どうせなら、笑っていようぜ。   作:インチネ・ズィ・マゼタルーノ

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 やらなきゃいけない事ほど、やりたくなくなりますよね。


やはり浪漫…浪漫は全てを解決させる…

 

 

 

“トグロ?”

 

「……はっ!?ごめんよ、あまりに平和な光景で脳がフリーズしてた」

 

“うん。分かるよ”

 

「分かってくれるか、先生!」

 

 

 良い子のみんな、こんにちは。

 ワタシだ、赤蛇トグロだ。

 

 最高のハッピーエンドが欲しくて、実は十年以上の時間をかけました。多分誰も知らないし、最初の数年はひたすらに知識を求めてお勉強、なお今も継続中。正直、メチャ楽しいのでワタシは元気。

 

 

「ただいま。ワタシの参謀と、増援を連れて来たよ」

 

「先生!これは、ドリームチームですね!!」

 

「私達もいるよ!アリスを迎えに来たんだから!」

 

「ッ!モ、モモイ…」

 

「許す!そんなことより迎えに来たんだよ。まだ次のシナリオ考えなきゃだし、アリスとやりたいゲームだって沢山あるんだから!」

 

 

 これが、根明のやり方か……

 シスターフッドとはまた違ったベクトルの光属性。

 

 しおらしくなってるアリスの手を引っ張るモモイは、主人公と言っても過言ではないのかも知れない。でも、アリスの為に後でちゃんと謝る時間は作ってあげてね。

 

 

「すごく疲れた……アリス、早く帰ろう」

 

「う、うん…でも、先にやることが…」

 

「あ、うん。そうだね、そのための増援だからね」

 

 

 危ねぇ、ゲーム開発部のノリに流されるところだった。

 

 とりあえず、先にやるべき事といえば。

 ワタシはゲーム開発部からアリスを引き剥がして、イスの上に立たせて注目させる。

 

 …早いな、ミドリちゃん。銃はいったん降ろそ?

 

 

「ちゅーもーく。悪いけど、アリスはまだ渡さないよ。いや別に返しても良いんだけど、そうしたらワタシ…確実に『鍵〈Key〉』を処分するからな?」

 

「それはいけません。彼女もアリスのパーティーメンバーになってもらうんです。アリスがそうしたいと願ったんです!」

 

「そういう訳だから、リオ、ヒマリ。2人とも、手を貸してくれるかな?」

 

「この超天才清楚系病弱美少女ハッカーに任せて下さい。だいたい把握しましたし、早速取り掛かりましょうか」

 

「なら、私は補助に回るわ」

 

「別に貴女の手助けなんていりませんけど?『全知』を舐めないでくれませんか?」

 

「煽んな、貰っとけ」

 

 

 放っておくとすぐに言い合いに発展するこの頭の良いポンコツ達を、どうしようもないから放っておく。

 あーだこーだ言ってもやることはやるし、話は聞いてるからな。そのへんは詳しいんだ、ワタシ。

 

 

「と、言うわけで。ゲーム開発部は戦力外としてカウントしてるんだけど、2人的にはどう?」

 

「少々お待ちを………うーん、居たほうが良いでしょうね。共に過ごした記憶は、きっと大きな楔になっている筈です」

 

「必要ないわ。叩けるだけの準備はしているのでしょう?制御下に置くのならそれで十分の筈よ」

 

「はい、ヒマリの案を採用します。なんで却下されたか、リオはよく考えておくように」

 

「ふふん」

 

「……?」

 

 

 聞くだけ無駄でした。

 流石リオ、合理的!結果主義が過ぎるよ、今まで何を見てきたんだい?

 

 

「「「あっ」」」

 

 

 ワタシ、リオ、ヒマリが同時に気付いた。

 防壁、突破されちゃったね。

 

 続いてエイミとアリス、C&C、先生の順に異変に気付いた。

 

 エイミのスペックって、ホント尋常じゃないんだよね。特に鍛えた訳でもないのに戦闘能力は上位層だし、頭脳面でもヒマリの補佐が出来るレベル。全ての能力が平均して高いんだよ、ワタシの完全上位互換かな?

 

 

“もしかして、今はピンチなのでは…?”

 

「ん?何を今さら言っているんだい?その通りだよ」

 

 

 まさか先生、気ぃ抜いてたな?

 ゲーム開発部は事態をまだ把握出来てないし。

 

 ダイブ装置こと、ワタシが細工した揺り籠のモニターが光って映像が表示された。

 ワァかわいい、瞳の赤いアリスだ。

 

 

『やってくれましたね、赤蛇トグロ。ですがこの程度、さしたる障害にはなりえません。大人しく『王女』を差し出しなさい』

 

「だってさ、アリス」

 

「分かりました!アリス、もう一度挑戦してきます」

 

「いってらー」

 

『さもなくば──…え?

 

 

 そりゃ慌てて逃がしたアリスを、悩みもせずに送り出したんだもんね。感情豊かなAIちゃんには理解できなかったかな。

 

 それで?何を持って交渉しよう(脅そう)としたのかな?

 

 

「トグロ、外に変なロボット(Divi:Sion)が出現しました!」

 

「今AMASで応戦を始めたわ。…おかしい、何処から現れたの……?」

 

“外にはエンジニア部が!”

 

「リオ、保護をよろしく。それじゃ、アリスをまた精神世界へ送るよ。……さぁゲーム開発部と先生、アリスに着いて行くかい?それとも、黙って見ているかな?精神世界とはいえ、中で死ねば永遠の眠りが待っているけれど」

 

「行きます…た、戦うなら…皆一緒に…!!」

 

“そうだね。2人もその気らしい”

 

 

 返事より先にアリスの両わきを挟んだ双子が、揺り籠まで歩いて行ってる。何があるのか、どうしてこうなったのかも理解しきれてないだろうに。

 

 こういう胸熱な流れが大好きなワタシは、心を抑えられない。

 

 

「あぁ良いとも!それがキミ達の覚悟なんだね。諸君、失敗は許されないよ。ヒマリ、あの子達のサポートを。仕込みは何時もの場所にある」

 

「任せなさい。キヴォトス最高の頭脳が完璧な支援をして差し上げます」

 

 

 原作を知っていたから人数分以上の揺り籠を用意出来たわけよ。あのね、コレ用意するの、結構大変だったんだ。頑張った甲斐はあったけどね。

 完全じゃないけどAL-1Sを解析出来たから、ある程度の複製が作れそう。

 

 盛り上がってるアリス達を装置へシュートして、ワタシは先生に最後の忠告をしておく。

 

 

「先生、ちょっと良いかな?」

 

“どうしたの?”

 

「さっきも言ったけれど、失敗は許されないんだ。特にアリスに何かあれば、ソレは人ではなく正真正銘の兵器になってしまう可能性が高い。そうなれば、ワタシは本気でそれを殺しに掛かる。十分に気を付けておくれよ」

 

“大丈夫。任せて”

 

「そうかい。なら任せるよ」

 

 

 先生も精神世界へシュートして、少し静かになったこの部屋で、ワタシはそれぞれに指示を出さなくちゃいけない。

 

 

「C&CはリオのAMASと一緒に外の謎ロボット達を食い止めておくれ。現場に出たらリオの指揮に従ってくれ。トキとエイミはこの2人の護衛を、最悪2人は放置してトキとエイミだけで逃げてくれ。ネルは前線には出ないで、大人しくここで休んでおくこと」

 

「トグロはどうするんですか?」

 

「多分、アレ、真っ先にワタシを狙って来るだろうからね。落ち着いて迎え撃つとするよ。…聞いていただろう?『鍵』さんや、きちんと相手になってあげるよ」

 

『…えぇ、ええ良いですとも……望み通り、まずは貴女から先に排除して差し上げます』

 

 

 このAIちゃん。目的変わってない?

 大丈夫かな、ポンコツ臭がするぞ?

 危険度で言えば、ワタシなんかよりそこの黒いのと白いのの方が圧倒的に高いんだけど?黒いのなんか君を消そうとしてたんだけど?ワタシもだけどさ。

 

 

「んじゃ、行ってくる」

 

「…トグロさん」

 

「どうしたんだい?アカネ」

 

「茶葉が切れました」

 

「んッ!んフフ…いいよ。後で一緒に買いに行こうか」

 

 

 別に死にに行く気はないけどさ、腕の2本や3本ぐらいの欠損は覚悟してたけどさ、そうやって言われちゃ無事に帰って来るしかないじゃないか。

 

 コチラを見てるであろう『鍵』ちゃんに、ついて来いと呼びかけて、エリドゥの端っこにある広場へ行くことにする。

 

 

「ん〜…素直に通してはくれないのかな?」

 

 

 タワーから出て少し進めば、待ち構えていたようなDivi:Sionがずらりと並んでた。

 動かないコイツ等は壊したことあるけど、動いてるのは初めて見たな。ホントに機械か、なんか触手生えてんじゃん。邪悪なタコだ、MechanicalOctpathだ。

 

 

『何故わざわざ貴女の土俵に上がらなければいけないのか…理解出来ません。玉座への障害を排除する為、確実な手段を使うに決まっているでしょう』

 

「エリドゥへの侵食が順調そうだね。にしても、この程度で確実な手段ねぇ…量産型しか居ないし数もそこそこ。ワタシの事舐めてるでしょ?」

 

『舐めてる?赤蛇トグロのデータを見ましたが、確かに戦闘能力はある方でしょう。ですが特記戦力とする程もありませんでしたよ』

 

 

 なるほど。

 ならこの場に恐れるモノは無いわけだ。

 

 エリドゥは後でワタシの遊び場にするつもりなんだ、あまり壊したくない。

 

 

「道、開けてよ」

 

『ご自分で開けばよろしいのでは?』

 

「それもそうか…──3番の青、掃射」

 

 

 何処からともなく現れる。

 わらわらわらわら溢れて出てくるワタシのドローン。

 

 気付いたかな?

 気付かないよね、そうなるように仕組んだモノだから。

 エリドゥにはワタシが仕込んだ抜け道と、そりゃぁもうリオのAMASが可愛く見えるぐらい大量のロボットを仕掛けてあるのさ。

 丁寧に隠蔽したし、ハッキングは当然対策してるし、デカグラマトンの感化さえも防いだ神秘装甲だ。自己証明すら出来ないAIには、気配を感じることすら出来ないだろうね。

 

 ドローンが青弾をブッパしてる中、強キャラムーブをしながら悠々と歩いて横切るワタシ。一回やってみたかった。

 

 

「おや?道が出来ているよ、随分と柔らかい玩具だったね。知育玩具かな?」

 

『…馬鹿にして……!』

 

「大人しく着いといでよ。ちゃんと相手してあげるからさ」

 

 

 そこからスムーズに進めたよ。手元の兵隊じゃ相手にならない事を理解したらしい。アチコチからワタシを見張ってはいるけど、それ以上近付いてこないもん。

 

 ワタシの広場へ到着しました。

 チョチョイとエリドゥを操作して、隣接してる外壁を剥がして外と繋げる。

 

 

「ナニかあるんだろう?『鍵〈Key〉』、出しなよ」

 

『もう少し後になる予定でしたが……まさか貴女に使うとは思いませんでした。情報以上の戦闘力でした、誇っても良いんですよ?』

 

「そりゃ光栄だ。折角だしその切り札を解析したいところだよ」

 

 

 いざいざ、戦闘開始だ。

 

 てっきりアバンギャルド君をハッキングしてぶつけてくると思ってたんだけどさ…

 

 ……外から歩いてくるアイツ、なに?アレ……巨人かな?

 

 いや、たぶんゲマトリアのアトリエで資料見たことある気がする。ミレニアムの廃墟にあんなのがあるとかヤベェって思った記憶がある。

 思い出せワタシ……!

 

 

『言葉も出ませんか』

 

「…あっ、思い出した!ホドだ!」

 

 

 はぁースッキリした。

 いい気分だわー、サクッと壊そう。

 

 危機感?あるよ?

 だって相手めっちゃデカいもん。質量ってそのまま武力だからな?ぶつかるだけでも普通に死ねるぞ。ヤバいが、やれない事はないだろう。

 

 だって、この時の為に準備してきたんだから。

 ワタシが止めるわけないんだよ。

 

 

「機動補助:蜘蛛を展開」

 

 

 ワタシは腰辺りから4本の機腕を展開して、ホドに向かって突撃を開始する。

 向こうから来られても困るんだよ。大質量がエリドゥをぶち壊しながら接近とか、恐怖しかないわ。ワタシ1人じゃ止められないからな、こっちから行かないと。

 

 それなりに距離があるから、その間にワタシの武装のおさらいだ。使い忘れて負けましたなんて笑えない。

 

 今使ってる機腕を展開した状態が本気のデフォルト。手足に沿わせてパワードスーツモドキにしても良いし、新しい手足として使っても良い、活動域の広い万能品だ。ただし耐久性はそこそこ、回避重視でいこう。

 

 

「次、偽装神秘:偶像を発動」

 

 

 黒色のカードと赤色のカードの2枚を取り出して、纏めて砕く。

 

 ワタシの、並程度しかない神秘を補強する偽装の神秘。ゲマトリアと接触してまで欲しかった技術の1つ、黒服が行ってた神秘や恐怖を植え付ける契約に、ゴルコンダとデカルコマニーの持つ虚像と非実在の貼付けを行う技術の転用。

 ワタシ自身の神秘を反射し、蓄えたそれを現在のワタシに上書きし続ける張りぼての神秘強化。

 

 実に素晴らしい事に、貼付けてるのがワタシの神秘のおかげでリスクが殆ど無い。しかもワタシに連なる神秘系統なら付随して強化が出来る。つまりワタシのロボット達にも強化が入る。

 代わりに使い捨て、用意するには時間が掛かるし、素材が貴重。あと1回分しか無い。それに強化出来る時間も長くはないけど、10分もあれば問題無い。

 

 

「出し惜しみは無しでいこう」

 

 

 さらに追加でゲマ技術を使う。

 サンキューゲマトリア。

 倫理観は無いけど能力は本物、役に立つぜ!

 

 祝詞を詠わないといけないのは不便だが、浪漫だし仕方ない。コレは浪漫じゃないと使えないからな。

 

 

嗤う愚者が語る落日の輝きを、盲目の蛇が睨む掃溜めの暗がりを、知らずに触れた生命の根源へと向かう意思の体現を。ワタシが望み、ワタシが許す。纏うは神秘、尾を喰み狂え…──自己解釈:それこそが浪漫!!

 

 

 サンキューゲマトリア。

 サンキューマエストロ。

 神秘を複製させて表現する技術を応用した、神秘とかいう万能不思議パワーの方向性を指定できる自己強化。

 

 何が出来るのかと聞かれれば、何でも出来るって答えれる必殺技だな。ワタシが思う『浪漫』を、神秘を消費して実行出来るようになるのがこの自己解釈。

 そうだな…例えば、神秘を弾丸にして撃ち出せるとか、限定的だが瞬間移動とかが出来る。浪漫を感じればその分だけワタシが強化されるスーパー強化だ…基本的に、身体能力向上にしか使わないけど。

 

 これ、無理矢理な解釈のせいで反動が来るんだよなぁ……来てから考えよ。

 

 

 これにて自己バフ完了。

 ホドの目の前まで来たが、デケェな。

 

 巨大ロボの単騎撃破……これもまた浪漫だ。

 

 

「先手必勝!スクラップにしてやんよ!!」

 

 

 どう見てもその装甲の硬そうな頭と胴体に弱点だよな、その盾から引き剥がしてやる。

 

 大量の機械の触手が迫ってくるが、ちょうど良い。ワタシの機腕の足場にしてやる。っていうか、そうしないと上への攻撃が届かない。

 空中に足場を作るってのも出来るが、触手が無くなるまでは節約だ。 

 

 クッソ硬いな、普通に弾丸を撃つだけじゃダメージにならん。貫通重視の白色1番だぞ?知ってたけど。たいして神秘込めてない様子見だけどさ。キズぐらい付いてくれよ。

 

 

『どうやら、貴女の攻撃は装甲を越えられない様ですね』

 

「ずいぶんと勝ち誇るじゃないか。これならどうだい?──浪漫式1番、迸る白銀」

 

 

 まあボチボチかな、装甲を抜けたけど、内部ダメージは大した事なさそうだ。

 

 でも、『鍵』ちゃんへの精神ダメージはありそう。

 

 

『…驚きました、素直に称賛しましょう』

 

「ありがと。まだまだいくよ?ドローン展開、白銀掃射」

 

『──なッ!…(インベイドピラー)設置!』

 

 

 危ねえ!

 空から鉄柱が!

 

 ワタシの上を狙って来んなよ、その勢いは殺しに来てるって!

 

 

『侵食を開始…』

 

 

 対応早えよ。

 触手を足場にされるの嫌がって、すぐに引っ込めやがった。

 

 自力で足場作るか、ドローンを足蹴にして飛び上がっての攻撃。空中技は格好良いよなぁ!

 

 

いっッッてぇぇ!!

 

 

 

 はぁ?何でワタシのドローンがこっち撃ってくんだよ!?

 足場にしようとして撃たれたんだが??

 

 侵食ってそういう!?

 デカグラマトンの感化は防げたのに、侵食セコいな!

 

 

「それ以上やらせるかよ!」

 

 

 生き残ってるドローン達をホドへ特攻、自爆させて一時しのぎ。遠くのドローンは無事っぽいから、駄目なのはあの柱か。

 

 全部で5本、ドローンの一部を柱に自爆させてみる。

 

 

「13機、そんな耐久はないな…」

 

 

 たった65機で柱が壊せた。

 こちとらドローンはほぼ無限にあるんだぞ?今なお製造し続けてるからな、ちょっと消費の方が早いが、ほぼ無限だ。ほぼな。

 

 

『……チッ』

 

「また舌打ちかい?お行儀が悪いんじゃないの?」

 

『やかましいですね……チャージ完了、撃ち抜きなさい!』

 

 

 ビームか!

 やっぱりな、あの目玉みたいなヤツから絶対に出ると思った。

 対策は用意してないけどな!

 だって威力とか性質知らないし!

 

 そのための蜘蛛、全力で回避。

 

 

「うわ…爆発、半分は神秘系か」

 

『そのまま薙ぎ払いなさい!』

 

「マジかッ!?」

 

 

 どんな生成機関持ってんだ、この勢いで放出し続けるのかよ。

 地上は駄目だ、空中へ逃げろ!

 

 空中歩行は浪漫。

 なのでワタシも空を歩ける。歩けるなら走れるだろう、回避じゃ回避!喰らってたまるか!

 

 

「クッソ、追ってくんな!」

 

『柱の再設置完了。いい加減に目障りです、消えなさい』

 

「イヤでーす。機動補助モード変更:阿修羅」

 

 

 息を整えて、ビームの軌道を見定める。

 余裕はあるな。

 

 柱にはまたドローンを特攻させておく。侵食されるより先に自爆すれば問題無い。むしろワタシのドローンは自爆がメインだからな、火力は強いぞ。

 ついでに、追加武装も召喚する。

 

 手持ちの愛銃はそのままに、機腕にはSMGとSGを2つずつ装備させる。全て同じ種類の弾丸を込めてある。

 そしてワタシの銃にも同じ弾丸をリロード。

 

 そのビーム、迎え撃ってやるよ。

 

 

「浪漫装填!番外、撃ち鳴らせ──共鳴の金!!

 

 

 神秘を一気に消費して撃つ、ちょっと特別な弾丸。

 込めた神秘がそれぞれ共鳴して増幅する金色の弾丸。

 

 弾丸が近くで同時に存在すればするだけ破壊力が増していくヤバい弾丸で、普通に撃つだけでも自分の神秘を喰って強化される切り札的な技。

 問題は、神秘の消費がデカすぎることかな。ワタシなら偽装神秘で総量を騙さないと2〜3発でダウンするぐらいデカい。

 

 目が潰れそうな金色の奔流が、ホドのビームを塗り潰して直進する。最高だ。

 

 

『クッ…』

 

「しゃあ!抜いたぞ!」

 

 

 流石ワタシ、流石番外弾。

 ビームごとホドをぶち抜いてやったぜ。 

 

 

『この程度で油断しないことですね』

 

「グァァッ!?…痛ッッ」

 

 

 クッソ…マジで油断してたか…

 自覚してなかったわ。

 

 左腕、二の腕のド真ん中を撃ち抜かれたし、機腕も左側の2つが潰された。

 不意打ちなら背後からやってくれよ、センサー付いてるからさ。

 

 足下の、しかも地中からとかは分からんって。

 油断もそうだけど、そもそも想定してないんだわクソが。

 

 

『まぁ……痛み分けでしょうか、第2ラウンドです』

 

「いいや?これで終わりさ。再装填完了──番外の金!」

 

『なっ、また!?』

 

 

 馬鹿みたいに威力があるから単発だと思ったんだろうが、この金色は量産出来ないだけの通常弾なんだ。

 ワタシ自身のバフは掛けてるが、使った弾丸はレア度なら星1〜2だ。星上げまともにしてない低レベル。

 

 切り札は使っても、とっておきは出してないから。

 

 積み上げた山札も、せいぜい3割ぐらいか?それくらいしか使ってない。

 

 

『──しは…どうすれば……王女

 

「あぁ?……アリス達もやったな、これは」

 

 

 あ、通信来てる。

 切ってたもんな、今つな───『トグロ!トグロ!!聞こえますか?私ですよ、天才病弱美少女ハッカーのヒマリですよ!聞こえますか??』

 

「うるせぇ」

 

 

 病弱なら大人しくしてろよ。

 いや冗談じゃなくてさ、本当に、あんま興奮すんなよ。まじに倒れるぞ?

 

 っていうか、ワタシの端末ハッキングすんな。なにカジュアルにハッキングしてんだ、反撃するぞ。

 

 

『アリスちゃん達がやりましたよ!私達の大勝利です!!無論私の完璧なアシストがあってこそですが、私達の大勝利ですよ!!』

 

「〜〜〜…っ!……戻るよ」

 

 

 感無量って、こんな感じなんだな。

 ホドも沈黙したし、追従者(Divi:Sion)は…ッね"ぇぇ!

 

 

「いい気分だったんだからさぁ…カシラァ居ねぇなら黙ってろよぉぉ!!」

 

 

 なんでまだ動いてるんですか?

 残党狩りじゃボケェぇ!!!

 

 

「ヒマリ!ゴミ共(Divi:Sion)がまだ動いてる、殲滅してから合流する」

 

『C&C達も動いています。無理はしないでくださいね』

 

「モチロン」

 

 

 エリドゥ全域へドローンを展開。

 ギリギリ強化は続いてるな、そのまま掃討してやる。

 

 ワタシ、もう疲れたよ。

 甘い物が食べたい。

 

 

「……ハッピーエンドに、なったかな…」

 

 

 後はリオが、笑顔になれば完璧だ。

 頼むぞ…ワタシに出来ることはやったつもりなんだ。先生、リオの心を救ってやってくれ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

  




 どうせやるんですけどね

なんも思い付かないから、参考までに……

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