どうせなら、笑っていようぜ。   作:インチネ・ズィ・マゼタルーノ

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 本来イメージしてたゲマ研チャートの一部です。
 ヒマリに出会わなかったので態度は悪く無いです。

 そして読まなくていいヤツです。


√順行

 

 

 

 夕焼けに染められてた商業ビルの隙間を早足で歩く。いつもより短い間隔で鳴る足音を聞きながら、影になったビルの暗がりを縫う。

 

 赤い光が差し込んだ影からの出口。そのすぐ側で、壁に背を預けてぼんやり空を眺めている少女が一人。格好付けている様に見えるだろう?格好付けているのだ。誰にも見られていないと思って。

 

 

「おや?アナタはえっと…確か先生と呼ばれていた人」

 

 

 足音に気付いた彼女は、少し驚いた様な表情を作って足音の主へ視線を向ける。大丈夫だ、確かに一人黄昏ごっこをしていたが、別に見られて困る様な行動ではないハズだ。

 

 

“うん、合ってるよ”

 

「そうですか。私の記憶力も中々捨てたものではありませんね」

 

“会うのは三日ぶりだからね。忘れられてたら泣いちゃうよ。ところで、そろそろ君の名前を教えてくれるかな?”

 

 

 早足で歩く程度には急いでいたが、彼女はそれよりも重要な案件である。すぐに意識を切り替える。

 

 事実、彼女の情報は少なく、知っている事と言えば彼女はゲマトリアと行動を共にしているのだというくらいだ。彼らと共に居る時点で、彼女は要注意人物なのである。

 しかしそれはそれとして、助けが必要な生徒であるのなら、所属など関係無い。

 

 

「これは申し訳ありません。先生のお話は良く聞かされているものですから、てっきり私の話も伝わっているとばかり…改めまして、私はメア。ゲマトリア所属の四棘メアと申します」

 

“ありがとう、覚えたよ”

 

「して、私に何か御用でもあるのですか?見たところ、何やらお急ぎの様子でしたが」

 

“なくもないけど、メアより優先する事でもないよ”

 

「これはこれは…」

 

 

 自身が優先された事か、いきなり名前を呼ばれて距離を縮められた事か、とにかく彼女は愉快そうにクツクツと笑った。

 

 

「しかし、私から先生への用件は今のところございませんし、先生の質問に答えるとしましょうか。聞きたいことが、あるのでしょう?」

 

“あるよ!いっぱいね!”

 

「クフフ…構いませんよ、時間はありますからね」

 

 

 どこから取り出したのか、よく冷えた缶コーヒーを二つ持ち、片方を先生に渡す。プルタブを破る心地良い音が鳴り、彼女は軽く舌を湿らせて質問を待っている。

 

 

“何か、困っている事はあるかな?”

 

「おや、なぜゲマトリアに居るのかを聞かないのですか?」

 

“勿論聞くよ。でも、メアが困ってないかの方が重要だからね”

 

「なるほど。困っている事ですか…ふむ、どこを基準にすべきか悩みますね。私の日常生活において答えるのならば、こうして出掛けていると何かしらのイベントが発生しやすい事でしょうか。今回は先生でしたが、破落戸が出てくる事も多く…あまり手加減は得意ではないので」

 

 

 ふざけて答える様に見せ、実は本当に困っている。

 あまりにも面倒事に絡まれるので、彼女は一時期本当に引き籠もっていた。だが悲しい事に、所属しているのはゲマトリア。手元にある使いやすい研究サンプルである彼女の平穏は長くは続かなかった。

 どこに居ても結局面倒事が押し寄せるのならと、最近は諦めて生活している。

 

 さらに言うなら手加減が得意ではない、のではなく手加減出来る程戦闘は得意ではない。

 

 残念ながら、先生はこれらを冗談の類だと受け取った様だ。彼女はそれなりに会話が出来るタイプだと判断し、次の質問を投げ掛ける。

 

 

“それじゃ、なんでゲマトリアに居るのかな?メアさえ良ければ、シャーレに来ても良いんだよ”

 

「実に魅力的なお誘いですね。しかし申し訳ありませんが、今の所属を離れるつもりはありませんので」

 

 

 本心から残念がる彼女を見て、先生は思う。

 これは…

 

 押せばイケるんじゃね?

 

  …と。

 

 

 しかし早まってはいけない。

 相手は生徒だが、同時にゲマトリアだ。何を企んでいるか分かったものではない。別に何も企んでいないが、所属が悪かった。

 確かにゴリ押せば流れでシャーレに来てくれそうな雰囲気ではあるが、彼女がゲマトリアに所属し続ける理由が分からない。それさえ分かれば、それさえ解決すれば、なんとかなりそうな気がしている。

 

 

「まぁ…恩があるんですよ。私は、彼らに拾われなければ死んでいましたから。だから彼らの肩を持つ。例えそれが、便利なモルモットを用意する為だとしても、私に手を差し伸べてくれたのは彼らでしたので」

 

“それは…辛くはないの?”

 

「つらくは…いえ、とてもつらいです。黒服は最近ナゾに機嫌が良くてなんか色んなモノを買って持ってきますし…マエストロはアトリエに籠りっぱなしだと思ったら高笑いしながら出て来てぶっ倒れますし…ゴルコンダは勝手にフランシスと入れ替わるしデカルコマニーはよく分かんないし…気付いたらベアトリーチェは居なくなってました…先生、私は一体どうしたら?」

 

“シャーレにおいで?私が彼らには言っておくから”

 

「いえ、それはヤメて下さい。と言うかしばらく会わないで下さい。先生と会話した後のあの人達、機嫌良すぎて気持ち悪いんですよ…」

 

 

 大きく溜息を吐きながらその場にしゃがみ込む彼女は、なんだかとても疲れている様に見える。

 そして先生の方だが、これは好機とばかりに捲し立て始める。

 

 

“大丈夫だよ。メアがシャーレに来てくれれば、もう彼らと会わなくて済むからね。勿論、生活に不便の無いようにするよ。具体的には三食昼寝おやつ付き!もし私の仕事を手伝ってくれたらお小遣いアップ!メアの事は、私が責任を持って守るからね”

 

 

 甘い勧誘に、心が揺らぐ。

 特に三食昼寝おやつ付き。彼女は基本的に、ぐーたらしたいタイプの人間だった。

 

 だがこの程度で折れる訳にはいかないのだ。確かに面倒な大人達ではある。なんでこんな事を…と思わなくもない。けれどそれでも彼女は心を強く持って言った。

 

 

「先生。どうやら私は、彼らに情を抱いてしまっているようなのです。その蠱惑的な言葉に心揺れますが、今いる場所を離れようとは思えません」

 

 

 やや視線を彷徨わせてはいるが、表情だけは取り繕って断言する。

 

 まだ足りないかと思うと同時に、先生には一つの予感が過る。今の会話だけで得た情報は少ない。だが彼女はそれなりに長い時間を、彼らゲマトリアと過ごしてきた事は分かった。

 言葉使いや態度、身なりからしてそれなりに教育は受けてはいるのだろう。モルモットとか言う不穏な単語も聞こえたが、彼女の生活は彼らありきで成り立っているに違いない。

 

 つまるところこれはまさか、被害者が加害者に好意的になるというあの精神状態…!

 

 

“ス、ストックホルム症候群だ!”

 

「失礼ですね!?否定しませんが!」

 

“否定して欲しかった!こうなったら無理矢理にでも救護するからね!!”

 

 

 先生は覚悟を決めて、懐からカードを取り出し掲げる。

 

 それを見て焦る。あのカードを出されて、ゲマトリア側の意見が通った例が無い。そもそもゲマトリアは研究者だとか探求者だとかの学者方面の集団である。そんなゴリゴリに武闘派で、現役の若い子達を連れて来られたら蹂躙されるに決まっている。

 彼女は悪い大人達に育てられ、悪い大人達を見て学習した。

 

 だから焦る。

 対応しようにもオフモードだった事もあり、使える手札が殆ど無い。

 

 それ故の結論。

 よし。逃げよう。

 

 簡単言えば、戦闘は苦手なのである。

 

 この結論に至るまで、1秒も掛からない。

 彼女…四棘メアは既に、この場から脱却しようと走り出している!

 

 しかし、相手が悪かった。相手は幾多もの危機を乗り越えて来た歴戦の先生だ。そのカードはブラフだ、メアと合流した時点で援軍を呼んでいたのであるッ!

 先生は始めから、一切の油断をしていない。全ては計算通り、悪い笑みを浮かべて開戦の号を上げる。

 

 

 

“死体予備軍でストックホルム症候群の疑いあり!みんな、全力で救護してあげて!!”

 

「ちょっと言い方悪くないですかぁ!?」

 

“問答無用!救護開始ぃぃ!”

 

 

 

 その場から全力で逃げようとした彼女だったが、先生にツッコミをする為に振り向き走るペースを落としたその瞬間、不思議な事が起こった。

 上空から救護騎士団の団長が降ってきたのである。運悪く盾を構えた青い流星と衝突してしまった彼女は、そのまま意識を暗転させてしまった。

 

 押せばイケそうだと思った先生は、文字通り押し倒して彼女を持ち帰る事にしたのだ。。

 

 

 

 

 

 

 

 後日シャーレでは、自分は死体か死体ではないか、はたまた救護が必要か否か、そもそもこれは拉致なのでは?と熱い議論が繰り広げられるの事になるが、それはまた別のお話。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「クックックッ…迎えに来ましたよ、メアさん。中々帰って来ないので心配したのです」

 

「はぁ…分かりました。それでは先生、私は帰らねばなりません。シャーレで過ごした数日は、本当に幸せでした。あの子達との約束は…もう守れそうにありませんね。ごめんなさいとお伝えください」

 

「別れの挨拶は済みましたね?さあ、あるべき場所へ帰りましょう。貴女にやってもらいたい事は、まだまだありますからね」

 

“待って、メア!メア!”

 

「…守ってくれるって言われた時、私はとても嬉しかったんです…先生、楽しい思い出を、守ろうとしてくれて、ありがとうございました。こんな私でも、生徒だと言ってくれてありがとうございました。……でも、ごめんなさい」

 

 

 

 

 

 

 

 

「さようなら」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


 

 

 

 

名前:四棘(しとげ) メア

 

レアリティ:★3(ストーリー中のみ編成可能、未実装)

 

役割:SPECIAL

 

ポジション:BACK

 

クラス:サポーター

 

武器種:SMG 

 

攻撃タイプ:神秘

 

防御タイプ:軽装備

 

 

 

EXスキル cost6【支援だけなら…】

 

味方1人のバフとデバフを全て解除。

攻撃速度を20%増加(15秒間)

治癒力の10%分の持続回復を付与、回復中に体力が満タンになった場合、残り時間分の不死身状態を付与(15秒間)

 

 

ノーマルスキル【嫌な予感】

 

10秒毎に最も体力の低い味方1人に対して、自身の回避値の50%分を加算(1人につき1回、戦闘終了まで)

 

 

パッシブスキル【必要とされたい】

 

自身のEXスキルを使用する度に、 コストが1ずつ減少(コスト2以下にならない)

コスト2でEXスキルを使用した場合、ランダムな味方1人のEXスキルコストを1減少させる

 

 

サブスキル【壊してはいけない、壊れてはいけない】

 

味方1人に付き10%ずつ、自身の治癒力と回避値を増加

 

 

 

 






 あれ?なんかこいつヒロイン適正ある??
 許せねぇな、トグロのクセに…

なんも思い付かないから、参考までに……

  • トグロだけの小話
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  • オリジナルイベント
  • 先生視点
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  • よく名前の上がるキャラとの小話
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