どうせなら、笑っていようぜ。 作:インチネ・ズィ・マゼタルーノ
「あっはぁ!いいなコレ、物理無効か?それとも防御力か?どっちにしろオメェ等は無限湧きするエネミーだろ?根元見せろやぁ…ソレをワタシに解析させろッ!!」
良い子のみんな、こんにちは。
ワタシだ、赤蛇トグロだ。
モロモロの細かいコトは置いといて、目の前に面白いもんが湧いて出てきてるからテンション上がるぜ。
だってほぼ物理無効だぞ!?
ワタシが!欲しくてたまらない防御力!!相手の攻撃を受けても無傷!この強靭な耐久性!!!
欲しい!今すぐにでも!
あ、別に倒せないワケじゃないぞ?
多少手間だが、末端から読み取れる情報からして、コイツ等は多分物語とかウワサ話が起源になる。見た目からしてホラーだし、多分怪談とかその辺だろ?
ココは百鬼夜行だし、百物語か?
同じ『百』の字使うし、そういう文化が根付いてるのも知ってる。
つまりだ。
その相手の物語を破綻させればイイ。
未完成な白物語にしてもイイし、蛇足を加えて
確かに倒しにくいが、弱点は存在する。
…まあ、普通にやったら無敵だろうけどね。
大多数のヤツは忘れてるかもしれないが、ワタシは神秘及び恐怖系統の研究者だぞ。面白狂人ゲマちゃんズからお誘いがかかる程度にはソッチ系だ。舐めてもらっては困る。…声かけたのはワタシからだったけどな。
契約して使うヤツとか、符号に沿った役割を付けるヤツとか、起源を再現するヤツとかが居る中で、どちらかと言えば神秘の解析をメインにしてるまである。そんでソイツ等からも学んでる最中なのだよ。
それに解析は、わりと得意分野だ。
どれくらいかと言えば、ゲマトリア神秘研究所の神秘解析部門の外部アドバイザーを名乗っても許されるレベルでは結構な専門家なのだよ。どうだ、スゴいだろう!
でも『それで何か役に立つんですか?』ってのは禁止カードな。役に立つとか立たないじゃあないんだ、気になるから調べるんだ。調べたいから研究してんの。うるせぇほっとけ。ワタシの役には立ってるから!
最近は研究に没頭してると、
やりすぎるとサンプルは没収されるし、長いお説教があるからソレは勘弁して欲しいけど…
おっと、だいぶ話が脱線したな。
まぁ要するに、面白そうなオモチャが転がってるから、ちょっと拾ってこうぜってコトさ。
それともう1つ重要なコトだが、ワタシは別にゲマトリアじゃない。これは間違えないでくれ。あんなのと仲間とか、ヒトとして恥ずかしいからな。頼むよ先生、本当にワタシはゲマトリアじゃないんだって。
確かにワタシの席は空けてくれてるし、ワタシもしょっちゅう会合とかに参加してるけどさ、ゲマトリアじゃないから。一緒に研究したり成果発表したり考察広げたり相談したり遊びに行ったりしてるけどさ、本当にゲマトリアじゃないんだ、信じて!
いけない、また脱線した。
「おやおや、そこなレディや。
「こんな所に客人とは珍しい…そうさなぁ、観戦と言えばそうかもねぇ。そういうあんさんは参戦かぇ?」
「まぁね。折角来たんだから楽しまねぇとってな、キミのような美人さんに会えるって知ってたら、手土産の1つでも持って来てたんだがなぁ…」
「お上手やねぇ。そら、お祭りが終わってしまう前に楽しんで来なされ」
「そうさせてもらうよ。せっかく出会えたんだ、名前だけ、聞かせてくれるかい?」
「…コクリコ、べつに覚えんでええよ」
「ありがと。ワタシはトグロだ、縁があればまた会おうぜ」
ヤッベー!
超美人さんいた!!
なにあの服!蜘蛛じゃん!カッケー!綺麗!ステキ!
それに、顔面が好みだ。
また会えるコトを信じて、なにか贈り物を用意しておこう。美人は好きだぞ、美人だからな!
言い方はアレだけど、ワタシはヒトに貢ぐのが好きなんだよ。
推しには課金したいタイプだ。
でもなぁ…多分あの子、悪いコトしてる側の子だよなぁ…
現場はかなりパニックになってるし、火事も起きてるんよなぁ…それを落ち着いてオペラグラスで眺めてるってさ…絶対に悪役やん?サマになってたな、まるで1枚絵みたいだった。
まぁいいか、そん時そん時だ。
高いトコロから見下ろして、1番デカく騒いでるとこに行こう。そのために高い建物に登ったら美人さんがおったんだよ。
そんなん、とりあえずで声掛けるだろ?可愛い子には声を掛けろってことわざもあるしな、仕方ねぇよ。
そんじゃ、レッツ移動だ
目指すはデカい黒猫!
デカいのは強い、強いのはボス、ボスならなにか面白いもんがあるハズだ。ワタシには分かる…なぜなら、ソレがセオリーだから。
「ホイっとナイス着地…、あ…コホン…やぁ諸君。始めましてのヒトは始めまして、知ってるヒトにはこんにちは。ワタシだ、赤蛇トグロだ。遊びに来たぜ!」
「呼んでません。お帰り下さい」
“ワカモ!トグロ!”
アイエエエワカモ!
おっとあぶねぇビックリしかけたが、ワタシは元気だ。ワカモが落ち着いてるからな、そこまでヤバい状況でもないんだろう。なら大丈夫だ。
「先生じゃん、どうよお祭り楽しい?シズコどこ居るか知ってる?」
“お祭りは楽しかったよ。シズコなら避難誘導をしてくれてる筈だけど…今はそれどころじゃないよね!?”
「お、おう…なに、今そんなヤベェの?」
そんな大声出すなよもぅ…ビックリするでしょうが。
あ、さっきも見た白い子だ。焼き鳥美味しかったぞ、同じお店のヤツかは知らんけど。
ところでなんだけど、なんかココ雰囲気悪いね、ちゃんと換気してる?外だけど。
「はぁ…蛇、お前はもう黙ってなさい。さっさとアレを片付けますよ」
「オッケー」
持っててよかった特殊弾丸。
ココに来るまでの間に色々試しといて正解だな、4番と5番は結構効いてるらしい。特に5番がイイ感じだ。
やっぱワタシなら蛇足を生やす方が性に合うからな、怪談に無駄な情報を貼っつけてやりゃぁ特攻ぐらい簡単だわな。怖くないんだもん、それじゃ怪談失格さ。
そんでこのネコちゃん、柱に縛られてやがんの。なんで暴れさせるのに封印解いてないの?バカなの?やーいやーい、手抜きですか〜?助かる〜
“2人とも!?アレには普通の攻撃が………??”
「分かってるって、普通じゃなきゃイイんだろ」
「私の愛の力の前に、何人たりとも邪魔立ては許しませんわ!」
サスガだぜワカモ!
愛の力ってなんだよ!
謎パワーとかヤメロよ、ずるいぞ!!
せめて原理と理屈と作用と用法を教えてくれ、なんも分からんくて謎が謎を呼ぶ愛の力…分からん…
“あーっと…うん。2人とも、助かったよ。ありがとう”
なるほど?
もしかしなくても、ワタシ達はナニかのイベントを潰したっぽいね。
あっちではなんか、変な気配をゴリゴリ放出してるめちゃ回収したい&研究サンプルにしたい欲を刺激してくる謎の銃とワタシ達を交互に見てナニか喋ってる。
うんうん、怪しいよね、ワタシ達。
だって仮面被ってるし、突然現れたし、誰も知り合い居ないし、謎パワーで謎モンスター倒したし。
うんうん、妖しいよね、ワタシ達。
まぁでも、こうなる分かってて登場したワケですよ。だってカッコいいじゃん。謎の第三勢力ってロマンあるじゃん。
誰だってなれるならなるだろ?謎の第三勢力、なるだろ?オマエも第三勢力にしてやろうか?第四でも良いぞ、楽しそうだ。
じゃあワタシ、ネコちゃん達の原本を探しに行くから。
“えっ、トグロ!?どこ行くの?”
「宝探しさぁ!じゃあな!」
コッチはワカモが居ればなんとかなるやろ。
ネコちゃんの残滓からおおよその源泉は予想出来てる。後はそれっぽいヤツがソレっぽくなりそうなソレっぽい場所に居そうなソレっぽいヤツを見つけてソレっぽいナニかを回収すればカンペキだな。
グヘヘへへ…さっきからコッチを伺ってた気配が、逃げるように遠ざかってるからなぁ、主犯かは知らんがナニかは知ってんだろ。
一応緊急時だからな、この近辺にはワタシのドローンが大量に展開してあるのさ。追跡は余裕。
コレでも技術系ミレニアム生もやってるからな、この程度は簡単に出来るぞ。過去にはエリドゥ作る手伝いもしてたし、リオにバレずにエリドゥの地下を改造しまくってたからな。未だに拡張中だせ。
さてさてゴールは近いぞ、気合い入るなぁ!
今迎えに行くからな、待ってろよワタシの防御力!
いつもは追っかけられる側だが、今日は追っかける側だな。
楽しくなってきた!
「あっはははははははははは!どこ行くのぉ?ワタシのタメにぃ…そのオモチャ置いてってよぉおお!」
とりあえず、展開してるドローンから大音量でワタシの声が響くようにした。コレで相手にも聞こえるハズだ、リアクション取ったヤツは全員マーク。
最初から狙ってるヤツも反応したな。コイツは黒ってコトで、先生のトコロに突き出しておこう。
だって、シズコが苦労して主催したお祭りを壊したんだぞ?
普通に許せなくない?
こんなんデスペナルティだろ、私刑にしちゃうぞ。
でもソレやると、シズコにも先生にも怒られそうだからな、先生に引き渡す程度でカンベンしてやるよ。
「みぃつけたぁ…」
ハァイ、ジョージィ…な気分でチビっ子の肩をポン。
露骨にビクッてなったな、警戒してたのに背後を取られたのが怖いか?
フフフ…訓練が足りてないな、気配察知なら忍術研究部かC&C辺りに鍛えてもらうとイイぞ。ソレか全力で鬼ごっこだ、隠れるスキルがなけりゃ休めねぇタイプのやつ。
「な、なんなんですか手前はぁ!?なんで付喪神に…クロカゲに攻撃できてるんです?」
「へぇ…付喪神にクロカゲっ言うんだ、あのエネミー。面白いじゃん、ワタシにも作り方教えてくれよ」
「はぁ?何を言ってるんです?アレはこの『怪書』を……あれ」
はいゲットー!
ワタシ相手に悠長にしてるからスられるだぞ?
追いついて背後を取った時点でヤバそうなアイテムには気付いたからな、そりゃあ盗るだろ。ビックリした瞬間だから、気付かれなかったらしい。
うむ、ヤッパ訓練が足りてないな。そんなんじゃあワカモ相手に戦えないぞ。
「お探しはコイツかい?中々に趣のある表紙をしてるね、実に興味深い」
「手前ぇ!返せ、返せよぉ!」
「フフ…」
……フィジカル、雑魚くないですか?
普通に手に持って持ち上げてるだけなんだけど、ぴょんぴょん飛び跳ねても手が届いてない。
か、かわいい…かわいいなこの子、イジメたくなるかわいさだ。クソガキ感があって好き。
「あんた、トグロって言ったかい?」
「ッ! …ゴ グ リ゙ ゴ ざ ま゙ぁ~」
「おん?やぁ、コクリコちゃん。さっきぶりだね」
ワタシが夢中で遊んでたら、いつの間にか近づいてた蜘蛛の美人さんこと、コクリコちゃん。ワタシの背後を取るとは…やるじゃないか。
「『ちゃん』は止めておくんなまし。…して、それを返してやってはくりゃれんか?」
「んん~…でもこんなオモチャめったにないからねぇ、ココは2人を見逃す変わりにさ、コレを回収させてくんない?」
「出来ない相談だねぇ。とは言え、不利は我等の方…貸し1つで手打ちにはならんかい?」
貸しは要らないかな。
ぶっちゃけ、また会えるかも分かんねぇしな。
だから、ワタシもほどほどなトコロで妥協しよう。このコクリコって美人さんね、底知れない感じがするから警戒してんのよ。
真面目モードのヒマリぐらいには底知れない感じかな、それも不気味な方向に向いてるからナニするか分かんねぇ。
「じゃあさ、写本をちょうだいな。大事なモンなんだろ?写しの1つや2つは持ってるでしょうよ」
「そらぁ有りはするがねぇ…今、手元には持っとらんよ」
「それは当然だね。後日、シャーレにでも送っといてくれればいいさ」
「あぁ分かったよ。それは
うん。やっぱ油断ならねぇわ。
この子、ワタシ相手に約束するとか、この短時間でどこまで見通してんだろうな。それか単純にワタシの同類か?
まあいいや、写本でも手に入るならワタシ的には問題ないからな。うっひょ~研究が捗るぅ~!
「それは嬉しいね。
「それじゃぁ、我はお暇させてもらうよ。…シュロ、面を上げな、行くよ」
「じゃーな、また会えるとイイね」
「そうさね、中々楽しめたよ」
チビっ子、シュロって言うんだね。かわいいね。
でもコクリコが来てから一切目を合わせてくれないんだよね、ワタシのコトを見てるハズなのに目が合わない…ククッ、ヤベェもうちょいイジメたくなってきた、かわいいね。
やらないけどね。
この子達、もう帰ってったから。
じゃ、ワタシも戻るか。
どうせ先生とかからアレコレ色んなコトを聞かれるだろうからな、呼び出されるくらいならコッチから行った方が気持ちが軽いから。
お、屋台営業再開してるのあんじゃん!
「おっちゃん、メニュー全部10個ずつくれ!」
「あいよ!…にしてもよ、あんなんあった後だってのに、お前さん元気あんなぁ」
「そりゃお互いサマだろ?お祭りなんだから楽しまねぇとな!」
「ちげぇねぇ!HAHAHA!!」
やだこの犬のおっちゃん、すっごいパワフル…
いっぱいの屋台飯を抱えて、謎ネコちゃんがいた場所に戻ろう。あぁ〜めっちゃいい匂いする、腹減ってきた。でもガマンだ。あの場所にいたヤツ等にも持ってかないとだから。
ほら、あの
せっかくシズコ達が頑張ったんだ、少しでもお祭り感を味わってほしい。
あ、焼き鳥はっけん!
あの白い子のせいで焼き鳥がめちゃくちゃ脳裏に焼き付いてるんよ、久しぶりに食べるとすげぇ美味いしさ。アレも買って行こう。
それにしても百鬼夜行のヒト達、中々たくましいな。
ぶっ壊れた屋台は仕方ないにしても、半壊程度で設備が生きてる屋台はもう営業してるもん。
まあ、客はほとんどいないけどな。でもちらほら見かけるから、もう少ししたら帰ってくるんじゃない?
戻ったらワカモはもう居なくなってた。
そして大量の屋台飯を抱えたワタシは、先生達から呆れた目で見られた。なんだよ…ワタシはオマエ等のシリアス知らねぇんだよ、悪いか?ぁ゙ぁ?
あっでもちょっと待って、みんなに
で、なんだっけ、シリアスな話しだっけ?明日でいい?
ワタシ、そろそろシズコに会いたいんだけど…絶対に忙しいだろうし、手伝いに行きたいんだけど。
今回のイベント、新衣装多すぎない?
こんな大盤振る舞いしていいの?実装待ちが楽しみすぎるんだけど、キレそう。
あ、IFの小話はココまでです。
なんも思い付かないから、参考までに……
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