どうせなら、笑っていようぜ。 作:インチネ・ズィ・マゼタルーノ
あいつは
良い子のみんな、今日はちょっとそれどころじゃない。
「ヒマリ、お前ちょっと何考えてんの?馬鹿なの死ぬの?」
「ば、バカじゃありませんけど?私、『全知』なんですけど?」
「黙れ。口答えすんな。経緯はエイミから聞いてんだよ、巫山戯た事しやがって…テメェ自分の身体分かってんのか!?」
“ま、まあまあトグロ…お、落ち着いて…”
「あ゙ぁ?そーいや先生も共犯だったなぁ、アンタ生徒の味方気取っといてヒマリに何させたか分かってんのか?」
“それは、その…ごめんなさい…”
「ほらトグロ、そんなに怒らないで下さい。深呼吸、深呼吸しましょう?私達は話し合えるハズです!」
「……はぁあ〜〜〜…わりぃ、気が動転して血が昇ってたわ…」
だんだんと落ち着いて来た。
まだ怒りとか心配とか諸々の感情は収まり切ってないが、少なくとも表面上は繕える程度には。
取り敢えず、この場で出来る確認はさせてもらう。
「ヒマリ、目ぇ開けろ…次は口。綿棒入れるから覚悟しろ…次は首元触るぞ…よし、腕出せ。…安定してるな」
「まったく、心配しすぎなんですよ」
「現地で触った物は?滞在時間は?体調に変化はあるか?」
「持ち込んだ設備や飲み物程度です。時間はそれなりに、いたって健康体です」
「なるほど。最後は採血だ、結果が出るまでココで大人しくしてろ」
流石に
「ワタシは一回工房に行く。1時間以内帰って来るから、ココで待ってろ。…2人とも、話はそん時に」
マジでD.U.に拠点作っといて良かった。
速攻で帰って来るからソコ動くなよ?
「行っちゃいましたね」
“行っちゃったね。……その、ごめんね。無理させちゃって”
「いえ、構いませんよ?そもそも私が行くと言い出した事ですから」
“うん、ありがとう。……あのさ、トグロってもしかして…医学も出来るの?”
「ええ、あのままお医者様として働ける程度には技術も知識もあり、設備すら自前で揃えてしまっていますね。今でこそ研究者だとか技術者だとかを自称していますが、元来は医者を目指していたのですよ?」
“そうなの?……それってつまり、ヒマリの為だよね”
「うふふ、そのとおりです。曰く、何処に居ても最適な処置を施せる様に。だそうです。…本当に、ありがたい事です。私には過ぎた友人です」
“本当に、君達は仲が良いんだね”
「……私、いえ、チーちゃんもリオもですね。私達にとって、トグロはそれだけの存在なのですよ?昔から、何をしても認めてくれて、何があっても助けてくれて、無償で愛し続けてくれる。決して裏切らない絶対の味方。むしろ、コレでどう嫌えと言うのか…嫌える人が居るのなら聞いてみたいくらいです」
“それは、本当に凄いね…”
「まぁ!凄いと言えば、私の方が凄いんですけど?何せ超天才清楚系病弱美少女ハッカーですから」
“その病弱で、今トグロに怒られてるんだけどね?”
「超天才清楚系美少女ハッカーですから」
“もう遅いかなぁ”
検査の結果………ちょっと有罪!
若干の病原と、若干の体調不良を確認!
今日明日安静にすれば回復する程度の不調!データは嘘吐かない!
「判決。ちょっと有罪!」
「まあまあ、それくらいなら良いではありませんか」
「お黙り!そしてお薬持ってきたからちゃんと飲むように!」
「分かりました」
「そして今後はもう少し事前準備をして、ワタシでも誰でも良いから一声掛けてから行く事」
「あら…行くな、とは言わないのですか?」
「別にオマエを拘束したい訳じゃねぇからな。声掛けてくれりゃ対応出来るし。それに、オマエに言っても聞かねぇだろ」
「失礼な!そのとおりですが!」
大事には至らないってのが分かって一安心だ。
この阿呆はまぁ…ね、無事なら良いよ。無事なんだから、これ以上言う必要もないだろう。言っても聞かねぇし。
さて、安心したらなんか疲れてきたな。
「ふぅ~…さて、先生。
“いつもと逆だね”
「巫山戯んなよ?マジの話だから」
“はい…”
「トグロ、トグロ。私は退室しましょうか?」
「好きにしな。今さら聞かれて困る事もねぇし」
「ふふっ、じゃあここにいますね」
気を取り直して、先生と話し合おう。
今回は冗談もお巫山戯も何も無い。本当に真剣な話だ、面白味もクソも無い。……んだけど、なんかヒマリは楽しそうだな。オマエの話なんだが?
「もしかしたら先生。アンタは知らないかもしれないんだが、ヒマリは身体が弱い。肉体的には先生にも押し負けるだろうし、免疫も雑魚。ワタシ達にはただの風邪でも、この阿呆には致命傷になる」
「どうも、病弱美少女です」
「黙ってろ」
「静謐な病弱美少女で──ァいたぁ!」
“えっ、もしかして私、ツッコミやった方がいい?”
「いらねぇよ、真面目な話だ」
「私だって真面目なんですが?」
「………」
えっと、確かにヒマリの車椅子には毛布が仕舞ってあったよな…あったあった、これを、こう…グルグルと巻き付けてやれば……ヒマリ巻の完成だ。
エイミほどじゃあないが、ワタシもなかなかの腕前だろう。あの子が来る前まではワタシの担当だったからな。ヒマリって黙らないからさ、こうやって物理で音量下げるのが効果的なんだよ。本人もなんだかんだ言って、構ってもらえて楽しいんじゃないか?
「モゴモゴモゴ!モゴモゴ、モゴモゴモゴモゴモゴモゴ!!」
「よし」
“よし、なのかなぁ?”
うむ、静かになったな。ヨシ!
ん?
「なんの話してたっけ…」
“ほら、ヒマリは身体が弱いよって話だったよ”
「おーそれそれ。気ぃ抜けちゃったからもう簡単に言うけどさ。コイツ、20歳まで生きられないだろうって言われてんのよ。まぁそんな事認めねぇし、当時よりも良くなってるから多分大丈夫だろうけどな。それくらいのレベルで虚弱体質なんだ、知っててくれ」
“そうなの!?え、えっ…じゃあ私、えっ今まで…”
そりゃ狼狽えるわな。
先生、結構ヒマリを当てにしてる事多いし。ヒマリは普段からこの調子だからなぁ…
特にプレ先の時とかはヤバいくらい負荷掛けまくってたし…ありゃしゃあないけどさ、本人もやる気だったし。代わりの人材なんて居ないし。
「まぁそこまで気にする事はねぇよ、やるって決めたのはコイツ自身だからな。それに、マジでヤバい時はワタシとかその辺の事情を知ってる奴が止めるからさ」
ま、今回はそのヤバい時だけどな?
「だから今回、ワタシが血相変えて飛んできた訳だ。エイミからざっくり事後報告をされたが…先生、なんでヒマリを氷海とか言うバカみたいな場所に連れてった?」
「モゴモ!モゴモ、ゴモゴ“フゴー”モゴモゴモゴ。モゴモゴモゴモゴ?」
阿呆がなんか言ってらぁ、オモロ。
“かくかくしかじか…で伝わる?”
「伝わらん。3行に要約してくれ」
“デカグラマトンの調査、現地の方が都合が良いって”
だいぶ端折ったな?
オッケーだいたい理解した。
まぁデカグラマトンについてはリオと一緒に居たし、話はそっちからも聞いてるよ。氷海でなんか船とか造ってたんだろ?昔、ワタシが現地で確認した時はまだ骨組みだったからなぁ…なんか感慨深いな。
デカグラ系列の大っきいロボットってさ、デザイン良くない?ワタシ、あの見た目すごい好きなんだよな。
「なるほどな。先生、コレからはワタシにも声を掛けてくれ。コイツだけじゃあ不安なんだよ」
“約束するよ。心配かけてごめんね。ヒマリも、無理をさせてごめんなさい”
「モゴモ、モゴーモゴモゴ」
さて、無事に帰ってきてくれたし、もう良いだろう。
同じ事は繰り返さないハズだからな。これからは慎重になってくれるだろ、バカじゃないんだから。
「んで、デカグラマトンだったな。寒い中わざわざ拠点探したんだって?言ってくれりゃ氷海の拠点の座標送ったのに。ワタシもたまには全力で身体動かしたーい!」
“知ってたの!?なんで先に教えてくれないのさ!”
「だってデカグラ達について聞かれなかったし…」
“確かに聞いてないね!…ハッ、他にも知ってるでしょ?いい機会だから洗いざらい吐いてもらうよ!”
「資料作ってくるから明日でいいか?口頭で説明するのが難しいのがあるんだ。ついでに、あっちこっちにあるキヴォトスアンハッピーセットの情報も纏めてくるわ」
ドコ仕舞ったっけな?
まぁ重要書類の保管場所だろうし、ソコ漁れば出てくるだろう。
ホントは情報データにして管理したいんだけどさ、ワタシの端末は1回あの自販機にハッキングされてるから心配なんだ。
あ、その端末はまだ持ってるぞ。てか一部を自販機からコッチに移してるらしい。ワタシが端末の電源点けようとしても、ウンともスンとも言わないけどな。怖いから隔離して保管してる。そのうちゲマトリア連中に投げようかとも考えてるけど、なんとか悪用出来ないか考え中だ。
だってアレ、浪漫あるだろ?
「用事も済んだし、資料作る為にも帰るわ」
“お願いね。また明日”
「おう、また明日」
あ、ヒマリ忘れてったわ。
まぁ…いっか。
毛布の中は暖かいって前に言ってたしな。
年内にもう一回ぐらい小話が書けたらいいね。
そうだね、出来たらいいね。
なんも思い付かないから、参考までに……
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トグロだけの小話
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よく名前の上がるキャラとの小話
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