どうせなら、笑っていようぜ。   作:インチネ・ズィ・マゼタルーノ

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 後ろに居るのは、だぁ~れ?


アリスの、ケイウォッチング

 

 

「モモイ!居ませんか!?モモイ!」

 

「うわっ!もー驚かさないでよ。何かあったの?」

 

 

 良い子のみなさん。こんにちは。

 勇者のアリスです!

 

 今日はアリスが語り部…?をつとめます!

 

 ……ハッ!吟遊詩人、バードですね!

 今のアリスはバード勇者です!

 

 ですが…アリスは今、ケイをターゲットにスニーニング任務を……あれ?これは盗賊の、シーフのスキルが…??

 

 バードでシーフで勇者なアリスは語り部で……???

 

「聞いて下さいモモイ!あの女がまたッ!」

 

「師匠がどうしたのさ。ていうか、会いに行くなら誘ってくれてもいーじゃん」

 

「誘いましたよ。ゲームをやるからパス、と言ったのは貴女ではないですか」

 

「あれ、そうだっけ?」

 

 

 おっといけません。

 脱線してしまいました。

 

 さぁ!追いかけますよ!

 

 

 言い忘れていましたが、語り部をしている今のアリスと物語のアリスは別人です。なので、もしかしたら混乱してしまうかもしれません。申し訳ありませんが、アリスにはどうしようもありません。

 

 

「…──ですから、あの女はあろう事かッ!」

 

「あーはいはい、分かった分かったって」

 

 

 あ、やってしまいました。

 ちょっと進んでしまっています!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 へ?巻き戻し?

 ふむふむなるほど…はい。アリス、完全に理解しました!

 

 

 

 

 一時停止

 

 

 からの、巻き戻し ですね!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「モモイ!居ませんか!?モモイ!」

 

「うわっ!もー驚かさないでよ。何かあったの?」

 

 

 ふぅ~危ないところでした。

 なんだか戻しすぎた気もしますが、まぁヨシ!ですね。

 

 しばらくケイ達が話しているので、改めて聞いてみましょう。

 

 

 

「何かあったの、ではありません!聞いて下さいよ、新しい武装が出来たと呼ばれて受け取りに行っていたのですが…見て下さい、この意味不明な見た目を!コレでどう戦えと言うんですか!?」

 

「おぉ!カッコイイじゃん、なにそれなにそれ」

 

「…新しい、銃です」

 

「え、銃……?うわぁ〜使いにくそぉ〜」

 

「そうなんですよ!しかもこれ、Bluetoothで端末に繋ぐと遠隔操作が出来るんです。無駄に光りますし、音が鳴りますし…なんかちょっといい匂いしますし…」

 

「銃、だよね?」

 

「銃です」

 

 

 ドラゴン!ドラゴンです!

 ラスボスっぽい奴です。

 四脚のがっしりしたタイプです。

 アリスには分かります。きっとアレは炎と闇の複合属性ですね、ブレスが目立ちますが、猫パンチ*1に泣くプレイヤーが多いと見ました。

 

 それで、アレが…銃……?

 今動きました、机の上を歩いてます!

 おお!飛んでます、飛びながらブレスを吐いてます!!

 

 アレッ!アリスも!アリスも欲しいです!!

 師匠師匠!!アリスも!アリスにも作って下さい!

 アリスは光属性のドラゴンが良いです!

 

 へ…?光属性はもう、ケイにあげた?

 つまりケイはもう1つ(ドラゴン)を持っているのですか!?

 

 あ、後でアリス専用機ドラゴンを用意してくれる…?

 本当ですか!?ありがとうございます、師匠!

 

 …あ、そうでした。

 今は語り部(バード)でした、任務(クエスト)はきちんとクリアしなければ!

 

 コホン

 

 歩く、飛ぶ、咆えるドラゴンのラジコn…銃、銃??を見ながら、ケイはまだまだ話しています。

 モモイは黙って聞いてます。

 

 ケイ、楽しそうですよね。

 師匠の話をしてる時はいつも笑ってるんです。コレをケイに言っても信じてくれないんですよ、なぜでしょう?

 あ、コレがツンデレなんですね。ツンツンです、ツンツンのツンです。

 

 

「…ソレは差し上げます」

 

「え、いいの?ヤッター」

 

 

 なるほど。

 ケイ、後で1人で光属性のドラゴンで遊ぶ気ですね!あのドラゴンはモモイ達を集めるための囮です。ケイは宝物を隠したがりますから、きっと部屋で眺めてニヤニヤするのでしょう。

 

 部屋にあるケイの宝箱には、色んな物がしまってあります。アリスが(勝手に)覗いた時は、白金に輝くブローチや、値札が付いたままの拳銃に、よく分からないメモリーカード、変形した薬莢等が入っていました。

 

 

「それで話の続きなのですが」

 

「なんだっけ、エリクサーをストーリー中に使うかどうかだっけ?」

 

「違います。あの女に武装のメンテナンスを頼んだ話です」

 

「そうだっけ?」

 

 

 そうでしたか?

 でも、ケイが楽しそうなので、OKです!

 

 

「この銃の話は置いて置きましょう。それでメンテナンスをしている間、あの女の持っているゲームをしていたのですが……RPGをクリアせずに別のゲームに手を出していたのですよ!信じられますか!?一度手を伸ばし、物語を始めたのなら、せめてストーリーをクリアするのが礼儀と言うものでしょう!!」

 

「あぁー…うん、ソダネー」

 

「でしょう?不義理にも程があると言うものです。全く…続きをする時間が取れなかっただの、新作への我慢が出来なかっただの練習用データだのと言い訳をしていましたが、ソレがなんだと言うのですか!」

 

 

 ケイ、どんなゲームでもメインストーリーは絶対にクリアするタイプですからね。エンドが分岐するゲームは、全てを回収するまでずっっっっっと画面の前に座っています。他のゲームが出来なくなってしまうので、この前ケイ専用のモニターを買いました。

 

 アリスも専用機が欲しいです。

 こんどユウカに頼んでみましょう。

 

 ……ん?師匠、この前持っているゲームは全てクリアしたと言っていませんでしたか?

 RTA用のデータ?フレーム技の練習のためにわざとクリア前のデータを残してあるんですか?

 なるほど、ケイはそれを見たのですね、納得です。

 

 

「あ、ケイ。その髪飾りなに?そんなの持ってたっけ?」

 

「コレだからあの女の考える事は……髪飾りですか?フフン、さっき貰いました、中々に美しいでしょう。…腹立たしい事ですが、センスだけは認めるしかありませんね。あぁそうだ、私とミドリは新しい服を作ってもらうように言いに行きますが、モモイはどうしますか?」

 

「また?今週だけで3回目だよ、私はいらないかな〜」

 

「そうですか…もしかして、また太りましたか?」

 

「ンなっ!ちょっとヤメてよ!」

 

「ふむ、少しプニプニしていますね」

 

 

 やはりケイはツンツンですね、ツンツンしてます。

 アリスも、後でツンツンしに行きましょう。

 

 

「モモイ、もう少し運動すべきなのでは?」

 

「ウガー!デリカシー!!」

 

 

 ところで、ケイとミドリはそんなに沢山の服を作ってもらってるのですか?ほうほう…季節の変わり目で、せっかくならまるっと一新しようと。後でアリスにもお願いします。え、もう持ってきてるんですか?おぉー、これは素晴らしいですっ…といけません。まだまだクエストの途中でした。

 

 

「で…デリ、カシー…?すみません、何の事か分かりません。私、太った事がなくて…」

 

「厶キーッ!ウガー!」

 

「ここは動物園でしたか、コントローラーやモニターは叩かない様にお願いします」

 

「むむむむむ……」

 

 

 ケイがいつもの様に煽っていますね。前にモモイは良いリアクションをしてくれて、とても楽しいと言っていました。ゲームではいつもモモイに煽られているので、その仕返しもあると思います。

 そのまま言い合いになって、よくユウカに怒られています。

 

 あと、アリスも太ったことが無いので分かりません。

 帰ったらモモイに聞いてみようと思います。ツンツンのアリス、行きます!

 

 おや?

 ケイはまだまだ話足りないみたいですね、続きを聞いてみましょう。

 

 

「さて、モモイが太った話は置いておきましょう」

 

「違うから!別に太ってないから!」

 

「はいはいそうですね。ところで、まだ私の話は終わってませんので聞いて下さい」

 

 

 もう、ケイは喋りたいだけですね。

 モモイが聞いていても聞いていなくても関係ありません。

 

 ケイはちょっとそーゆう所があります。

 話を聴いて譲ってくれてるみたいなふいんきを出して、何も聞いてないし譲る気もない所です。かなりの頑固者です。

 アリス達は慣れました。

 

 困ったら実力行使なので問題ありません。

 アリス達の方がゲーム強いので!

 

 

「先日、あの女と会った時にそのまま買い物に出掛けたんですよ。曰く、普段使いの手提げ鞄を買い替えるとの事で私も着いて行き、わざわざ選んでやったのですが…あの女、なんて言ったと思いますか?」

 

「あ、ごめん。なんにも聞いてなかった」

 

「『趣味じゃない』ですよ!何なんですかあの女は!?せっかく、私が、わざわざ選んであげたというのに、趣味じゃないぃ?何なんですか趣味って、そこは喜び礼を言って(こうべ)を垂れるべき場面でしょう!!…まぁ、最終的には私にも鞄を買わせたので、それについては許してやらなくもないですが」

 

 

 どうしましたか、師匠?

 その日はケイが勝手に着いてきて、鞄やら帽子やら靴やらを強請ってきたから買ってあげた、と…ふむふむ

 

 そういえば、ケイの部屋にある衣装掛けが増えていましたね。なるほど、あの帽子はその時に買った物でしたか。

 いえ、アリスにはいりません。帽子を被ると、こう…頭がムズムズするので。それに、アリスは強いので日に当たってもへっちゃらです。

 

 

「許したなら何を怒ってるのさ…」

 

「よくぞ聞いてくれました!」

 

聞かなかったら聞かなかったで怒るじゃん…

 

「何か言いましたか?モモイ」

 

「ナニモー」

 

「そうですか。それでその後、ついでに昼食を奢らせたのですが、あの女…何か用事があったらしいんですよ。それをキャンセルしたのですよ!」

 

「どこに腹を立ててるの?ケイがお礼を言う所でしょ、それは…ていうか、師匠も師匠で甘やかしすぎだよ…」

 

「それではまるで、私が一緒にお昼ご飯を食べたいから、キャンセルさせたみたいではないですか!!」

 

「…………………えっ?ちがうの??」

 

「用があるのなら、用があると言えばいいんですよ!別に私だって、人の予定を崩してまで我儘を言うつもりはありません!それをわざわざ私に隠れて…後でそれを知った私の気持ちはどうすればいいんですか!?」

 

「知らないよそんなの!?ありがとうって言えばいいじゃん!」

 

「んなッ!そんな恥ずかしい事、言えるわけないじゃないですか!!!」

 

「それこそ知らないよ!!」

 

 

 そう言えば、ケイがこういった話をする時の相手は、だいたいがモモイです。モモイはああ見えて話をちゃんと聞いてくれるので、結構話甲斐があるんです。

 モモイは色んな人から、相談だったり愚痴だったりを聞いてますね。聞き上手なんです。

 

 他には、ケイはミドリと一緒にいることが多いですね。ファッションだったりスイーツだったり、趣味が合うと言っていました。

 

 ユズとはゲームの話が多いです。プレイよりも、プログラミングを習っているそうです。アリスですか?アリスはデバッガーです!

 ですが、プログラミングも出来ます。勇者なので!

 

 ケイは他にも、ミドリのイラストのアシスタントをしたり、モモイのシナリオの添削をしたり、ユウカに書類を提出しに行ったりしてます。多分、1番動き回ってます。

 

 流石はアリスの妹です!

 

 へ?

 そうです!

 ケイは妹です!アリスが決めました!アリスの方が早くミレニアムに入って、アリスの方が早くゲーム開発部に入って、アリスの方が早く勇者になったので、アリスがお姉ちゃんです!

 

 ケイがアリスのことを妹だと言っていた…?

 なぜかケイは、自分お姉ちゃんだと思っているんです。

 アリスの方が、絶対にお姉ちゃんなのに……

 

 師匠?なぜ笑ってるんですか?

 

 

「やれやれ…これだから人類は愚かしい…」

 

「うわでたマザーAI」

 

「これが、心…?」

 

「味方展開だ!」

 

「フフッ…さて、モモイ。アリスに伝言をお願いできますか?忘れませんか?」

 

「ご機嫌じゃん。いいよ」

 

「私は帰りが遅くなるので、今日の晩御飯は自分で用意するように。と」

 

「どっか行くの?」

 

「セミナーへ仕事の手伝いを。その後は皆さんと食事に行ってきます」

 

「ユウカ達と?なんか最近忙しそうだよねー」

 

「モモイ。貴女…はぁ、もう少しユウカ先輩に感謝して生きて下さい」

 

「???」

 

「伝言は任せました。行ってきます」

 

「いってらっしゃーい」

 

 

 ……アリスは、台所を汚して怒られました。

 ケイに、キッチンを侵入禁止エリアに変えられてしまいました。まだアイテムがあったかも知れないのに…

 

 でもケイと一緒なら入れるので、限定ダンジョンですね。

 いつか攻略しようと思います!

 

 

 あ、もう時間ですか?

 分かりました。

 

 それでは皆さん、これにておしまいです。

 お疲れ様でした、さようなら。

 

 語り部はアリスがお送りしました、クエスト終了です!

 

 また会いましょう!

 

 

 

 

 

 

*1
出の早い前脚の引っ掻き攻撃





 こういうのが読みたいって言ってくれたんですよ。
 私、嬉しくなって書き始めたんです。
 それで出来たのが、コレ。
 思ってたのと違ったら申し訳ないですが、私は楽しかったです。
 

なんも思い付かないから、参考までに……

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