仮面ライダーディクリード re   作:夢野飛羽真

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OP曲
AK-69:Forever Young feat. UVERworld
https://www.youtube.com/watch?v=YEJJe8L-ANE


仮面ライダーディクリード・承

「こっちや!はよこい!」

 

荒廃したとある土地、周囲には元々建物だったコンクリートの塊やむき出しの鉄筋が見える。

この地を何かから逃げ惑う人々が走っており、しゃがれた声の大男と彼の仲間達が人々を誘導している。

 

「イー!イー!」

 

その人々を追うのは、白い骸骨の絵が描かれた黒タイツを身に纏うショッカー戦闘員達だ。

 

「撃て!」

 

戦闘員達に向けて、しゃがれた声の大男の部下たちがアサルトライフルを構えて、弾丸を連射していく。

 

「退け!退け!」

 

銃弾が戦闘員達を撃ち抜き、何人かの戦闘員を倒して足止めできたと判断できれば、大男が銃撃の役を担った仲間たちに退く様に指示を出す。

 

「南野さん!こちらは避難できました!」

 

「そうか、俺達も行くぞ!」

 

しゃがれた声の大男の名は南野力也、レジスタンスのリーダーを務める男だ。

ショッカーの支配から逃れ、生き残っている人々を纏め上げている。

 

「ここの地区ももう終わりか…」

 

人々をショッカーの魔の手から逃がし続けることこそできているが、未だにショッカーに支配されていない地域は日々減ってきている。

そのことを憂いながら南野もこの場から退くのであった。

 

「南野さん!」

 

「おう!どうした?」

 

戦闘員達を足止めした南野達は地下の通路に入り、そこから自分達の基地に向かう。

その道中、覆面を被ったレジスタンスの人間が南野の下に駆け寄って来た。

 

「申し上げます!レナが帰ってきました!」

 

「おお!てことは例の男も?」

 

「はい!既に一緒に同行しています。」

 

「早速会いに行くか!」

 

レナが1つの任務をやり切ったと聞いた南野達は、基地に戻る足を速めていく。

 

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「俺らが住んでるとこ以外にも、別の世界があるってのはよく分かった…」

 

ディクリードライバーの力によって灰色のオーロラカーテンで世界を移動させられた海来は、自分が見たことのない様子の世界に驚きつつも、目の前に広がる現実を受け入れていた。

 

(俺がさっき戦ったショッカーの奴らが、世界をこんなことに…)

 

海来が連れて来られたレナの暮らす世界。

そこは海来自身が住む世界に比べると荒廃してしまっており、人々は困窮した暮らしを強いられている。

これらは全てショッカーによる侵攻が齎したものでる。

 

「アイツらが、こんなことしてるなんてな…」

 

もし自分達の住む世界にもショッカーの魔の手が伸ばされてしまったらと考えて、海来は少し身震いする。

 

「はい、10年前に突如として現れたショッカーは私達の世界を…奪いました…」

 

「ああ、ひでえことする連中だな…」

 

突如として自分が過ごす日常が壊される。そんな想像を絶する経験をレナを始めとするこの場に居る人々がしていることを実感しつつ、海来はその拳を強く握りしめる。

 

「おお!この人が例のディクリードの人か!」

 

と、海来達がいる部屋に戦いを終えた南野が入って来る。

 

「アンタは?」

 

「俺はレジスタンスのリーダーやってる南野や!よろしくな!」

 

「う、うっす!」

 

少し暑苦しい印象の南野が手を差し出してくるのに応えるように海来も手を出して、握手を交わす。

 

「あ、えーと…俺は千草海来って言います。」

 

「おう!知ってる知ってる。もう既に君の情報は調べてあるからな。」

 

「え、いや調べてるっつってもどうやって?」

 

既に自分自身の情報を知っている南野らに、海来は驚きを隠せない様子だ。

自分の情報などはあまりネットに載っている訳でもないし、南野らがいる世界と自分が過ごす世界はそれぞれ別の世界であるため、どうやって調べたのかと海来は首を斜めに向ける。

 

「これで調べたんや。そこのディクリードライバーで…」

 

「これで?」

 

「はい、その話もしたいとこですけど、まずはディクリードライバーについて説明します。」

 

そう言うとレナは、彼が手にするディクリードライバーを指さす。

 

「仮面ライダーディクリード、それはかつて様々な世界を旅し、その平和を守ってきた戦士です。かつての戦士、ディクリードは戦いの中で命を落としたと言います。ただその忘れ形見でもあり、彼にとって重要なアイテムであるディクリードライバーが遺っていて、あなたを新たな仮面ライダーディクリードに選びました。」

 

「俺の前にディクリードがいたのか…で、俺がドライバーに選ばれたってのは?」

 

海来自身の前にも、仮面ライダーディクリードに変身して悪と戦った男がいた。

命を落としたその戦士の後継者として選ばれたのが、千草海来であった。

 

「ショッカーに世界を征服され、絶望の淵にいる私達の下にディクリードライバーが現れました。そして、示したんです。次の戦士はあなただと…」

 

「ほう…で、俺が選ばれた理由は?」

 

「分かりません。ただディクリードライバーが示したのは貴方の情報と、あなたが新たなディクリードに相応しいと言うことだけです。」

 

「状況はまあ…大体分かった。」

 

自分がかつてのディクリードの後継者に選ばれた理由は分からない。

だが、自分がここに呼ばれてディクリードとして戦うことになった経緯を海来は理解した。

少し俯いて地面の方を見てから、海来は顔を上げて立ち上がる。

 

「まあまずは、ショッカーとかいう連中をぶっ倒してやるよ!」

 

「戦いに協力してくれるんだな?」

 

「ああ、アイツらがやってることは気に入らねえし、それに俺みたいな世間から見放された人間が誰かのために戦えるチャンスなんだ。やるしかねえだろ!」

 

人々の平和な暮らしを奪い取ったショッカーへの怒り、プロ格闘技団体を追放された自分が人を救うために戦えるチャンスを得れる期待感、そして自身の中にある闘争心は海来に仮面ライダーディクリードとして戦う決意をさせるのに十分だった。

 

「協力してくれんのはありがたいな。これからよろしく。」

 

「オッス!よろしくお願いします!」

 

戦う意思を固め、正式に仮面ライダーディクリードとなることとなった海来と南野が再び握手を交わすのであった。

 

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「悪いな、大変な状況なのに個室まで用意してもらって…」

 

「当然です。無理矢理私達の住んでる世界に連れて来たんですから。」

 

てことで今俺はレジスタンスの施設を案内してもらってるところだ。他の奴らは皆大部屋とかで雑魚寝してるみたいだが、俺は個室を用意してもらってる。流石に他の奴らが雑魚寝してるのに俺だけってのはアレだし固辞しようかと思ったけど、結構手厚く進められて断りにくくなっちまった。

 

「ここが食堂兼広場です。ご飯の時はここに来てください。」

 

「おう、てかなんかいっぱい人がいるな。」

 

次にレナに案内されたのは廃工場みてえな建物だ。

ここで炊き出しして、レジスタンスと一般市民で一緒に飯食ってるみたいだ。

ただ、広場ってことで飯時じゃなくても人が多い…つーかテントとかもいくつも並んでて隅の方には本棚が幾つか並んでいる。

 

「ここは避難民の方々の居住スペースも兼ねていますからね。」

 

ショッカーに住む場所を奪われた人達がこういうとこで生活してるって考えると、尚更俺だけ個室なのは申し訳ない。

 

「他にこの人らが住む場所は無いのか?」

 

「ショッカー以外の人が住む場所も、徐々に彼らの侵攻によって奪われていってます。だからこうして限られた場所に隠れて住むしかないんです。」

 

「なるほどな…」

 

ショッカーによる侵攻は、こうやって人がいる場所も奪っている。

レジスタンスを始めとする反ショッカーの人々の領土ってのが減ってきているそうだ。

 

「お母ちゃん、お腹空いたよ。」

 

「ご飯まで時間はまだまだだから我慢よ。」

 

「え~アレじゃ足りないよ~」

 

しばらく広場の方を見ていると、腹を空かせた様子の子供もいた。

飯も満足に食えてないんだろうな…

 

「あ!レナお姉ちゃんだ!」

 

「こんにちは~」

 

しばらく歩いていると、レナに気付いたのか避難所の子供たちが駆け寄って来る。

 

「この子達も避難所の?」

 

「はい、普段私が本の読み聞かせをしてる子達です。」

 

南野さん曰くレジスタンスメンバーと避難民の間での交流もしてるらしいが、レナは子供たちと交流して本の読み聞かせとかをしてるらしい。

 

「なるほどな…」

 

「ねえねえ、レナさんこの人は?」

 

「そうそう、お兄ちゃん誰?」

 

おっと、どうやら子供達も俺のことが気になってるみたいだ。

 

「俺は千草海来、格闘家だ。」

 

「格闘家?お兄ちゃん強いの?」

 

「ああ、俺は強いぜ。」

 

俺の格闘技の強さっつったら、まあぶっちゃけ謙遜も出来ないぐらい強い。

格闘技の試合出てからプロでも地下でも負けたことはない。もうちょっとちゃんとしてたらチャンピオンになれたかもな…

 

「へえ~強いんだ~」

 

「けど、どうやって強くなるの?」

 

「そりゃいっぱい食っていっぱい戦ったら強くなれるぜ。」

 

格闘技始めたての時は食トレなんかもよくしたものだ。いっぱい肉喰ってトレーニングして動かせる筋肉を作り上げた。それも俺の強さの秘訣だ。

 

「いっぱい食べるって言ってもな~」

 

「いつも腹いっぱい食べれないんだよ…」

 

と俺の前でシュンとする2人の男の子。まあやっぱ、ここの子供達はあんま飯とか食えないんだろうな…

 

「そっか、肉とかもか?」

 

「うん、たまにしか食べれないよ。」

 

「いつも大体野菜とか、運良かったら誰かが釣ってきた魚が食えるぐらいだな~」

 

肉もあんま食えないんじゃ、流石に可哀想だ。

身体も強くならねえし、何よりあんな美味いもんを子供たちに食わせてやれないなんてかわいそうだ!

 

「よし!任せろ!俺がいっぱい飯食えるようにしてやるから、もう少しの辛抱だ!」

 

「え?」

 

「本当に!?」

 

「で、でもどうやって…?」

 

とは言っても、ここにあるもんでもっと食材を用意する策ってのは俺にはない。

レナもおれの考えが読めずに少し戸惑っている。

 

「まあ見てなって、とりあえず南野さんとこ行ってくるわ!」

 

てことで俺はまた南野さんのとこに走っていく。

 

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「南野さん!今から動ける奴をすぐに集めてくれ!」

 

「おう!どうしたんやいきなり?」

 

レジスタンスの基地となる建物には、南野らレジスタンスの幹部が常駐している司令室があり、そこに海来が駆け込んでくる。

 

「今からショッカーに逆侵攻だ!」

 

「逆侵攻!?何言って…」

 

突然の海来の提案に、南野は少し驚いた様子だ。

これまでショッカーの侵攻に対して防戦一方であり、戦力差などからレジスタンス側から攻めると言うことは考えられなかった。

 

「さっき避難民の様子を見て来たけど、現状維持のままじゃ土地も飯も足りなくなる。」

 

「確かに…ショッカーに奪われた土地からの避難民を受け入れ続けているから、土地も食料もそろそろカツカツ気味ではあるが…」

 

南野の右腕的存在である弥益という男も海来が危機感を抱いた問題に関して、レジスタンス内でも問題になっていることであると頷く。

 

「確かにこのまま守り続けても、いずれ資源も枯渇してまうだけやけど…ただ、ここで攻めに転じて勝ち目はあるのか?」

 

「さあな、分かんねえ。」

 

「分からないのか!?」

 

「ああ、けどこのまま攻めに動かなかったら100%負けるのは確かだ。」

 

現状維持を続けていれば、食料資源や人の住む土地が失われ、子供達も育ち切らずにこのままショッカーに潰されてしまうのは確実だろう。

 

「南野さん、俺はコイツの意見に賛成だ。現状維持のままだと負けるのは確かだ。」

 

そう言った危機感を抱いている人間は少なくなかった。レジスタンスの覆面男、芦田も海来の意見に賛同し、外崎も静かに頷く。

 

「確かに海来の言う通りだな…よし、動くか!」

 

そしてレジスタンスのトップである南野も海来の意見に賛同したことで、レジスタンスからショッカーへの侵攻が決定した。

 

「で、どこに攻める?土地広げるなら岐阜の方か…」

 

司令室の大きなテーブルに、日本地図が広げられる。

現在彼らがいる地は滋賀県の大津であり、地図上でもそこには赤い点が記されている。

 

「京都とか大阪はどうなんだ?」

 

「西に行くのか!?そこは元々大都会で今はショッカーの関西支部がある重要な土地…だが、獲るのはかなり難しい…」

 

「ああ、難しいだろうな。けど、そこを落とせば一気に戦局は変わる。俺もここがどれだけ重要な土地化分かってるぜ。」

 

大都会大阪と、古都京都、さらに大きな港を抱える神戸。

本部こそ別の地に持つショッカーであるが、この地にも大きな基地を構えている。

 

「だからこそこのアップセットで勝って、周辺のショッカーの連中ごと飲み込んでやろうってことだ。どうだ?」

 

「勝てれば大きいのは確かだ。それに俺も大阪の生まれや、取り返したい!」

 

「なら、決まりだな!」

 

「よし!行くか!出撃だ!」

 

レジスタンス内でショッカーに対する西上作戦をすることが決まれば、早速レジスタンスのメンバーは出撃するための準備を始める。敵に情報が洩れる前に、一気に動いてしまおうという南野の考えで、侵攻作戦が決まってすぐの出撃となった…

 

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京都府・山科

ここは京都と滋賀の境付近にある土地であり、未だにレジスタンスがこもる滋賀の地を監視する砦が築かれている。

 

「毒トカゲ男がやられたそうだな。」

 

「はい!どうやら例の仮面ライダーが目覚めたそうです!」

 

その基地ではカニと蝙蝠の特性を持つ怪人ガニコウモルと、チーターとカタツムリの特性を持つ怪人チーターカタツムリが言葉を交わしていた。別の世界でディクリードライバーを持つ者を追っていた毒トカゲ男が敗死したという報告が彼らの下に届いていた。

 

「レジスタンスも動いてきたか…」

 

「ならまた領地を奪いに行けばいい…さっきは逃がしたみたいだがまた援軍でも送って奴らの本拠地までd一気に攻め上がるのが良いだろう!」

 

毒トカゲ男は並行世界でレジスタンスの人間を追っていたが、そこで死んでしまった事でレジスタンスも関与していると察したチーターカタツムリは昼に行った侵攻により注力していこうと考える。

 

「では早速指令を…」

 

「イー!イー!」

 

ただ、彼らの部屋に慌てた様子のショッカー戦闘員が現れると、急いで何かをガニコウモルに伝える。

 

「何!?前線の部隊がやられただと!?」

 

「イー!」

 

「それだけでなく、レジスタンスがこの砦に向かっているだと!?」

 

戦闘員からの報告を聞きガニコウモルとチーターカタツムリが窓から砦の外を見ると、そこには信じられない光景が広がっていた。空中でレールを生成しながら、その上を進んでいく1台の列車があった。時の列車デンライナー、その客車が展開されて客車が展開されて現れる大砲やランチャーなどからの砲撃が地上にいるショッカーの者達を吹き飛ばし、宙に浮かぶショッカーの飛行船も撃ち落とされていく。

 

「何が起きている!?うわっ…!!」

 

デンライナーの4号車に搭載されたキジ型ミサイルのバーディミサイルが、彼らショッカーのいる砦に向けて放たれる。

 

「ここから出て迎撃だ!」

 

この奇襲攻撃に対してガニコウモルらは迎撃をするために砦の外に向かう。

 

「これは一体!?」

 

上層階から地上階に降り、砦の門から出てきた2人の怪人が目にしたのは、レジスタンスの軍勢と彼らの先頭に立つ仮面ライダーディクリードの姿であった。

 

「すごいだろ、カード1枚でこういうこともできるんだぜ。」

 

『カメンライド!クウガ!』

 

ディクリードが仮面ライダークウガのカードをドライバーに読み込ませてカメンライドすると、クウガのホログラムが現れて、それがクウガの相棒でもあるゴウラムを模したクウガ・ゴウラムライドに変化して周囲の敵を飛びながら撥ね飛ばしていく。

 

「あれもお前の力で呼び出したというのか!」

 

「まあ、そんなところだ。」

 

今現在空中で暴れ回っている電王・デンライナーもディクリードのカメンライドによって作り出されたものであった。

 

「さて、次はテメエらの番だ!」

 

「やれるものならやってみろ!」

 

ディクリードの挑発に乗り、ガニコウモルが鋏の付いた左腕をディクリードに向けて振るうがそれはあっさりと避けられる。後ろにステップを踏んで避けたディクリードは右フックを敵の顔面部目掛けて撃ち出す。

 

「クソッ!」

 

またも鋏の付いた腕を振るおうとするガニコウモルに対して、ディクリードは距離を詰めてプレッシャーをかけると、至近距離からガニコウモルの腹部に向けてパンチを撃ち出す。

 

「キイエェ―‼」

 

パンチを撃たれて距離を一度取ったガニコウモルが、再びディクリードに向けて鋏が付いた左腕を振るってその体を切り裂いてしまおうとするが、それらの攻撃はあっさりとディクリードに避けられてしまう。

 

「攻撃が大振りすぎる!」

 

大振りな敵の攻撃を簡単に見切って避けては、カウンターでパンチを撃ち出す。

さらに相手が攻撃を撃ち出しにくい距離に詰め寄っていけば、ガニコウモルの腹部に膝蹴りを繰り出す。

 

「どけ!私がやる!」

 

ガニコウモルの攻撃は既にディクリードに読み切られてしまっていると感じたチーターカタツムリが動く。地面に粘液を散らすとその上を高速で滑走してディクリードに突撃する。

 

「ッ…!?」

 

チーターとカタツムリの特性を持ち、高速移動が可能なチーターカタツムリの動きを見切って避けるのは流石の海来でも難しかった。高速で動くチーターカタツムリがディクリードの周囲を駆け回りつつ、縦横無尽に攻撃を仕掛けていく。

 

「速いな…なら、これでどうだ?」

 

攻撃を凌ぎ切れず攻撃を喰らってしまうディクリードは、新たなカードを読み込ませる。

 

『カメンライド!カブト!』

 

仮面ライダーカブトのカードを読み込ませると、彼のベルトから下の下半身部に赤いアーマーが装着される。カブト・クロックアップアーマーを装備したディクリードは、腰に付いているスイッチを叩く様に押す。

 

『クロックアップ!』

 

タキオン粒子がアーマーからディクリードの身体に流れ込み、チーターカタツムリに対抗して高速移動をする。

 

「さあて、いくか!」

 

ディクリードはクロックアップを使うことで、高速移動をするチーターカタツムリと対等に動けるようになった。

 

「何!?速くなっただと!」

 

「まあな、遠慮なくいかせてもらうぜ!」

 

高速で動くディクリードとチーターカタツムリの右の拳がぶつかり合う。その次の2手目を出すのはディクリードの方が早かった。左のストレートパンチがチーターカタツムリの顔面部に直撃する。

 

「オラァ!」

 

さらに接近して距離を詰めれば、そのまま敵の腹部に膝蹴りを放つ。

 

『カメンライド!ウィザード!』

 

さらなる追撃を加えるべくウィザードのカメンライドを使用して、手に付けるタイマー状の装備であるウィザード・エレメントハンドを武装する。

 

『ヒート!』

 

ウィザード・エレメントハンドのスイッチを押すと、赤い魔方陣が生成されてそこから怪人達に向けて炎が放たれる。

 

「あ、熱い!」

 

『ハリケーン!』

 

更に今度は地面に緑色の魔方陣を生成すると、そこから竜巻が起こってガニコウモルとチーターカタツムリの身体を空中に吹き飛ばす。

 

『カメンライド!オーズ!』

 

すると今度は、ディクリードは仮面ライダーオーズを模したアーマーを体に装着する。

脚部のバッタ状のアンカージャッキを使って飛び上がれば、赤い鷹の翼を展開して飛翔。

空中に吹き飛ばした2体の怪人を虎の爪状の武器で切り裂く。

 

「さあ、トドメだ!」

 

オーズ・タトバアーマーの翼で飛行しながら、ディクリードは2体の怪人に止めを刺すべくカードを引く。

 

『ファイナルアタックライド!ディ・ディ・ディ・ディクリード!』

 

空中に現れる20枚の仮面ライダーのカードのビジョンを通過しながら、右足を突き出した態勢でガニコウモルに向けて突き進み、ライダーキックで敵の身体を貫いて空中で爆散させる。

 

「ガニコウモルがやられたか…」

 

「さあ、稲妻落としてやるぜ!」

 

さらにディクリードは、地面に着地したチーターカタツムリを狙う。

 

『ファイナルアタックライド!オ・オ・オ・オーズ!』

 

空中でディクリードライバーに認証させたのは、仮面ライダーオーズのファイナルアタックライドカードであった。するとディクリードの隣にライダーキックを放とうとする仮面ライダーオーズのホログラムが現れると、ディクリード自身も敵に向けて足を突き出す姿勢になった。

ディクリード自身とオーズのホログラムが空中で重なり合うと、赤、黄、緑の輪を潜りながらディクリードがチーターカタツムリに向けて突き進む。

 

「粘液攻撃!」

 

チータカタツムリは、自身に向かってくるディクリードに向けて粘液の壁を作って攻撃を防ごうとするが…

 

「何!?」

 

ディクリードの蹴りは粘液の壁を貫き、チータカタツムリの胸部に突き刺さる。

 

「そんな馬鹿な!だが!ショッカーはこのようなところでは倒れない!ショッカー!万歳…!!」

 

ディクリードの蹴り飛ばされて、地面を転がったチータカタツムリは一度立ち上がるが、戦いの中でダメージの限界を迎えており、両手を高く上げながら倒れて爆散した。

 

「海来さん!砦の占拠ができました!」

 

「おう!ナイスだ!」

 

怪人達を倒し終えたディクリードの下にレナが駆け寄って来る。

彼女曰く、南野らがショッカーの砦を占拠しこの山科の地を奪還したとのことだ。

 

「これでまずは第一歩だな。」

 

「はい…けどどうして海来さんは逆侵攻を提案したんですか?」

 

レナの問いかけに応えながら、ディクリードは変身を解除して千草海来の姿に戻る。

 

「まあやっぱ、子供達の笑顔を見たかったからかな。俺は昔、親が死んで施設で育ったからな。俺と同じ思いはあんまして欲しくねえ…それに、いっぱい飯食えた方が嬉しいだろ。」

 

海来が向ける笑顔にレナも微笑んで頷けば、2人は南野らが待つ元ショッカーの砦の中に入っていくのであった…

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