仮面ライダーディクリード re   作:夢野飛羽真

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今回は予定変更で金曜更新です。
OP曲
AK-69:Forever Young feat. UVERworld
https://www.youtube.com/watch?v=YEJJe8L-ANE


仮面ライダーディクリード・転

海来主導で行われたレジスタンスによるショッカーへの逆侵攻が始まってから数日。

彼らの作戦は順調に進んでいっていた。

 

『カメンライド!アギト!』

 

大阪の地に辿り着いた海来達レジスタンスは、大阪城跡地に構えられたショッカーの支部を攻めていた。

 

「さあ来い!ディクリード!」

 

その地を治めるショッカー幹部ゾル大佐が変身する黄金狼男に対し、ディクリードはアギト・トリニティアームを武装し、ストームハルバードとフレイムセイバーの2本の武器をその手に構える。

 

「ハアッ!」

 

爪が付いた手を振るう黄金狼男に対し、ディクリードは2つの武器を振るって応戦する。

敵に対して身を後退させながら、ストームハルバードによる突きを繰り出す。

リーチの差から黄金狼男の剛腕がディクリードの身体に達する前に、ストームハルバードの刃先が黄金狼男も腹部に刺さり火花を散らす。

 

「リーチは俺の方があるぜ。」

 

「ならこれでどうだ!」

 

素手と槍のリーチ差を無くす術を黄金狼男は持っていた。それは指先に搭載されたミサイルであり、至近距離からその小型ミサイルをディクリードに向けて撃てば、火を噴きながらまっすぐに突き進んでいく。

 

「おっと危ねえ…」

 

ディクリードは手に持っていたフレイムセイバーを構えて、その刃でミサイルを受け止める。

 

「まだまだ!」

 

黄金狼男はさらに指からミサイルを発射していく。

 

「テメエをミサイルごとぶっ飛ばしてやる!」

 

竜巻を放つストームハルバードと、炎を放つフレイムセイバー。それらをディクリードは目の前で交差させるとミサイルと黄金狼男がいる方向に向けて炎の竜巻を放つ。炎の竜巻にミサイルと黄金狼男が巻き込まれ、吹き飛ばされる。

 

「ミサイルが!」

 

炎の竜巻は、ミサイルを破壊しただけでなく、黄金狼男の身体を燃やしてミサイルを作る器官すらも爆破させた。

 

『カメンライド!鎧武!』

 

攻撃手段の1つを失った怪人相手でもディクリードは容赦なく、カメンライドで装備した鎧武の武器大橙丸を片手に敵に向けて駆け出していく。

 

「ソイヤッ!」

 

ミサイルを失い狼狽する怪人の胸部に、オレンジの刃を横一閃。

鎧武・大橙丸に切り裂かれた黄金狼男の胸部から血が噴き出すかのように火花が散る。

 

「おっしゃあ!稲妻落としてやるぜ!」

 

『ファイナルアタックライド!ガ・ガ・ガ・鎧武!』

 

そのまま相手に止めを刺すべく、鎧武のファイナルアタックライドカードをベルトに読み込ませる。

すると大橙丸を構えた鎧武のホログラムが現れると、ディクリードと共に敵に向けて走っていく。

 

「ハアッ!」

 

ホログラムとディクリード自身の身が重なるとともに、黄金狼男がオレンジのエネルギーに閉じ込められる。そのオレンジを真っ二つに切るように横向きに大橙丸を振るえば上下に切られた黄金狼男の身体が爆散する。

 

「そろそろこっちも落ちたか…」

 

それと同時に、ショッカーの大阪基地から煙が上がる。

それはレジスタンスがここを落としたという狼煙であった。

 

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「いやあ~疲れたな~」

 

俺にとって怒涛の1カ月が終わった。

俺が来たときはレジスタンスの土地は滋賀しかなかったが、これまでの戦いで関西全域まで広げることができた。その地域で働かされていたショッカーの奴隷だった人たちも開放できた。

 

「そうだ、アイツらにも連絡しとかねえと…」

 

現状、ディクリードライバーを使って別の世界にいる三雲達に連絡することができる。

こっちでの戦いが一段落したし、たまには帰って地下格の試合に出ても良いかもな。

 

「あ!海来兄ちゃんだ!」

 

「おーい!」

 

どこかから声がしたかと思えば、子供達が俺を見つけて駆け寄って来た。

 

「この前のお肉美味しかったよ!」

 

「ハンバーガー美味しかった!」

 

「おう!美味かっただろ?」

 

俺らの土地が広がったことで、色んな飯を手に入れれるようになった。

神戸牛とかも食えるし、ショッカーにまだ侵攻されていないアメリカの方から仕入れた飯も手に入れやすくなった。全部の世界がショッカーの手中に落ちてたと思ってたが、北アメリカ大陸とかあの辺のアメリカとかの地域は土地とか資源を守り切れてるらしい。

 

「海来兄ちゃんの言う通りだったね!」

 

「そうだろ?俺は約束は守る男だからな。」

 

レナと俺のことを気に入ってくれてる子供達。特に今俺のとこに来てるレン、ジョウ、タツキの3人はよく話とかする仲だ。

 

「ねえねえ、海来兄ちゃん。」

 

「どうしたんだ?レン。」

 

「海来兄ちゃんが強くなった理由聞きたいなーって思って。」

 

「またそれか~良いぜ。」

 

前はいっぱい飯食えば強くなるとか、筋トレしたら強くなるとか教えたけど、まだまだ知りてえみたいだ。

 

「まあ、つっても俺は師匠と出会えたのがデカいと思うけどな。」

 

「師匠?」

 

「ああ、路上で喧嘩ばっかしてた俺を拾ってくれて、格闘技を教えてくれた人だ。」

 

昔の俺は散々だった。親が居なくなって孤児院で暮らして、それで学校ではいじめを受けた。俺は俺に抗い、他の奴らも守るために日々喧嘩に明け暮れた。そんな俺を拾って格闘家として育ててくれたのが俺の師匠である山本恭二という男だ。

 

「師匠はどんな人だったの?」

 

「優しい人だったぜ。俺みたいな奴を拾ってくれる懐の広さもあったし、ボランティアなんかもいっぱいしてたな。ただ、格闘技となると話は別だった。」

 

格闘技の試合や練習での師匠は顔付きがガラッと変わる。他人にも、自分自身にも厳しくなり一切の隙を許さない厳しさを表に出してくる。それ以外の時は俺の飯の面倒を見てくれたり、銭湯に連れて行ってくれた。いろんな面で支えてもらって感謝しかねえ。

 

「格闘技だと?」

 

「クソ怖くてクソ強い。試合も見たことあるけど、何回も敵を秒殺してるぜ。」

 

練習の時は何度怒鳴られたか分からねえ。それに師匠の試合は野獣の様にアグレッシブでド派手だ。秒殺KOも執念の末のKOも何度も見せられた。

 

「まあ、師匠が居なかったら俺はまだまだ弱かったと思うぜ。」

 

「そんなにすごい人なんだね~」

 

「俺、会ってみたいな!」

 

「それは俺もだ。」

 

ただ、師匠は俺がプロデビューする前にどこかに行ってしまった。連絡をしても返ってこない。今どこにいるか分からないまま5年ぐらい経ってしまった…

 

「海来さん。少し良いですか?」

 

「ん?どうしたんだ?」

 

子供達と話していたところ、そこにレナがやって来る。

 

「南野さんが呼んでいます。こちらへ…」

 

「おう!じゃあまたな~」

 

「うん!またね!兄ちゃん!」

 

レナに呼び出され、俺は子供達に別れを告げて南野さんがいる方に向けて歩き始める。

 

「あの、海来さん。」

 

「どうしたんだ?」

 

しばらく歩いていると、隣を歩くレナが声をかけてきた。

相変わらず冷静な雰囲気だが、服もであった頃よりキレイなものを着れていてよりクールな印象が強くなっている。

 

「ありがとうございます。戦ってくれるだけでなく、子供達の面倒まで見てもらって…」

 

「まあな、こうやって子供達の面倒を見るのも悪くねえし、なんか昔を思い出すんだよな。」

 

小学校と中学校の9年間は孤児院で暮らしてたし、こうやって年下の面倒を見るのは慣れてるし楽しさもある。

 

「そうなんですね…私達海来さんに助けられてばっかで…」

 

「気にすんな!俺はこうして好きなように戦って色んな奴らの笑顔を守れる。それで十分だ!」

 

師匠も昔から言っていた、皆が笑ってる方が良いってな。

俺もその通りだと思うし、皆の笑顔を守るためならいくらでも戦える。

 

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「よし、全員揃ったな。」

 

新たに大阪に構えられたレジスタンスの基地の司令室に、南野、芦田、弥益、レナ、そして海来を始めとしたレジスタンスの主だった面子が集まる。

 

「今回皆に集まってもらったのは他でもない。ショッカーの本部への道が切り開かれた!」

 

「というと?」

 

「東海エリアのショッカーの拠点が全部落ちた。俺らの仲間の西成って奴が頑張ってくれたみたいや。」

 

「そいつはありがてえな。」

 

南野の盟友である西成という名のレジスタンスが名古屋など東海地方にあるレジスタンスの拠点を落としたとのことだ。

これによりレジスタンスの治める近畿地方の土地から、ショッカーの本拠地である東京への道が開けたと言える。

 

「このまま東京に攻め込めば、ショッカーは一気に瓦解する。」

 

「ああ、この戦いを終えることができるかもしれない。」

 

弥益と芦田はショッカーの打倒を為せる日が近づいてきていたことに喜びの表情を見せる。

 

「そういうことや。海来、やれるか?」

 

「ああ、勿論だぜ!」

 

南野が海来に東京での戦いもこなせるか問いかけると、海来は力強く頷く。

既にディクリードとしての戦いを幾度となくこなしてきた海来には、ショッカーの本拠地という条件ですらいとも容易く乗り越えられる壁に感じれてしまう。

 

「それじゃあ、東京侵攻やるか!」

 

「「「はい!」」」

 

「やることはもう決まってる。1週間後に準備して出陣や!」

 

軍議の中で東京にあるショッカーの本部への侵攻に反対する者はいなかった。

自分達を苦しめてきたショッカーをようやく倒すことができるとレジスタンスの面々は意気込んでいた。

 

「さて、やってやるか。」

 

軍議を終えた海来は部屋を出て自身の拳を見つめながら歩いていく。

 

「ん?どうしたんだ?レナ、浮かない表情だな。」

 

だが、海来の隣を歩くレナの表情は少し暗かった。

 

「確かに、私もショッカーの本拠地を叩けることは嬉しいです。ただ少し上手くいきすぎな気がします…」

 

「どういうことだ?」

 

「それが、名古屋や静岡のショッカーの基地もそれぞれ防御力が高いはずなんです。強い怪人もいるはずです。それがいくら西成さんと言えどこんな簡単に陥落させれるなんて…」

 

これまでの攻勢は中心に仮面ライダーディクリードである海来がいたからこそできていたが、他のレジスタンスはその海来抜きで東海地方をあっさりと抑えてしまった。勿論彼らが力を付けたり、ショッカーの勢いが大阪陥落で落ちてしまった影響だろうと考えられる。だがそれでも、レナの中で何か引っかかるものがあった。

 

「まあ、どうであろうと関係ねえよ。俺がぶっ飛ばすからな。」

 

自身の勝利を信じて疑わない海来は、そのレナの言葉を軽く受け止めてしまったのであった…

 

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「関東のショッカー本部はどういう感じの防衛施設があるんや?」

 

「既に得ている情報によると、旧山手線の線路沿いに防壁が築かれ、本部は以前に東京ドームがあった地域に構えられている。」

 

そして迎えた侵攻戦の前日。

レジスタンスの面々はどう侵攻するかを決める作戦会議を行っていた。

ショッカーがこの世にあらわれた日。ショッカーの本部であるタワーが当時の東京ドームの横に突如生えてきた。そこはその後ショッカーの本拠地となり、今はその周囲にショッカーの城下町がありそれを守るように防壁が築かれている。

 

「まずはこの小田原から攻めるって話だったな。」

 

「せや、小田原に入ってそこから横浜、最後に東京に攻め入る。」

 

「小田原と横浜も中々落としにくそうだな…」

 

レジスタンスが東京に向かうにあたり、神奈川の地域も通らなくてはいけない。

その地域の敵の拠点も防御力は高そうだと海来達は気を引き締めて戦いに備える。

だが、彼らの備えは杞憂に終わってしまった。

 

「ここも雑魚だけか!」

 

東京へ繋がるショッカーの拠点はあっさりと陥落していった。

戦闘員や末端の怪人達しか配置されていない砦などはあっさりとディクリードの手によって墜ちていった。

そして僅か1週間も経たぬ間に海来達は東京に辿り着いた。

 

「ここがアイツらの拠点か…」

 

海来と南野を始めとするレジスタンスの眼前には、嘗ての山手線沿いに築かれた巨大な防壁が広がっている。品川の地に着いた彼らはその防壁をどう攻略するか立ち止まって考えていた。

 

「まあまずは、俺に任せてくれ。」

 

『変身アプリを起動します。』

 

レジスタンス達の前に立つ海来は、ディクリードライバーを起動する。

 

「変身!」

 

『カメンライド!ディクリード!』

 

腰に付けたディクリードライバーにカードを読み込ませれば、海来は黒と黄色の騎士仮面ライダーディクリードに姿を変える。

 

「よっしゃあ!稲妻落としてやるぜ!」

 

『カメンライド!ドライブ!』

 

目の前の壁を突破するのにディクリードが選んだのは仮面ライダードライブのカードであった。

ドライバーから出てきた仮面ライダードライブのホログラムが、赤い自動車に変形する。

ドライブ・トライドロンを呼び出したディクリードは、その運転席に腰掛けてハンドルを握る。

 

「いくぜ!」

 

その車のアクセルペダルを踏むと車体は壁に向かって前進していき、タイヤから放たれるタイヤ型のエネルギーが障害物となる壁にダメージを与えていく。

防壁にヒビを入れて、そこに突撃して一気に破壊しようという考えであった。

 

「アリアリアリアリ!マンモー!」

 

だが突如壁の上から放たれた光弾がドライブ・トライドロンを襲い、それに対処する様にタイヤ型のエネルギーを飛ばして攻撃を打ち消す。

 

「ここで敵が出てきたか!」

 

久々の接敵に対処すべく、ディクリードはドライブ・トライドロンを乗り捨てて別のカードを引く。

 

『カメンライド!キバ!』

 

それは仮面ライダーキバのカードであった。

ホログラムから召喚されたキバのホログラムを吸収すると、ディクリードの左腕にはガルルのアーマー、右腕にはバッシャーのアーマーが装備される。胸部はドッガの鎧によって固く守られる。キバ・ドガバキアーマーを上半身に纏った海来は、バッシャーマグナムを襲撃してきた敵であるアリマンモスに向けると、泡の弾丸を撃ってアリマンモスの光弾に対処していく。

 

「アビアビアビアビ!!」

 

さらに左腕の電磁ハサミを振り回しながらシオマネキングがディクリードに襲い掛かる。

 

「なんだ?この気持ち悪い怪人は?」

 

振り下ろされるハサミをガルルセイバーで受け止め、ディクリードは数歩下がって距離を置く。

さらに前蹴りを敵怪人の腹部に放ち、シオマネキングの身体を地面に転がす。

 

「アリアリ!」

 

さらにディクリードに向けてアリマンモスの光弾が次々と放たれていき、それをバッシャーマグナムの銃撃で何とか防いでいくが、ディクリードにさらなる脅威が襲い掛かる。

 

「よく来たな仮面ライダーにレジスタンス!」

 

「あれは…地獄大使!」

 

「それに死神博士まで!?」

 

南野やディクリード達の前に、2人の男が現れる。

そこにいるのは黒いコブラの鎧を纏う男と白衣と赤いマントを纏う白髪の男だ。

彼らの名は地獄大使と死神博士。ショッカーを代表する大幹部2人である。

 

「ここまで貴様らを誘い出しておいて正解だったな!」

 

「さあ、ここが貴様らの墓場だ!」

 

2人の幹部の号令と共に、更に複数の怪人が現れて海来達を取り囲む。

 

「これって…」

 

「やはり、罠でしたか…」

 

レナが抱いていた不安は的中であった。ショッカーは名古屋から東京までの各拠点の怪人達を東京の地に集中させ、進軍してきたレジスタンスを一網打尽にしようという作戦であった。

 

「撃て!!」

 

ショッカーがこの地を選んだ理由は、彼らが築いた防壁があるからであった。

防壁の上から怪人達や銃を構えた戦闘員達がレジスタンス一同を狙い、弾丸や光弾を放っていく。

 

「退け!皆退くんや!」

 

ショッカーからの攻勢に不利を悟った南野は仲間達に撤退の指示を出す。

 

「逃がすか!ゆけ!」

 

レジスタンス達を逃がすまいと、地獄大使の指示で新たな怪人が現れる。

壁の上から飛び降りたその怪人が、レジスタンスとディクリードの間の場所に着地する。

 

「あの怪人は…」

 

「パーフェクトホッパー、ショッカーの最高傑作だ…」

 

死神博士によってその名を明かされた怪人は、腹筋と胸筋を模した銀色のアーマーに黒いグローブを装備している。頭部は複眼とバッタの触角が生えたヘルメットに覆われており、その名の通りバッタの怪人であることがわかる。

 

「そいつは俺がやる!皆は逃げろ!」

 

新たな怪人の存在に、ディクリードはガルルセイバーでシオマネキングを切り捨ててから、その怪人の対処に向かう。

 

「けど、海来さん!その数じゃ…」

 

「大丈夫だ。俺が殿を務めるから早く逃げろ!」

 

レジスタンスの仲間達を襲おうとするパーフェクトホッパーに向けてガルルセイバーを振るい、切ろうとするが。

 

「おいおい、結構なパワーだな…」

 

振るわれる刃をパーフェクトホッパーが手で受け止め、押し返そうとしてくる。

 

「レナ!お前達は早く逃げろ!体制立て直さねえとヤバいだろ!」

 

「けど、海来さんは…」

 

「問題ねえ!」

 

仲間たちの安全のために早く逃げるように言う海来は、敵の腹部に膝蹴りを打ち込んで少し距離を置く。

 

「俺は強いから大丈夫だ!早く!」

 

「わ、わかりました…」

 

「すまんな…皆退くぞ!」

 

レジスタンスの兵達は敵からの銃撃や攻勢から逃れるために撤退を開始する。

レナはその場に残って殿を務める海来の方を見てから、仲間達と共にその場から離れていく。

 

「アビアビアビアビ!」

 

「アリアリアリアリ!」

 

逃げていくレジスタンスにシオマネキングとアリマンモスが襲い掛かろうとするが…

 

『カメンライド!ビルド!』

 

ディクリードが仮面ライダービルドのカードを読み込ませると、赤いウサギのメカと青い戦車のメカを召喚。召喚されたメカ達、ビルド・ラビット&タンクは背後から2体の怪人を攻撃。

シオマネキングにウサギ型メカのビルド・ラビットが飛びつき、アリマンモスを戦車型メカのビルド・タンクの砲台から放たれるエネルギー弾が撃ち抜く。

 

「まずはテメエからだ!」

 

『カメンライド!ダブル!』

 

そしてディクリードは目の前の怪人、パーフェクトホッパーを倒すべくダブルのカメンライドを発動する。

 

『サイクロン!』

 

召喚されたプリズムビッカー型のシールド、ダブル・メモリシールドにサイクロンのガイアメモリを装填すると、緑色の竜巻状のエネルギーがパーフェクトホッパーに放たれる。

 

「…」

 

だが、パーフェクトホッパーが右手を翳して紫色のエネルギーを出すとその竜巻が打ち消されてしまう。

 

「じゃあ今度はこれでどうだ!」

 

『ヒート!』

 

今度はダブル・メモリシールドにヒートガイアメモリを挿入し、火の玉を生成するとそれをパーフェクトホッパーに向けて撃ち出す。

 

「…」

 

だがその火の玉も、敵の掌から放たれる紫色のエネルギーによって打ち消される。

 

「パーフェクトホッパーには闇のエネルギー、ダーズレイを生成するダークレイズエンジンが搭載されている!闇のエネルギーはパーフェクトホッパー自身に多大な恩恵を授けるのだ!」

 

死神博士が声を上げるのと共に、パーフェクトホッパーは闇のエネルギー、ダーズレイを全身に纏わせてディクリードに向けて駆けていく。

 

(速いッ!)

 

そのエネルギーは敵怪人の身体能力を向上させ、ディクリードに向かっていくそのスピードは海来が目で捉え切れない程であった。眼前に迫った怪人の拳をモロに腹部に受けてしまい、身体を後ろに退けてしまう。

 

「いてえな…この野郎!」

 

腹部に受けた一撃は重かったが、ディクリードはパーフェクトホッパーの脚部目掛けて屈んだ姿勢からタックルを仕掛ける。

 

(このままテイクダウンだ!)

 

相手に組み付き、片足を持ち上げて敵のバランスを崩して倒してしまおうとするディクリードだが、その敵の身体は巨木の様にピクリとも動かなかった。自身の背部に向けてダーズレイを放出して、身体が押し倒されるのを防いでいた。

 

「…ッ!?」

 

その状態からディクリードの方に向けてダーズレイを放出すると、ディクリードの身体は吹き飛ばされて地面を転がる。

 

「コイツ、強い…!」

 

『カメンライド!ブレイド!』

 

体制を立て直したディクリードがブレイド・ブレイラウザーを構えて、パーフェクトホッパーに切りかかる。

 

「なっ…!?」

 

だが、パーフェクトホッパーが生成したダーズレイのエネルギー弾が次々とディクリードの身体を撃ち抜く。そのダメージに、地面に膝を付いてしまう。

 

「流石、パーフェクトホッパーだ。」

 

「俺はまだ…負けてねえ!」

 

ブレイド・ブレイラウザーを地面に突きたてて杖代わりにして立ち上がる。だが、ディクリードを今度はダーズレイで生成された黒の光弾が襲い、彼の身体や地面に落ちたその弾は爆発していき、ディクリードの身が爆炎に包まれる。

 

「クッソ…」

 

地面に倒れ伏すディクリードの身体を死神博士が踏みつける。

 

「先代に続いてこの代のディクリードも倒してしまうとは…流石パーフェクトホッパーだ。」

 

「先代?どういうことだ!」

 

「教えてやろう。このパーフェクトホッパーは数年前、この世界にやってきた先代のディクリードを殺している!」

 

死神博士の口から語られた事実。それは海来の前のディクリードもパーフェクトホッパーによって葬られてしまっていたという事実であった。

 

「前の奴もテメエらにやられたってことかよ…」

 

「ああ、だが我々の前からこのディクリードライバーが消え、そして貴様の手に渡っていた。何故か分かるか…?何故貴様が新たなディクリードになったのか…」

 

「さあな、知らねえよ…」

 

嘗てのディクリードと海来の関係性を問いかけつつ、彼のマスクを覗き込む死神博士。

 

「既に調べはついてある!千草海来、君が先代ディクリードの弟子だってことがな…」

 

「俺が弟子…?何言ってる?俺の師匠は先生だけだ!」

 

海来は自分が先代ディクリードと思われる人物に弟子入りしたことなんてないと主張する。不良だった自分を拾い、格闘技を教えてくれた山本恭二という男だけが自身の師匠である。

 

「その先生だよ。先代ディクリード、山本恭二…そして今のディクリード、千草海来…まさか師弟関係だったなんてな。大阪を墜とされた後に調べておいて正解だったよ。さあ、師匠と同じ道を歩むと良い…」

 

死神博士の後ろでパーフェクトホッパーがダーズレイを使って槍を生成し、ディクリードを突こうとする。

 

「お前らが…先生を…!」

 

『カメンライド!クウガ!』

 

死神博士の隙を突く様にディクリードがベルトにクウガのカードを読み込ませると、クウガ・ゴウラムライドが召喚され、背後からパーフェクトホッパーに激突。

 

「テメエらをぶっ殺してやる!」

 

(そこまでだ。海来…!)

 

(こ、この声は!)

 

更なるカードを引いて、攻撃を続けようとするディクリードを謎の声が止める。

 

(今は逃げろ!ここでまだ死ぬべきじゃない!)

 

『カメンライド!電王!』

 

その声に従う様に、ディクリードは電王のカードによって電王・デンライナーを呼び出して乗り込むとその場から咄嗟に逃げる。ショッカーが追撃を仕掛けようとするが、ディクリードが召喚していたクウガ・ゴウラムとビルド・ラビット&タンクがそれを阻む。

 

「や、ヤバかったぜ…」

 

一方、電王・デンライナー内の客車に座り込む海来は、戦いによるダメージで立つこともままならない状況で身を横にしていた。所々から血が流れており、それを止血することもなくただディクリードライバーを見つめていた。

 

「先生…」

 

海来の中で幾つもの感情が交じり合う。先代ディクリードが自身の師であったことへの驚き、師匠が死んでいたという事実への悲しみ、そして師匠を殺したショッカーへの怒り。これらの感情が複雑に混ざっていき、海来は涙を流すことしかできなかった。

 

「けどなんで、先生の声が…」

 

ただ、その中でも海来の中で疑問に感じるものがあった。

それは先程の戦いの中で自身に逃げる様に促した声のことだった。

海来はその声に聞き覚えがあった。かつての彼の師である山本恭二の声と全く同じものであった。

 

「ああークソ、分かんねえな…」

 

だが、今の海来にそのことを考える暇もなかった。

ただただ無気力に体を横にし、眠りに着くのであった。




全話投稿後に設定集を作る予定です。
各カメンライドの詳細もそちらに載せる予定です。
最終話は年明けの予定です。
では皆さんよいお年を!
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