「誰だお前は!」
「稲妻と自分の運の無さに咽び泣く男、スパイダーマッ!」デーデデーデデデ
いったい何がいけなかったんでしょうかね~(白目)
今の俺の格好は簡単、頭だけス○イダーマンだ。雷電将軍が突っ込んできたもんだから何とか間に入ったのだ。ただこれからこの国で暮らすってのに正体をバラす訳にもいかず、自分の脳内CPUが弾き出した直感に従ったらこれだ。
だけど都合も良い。羞恥心に目を瞑ればこの状態は良条件だ。
ゲームの時も雷電将軍と戦っていたのかは知らない。ただ明らかに犠牲者が出る。万が一万葉が死んだら不味いのでね。今回はマジもマジ。しかも相手は神と同等クラスの性能を持った人形。普通にやってちゃ勝ち目が無いわ。
「何者です、貴方は」
「スパイダー○ン。ねこですよろしくお願いします。それよりもだ、何で人形がこっちに来てる」
「そこまで知っているとは……知る必要はありません!貴方にはここで消えてもらいます!」
「物騒だなあ!二号機!」
相対する雷神の紛い物。成る程、こりゃ凄いわ。二年前のヒルチャールの王者を思い浮かべてたが比べ物にもならない。
溢れる紫雷が天を切り裂き唸りを上げる。迫る破雷、武の境地に達した剣閃。漏れ出た雷でさえも相当な威力を持っている。
だけどこちらもフルスロットルだ。加減なんて必要ないな。高速化する思考と世界、その中で思い出す。自身の理想と戦い方を選択する。
虚空から引き抜くは鞘付きの刀。この世で50工しかない良業物の一つ。目の前の死をふりはらう為にそれを手に取った。
「裁きの雷!」
「ッ!!」
鞘から抜きながら振り下ろす刀。鈍く輝く鉄鋼を黒く染め上げ神の領域に対抗する。
「なっ!」
「嘘だろ……将軍の太刀を防いだぞ……」
自分の攻撃が防がれるなど思ってもいなかったのだろう。しかもこんな変な格好の奴に。だがそれは違う。見た目など戦いにおいては全て罠だ。超次元バトルを行うならそれは当然だ。
さてどうしたものか。俺の勝利条件は耐えることだ。旅人が雷電影に勝つまでの時間を稼げば良い。つまりこれは殺し合いでは無い。そうなると斬魂刀は封印だ。あれは殺意が高過ぎる。
しかし俺の力は殺しの為の物だ。元々加減がしにくい。だが相手は圧倒的な強者。なら丁度良い程度だろう。
しかしあの時のように一撃で終らせるのは難しい。明確な隙が存在しないのだ。相対して初めて分かるその完成度。針に糸を通した所で一分の可能性も見当たらない。動揺していても崩れないその様は俺の全てのスペックを引き上げる要因となった。
《身体能力を上げる魔法》《膂力を向上させる魔法》
「杖を使わないで安定するのはここまでか……」
「何をごちゃごちゃと──!」
轟音を纏い大気を切り裂きながら迫る一撃。空気抵抗バグってんじゃなえかなあと思いつつ自身も刀を振る。元素力無しで凄まじい物だ。しかし
「只の太刀じゃあ相手にならねえよ!」
再度弾く刀。雷を纏わないのならば実体の無い物を斬る必要もない。こちらの方が圧倒的に楽だろう。
凌ぎ、切り、弾き、避ける。纏う雷光が絶えず襲い、当たれば確かに塵と化すであろう猛攻。だがこれはあくまでも、そうあくまでも前哨戦。今の内に場を変えねば被害が出る。
「そこ!」
「くっ!」
細かな隙を突き相手を徐々に上へと誘導する。たどり着いたのは城の上。ここなら恐らく大丈夫だろう。
「………成る程、只の傾奇者では無いようですね。ならば見せましょう」
雰囲気が変わる。冷酷無比な目に熱が灯った。殺意という感情が刀に乗っていくのが分かる。俺は生き残れるだろうか。やるしかない。誰だって、あいつらだってそこから始まったんだろうから。
俺は斬るのだ。全てを斬り伏せ前へと進むのだ。いつまでも思い出せる。あの時自身を死へ追いやった一閃。
遅かった、何もかもが遅かった。あの日気づいた境地は手遅れに終わった。もう胴が切り離されてしまっていたから。
何度も試行錯誤した。何度も高みへ手を伸ばした。あの一撃がそれ程までに強く綺麗だったから。自分を殺した一撃、どうしても渇望した一撃、それをこいつに叩きつける。武の境地を決めつけた三流を捩じ伏せるのだ。
自身を黒く染め、それを刀までも浸透させる。お前の技でやっと気づいたんだ。気配を、威圧を鎧へと変える。最後の最後で掴んだ感覚。今更ながら使えるようになったんだ。
剣の道に終わりが無いとでも言うかのような、俺を魅せたあの一閃。どうか今だけは使わせて欲しい。
「何も切らないことも出来る……」
「彼女の無想の一太刀を」
やはり来る。人形が使えるかは半信半疑だった。だが来るというのらば、超えるだけだ。俺の理想はそこで終わるわけにはいかない。
思い出せ、あの一刀を。
「刀に意志が伝わる……」
「稲光、即ち」
周囲の大気が揺らぐ。バチバチと何かが弾ける音が立ち込めた。俺が知らぬ領域の一撃。だがそれでもまだ刀は鞘の中にある。
目の前に三刀流の男が見えた気がした。
「呼吸を知れ……」
「永遠なり!」
輝き迫る究極の一刀。周囲を焼き尽くさんと撒き散らす紫雷。次元すら切り裂き、全てを塵芥に帰さんとするその威容は正しく神の一撃。何かもかもを無視して突き進むその雷撃は、人間が弾き返すには些か不可能であるように見えた。
凄まじい一撃だ。もしかしたら、これを目指す道もあったのかもしれないと思う程に。だが今は違う。
人の思想を否定するのは好きじゃないが、それで苦しむのならそんなものは必要ねえ。刹那の為に永遠など切り捨てる。
「居合一刀流・黒刀」
何かもかもかなぐり捨てる覚悟で挑むこと。自分が死ぬと確信していたこと。幾星霜の努力でさえも届かない才能に、なお抗おうとしていたこと。その生への執着を、勝利への渇望を、それが叶わぬことを知っていた者の理想を俺は思い出した。背負った誓いは乗っている思いだけが本物だった。
本当に、遅すぎたのだろう。
「獅 子 歌 歌」
「くっ!」
一瞬拮抗する刀。聴こえる筈の音が聴こえない。まるで音を置き去りにしたような感覚。この技はそんなに柔じゃない。鉄を斬り、竜を落とす。神の一撃だとしても止まりはしない!
「なっ……!かはっ………」
押し切ったがまだ終わらない。これで勝てていたら神などなれてはいないだろう。拮抗の瞬間に大半の威力を持っていかれた。
「邪魔者の、粛清を……」
やはりか。ここからはあちら側も本気で来るはずだ。
「はあ、はあ、……………ちっ、一つギアをあげるか」
さあ、セカンドステージだ
◆◆◆
《一般防御魔法》《一般攻撃魔法》《地獄の業火を出す魔法》《破滅の雷を放つ魔法》
色とりどりの輝きが戦場を駆け抜け、その全てが紫雷に散っていく。紫色の海が稲妻の上で迸っていた。
必死で避けて、ギリギリで戦い続けた。さっきから雷電はバンバン無想の一太刀を放ってくる。全ての攻撃が即死級なのだ。怖くて仕方がない。もう魔法の杖まで出して防御しているんだ。これ以上はやれない。
しかしその死の気配が今止んだ。
やっとかよ。
目の前にはある程度消耗した人形、雷電将軍。神様ってのは皆顔が良いのだろうがそれにしてもこれは……と思わざるを得ない。おっ○い将軍とか言われるのも納得……いかんな。一人で想像する分には良いが目の前の相手に邪な目線を送るのは良くない。しかしこのはだけ具合はなあ。
「戦闘終了だろ。俺は帰らせてもらう」
「まだ、貴方は永遠の…」
不安げな、悔しげな表情で手を伸ばしこちらを睨む将軍。しかし捕まる訳にもいかない。処刑なんて勘弁だ。
「その永遠は尊重するさ。俺があんたらとぶつかることは二度と無い。さらばだ!」
何だか妙にエロいな。いやいやいや、考えちゃいけないな。そうだ、俺はバキバキ童貞だ。魔法少女飛んで賢者やねん。
疲れてんなあ俺。ここまでやったのはこの世界で初めてだしな。そりゃそうか。制限アリでこれなら良くやった方だが、しかし不安も残る終わりだ。久々に修行でもしようかと思ってしまった。
「待ち────」
俺はそのまま逃げるようにしてその場を後にした。
◆◆◆
あの後稲妻は変わった。何事もなく世界は進み、一旦旅人は稲妻を後にしたと聞く。
目狩り令は廃止された。反乱軍も色々と改善されたようで幕府との関係もある程度は良好。ここからが仕事だとここみんはブラック労働を続行、ついでに哲平も追加でサービス残業中だそうだ。まあこれらの大半は人伝て、もしくは風の噂なので真偽は知らない。
張赫の神の目も戻ってきて賊達の会社も稲妻からは撤退していった。彼らにはある程度の謝礼を包んで渡したが申し訳無さが残る結果となってしまった。張赫も廃人になる手前程度だったので本当に危なかった。
神の目ってのはその人の願いや理想その物だ。奪ったら廃人なっちまう。
やはり人を巻き込むのは最小限が良いと改めて思ったわ。だってそういう自己中心的なのは人に嫌われるからな。ゲームの主人公みたいに有象無象の性格で好かれるとか無いから。世界を救ってもこの世で一番嫌われることもあるからね。仕方ないね。
さて問題です!
Q.そんな俺は今何をしているでしょうか?
A.稲妻でサバイバル
正解!ふざっけんな!!(情緒不安定)
理由は鎖国令が解かれて無いから。目狩り令は解かれても鎖国令は伝説任務が終わらないと解かれない。つまり旅人が頑張らないとダメみたいですね(野獣の諦め)
俺普通に不法入国者やからね。どうしようもないでホンマ。璃月の頃からコツコツやっとったものも今の状態じゃ水の泡。鎖国令解かれるまでは住民的な手続きは行えんね。まあそんな訳で食料なんかの調達以外じゃ基本的に野宿でやってる。
一応そこら辺の猪とか鳥も狩ってるから町にはいるのは本当に最低限だ。こんな時何が恋しくなるかってやっぱり風呂だ。頑張れば風呂に入れないこともないけど、それは本当に頑張る必要がある。魔法もそこまで便利じゃないから風呂桶からの作成だ。今頑張ってるけどね、先が見えねえよあほしね。
そんなこんなで念願の安全なスローライフ(処刑されないとは言ってない)を送っております。お慈悲^~お慈悲^~
これ以上ここみんに迷惑をかける訳にもいかないから本当に大変。家は作れても風呂桶は作れねえよ。もういっそのこと岩から削り出してしまおうか。適応にコーティングすれば入れるやろ知らんけど。
まあそういうのももう少しの辛抱だ。俺は今から久しぶりに修行でもしようかな。
この前の雷電将軍との戦いで自分の至らなさを実感した。俺の力は極端だ。神相手ともなるとダメージが入らない攻撃、もしくは相手が死ぬ攻撃の二つしかない。
もう少し間が欲しい。ある程度ダメージが与えられて牽制としての役割を果たせるようなのが。この世界でプレイアブルキャラを殺したくは無いからな。出来れば気絶まで持ってけるようなのも欲しいところだ。
となると……個性か呪力、神の目は無理だな。元素の土俵で七神に叶う訳がねえ。その道のスペシャリストだ。
あー、もしくは念だな。発……とまでは言わないがそれ以外の四大行、それに連なる応用技が使いてえな。
呪力も同じだな。術式は要らねえから操れるようになりたい。個性は……まあ無理だろうな。糸口が全く見えねえ。あれの原理とかさっぱりだしな。
念は一応使えるんだ。ただ精度がついてこない。どこの転生先でも念だけはこの状態。基本的に力ってのは使える転生先と使えない転生先、頑張れば使えるようになる転生先と様々だ。運次第なところが大きいが、念だけはずっと変わらない。もしこの精度が上げられれば継ぎの転生先も楽になる。是非頑張りたい。
呪力は単純に便利なんだよな。ある程度感覚的に扱いやすいし念以上に便利だ。反転は無理だが単純な身体強化だけでもありがたい。あれならダメージも通るだろうしな。呪いってのは性質上異質だから他の世界じゃ通用しやすい。本当に呪力は便利。まあ呪力が見えねえ時点でお察しではあるが。
とりま念だな。絶の完全習得からいくか。
「おいお前、こんなところで何してんだ?」
「あ?」
瞑想をしようと目を閉じたところに何故か声を掛けられた。ここ人里離れたら森何ですけどねえ。何であんたいんの?
「ん?何だ!?喧嘩か?」
「あー、すまんね。いきなり話しかけられたもんだから驚いたんだ」
「何だよ!そういうことか」
頭から生える二本の角。情報通りのデカイ声にデカイ図体。派手派な格好に猛々しい風貌。話しかけて来たのは荒瀧派初代親分、荒瀧一斗その人だった。
名前 田中 ■■
誕生日 複数
神の目 無し
所属 無し
命の星座 ………掠れて見えないようだ
キャラクターストーリー1
目の前には三刀流の男がいた。両手に一本づつ、口に一本を加えたヘンテコな剣士。しかしその放つ威圧は圧倒的。刀を黒く染め上げ迫ってくる剣士にファロシークは対抗する。海軍を辞めてから悠々自適に暮らしていたがそれも終わり。何故この大剣豪と戦っているのかとファロシークは悲嘆した。扱えない本来の力に嘆息しつつも身に付けた力で確かに抗う。相対する剣士には些か役不足な実力で。しかし終わりは訪れた。ファロシークは見たことも無いようなその剣戟に圧倒され、胴が泣き別れこの世を去った。しかしファロシークは最後に憧れと境地を得た。■■は二度とその剣閃を離さないと自身とバンダナの剣士に誓ったのである。突き立てた黒い刀と誓いが彼の最後の言葉だった。
「剣士として貴方と自身に誓おう。二度とこの境地を離さないと。有り難う、ロロノア・ゾロ」
「お前、それ────!」
元海軍中将ファロシークについて
「自己紹介とも言うべきだな。そうだな………救世主にもヒールにもなれなかった敗北者、紛い物。けどだからこそ焚火を求められたんだろうな。他の誰に笑われようが俺だけはあの答えを、人生を認めてるよ」