どうせなら、笑っていようぜ。 作:インチネ・ズィ・マゼタルーノ
新ストーリー来てましたね。
リオ、お前…ついに実装するんか!?実装するんか!!?
良い子のみんな、こんにちは。
ワタシだ、赤蛇トグロだ。
今日は特に仕事もないし、用事もない。誰かと約束してるってコトもなくて、まだ午前中。でも動けねぇ…
わりと久し振りな、完全フリーの休日だ。
でも動けねぇ…
えっ、年中遊んでるようなもんだろって?
ははっ、なにも言い返せねぇし、動けねぇ…
なにもないならなにもないで、フラリと来ちゃったワタシの工房。工房自体は全部で4つ持ってて、それぞれ工学系、神秘系、芸術系、それにガチ趣味施設になってる。
工学系のは普段、弾丸とかドローンとかデコイとかを自動生産してる工場としても動かしてるな。施設もミレニアムの自治区内にあるし、工房の一部スペースはウタハの物置みたいに使われてる。まあ、自由に使わせる代わりに点検とか整備を任せてるけど。
神秘研究工房はエリドゥの中にある。定期的に区画移動させて場所を移してるぞ。あんまりヒトに見せられない内容とかあるからな。あと時々黒服が居座ってる。まぁ、アイツが居るのはもう誤差の範囲だろ。来るときはちょっとイイお菓子とか手土産持ってきてるし、普通にワタシも研究の相談とかしたいし。
芸術ラボはトリニティの外れにある廃墟を改装して作った。ほら、前にマエストロと一緒にグレゴリオ創っただろ?そん時の場所をそのまま使ってる。マエストロとの共用ラボだな。トリニティに遊びに行った日とかは、結構ココに泊まってる。
そして最後のガチ趣味用の工房は、なんとシャーレのお膝元、D.U.に建ってる小さめのビル1棟まるまる全部がワタシの持ち物だ。なんなら地上よりも地下の方が広いまである。
今ワタシが正座してるのは、ココの地下4階だな。
足痺れてきた…今日のお説教はながいなぁ…
“いい?聞いてる?いくら研究だって言ってもね、こんな倫理観を疑うような施設は許容出来ないからね!…出来れば今すぐ破棄して欲しいんだけど、コレは、その…大丈夫なんだよね…?”
「ん!」
今だッ!
背筋を伸ばし、腕を上げ、指先までしっかり伸ばて発言許可を乞い願う!
喋らせてくれ。
わりとガチ目に怒ってる先生は、かなり怖い…とても怖い…
ブチ切れユウカよりも怖いと言えば、その怖さは伝わるだろうか…?
分からんか…オマエ、ユウカに怒られたことないのか、
さて、そろそろ反論させてほしい。
別にこの施設では、ヤバい研究とかしていないと!
ただそう見えるだけであると!
“なにかな?”
「ココにあるヤツさ、ただのインテリアなんだけど…」
“えっ?”
「一応動かせるけど、先生の思ってるヤツとは違うと思うぞ?」
“…えっ?”
そんじゃ、今日の…まぁ朝からの出来事を順番に辿っていくとしよう。
さっきもチラリと出たが、ワタシは今日、めちゃくちゃ暇なワケよ。やらなきゃいけないコトもなければ、特別やりたいコトも思い付かなかった。いや別に…やりたいコトがないわけじゃないけど、そんな気分じゃなかったワケよ。
そんで、朝起きてからのんびりして、そんじゃぁ今日はなにしよっかなぁ〜とか思いながら、大した理由もなしにこの趣味工房まで来たワケさ。
でも別にナニかのやりたいワケでもないから、部屋でぐでぇ〜ってしてたんよ。たまにはいいじゃん?何もしないをするのって。
んで、ぼんやりしてたらさ……ふと思ったんだ
そうだ、マッドサイエンティストごっこしよう!
ってさ。
もともとこの部屋のコンセプトが怪しい研究施設だったし、ちょうどよかった。
せっかくだから、この部屋の内装を説明してやろう。
まず部屋に入って真っ先に視界に入るのは、薄緑色の培養液に浸かった人体と、それに繋がっている謎の機械。そのセットが3つある。結構デカいから、まず間違いなくコレ等が目に入るだろう。
ちなみに、培養液に浸かってるのはケイちゃんの予備ボディだ。今のボディと同じタイミングで、身長や体型、種族を選べるように複数体造ってたんだよ。培養液は雑菌とか錆とかの腐食やらの劣化を防ぐ為の保護だ。ほら、ケイのボディは食事とか摂れるようにしてあるからさ、衛生面は結構気を使ってんだ。あ、培養液はもともと透明だぞ、ワザワザ色付けて浸してある。ソッチの方がソレっぽいだろ?
謎の機械?これは義体のメンテナンス用に必要なんだ、流石にコレは外せないし、外すつもりはない。だいたい、頑張って作ったんだぞ、使う前に壊れたら悲しいだろうが。
そして、人体培養液セットの次は床に広がる謎の魔法陣!
なんとなく、ギリギリ読み取れそうな崩し文字で描かれているのはなんと、人体錬成とか不穏な文字列。
そう、これはワタシが描いたなんちゃって人体錬成陣。のホットカーペットだ。電源を入れると、
他にも毒々しい色の液体が沸騰してるフラスコ、みたいな加湿器。今は紫、ラベンダーの香り付き。底から空気を出してるだけで、沸騰もしていない。
とか、何故か存在している丸鋸、の形をしたレコードプレーヤー。赤黒いレコードをセットしてあるけど現在は故障中。
とか、蛇や猫、魚や鳥等の標本や骨格模型。コレは絵を描く時の参考資料に使ったヤツ。今はただのインテリア。
とか、謎の人体解剖図。バラバラなのを組み立てて遊ぶタイプの知育パズル。
とかのちょっと不気味なアイテムがたくさん並んでるのが、この部屋だ。
こんな部屋で、ワタシはナニをしていたのか。マッドサイエンティストごっことは何か。
ワタシにも分からん。
なんも考えてなかったもん。
分かるのは、
読んでたのはかまぼこ突風伝の新刊と、ノアが品評会に出してた詩集、この前ヒマリに貰った占いの本だな。なかなか面白かった。
こんな感じで雰囲気を楽しみながらリラックスをしてたら、先生が部屋に入ってきたんだよね。勿論ノックはあったぞ。ワタシは何も考えずに入っていいって言ったけど。
そしたらこのザマよ。
入ってきて、部屋を見渡して、ワタシと目が合った。
そして静かに、言ったんだ。
“トグロ、正座”
正直、死ぬほど怖かったよね。
先生、あんな冷たい目出来るんだね。
あ、ごめん泣きそう。
まだ手ぇ震えてるもん。
でも泣かない。めげないし諦めない。
ワタシはこの部屋が気入ってるんだ。
妖しいインテリアとか、集めるの大変だったから!!
トキと一緒、色んな店を巡って探したんだぞ!時間かけて作った部屋なんだぞ!
作った後、部屋見せたらドン引きされたけどな!!
こんな感じの話を、ちょっとビビりながら先生に伝えた。
しょうがないじゃん。
怒ってた先生マジで怖かったんだもん!
正座してるから分かんないだろうけどさ…ワタシ今、怖くて腰抜かしてるからな?立ち上がらないんじゃなくて、立ち上がれないんだぜ?
ふぅ…長いお説教だった…
ワタシ、何も悪くないハズなんだけど…
“…ご、ごごごごめぇえーん!”
「やめっ、ちょ…おい!ヤメロ揺らすな」
“ごめんねトグロォ!!本っっ当にごめんねぇぇ!!”
「いいから落ち着けってわッつつ…わりぃ、バランス崩れたわ」
何かすぐにでも冗談言えたらよかったんだけどな。ワタシ、こういうのニガテなんだわ。照れるとか恥ずかしいとかよりも、恐怖が先に来るタイプ。
しかも払い除けるにしても、腰が抜けてて上手く力か入んねぇし、先生はクソ雑魚だから万が一にも怪我させる訳にもいかない。振り払えない。
先生は先生で、今はごめんねbotになってて話聞いてくれないし…
マジでどうしよ、普通に困るんだけど……
カシャッ!
ん?
なんの音……おい、何を撮ったんだ?
「トキ、ノックくらいしろよ」
「これは…!スクープです。今すぐリオ様やヒマリ部長に報告しなければ。…あ、こんこん」
“スクープって別に今…いま、……あっ!”
気付いたか?
先生。
アンタ今、ワタシの事を押し倒して馬乗りになってるからな?どいてもらえると凄く助かる。
“わわわわわわまってトキィィ!トグロもごめんね!大丈夫だった!?今どくからね”
「そんなに慌てんなよ。転んでケガするぞ」
“冷静だねッ!?”
そら冷静にならなきゃワタシ、何してかすか分かんねぇからな。今だって心臓バックバクだぞ?本当に、冗談抜きに、こーゆうドッキリは他の子に仕掛けてくれ。本当に、苦手なんだ。
「スゥ~…まだ震えてるわ、立てねぇし…はぁ」
で、先生はゆっくりワタシから降りて、トキを追い掛けに行ったぞ。そりゃ変な写真を拡散されたらたまったもんじゃねぇからな。
…別にトキはそんなコトしねぇよ。ワタシとか先生を弄って遊ぼうって思ってんじゃないかな。広がってもリオとかヒマリくらいだろ。……ヒマリに行ったらヤバいか?ヤバそうだな、火消しはチヒロに頼もう。
「あ゙ぁー…なんかやる気なくなったなぁ…」
ワタシのリラックスタイムがブッ壊されちゃったし、なんかもう…
仕方ねぇ、ヒマリに会いに行こう。
なんか無性に顔見たくなってきた。せっかくだし今日の運勢を占ってもらおう。多分最悪なのかもしれない。
昼過ぎくらいに、先生が来て土下座してきた。
別に謝罪とかいらねぇって、気にすんなよ、事故だろ事故。あんな部屋作ったワタシも悪いからな。だからそんな落ち込むなって。
「仕方ありませんね。今回だけですよ?」
“本当にごめんね”
なんでヒマリが答えてんの?
まぁイイけど。シャクゼンとしないな、まぁイイけど。
いや、なんでさ?
「ところでトグロ、あの写真は何ですか?」
「あっアレは…その、先生がムリヤリ…ワタシ、コワくて…」
“えっト…トグロ?ちがっ、違うからね!?事故だよ!事故って言ったよね!??”
「まぁ!先生、少しお話しましょうか」
バイバーイ
ヒマリも結構な先生ラブ勢だからな、あの状況はある意味嬉しいのかもな。ワタシには分からん。分類するならラッキースケベにでもなるんかね。
ワタシはラブってほどじゃあない…ないよな、なんか自信なくなってきた。そりゃあ先生のコトは好きだけどさ、ライク側でイイんだよな?そういう方向の感情は湧かないから、ワタシはライク勢のハズ。
まって、ヒマリも先生も行っちゃったんだけど。
置いていかれたんだけど…
でも大丈夫!
「エイミ〜遊びに行こうぜ」
あれ?居なくない?
トキと一緒に出掛けた?聞いてないが?
あの子達、なんだかんだ言って仲良いよね。
ついてない日って、とことんついてないですよね。
私も家の一室は、こんな感じにマッドサイエンティスト的なテーマで固めていて、友人にドン引きされました。
なんでやカッコいいやろがい!
なんも思い付かないから、参考までに……
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