんの性格的にも、今のアビドスの立ち位置的にも、少なくともワタシが直接的に害される…復讐とかはないだろうって打算がないワケではないがそれはそれ。

 

 でもオマエ、アリス殺そうとしたじゃんってのはその通りすぎるからやめてくれ。その術は…いや、ふざける内容じゃねぇ、手段を選ぶ余裕がなかったんだ。許されなくていい。

 

 

「ぁー…えっと、とりあえず顔を上げてくれるかな?そのままじゃあお話が出来ないよ」

 

「わかった」

 

「ありがとね。それでトグロちゃんの話を聞くに、私を監視してたってのはともかくとして、先輩に関しては結果論だよね?」

 

「ヒト一人の命が掛かってんだ、可能性があったのに動かなかったんなら殺したのと同じだろう」

 

 

 ワタシがうっすら覚えてる原作についてのアレコレ。ミレニアム関連以外ではミカ周りのコトしか覚えてないと言っても過言ではないが、ホシノちゃんの過去が割と重いのはなんとなく覚えてるんだよね。

 詳細は全く覚えてないけど、おおよその流れは今のアビドスと同じようなものなんじゃないかな?

 

 まぁそんなワケだから、ホシノちゃんの存在を知った段階から身近な誰かしらが死ぬのは分かってたんだよ。誰かは知らんかったけど。それでも何もしなかったってのは、ずっと前から気にしてるんですよ。

 言わなきゃ分かんないとは思うんだけど、ワタシ的には合わせる顔がないんよ。だからこそ、ずっとアビドスには近づかないようにしてたんだよねぇ…

 

 改めて言おう。

 黒服から聞いてるホシノちゃんの性格と戦闘能力がこわい。

 ワタシが勝手に負い目を感じてて会いたくない。

 

 早めに切り上げて帰るろうかな…?

 ホシノちゃんだって、こんな不快なヤツと一緒に居たくないだろうし。

 

 

「謝罪は受け取るよ。でも、トグロちゃんへは感謝しかしてないよ。仮に怒ってたとしても、ここまでされちゃったら怒れないしね」

 

「んん?」

 

「『アビドス復興応援金』毎月アビドスに届く匿名の支援金。それと、黒服が時々渡してくるお金。黒服から聞いたよ。あれ、トグロちゃんなんだってね?」

 

 

 募金は、まぁしてる。黒服と契約して研究し始めてすぐぐらいから、ホシノちゃんのコトを知った時期くらいからずっとしてる。

 まさかバレていたとは…これはカッコ悪いな、反省しなければ。

 

 でもね、黒服のは知らん。

 なにそれ?

 後で聞いとこ、心当たりが………ありそうでない。うん、ないな。

 

 

「まぁそんなわけだからさ…トグロちゃんの事を怒るに怒れないし、恨むなんて出来ないよ。むしろずっと、君の事が心配だったんだ。やっと話が出来て嬉しいよ、トグロちゃん」

 

 

「思ってたんとちがう…」

 

 思ってたんとちがう…

 

 

 

 一瞬あった棘々した雰囲気は消えて、お店に来る時とおんなじようなのほほんとした態度に戻ったホシノちゃん。

 

 に、困惑が隠しきれないワタシ。

 

 

 さてと、どうしたもんか……

 

 

 

 

 

「さて、トグロちゃん。話は終わったかな?今度はおじさんのお話も聞いてほしいなぁ〜」

 

 

 おじさん?

 まあワタシの言いたいコトは言ったし、いいぜバッチコイ。

 

 

「それじゃあまずは、私もトグロちゃんの事を勝手に調べた謝罪からかな?と言っても、殆どヒマリちゃんが流し込んできたんだけどね…気分悪くしたらごめんよ」

 

「別にいいさ。ミレニアムじゃワタシの個人情報なんかフリー素材みたいに扱われてるからな、気にしないでおくれよ」

 

「え、それはそれで大丈夫なの…?」

 

「慣れたら問題ないさ。それよかやっぱヒマリか…調べるウンヌンより、アイツの長話によう付き合ったな。無駄に長くて遠回りなクセして、無駄に情報量が多いから下手に聞き流せない地獄だったろうに…」

 

 

 ワタシの個人情報は、まあ…うん。別にいいよ。たまに拠点の1つに変な荷物が届いたり、知らんヤツがやって来たりする程度だからな。そこまで問題は無いのさ。そもそも、そのうち捨てる予定の拠点だしな。複数ある内の1つだし、住所バレについては気にしてない。

 

 ホントは気にした方がいいんだろうけどね。

 慣れって怖いね、気にならなくなっちゃった。

 

 ワタシ的には、ヒマリが話したであろう内容よりも、それを延々と聞かされる方がツラいと思うけどな。

 ヒマリとかウタハとか、ワタシのコトを玩具か何かだと思ってるんじゃないか?聞いてないトコロまで無駄に詳細に他人に語るもん。なんだよ、ワタシの体重とか知りたいヤツ居んのかよ…

 

 

「それは、まあ…うん。プライバシーとかリテラシーとか、もう少し気にした方がいいんじゃないかな」

 

「ホシノちゃんや。言って聞くなら、あの口はもう閉じてるんだよ」

 

 

 慣れもそうだけどね、アイツ等クソガキに言ってもムダなんだ。言って聞く相手じゃないんだよ。言って聞かないなら、殴って聞かせるべきなんだろうけどね?ウタハはトモカク、ヒマリを殴るワケにはいかない。

 知ってるかい?自分の体質を盾にして悪辣を揮うのがヤツのやり方さ、ヘドが出るだろう?

 

 え?そんな素振りは見えない?

 ははっ普段の抑圧が全部ワタシに向いてるのさ、リオにもやらないコトを、ワタシにはしてくるんだぜ?クソが!

 

 

「大切なのは、変える努力よりも、諦める早さだよ」

 

「それはちょっと…違うんじゃないかなぁ…?」

 

「そうかな、そうかも。そうなのかも…」

 

 

 ホシノちゃんが肩をポンッてしてくれる。

 その柔らかい優しさ、惚れそう。

 

 あれっ?

 なんか視界が滲んでるな、目から水が出そう。

 

 

 

 気を取り直して、改めましてだな。

 謝罪合戦も程々にしよう。

 

 

「さてと、改めて。アビドスへようこそ。なぁ〜んにもないけど、歓迎するよ。トグロちゃん」

 

「ありがとう。ワタシも、会えて嬉しいよ」

 

 

 もう一回招待されたから、全部チャラ…とかはないけど、これ以上は言わせねぇぞと言外の圧力を感じる。

 

 

「それじゃ早速、ずっっとトグロちゃんに聞きたかった事があるんだよね~」

 

「なにかな?」

 

「一応、先生から聞いてはいるんだけど、黒服に変な事されてない?大丈夫だった?」

 

 

 なるほどね。

 それが最初に出てくるなんて、ホシノちゃんは優しい子だよ。

 

 

 ………

 

 

 ……

 

 ……変なコトって、どの程度まで許容されるんだろうな…

 流石に身体を許すとかはないけど、大抵の体液はサンプル取られてるし、爪と髪とか皮膚ぐらいは提供してるし、神秘と恐怖のアレコレはだいたいワタシが試験したし、何回か発狂しかけたり死にかけたりしたけど、意地で持ち堪えたし………

 

 えっと……

 

 

「大丈夫さ、こう見えて契約は馬鹿みたいに抜け目ない内容で固めてるからね。黒服(アイツ)、言わないコトはあっても嘘は吐かないし、決められた契約(ルール)は確実に守るからな」

 

「…ほんとに? それなら良かったよ。おじさんずっとそればっかりが心配で心配で、これで安心して眠れるよ〜」

 

 

 おじさん?

 

 まあ、睡眠は大事だからね。

 昼行灯キャラは、ワタシが目指そうとして挫けたっていう歴史があるからね、ぜひともホシノちゃんには立派な昼行灯キャラを貫いてほしいね。

 そんで、いい感じの場面でマジモードを披露してほしい。格好良いよね、そういうの。憧れる。

 

 ん?契約内容?

 契約書見ねぇと中身なんかわかんねぇよ、覚えてねぇし覚える気もねぇよ。黒服本人に聞いてくれ、アイツなら覚えてるだろうから。

 

 

「後はね~、クロコちゃんの面倒を見てくれてありがとね、元気そうで良かったよ。でもあんまり甘やかしちゃダメだよ?シロコちゃんもそうだったけど、一回調子に乗ると際限ないかなね〜。あ、トグロちゃんって普段何やってるの?ブラックマーケットのお店って危なくない?毎月募金してくれるのは嬉しいけど、負担になってない?柴関ラーメンって知ってる?ミレニアムの悪魔って何やらかしたの?矯正局を脱獄したって本当?ヒフミちゃんは元気してる?そうそう、この前アリスちゃん達とあったんだけど、師匠って何やってるの?他にもね〜」

 

「多い多い!そんなに一気には答えられんよ、少しずついこう」

 

「うへ〜ごめんごめん。おじさん気が競っちゃって…トグロちゃんには、3年分の質問が溜まってるからね~覚悟してよね?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ダイジェストで行こう。

 

 ちなみに、この質問開始は午前の10時頃だ。

 よく覚えといてくれ。

 

 

 

 

Q.クロコちゃん元気?

 

A.元気。最近はワタシと一緒にミレニアムのジムで体力トレーニングしてる。あと、給料貯めて自分のロードバイクを新調してた。今は同じ店のサオリって子を自転車沼に引きずり込もうとしてるよ。あ、伝言預かってるから、後で伝えるね。

 

 

 

Q.募金が負担になってないか?

 

A.(エリドゥの写真を見せて)これを一括で買った。もう一つぐらいなら作って維持管理出来るよ。だからアビドスの借金も肩代わりしようと思ったけど、初対面の相手がこれやったら怪しすぎない?ワタシならお断りだし、ホシノちゃんも断るでしょ?今はシャーレ経由で健全な借金?だし、まぁ困ったらいつでも言ってね。…ちゃんと言うんだよ?

 

 

 

Q.ミレニアムの悪魔って?

 

A.ああ! ………チヒロが、チヒロってワタシの幼馴染なんだけど、その子が逆恨みかなんかで襲われたんだよね、しかも組織的なヤツに。その報復で町2つ焼いた時についた通り名だね。内緒にしてね?その件はまだヴァルキューレが捜索してるらしいから。証拠不十分で見逃されてるだけだから。

 

 

 

Q.師匠ってなに?

 

A.ワタシにも分からん。あ、なんちゃって忍術なら出来るよ、見る?…え?なんで見ただけで出来るの?天才じゃん、ヤバッ!一緒に研究する?えっ!?ちょっとならいいの!??黒服呼んでいい?ダメ?そりゃそうだよね。

 

 

 

Q.普段何してるの?

 

A.神秘の研究かな。クロコちゃんが元に戻れるかどうかってのとか、ヘイローが無くても銃弾から身を守れる様な外付けの防御力とか、自分の神秘の強化とか、逆に神秘を薄めて掛かる負荷を下げられないかとか色々。後は買い物に出かけたり、店に顔出したり、仕入れ先を拡大したり、カイザーの会社を買収したり、遊びに行ったりしてるよ。えっ?ペロキチ(ヒフミ)がトリニティで見かけたって?うん、週5で通ってるからね。あ、シスターフッド行く?みんな可愛くて癒されるよ。

 

 

 

Q.友達になって?

 

A.モチロンさぁ!

 

 

 

 

 

 で、今何時だとおもう?

 

 

 

「ふぅ~…なんだかずいぶんたくさん喋っちゃったねぇ〜」

 

「流石に太陽昇るとはなぁ、マジで3年分じゃん」

 

「言ったでしょ?トグロちゃんはおじさんが大変な時に、ずっと勇気をくれてたんだよ。名前だけだったけどね?…だからずぅーっと、こうしてお話したかったんだぁ~。やっと叶ったんだよ〜」

 

 

 もう朝ですよ。

 ご機嫌な太陽が顔を覗かせ始めて、空には夜と朝が並んでるよ。部屋の窓から身を乗り出して、そろそろ温かみを帯び始める朝焼けを眺めるのは結構清々しい気分だ。

 

 徹夜で茹だった脳みそに、早朝の空気がよく染みる。

 

 

 …ん?おじさん?

 

 

「ふぁ~ぁ…隣の教室を仮眠室にしてるから、一緒に寝ようか〜大っきくて柔らかいマットレスだから、快適だよぉ~」

 

「そりゃイイね。一眠りしようか。実はワタシもかなり眠いんだよねぇ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 いや、ホシノちゃん。

 そのマットレス使わんのかい!

 

 でっかいクジラのぬいぐるみの上に寝そべって眠り初めやがった…!ちくしょう!ワタシの身長がもっと低ければ!!!

 

 マットレスはいいやつだった。

 快適に寝れたからまんぞくだ。

 

 

 

 

 

「んにゃぁ〜……むにゃむにゃ……」

 

「ホシノちゃーん、そろそろ起きようぜ?アヤネちゃんとセリにゃんが来てるよ」

 

「起きてるよ~…」

 

「すげぇ、ヘイロー消えてんのに返事してるぞ……!」

 

「あはは…すみません、お客さんなのに起こすのを手伝ってもらっちゃって…」

 

「ホシノ先輩!ほら朝ですよ、起きて!トグロ先輩もいるんだから、シャキッとして!」

 

「ん~…あと30分…」

 

「長いわよ!ほら立って、顔を洗いに行くわよ!」

 

「すげぇ、ヘイロー消えてんのに歩いてったぞ……!」

 

 

 

 ワタシがホシノちゃんの睡眠芸に恐れ戦いてるのをヨソに、セリにゃんに連れられて行った。

 

 ワタシ?ワタシはアヤネちゃんに優しく起こしてもらったぞ。そんで、シャワーがあるってんで案内してもらってさっぱりして戻って来たトコだな。

 

 せっかくだし、朝ごはんでも作るか。

 

 

「アヤネちゃん達は朝ごはん食べた?食べてても作るけど、どれぐらい食べれそう?」

 

「え、えっと…私達は食べて来たので、その…少しだけなら」

 

「オッケー、キッチンとかある?」

 

「家庭科室ならありますが、その、食材が……」

 

「持ってるから大丈夫だよ。案内よろしくね」

 

 

 アビドスには車で来てる。

 そんで、ワタシの車には食材が常備してある。なにせ出先でそのまま泊まるコトがあまりにも多いんだよ。ごはん屋さんが近くにありゃ良いが、無いコトの方が多いからな。だったらってコトで食材やらの調理セットは基本的に持ってるんだよね。

 

 これをサクラコに言ったら、真顔でちゃんと帰るべきですって言われた。正論パンチやめてください。

 トキに言った時は、自分も連れてけって言われたな。その日は泊まり込みで遊びに行った。たのしかった。

 ネルにも言ったが、静かに馬鹿じゃねぇのって言われたからバカはオマエだって言い返してボコボコされた。暴力反対!

 

 

「ベーコンのパンケーキ作るぅ!パンケーキにベーコンのせるぅ!ベーコンのパンケーキになるぅ!ベーコンパンケェェェェェェキ!♪」

 

「……これで作ってるのが和食なんですね…」

 

 

 だって、卵を持ち運ぶのはちょっと…割れたらイヤだし…

 無しでやれって言われれば出来るけどさ、今日は魚の気分なんだよね。

 

 サバの塩焼きって、無性に食べたくなる時ない?

 魚って冷凍して保存出来て便利だよね、処理してあれば焼くだけでいいし。他の食材にも言える?それはそう。

 

 

 

 

 顔を洗って目が覚めたホシノちゃんと、1年ズの2人と、シロコちゃんとノノミちゃんが揃ったところで朝ごはんだ。

 

 実はノノミちゃんとはあんまり喋ったコトないんだよね、接点がなくてさ。ホシノちゃんとシロコちゃんは時々お店に来てくれるし、アヤネちゃんとセリにゃんはシャーレで何回か会ったコトがあるんだけど、何故かノノミちゃんとは会う機会がないんだよねぇ。

 

 ワタシがアビドス組を避けてきたのは事実だけどね?

 

 でも向こうから避けられてるとかはなさそうだし、今後に期待しよう。一晩語り明かしたおかげで、ホシノちゃんともそれなりに仲良くなれたって信じてるし、何時でも来ていいって言われたからこれからはちょくちょく遊びに来ようと思う。

 

 せっかくだし、砂漠用の乗り物でも作るか。

 

 

 

「あっ、忘れる前に言っとかねえとな。クロコちゃんからホシノちゃんへの伝言」

 

 

 注目を集めて、咳払いを1つ。

 

 

「『独りで戦おうとしないで。私たちは、守られなきゃいけない程弱くない』って。なんのことかは知らんから、ワタシには聞かないでね?」

 

 

 マジで何も知らないからね?

 アビドスには店から来てるんだけど、出発する時にフイに言われただけで何も知らないんだ。

 

 

「それとその続きで『何もなければそれでいい。でも、今度はこっちの番だから。覚悟して』だってさ。ホシノちゃんは覚悟しといた方がいいよ?何の覚悟かは知らんけど」

 

「んん~?ちょおっと心当たりが見当たらないなぁ~…でも、覚えておくよ。ちゃんと受け取ったって伝えてくれる?」

 

「ういういりょーかい。じゃ、そろそろワタシは帰るわ」

 

 

 てっしゅーてっしゅー

 

 実は今日は別の用事があるからね、急いではないけどそろそろ移動しないといかんのよ。

 

 

「バイバ~イ」

 

 

 

 アビドス組のみんなと別れを惜しみながら、いざゲヘナへ!

 

 店の仕事として温泉のクソ共に会いに行くのさ、そろそろカスミは捕まった方が良いと思うが、ワタシはあのクソっぷりが気に入ってるんだよね。イイよね、サンドバッグにしても心が痛まなくて。

 

 

 そしてワタシは、アビドスに武装を忘れて置いてった。

 そのうち取りに行こうと思う。

 

 なんか身体が軽いなとは思ったんだよ。まさか装備品全部置いてったとは…

 

 しばらくは予備と古い武装使うか。

 

 

 

 

 

 

 

 

 




 忍殺TCGが出ましたね。皆さんはちゃんと買いましたか?
 ルールブックを読んでるだけで面白いので、一度見てきて下さい。

 私は遊戯王熱が再燃し始めたので、環境デッキに古のファンデッキで立ち向かってます。勝てません。

なんも思い付かないから、参考までに……

  • トグロだけの小話
  • 本家イベント
  • オリジナルイベント
  • 先生視点
  • 別キャラ視点
  • よく名前の上がるキャラとの小話
  • その他
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