「ここは…」
身体中に包帯を巻いた海来がゆっくりとベッドの上でその身を起こす。
「ようやく目を覚ましましたね。海来さん。」
「レナ…ここは?」
「横浜の仮拠点です。」
目を覚ました海来は、横に座っているレナからここが横浜にあるレジスタンスの仮拠点であることを告げられる。
「あの後、ボロボロの海来さんが戻ってきてそこから3日間眠っていました。」
「そうか…あんま覚えてねえけど…」
レナの言葉を聞く海来の様子は、心此処に在らずと言った様子だ。
パーフェクトホッパーに敗北してしまった事、そして自身の師匠が殺されてしまっていたことへのショックが大きかった。
「クソッ…!アイツら…!」
「まだ寝ててください!傷が広がります…」
海来の中の闘志はまだ消えていなかった。だがその闘志を燃やし続けている要因はショッカーに対しての憎しみの感情であった。師匠を殺されたことへの怒りと憎しみで身体を起こして、再び敵の下に向かおうとするが、レナが彼のことを止める。
「いてて…クソッ!俺がアイツらを倒さねえといけないんだ!」
「分かっています。ショッカーへの反撃は続けます。今は南野さん達と一緒にショッカーの怪人や防御壁の対策を練っています。だから、作戦が組めるまで海来さんは回復してください。」
まだまだ闘志が消えていないのはレジスタンスの者達も同じであった。
再び東京に攻め入り、次こそはショッカーの本拠地を墜とすために準備を進めていた。
自分達の侵攻ペースの速さから油断を生んでしまっていたが、次は堅実に攻めるつもりだ。
「そうか…」
レナから伝えられた南野らが準備を進めているという言葉に、冷静さを取り戻した海来はレナの言葉に従う様にベッドに体を倒して寝転ばせる。
「そういえば分かったぜ。俺がディクリードになった真実が…」
「ディクリードになった真実…?」
「ああ、先代ディクリードの正体は俺の格闘技の先生だったんだ。ただ、ショッカーとの戦いで負けて死んじまって…その後にディクリードライバーが俺を導き出した。」
「つまり海来さんは、先代ディクリードの弟子…?」
「まあ、そう言うことだ。」
ショッカーとの戦いの中で知った真実をレナに話す。
「けど、分かんねえんだ。俺が戦いの中で敵にやられそうになった時、先生の声がしたんだ。」
「先生の声が?」
「ああ、それで俺に逃げるように促した。まるで生き延びろって言ってるみたいな感じで…なんでだろうな…?」
数日前の戦いで起きたとある出来事を、海来はずっと不思議に感じていた。
その疑問をレナに投げかけてみる海来。
「亡くなった人の声が聞こえる…理由は分からないですけど、誰かが海来さんを生かそうとしてその思いが伝わったのかもしれませんね…」
「俺を生かせたい…」
「ええ、その声が海来さんを生き永らえさせたのですから。」
レナの言葉を聞きながら、海来は自身の拳をじっと見つめる。
「もしかしたらその先生の残留思念とかかも知れないですね。」
「先生のか…」
「けど、他にも要因はあるかもしれませんね。あなたが生きてて嬉しいって人が多いので、その想いが伝わったのかもしれないですね…」
レナの言葉に、パッと目を見開いたまま海来がレナの方を見る。
「そうなのか?俺にそんな…」
海来が生きてて嬉しい。そんな言葉を投げかけられるのは彼にとって久しいことだった。
「私達にとって海来さんは必要な人なんです。それは戦力としてだけではありません。一緒に暮らしてて、子供達と遊んでくれて、私達からすれば家族みたいに大事な人なんです。」
「そうやって言われんのも久しぶりだな…」
海来が生きてきた格闘技の世界は厳しい世界だ。あるスター選手がいたが、1度の負けでその選手に多くの批判が集まった。チャンピオンを何人も倒してきたと言うのに、一部の者達は彼を弱いと罵った。一度の負けで評価がガラリと変わってしまう。
「レナが俺の過去、どんだけ知ってるか知らねえけど、俺がプロ格闘家だった時に大きな失敗をしちまったんだ。」
「格闘家の時の失敗ですか?」
「ああ、とある試合で俺は納得いかない判定を受けたんだ。そん時にブチ切れて審判を殴り飛ばしたんだ。それでプロの業界から追放を喰らっちまった。その時俺はジムからも追い出されて、何とか知り合いの三雲さんに拾ってもらって格闘技を続けることはできたけど、プロの世界には戻れなくなっちまった。」
プロデビュー3年目で海来が起こした暴力沙汰は、彼のプロキャリアを完全に終わらせてしまっていた。
地下格闘技の試合に出続けることでしか彼は闘争本能をぶつけることができなかった。
「だからこうやって、色んな人から求められて応援されんのが嬉しかった…生きてて嬉しいって言われんのが…嬉しいんだ…!」
レナが口にした"あなたが生きてて嬉しいって人が多い"という言葉は、愛に飢えていた海来の心に響いていた。目から落ちる温かい液体が地面に落ちる。孤児院で暮らし、喧嘩の道を歩み、ようやく手にした格闘技人生も台無しにしてしまった自分でも、まだ戦うことができる。
「さっきまで、復讐のためにショッカーぶっ潰してやるって思ってた…けどそれは止める。俺は、レナ達の…皆のために戦う!」
「はい!南野さん達も待ってます。少し顔を出しに行きましょう。」
「ああ、そうだな!」
海来の言葉にレナも大きく頷く。そしてこれからの戦いのために、海来達は南野らのもとへ向かうのであった。
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「南野さん、今戻りました。」
「おお、戻ってきたか。」
俺がレナと共に南野さんがいる部屋に行くと、そこには南野さんともう1人、スキンヘッドの大男がいた。
「何とか回復したみたいやな。」
「まだちょっと、痛みますけどね。ところでその人は?」
「おお!紹介するわ!コイツがレジスタンスで俺に並ぶ名将の西成や!」
「西成旭です。」
南野さんと一緒にいるのはレジスタンスの西成って人らしい。
南野さんと同じく、言葉はどこか大阪訛りを感じる。
「うっす、俺は千草海来です!よろしくお願いします。」
「よろしく頼むで。」
俺は西成さんと握手を交わす。そういえば西成さんは俺らが大阪を墜とした後、名古屋とか東海道を抑えたって聞く。ショッカーの作戦だったとは言え、あの範囲を一気に抑えたのは凄いな。
「で、この西成さんがいるってことは…」
「ああ、もうショッカーと戦う戦術は練り始めてるってことや。」
俺が寝てる間にも、既に南野さん達レジスタンスは動き出そうとしているみたいだ。
皆のショッカーを倒したいって気持ちはまだまだ消えていない。
「俺もまた戦うぜ。アンタらのために…」
「おう!頼もしいな!またよろしく頼むで!」
「任せろ!」
そうして俺は南野さんとまた握手を交わす。
「じゃあ今度改めて軍議をする。海来は来る戦いに向けて体を回復させてくれ。その間に策は用意しとくわ!」
「よろしく頼んだで。」
「ああ、また来るぜ。」
まずはこの前の戦いのダメージを体から抜かねえとな。
ダメージが残ったまま次の戦いに行っても満足に戦えないだけだ。
一旦寝室に戻って寝るとするか。と言うことでいったん俺は部屋を出て、さっきの部屋に戻る。
「けど俺、この世界に来てよかったぜ。」
「それは…どういうことですか?」
その部屋までの帰り道、俺はレナに言葉をかける。
「ここでは皆が俺の戦いを求めてくれる。こうやって必要とされて戦えて俺は嬉しいぜ。」
皆が俺のことを頼ってくれるのは、俺からしても嬉しいことだ。
そういう人たちと暮らすことができて嬉しいし、この世界も好きになった。
「そう言ってもらえて嬉しいです。」
「俺も嬉しいぜ。一緒に戦えて…だからこそ皆で勝ちを味わいたいな。」
だからこそ、次こそはショッカーに勝つ。そして皆を笑顔にしたい。
「じゃあ、俺も休みながら色々考えるか…」
問題はあのパーフェクトホッパーとかいう怪人だ。
よく分かんねえエネルギー出して攻撃や防御に使ってくる。
あれを攻略しないとショッカーに勝つことはできない。
どうやって倒すかだな…今できることは、持ってるライダーカードの力を再確認することだな。
「先生…」
後は先生に教わったことをまた思い出して、特訓していくだけだ。
俺は絶対に勝つ!そのために準備をしていこう。
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レジすランスが再びショッカーに侵攻するのに、1カ月もかからなかった。
2万人を超えるレジスタンスのメンバーが全国から集まり、東京に向けて進軍していた。
中にはショッカーから奪った戦車や戦闘機に乗っている者もおり、全員がショッカーの本拠地を叩き潰す気である。
「南野さん、アンタのお陰で俺もさらに全力で戦えそうだ。」
「いやいや、俺だけやないて。西成もようけ人呼んでくれたし弥益と芦田も色々と準備してくれた。」
そのレジスタンスの大軍の先頭を歩くのは、海来と南野達だ。
南野の仲間である西成らが、この数の人員と装備をかき集めた。
仲間達の戦力が増強されたことで、海来もより安心して戦うことができる。
先の撤退戦のような展開を避けることができる。
「見えてきたな。敵が…」
再び海来達の視界に、旧山手線沿いに築かれたショッカーの城壁が入ってくる。
「海来さん…」
「ああ、絶対に勝つさ。」
『変身アプリを起動します。』
海来がレナの方を向き、ニコッと笑うとディクリードライバーを起動する。
腰に巻き付いたベルトにスマホ状のディクリードライバーを装填してカードを翳す。
「変身!」
『カメンライド!ディクリード!』
黒と金の騎士、仮面ライダーディクリードが再び東京の地に立つ。
「さてと、ショッカー…テメエらに稲妻落としてやるぜ!」
『カメンライド!電王!』
ディクリードへと変身を遂げた海来がショッカーの基地に向けて駆け出すとともに、カメンライドによって電王・デンライナーをこの場に呼び出す。電王・デンライナーは空中にレールを生成し、その上を走りながらショッカーの城壁に向かっていく。
「アリアリ!あんなもの!撃ち落としてやる!」
城壁の上から電王・デンライナーに向けて光弾を放とうとするアリマンモスであったが…
「アリー!?」
電王・デンライナーの1号車が展開し、現れた4問の大砲ゴウカノンから放たれる光弾に撃ち抜かれ、アリマンモスが構えていた城壁の一角ごと爆発し、コンクリートの破片と共に地面に落ちていく。
「イー!イー!」
「アビアビアビアビ!」
今度は地上からシオマネキング率いるショッカーの戦闘員達がディクリードとレジスタンスに襲い掛かる。
『カメンライド!龍騎!』
それに対してディクリードは龍騎のカードを使用する。仮面ライダー龍騎のホログラムが現れてディクリードの身体に入り込むとその右腕には龍騎・ドラグアームが装備される。
「焼き尽くしてやるぜ!」
龍騎・ドラグアームから放たれた炎が、シオマネキングと戦闘員達を包み込む。
「アビー!」
戦闘員達は焼き尽くされて一瞬で消し炭にされて、残ったシオマネキングも火だるまになって地面を転がる。
「もう一発喰らいやがれ!」
まだ意識があるシオマネキングを仕留めるべく、ディクリードが上から下に龍騎・ドラグアームを付けた右腕を振り下ろす。
「アビー!!」
自身が倒れているところに、更に拳が振り下ろされてしまう。
その右腕の籠手から炎が放たれると、シオマネキングの身体がさらに焼かれて内部の機械に引火し爆散する。
「アリアリアリアリ!マンモー!」
シオマネキングを仕留めたディクリードに、更に怪人達が集まっていく。
その先頭に立つのは壁から落とされたアリマンモスだ。
「ほな、俺らの出番や!」
ディクリードに向かってくる怪人達や戦闘員達の相手をするのは、レジスタンスの仲間達だ。
彼らはショッカーから奪った装甲車に乗り、車の装備を使った銃撃で敵を次々と仕留めていく。
『カメンライド!ゴースト!』
仮面ライダーゴーストのホログラムが現れ、ディクリードの中に入っていくとその左手首には眼の様なものが付いたリングが装備される。
『グレイトフル!』
左手首に装備されたゴースト・グレイトフルリングのスイッチを押すと、ディクリードらの勢力にさらなる頼もしい援軍が加わる。
宮本武蔵や織田信長と言った英雄たちのゴースト総勢15体が召喚されると、各ゴースト達が得物を手に戦闘員や怪人達と戦いを繰り広げていく。
「アリアリー!」
レジスタンス達に向かっていくアリマンモスを、エジソンゴーストとノブナガゴーストが各々の武器を銃形態にして撃ち抜いてその足を止めさせる。
「さて、俺も行くぜ!」
『カメンライド!響鬼!』
ディクリードの中に響鬼のホログラムが入り込むと、ディスクアニマルの1つであるアカネタカの翼がディクリードの背中から生える。
「トウッ!」
ディクリードが飛び上がって飛翔すると、敵軍の上部に布陣するように飛んで羽を広げる。
「喰らえ音撃!」
そして下にいる敵に向けて音波を放ち、戦闘員の軍勢を次々と倒していく。
「…!」
だが、突如黒いエネルギーの様なものが響鬼・アカネタカウィングを撃ち抜く。
「来やがったか…」
飛行能力が低下してしまった翼を使い、上空から落下しないように着地する。
「パーフェクトホッパー!」
ディクリードに向けて歩を進める銀色の装甲を纏う怪人。
前回の戦いで海来を破り、数年前には彼の師である山本恭二を葬り去ったパーフェクトホッパーが再びディクリードの前に立つ。
「おっしゃあ!リベンジマッチだ!」
ディクリードは目の前の敵と戦う意思を示すようにファイティングポーズをとる。
「よっしゃこいや!」
ディクリードが両手を広げてパーフェクトホッパーを挑発すると、怪人は自身の中で闇のエネルギー、ダーズレイを生成してその身に纏わせる。身体能力を上昇させたパーフェクトホッパーが地面を蹴って走ると、一瞬にしてディクリードの眼前に迫る。
「おっと…」
その状態からパーフェクトホッパーがディクリードの顔面部に向けて放つ右ストレートパンチを回避すると、追撃でパーフェクトホッパーが放つ左フックも回避。
「おらッ!」
パーフェクトホッパーから仕掛けた打ち合いに応じるようにディクリードも龍騎・ドラグアームを纏わせた右の拳を敵に向けて突き出す。
「流石に避けられるか…」
その攻撃が回避され、ディクリードと相手の間で距離が開くが、再度パーフェクトホッパーの方から足を踏み込んでいってディクリードに向けて拳を放っていく。
「そこだ!」
パーフェクトホッパーにパンチを撃たせたのは、海来の作戦だった。
パンチを避けつつ、拳を放った体制の敵の腹部目掛けて膝蹴りを放つ。
「効いたな!」
完全にパンチをすることに集中しており、パーフェクトホッパーの腹部に隙ができていた。
そこを上手く狙って放たれた膝蹴りは、敵の銀色に輝く腹筋部の装甲を抉り取ってしまう。
『カメンライド!ファイズ!』
さらにディクリードライバーにファイズのカードを読み込ませると、そこから仮面ライダーファイズのホログラムが現れる。そしてそのホログラムは1体のロボット、ファイズ・オートバジンに姿を変える。ファイズ自身が乗るバイクオートバジンのバトルモードと同じ形をしたロボットは盾の形をした武器のバスターホイールのガトリング部分から連射される弾丸がパーフェクトホッパーを襲う。
「良いぜ!オートバジン!」
オートバジンが連射した弾丸はダーズレイによって防がれるが、その内数発をパーフェクトホッパーは被弾してしまっていた。
『カメンライド!エグゼイド!』
だがその間に、ディクリードはゲーマガシャット型のアイテムを手に持ち、そのスイッチを押す。
『マイティアクションX!』
エグゼイド・ゲーマガシャットを起動すると、ディクリードらの周囲にチョコでできたブロックの様なものが浮かび上がってくる。
「バンバンいくぜ!」
『高速化!』
浮かび上がるブロックの内1つをディクリードが破壊すると、黄色のメダルの様なものが出てきてディクリードの体の中に入る。すると彼自身のスピードが上昇して高速で移動。捉えることのできな速さでパーフェクトホッパーの背後に回ると、その背中を蹴り倒す。
『鋼鉄化!』
振り返ってディクリードに向けてパーフェクトホッパーはダーズレイを弾にして射出するが、ディクリードは灰色のメダルを体に取り込み、身体を鋼鉄のように硬くして攻撃を防ぐ。
「これやるよ!」
続いて飛び上がったディクリードは近くのブロックを破壊し、そこで得た紫色のメダルを敵に向けて投げつける。
『混乱!』
そのエナジーアイテムを体に取り込んでしまったパーフェクトホッパーは、混乱してしまって動けなくなる。攻撃をすればいいのか歩けばいいのかもわからないほどに混乱した敵を海来は容赦なく狙う。
『マッスル化!マッスル化!マッスル化!』
周囲のブロックをいくつか破壊し、赤色のメダルを3枚集めてその身に取り込むと、ディクリードの身体の筋肉が隆起していく。
「おおー!パワー!!」
筋力を強化し、その状態で敵に肉薄したディクリードがその腕を振るい棒立ちのパーフェクトホッパーを殴り飛ばす。
「しっかりと作戦を練って正解だったぜ。」
このリベンジの機会に向けて、海来は仮面ライダーの能力を改めて勉強していた。
対策を練るのにレナの知恵も借りて、しっかりと準備をしてきていた。
「さあ、止めと行こうじゃねえか!」
ダーズレイを巧みに操るパーフェクトホッパーに対し、ディクリードはエグゼイドのエナジーアイテムの力と自らの格闘技の技術で完封してみせた。そしてトドメを刺すべくカードを読み込ませようとするが…
「そこまでだ!仮面ライダー!」
どこからか放たれた赤い鞭がカードを弾き飛ばす。
「テメエらは…」
「パーフェクトホッパーをここまで追い詰めるとは中々やりおるな…」
その鞭の使い手である地獄大使と、死神博士がパーフェクトホッパーの両隣に立つ。
「パーフェクトホッパーが完璧かつ最高傑作たる所以…見せてやろう。」
死神博士の言葉と共に、彼の眼と地獄大使の眼が赤く光り、闇のオーラに彼らの身体が包まれる。
「私の知能と!」
「俺の戦闘力!」
「「そしてパーフェクトホッパーの身体が組み合わさり最強の怪人が誕生する!」」
地面から起き上がったパーフェクトホッパーの身体から放たれるダーズレイが地獄大使と死神博士を包み込む。そして3人の闇は1つとなり、1体の怪人となる。下半身はパーフェクトホッパーのものであるが、右胸部と右腕は水色のガラガラヘビに絡まれており、左腕と左胸部は白いイカの触手に絡まれている。
頭部の仮面は本来のパーフェクトホッパーの物に、水色と白色のラインが入っている。
「これが真のパーフェクトホッパーの姿だ!」
死神博士と地獄大使がパーフェクトホッパーと合体したことで、パーフェクトホッパーは完全体と言える姿となった。
「良いじゃねえか。でっかい相手が3人かと思いきや1人になって、倒しやすいじゃねえか!戦いの手間が省けるぜ!」
パーフェクトホッパー、地獄大使、死神博士を同時に倒せると、ディクリードは意気込みながら3つのカードを取り出す。
『カメンライド!カブト!』
『カメンライド!キバ!』
『カメンライド!オーズ!』
そのカード全てをディクリードライバーに読み込ませると、3人のライダーのホログラムを体に吸収する。
下半身は赤いカブトのアーマーに、上半身はキバドガバキフォームと同様のアーマーに包まれ、その背中からは赤い鷹の翼が展開される。
「さあて、今からテメエらに稲妻落としてやるぜ!」
「倒されるのはお前だ!ディクリード!」
パーフェクトホッパー完全体がディクリードに蛇の尾とイカの触手を伸ばし、その先端部でディクリードの身体を突き刺そうとする。
「クロックアップ!」
ディクリードの腰に装着されたスイッチを押すと、タキオン粒子がディクリードの身体を駆け巡り、その身体は超加速。
「止まって見えるぜ!」
超加速した海来の視界には、自身に向かってくる触手などは全てゆっくりと動いてるように見える。
完全に動きを捉えられてしまった触手を、ディクリードはガルルセイバーで次々と切り落としていく。
そして敵の眼前まで迫ると、前蹴りを繰り出して敵の身体を地面に倒す。
「いつの間に!?」
一瞬にしてディクリードの触手を切られ、蹴り飛ばされたことにパーフェクトホッパーは動揺する。
「さて、次は上からだ!」
その間にディクリードはタカの翼で上空に飛び立ち、上からバッシャーマグナムで泡の弾丸を敵に向けて放っていく。
「流石に防がれるか…」
パーフェクトホッパーは上からの攻撃に対して、ダーズレイを固めて盾を作るとバッシャーマグナムから放たれる弾丸を防ぐ。
「さて、これでいくか。」
『カメンライド!クウガ!』
空中でディクリードがクウガのカードを使うと、クウガ・ゴウラムライドが召喚されて空中からパーフェクトホッパーに向けて降下していく。
「オートバジンも頼むぜ!」
パーフェクトホッパーの正面からゴウラムが突進し、背後からオートバジンがガトリングで弾丸を連射していく。パーフェクトホッパーはダーズレイをドーム状に展開して、自身の身を守る。
「さてと、その状態であと何個の攻撃受けれるんだ?」
『カメンライド!ビルド!』
そこから追撃と言わんばかりに、ビルドのカードを使ってビルド・ラビット&タンクを召喚。
右側からウサギ型のロボットがシールドを蹴り、左側から戦車型のロボットが砲撃を加えていく。
「んじゃあ、潰してやるぜ!」
そして空中からディクリードが降下しながら、ドッガハンマーを振り下ろすと、様々な方向から攻撃を加えられていたダーズレイ製のシールドが限界を迎え、破られる。ドッガハンマーがパーフェクトホッパーの頭部を殴打し、クウガ・ゴウラムライドの突進、ファイズ・オートバジンの弾丸、ビルド・ラビットの蹴りと、ビルド・タンクの砲弾が一気に敵に突き刺さる。
「何故だ…!完全体になったのに何故!?」
「教えてやるよ…レジスタンスの奴らや人々の思い、レナのサポート、そして先生の教えがこの俺を完璧を超える最強にしてくれてるからだ!!」
ディクリードの言葉と共に、召喚されたゴウラムらが次々とパーフェクトホッパーを襲う。
連続で攻撃してくる彼らに、パーフェクトホッパーはダーズレイを使って対処していく。
「隙だらけだ!」
『クロックアップ!』
各方向にエネルギーを放出していく敵に対し、海来は攻略の一手を見つけた。
様々な方向から来る攻撃に対処するために散発的にエネルギーを出していく敵に、ディクリードはクロックアップを発動して敵に向けて近付く。
「そこだ!」
腹部に再度膝蹴りを打ち込み、怯ませる。
「さあ、ここで仕留めてやる!」
『ファイナルアタックライド!ディ・ディ・ディ・ディクリード!』
そして弱った相手に止めを刺すべく、ディクリードが必殺のカードをベルトに読み込ませ、ライダーキックを放つ。
「させるか!」
パーフェクトホッパーはダークレイズエンジンをフル稼働させ、全身に闇のエネルギーダーズレイを纏わせ、両掌から一気に解き放って蹴りを放つディクリードの進撃を防ぐ。
「俺だって、こんなところで負けてらんねえよ!俺がここで稲妻落としてやるぜ!」
海来の言葉と共に、カードホルダーから20枚のカードが飛び出してきて、ディクリードライバーに取り込まれていく。
『ファイナルアタックライド!オールライダーズ!』
そのカードは、クウガからジオウまでの20人のライダー達のファイナルアタックライドカードであった。
それらを全て読み込むと、ディクリードの身体は黄金の光に包まれて、彼の周囲にクウガやアギトを始めとする20人のライダー達が召喚されて一斉に足を突き出してライダーキックの姿勢に移っていく。
「はああああああ!!」
ディクリードと20人の仮面ライダーがパーフェクトホッパーに向かって突き進み、自らの進撃を阻むダーズレイを押し込んでいく。
「ノックアウトだ!」
20人のライダー達とディクリードが重なり1つになると、パーフェクトホッパーのダーズレイを全て吹き飛ばし、敵の胸部に自身のライダーキックを炸裂させる。
「こんなところで…!負けるとは…!ショッカー!万歳!」
ライダーキックを受けて吹き飛ばされたパーフェクトホッパーは両腕を上げてから地面に倒れ伏し、爆散する。
「よし、勝ったぜ!」
パーフェクトホッパーを仕留めたディクリードが右腕を高く掲げる。
「よっしゃあ!このままの勢いでいけ!」
それと時を同じくして、ショッカーの城壁も破壊されてその中にレジスタンスとディクリードが召喚した英雄ゴーストらが雪崩れ込んでいいっていた。幹部怪人と最大戦力、そして城壁を失ったショッカーの本拠地が陥落するのにあまり時はかからなかった。
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「また、戦いに行くんですか?」
「まあな…」
あの日の戦いから数カ月。
この世界を支配していたショッカーは完全に排除された。本部を失ってから完全に勢いを失ったショッカーは世界中の犯行勢力によって駆逐されてしまった。戦いが終わり、人々は安らかなひと時を過ごしたり復興に向けての準備を進めていたが、海来は違った。
「私達の世界のために戦ったのに、また他の世界に行くなんて…」
ショッカーが滅亡して数日後、海来は突然他の世界にも言って戦うと言い出し、旅立とうとしていた。
「ゆっくりするのも良いけど、俺は戦うのが好きだからな。それに先生が色んな世界で戦ってたのなら、その跡を継いで何を目指してたかとかも知りてえし。」
また新たな戦いに向かう意思を既に固めていた海来は、ディクリードライバーを操作して世界を移動するための灰色のオーロラカーテンを作り出す。
「また会おうぜ。俺のここでの使命は終わった。」
「ちょっと待ってください!」
そのカーテンを潜って他の世界に移動しようとする海来の腕を、レナが掴む。
「なんだ?俺を止めるのか?」
「そうではないです。ただ、もっと海来さんの戦いが見たくて…」
「へえ、俺と一緒に旅に行きたいってことか。」
「はい、もっと見たいんです。海来さんの活躍を」
レジスタンスとショッカーの戦いの中でレナは海来に魅せられていた。
また彼の戦いや、活躍を傍で見たい。そう考えて旅に一緒に行きたいと告げたのだ。
「良いぜ。こういうのは仲間が多い方が楽しいからな。よっしゃ!来やがれ!」
「ありがとうございます。」
ショッカーとレジスタンスの戦いが終わり、これからは海来とレナによる世界を駆け巡る戦いの旅が始まるのであった。
「おーい!ちょっと待ってくれー!」
2人が旅立とうとしたところを、走りながらやってきた南野が呼び止める。
「どうしたんすか?南野さん?」
「旅立つ前に海来に渡しておきたいモンがあってな…」
既に海来が他の世界に行くことを知っており、送り出す覚悟も出来ていた南野であったが、その前にどうしても伝えなければいけないことがある様子だ。
「これや。」
南野が自身の後方に指をさすと、そこには芦田と弥益がおり、彼らの間にはディクリードと同じく黒と金のボディを持つバイクがあった。
「先代ディクリードが使ってたバイクが見つかったんや。その名もマシンディクリーダー!旅するなら必要やろ!」
「ありがとな!南野さん!」
そのバイクは、嘗て海来の師匠である山本恭二が使っていたものであった。師の愛車であり、ディクリード専用のバイクであるマシンディクリーダーを海来が嬉しそうに笑みを浮かべながら受け取る。
「レナも旅に行くなら準備せなアカンやろ。もう少しゆっくりしていき。」
「そうだな。俺もコイツを乗りこなす練習しねえとな。」
受け取ったマシンディクリーダーに跨り、グリップを握りながら海来がレナの方を見ると、彼女も静かに頷く。
彼らが世界に旅立つのに、あと数日はかかる様だ…
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「で?コイツらなんか倒れてんだけど大丈夫か?ボロボロだし。」
「連れてくるタイミング、間違えたんじゃないですか…?」
ディクリードの力によって呼び出される電王・デンライナーの客車にて、海来とレナは椅子の上で身体を横にする男と女をじっと見つめていた。
「俺は確かに1番強い状態で連れて来たぜ!」
「1番強い形態に変身はできるみたいですけど、満身創痍な状態じゃないですか!」
2人は何やら口論になっている様だ。その原因は恐らく彼らの前で眠っている男女である。
「助っ人にするにしても、今の状態では戦えるようには思えないですね。」
「仕方ねえ、こいつら送り届けてやり直すか。」
To be continued…
皆様ディクリード全4話読んでいただきありがとうございます。
これにて物語は一旦完結ですが、また気が向いたら続編を作るかもしれません。
さて、その前にまずは志村琴音さんの仮面ライダーアクトと仮面ライダーブートレグとのコラボも行います。
皆様お楽しみに~