どうせなら、笑っていようぜ。 作:インチネ・ズィ・マゼタルーノ
ホーセイ、マイフレンド…
良い子のみんな、こんにちは。
ワタシだ、赤蛇トグロだ。
今日はね、『息継ぎNG・円周率暗唱部、第2部室』に来てる。
「いよーっすー!バカ共元気してるかぁ?」
「ゔぐっ…!」
「ぅぅ痛いぃ…」
「ヤダ、ヤダ!まってイヤァー!ィ゙ッッッたぁぁ〜い!!」
分かりやすく言うと、ヴェリタスの三馬鹿にゲンコツを落としに来たよ!
マキちゃんかわいいね、もう1発いる?
「まってまってまってまって!なんで振りかぶってるの!?まってヤダヤダヤダヤダヤダイ゙ッッッたくないぃ…」
「ザンネンだね、1発って約束さ」
「よかった…」
「え?欲しかった?」
「いらないいらないいらない!」
全力で後退るマキをゆっくり追い詰めながら、優しく語りかける。コレがちょー楽しいの、マキもなかなかイイリアクションしてくれるからさ、ワタシも興がノルってもんよ。
「はぁ…まったく、あんた達ねぇ…ハッキングするな。とはあえて言わないけどさ、好奇心だけでクラッキングはするなとは、いつも言ってるよね?」
「マジでコレな。今回はヘタしたら生活出来なくなるヤツが出るレベルだったんだぞ?ワタシがナニを開発したのか知ってるだろ」
今回、コイツ等がやらかしたのは冗談抜きに結構な事件になる可能性があったんだよ。直前でチヒロが気付いて止めて、ワタシに連絡してくれたから対応が間に合っただけで、どっちかが出来なかったらコイツ等、ブタ箱に放り込まれてるぞ。
「オマエ等さぁ…ワタシから情報抜きたいんだったら、せめて個人サーバーからいけよ。なんで仕事用のサーバーに凸ってんだよ、このバカ共が!」
「フッ…高い山があれば、そちらに登りたいと思うのは当然でしょう?」
「部屋から出ねぇクセしてナニ言ってんだこのおバカ!」
「あグッッ痛いぃ…」
このおバカ、コレでも3年生なんすよ。信じられっか?コレがチヒロと同学年よ?ワタシと同い年よ?マジでイカれてんだろ…
「そういやコタマ、この前渡したヘッドフォンの使い心地はどうだ?」
「悪くないですよ?価格帯を考えれば、十分に買う価値はあるかと」
「おーなるほどねぇ、サンキュー。そのまま持ってってイイぞ」
「ありがとうございます。ちなみにオススメのフリマサイトとかあります?」
「売る気かよ、ならゲヘナの会社のヤツがイイな。意外としっかりしてる」
「なるほど」
ゲンコツにも慣れてきただろうし、そろそろ別の罰ゲームを考えておくべきだろうか。物理でコイツ等の悪行を止められる方法…プロレス技でも練習しておくか?
まぁとりあえず、コタマには特攻のある釘を差しておくとしようか。
「あと、次やったら内定取り消すぞ」
「え゙ッ…それは困ります!チヒロ部長!」
「人事はトグロに任せてるから」
「そ、そんな…」
そんな絶望しなくてよくないですか?
オマエがもうちょい倫理感を持ってくれればそれで解決する話なんだがなぁ…こんなん雇用するのか、不安になってきたな。今からメンバー見直そうかな…でも能力だけは優秀たしなぁ…
「なになになんの話し?」
「あー…言ってなかったっけ、私達の卒業した後についての話」
「えー聞いてない!それって、あたし達も聞いていいやつ?」
「私は去年ぐらいに聞いたよ。マキが来るちょっと前だったかな…よく覚えてないけど」
思いの外マキが食いついてきた。
まぁ確かに、仲のイイ先輩の進路は気になるよな。そこの盗聴魔なんか特に、フリーターかニートやってる未来しか想像できない。分かるよ。
そんでハレ。オマエはもうちょっと焦った方がイイと思うぞ?主に生活面で。能力自体は1番あるんだから、せめてそのエナドリ生活ヤメな?心配だから、運動しろとは言わないからさ、部室に泊まらずに帰りな?歩いて。
「おや、マキは知りませんでしたか。いかにも、私がまともに就職し、社会人などやっていける筈がありません。かと言って進学したいともまったく思っていない。そんな時に、部長とトグロが会社を設立させると言うではありませんか。降って湧いたこのチャンス。手放すわけにはいきません」
「コタマ先輩、そんな胸を張ることじゃないと思うんだけど…」
「もう開き直ってます。マキ、品評会には適度に出品しなさい。せめて年間2〜3品は出しておくべきでしょう。何より、ここヴェリタスは、非公認の部活です」
「コタマ先輩…」
「フッ…何も言わないで下さい…」
「後悔先に立たず。目の前に反面教師が居るワケだが…マキはこうなるなよ」
死んだ目をしたコタマだが、コイツほら、マジでミレニアムをナメ腐った3年間だったっぽいからな。自分で言ってた通り、ヴェリタスって非公認だからさ、どれだけヴェリタスで活動してもミレニアムではなんの評価にもならないんだよね。
そりゃ3年で卒業出来るのは変わんないんだけど、その後が問題なワケ。
同じミレニアム卒業生で、部活やってました!ナニかしら活動してました!品評会でナンらかの賞を取りました!ってヤツと、何もないヤツ。どっちを採用したいかって聞かれたら前者だろ?少なくとも活動実績があれば、そのスキルがあるコトは分かるワケだから。
そんでナメた態度で3年間を過ごしたコタマだが、3年生になってから焦って品評会とかに出品したが、環境音関連はあまり注目が集まらなかったんだよね。
なんかエンジニア部の1年と赤蛇トグロってヤツが、音響関連で大量に出品したせいで埋もれたらしい。ドンマイ。
「うわっ…どうしよ、あたしも何かやった方が良いんだよね?じゃあさ、先輩達は何をやったの?先ずは余裕そうなハレ先輩」
「え、私?私は色んな特許を持ってるから、それで充分じゃないかな。誰かがそれを使って品評会に出て評価されれば、それが私の評価にも繋がるし」
コイツは参考にならねぇよ。ヴェリタスの中だったら三馬鹿だし、エナドリ中毒の不健康少女だけどね。ミレニアムの生徒って目で見たら、超重要人物だから。学校が違えば、それこそ生徒会とかに囲われて、他の生徒との交流とかも制限されるレベルだぞ。
よかったな、ミレニアムで。
「参考にならない!チヒロ部長は?」
「ミレニアムほぼ全体のシステムセキュリティ、その他情報設備の管理保持。セミナー経由の仕事は全部評価に乗ってるよ。ヴェリタスなのはどうしようもないから、全部個人としてね。始めから手伝ってくれてれば、ここまで焦らなくて済んだろうに…」
「ゔっ…」
「私の後はハレに任せてるから、覚えとくと良いよ。今からなら私も教えてあげられるし、こういうのは続けてた期間が長い程有利だから」
チヒロ、セキュリティ関係は入学してすぐに関わってきたからな。サイエンススクールとか言っといて、脆弱性のあるシステムなんか見過ごせないって。…なんで気付いたのかは、うんほら…ココってヴェリタスだから、セミナーとは敵対してるからね、うん。
で、今から引き継ぐのもイイけど、チヒロと同じ評価にはならねぇぞ?だって管理保持って言っても、システムを作ったのもチヒロだから。
サスガにやってりゃ、クセを見て製作者に気付くだろ。そんで少し考えれば、それだけじゃダメってのも分かるよな…?まぁそっからでも遅くはねぇな。普通に品評会に出してりゃ充分だし。
「なるほど。トグロ先輩は?」
「ワタシはこの機腕だ。コレ関連のかなり評価はかなり高いぞ。あとは適当に作ったのを品評会に投げて、それなりに賞は取れてるな。留年もしてるから量だけはあるぜ」
「評価は高くても、マイナスが大きいんだ…確かにそんな感じするね」
「くっ…事実だから反論できねぇ!まあ、それでも上澄みだけどな」
「それが言えるのはトグロくらいだよ、機腕が結構な革命だったからね」
ワタシは戦闘とかで使ってるけど、この機腕って本来は医療やら介護とかの補助用だから。正式名称は『思考操作型機構搭載義肢装具』とか言う読みにくくて長ったらしいヤツ。メンドーだから機腕でイイぞ。
義肢装具自体は既に色々あるわけだが、革命って言えるのは思考操作ってトコロだな。コレもまた詳しく話せばとんでもない量になるから、知りたきゃワタシの論文とか製品の仕様書でも読んでくれ。
通常、いくつかの筋肉の動きと連動させて動かすんだが、扱いが思考操作オンリーになったとたん、操作がクソ難しくなるってコトだけでも知っておいてもらえると助かる。イロイロ頑張ってんだよ、ワタシも。
ワタシはその難しい方だな、ソレを4本。ヒマリとかリオとかチヒロでも1つ、2本目は諦めてたレベルだ。ウタハはガンバれば3本動かせるが、リソース分配が面倒で、だったら始めから使わない方が楽なんだとさ。みんなソッチ側。
便利なのになぁ〜、腕が増えるんだぞ?
こんなん慣れだって。ワタシも初めは一本から練習したし、なんなら腕じゃなくて尻尾だったし。そんなもんさ。
「そんで、お前らがハッキングしてきたサーバーには、コレの情報が詰まってたんだよ。流出しようもんなら、使ってるヤツがどうなるか分かんねぇ。ワタシだけならトモカク、使ってるヒトの生活がオドかされるのは違えだろ?」
「ご、ごめんなさい」
「反省しろよ。メーワクかけんなら身内だけにしとけ…オマエ等もな?」
よし。やっぱり次からはもうちょい暴力の強度を上げるか。今度トリニティに行ったら、安全な暴力について団長ちゃんに聞いておこう。
まあその辺は後でチヒロに絞られるだろうから、ココまでにしておこう。
「で、マキはどうするんだい?」
「んー…ん~~ッ!だめだ…なんにも思い付かなーい」
ココに居る全員、そのシュミのグラフィティを、然るべき場所に然るべき手続きをして描けば、それなりに評価されるのに…って思ってそう。ワタシもそう思ってる。
マキの描いた絵って、一定数のファンがついてるからね。
そしてそれをダレも教えない。
なぜなら、描くのはイイけどシンナー臭くなって部室に来るのヤメロって思ってるから。着替えるか、臭いを落としてから来い。そして、カラースプレーは別の場所に置いてこい。せめて使いかけのヤツだけは置いてこい。
ついでにハレはエナドリの缶を片付けろ。部室が甘ったるい臭いで満ちてんだよ。飲んだら濯いで捨てろ、積み上げるな。不快だ。チヒロ含めて全員、鼻が慣れてマヒしてんだよ。客呼べねぇぞこの部屋。
今日はゴミ袋持ってきたから、徹底的に掃除するぞ。
「マキのコトは置いといて、…オマエ等掃除するぞ。机の上のゴミは分別して纏めとけよ」
「えぇ…掃除するの?」
「する。覚悟しろ」
「いい加減我慢出来なくてね。みんなで使う部屋だから、清潔にしておきたいんだ。協力、してくれるよね?」
この様子じゃ、普段からチヒロに言われてんだろうな。汚部屋でも許容出来るタイプだが、どちらかと言えば綺麗好きだもんね、チーちゃん。
コイツ共も、すぐに片付ければいいのに…
シブるバカ共に発破をかけながら、お掃除お掃除。物は多い。
「あっ、それでチヒロ部長。卒業した後ってなにするの?」
「セキュリティ関係の会社を作るつもりだよ。ちょうどトグロが1年遅れて卒業するし、その間に出来るだけ勉強して、その後だね」
「ワタシが全部やってもイイんだけどな。免許も資格も持ってるし」
「私がやるって言い出したんだから、任せるのは違うでしょ?出来る事はやらなきゃ」
「とのコトらしい」
「あっ、言い忘れてたけど、私が請け持ってる仕事、ミレニアム外からのは私の個人顧客だから、足りない活動資金は自分達で集めないとダメなんだけど…ハレ、マキ、ヴェリタスの帳簿って見た事あるよね?」
「「……」」
「嘘でしょ…共有フォルダに入れて毎月目を通してって言ってるじゃん…」
あー…部費ね。ワタシ達がいるうちはなんとかなるけど、マキはまぁ…ガンバレ。
諦めてヴェリタスを公認の部活にしてもイイと思うよ、どうせ似たような組織は出てくるだろうからさ。『知識は自由であるべき』って主張は、もう充分に浸透してるから。
さてアイツ等は放っておいて、ワタシは掃除でもやってるか。
スプレー缶、エナドリ缶、スプレー缶、スプレー缶、エナドリ缶、ドローンの残骸、エナドリ缶、エナドリ缶(中身入り)、ブランケット、スプレー缶、エナドリ缶、謎の情報端末、スプレー缶、ドローンの破片、スプレー缶、激痛四角ブロック片、エナドリ缶、エナドリ缶、エナドリ缶、エナドリ缶(中身入り)、エナドリ缶…
「ハレ〜マキ〜……ふんッ!」
「ん?なぁゔぁあぁ…1発って、1発って言ったじゃん…」
「ウソウソなんでヤダィ゙ィッたい!!」
滞りなく、掃除は完了した。
イイ機会だし、このままトリニティ行ってアトリエ片付けるか。行く度にモノが増えてるんだよなぁ…
そのワリに、作業場だけはメチャクチャ綺麗に使ってる。ホコリ一つ落ちてないぞ。たぶんマエストロ君は、そのへんのこだわりが異常に強いんだろう。
でも部屋の戸棚とか、開けたら地獄だ。
仕事場以外、どうでもイイと思ってやがる…
そうと決まればさっそく出発だ、気分が変わる前に掃除しに行こう。あ、先にシスターフッドに寄っていこう。せっかくだから聖堂周りの掃除もしちゃいたいんだよね。木の枝が伸びてきてるから、多少剪定もしておきたい。
「じゃあな、ワタシは出かけてくるわ」
「いってらっしゃい。気をつけてね」
「おう。オマエ等も、じゃあな!」
…救護騎士団で、団長ちゃんに会える日も聞いておくか。
友人の、進路ってちょっと気になりませんか?
たまに「オマエ、そんだけの能力あんのにソコかよ!?」みたいな訳の分からない方向へ進む奴。逆に「なんでソコ行った?」みたいに無理のある奴もいて、結構面白いんですよね。
もう、誰とも会っていませんが…
なんかガチャ報告多いんですが?
2天井してセイアを迎えた私を笑ってるんですか?
舐めてもらっては困りますね、リオは80連目。つまり半天井以内。
コレは会わせて勝利と言っても良い。
運は確実に、私に向いてきている。
だからネル、早く出てきてくれ。
なんも思い付かないから、参考までに……
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