「神の目が必要?黙れ」ドンッ   作:I'mあいむ

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毎日投稿!毎日投稿! や っ た ぜ。


私はここに就職したい。だからこそここに就職したいと思っている。

 

俗世の七執政。七神といわれる存在がテイワットに存在するのは周知の事実だろう。璃月はその七神が統治する国に当たる。モンドもそうだ。自由の国の風神は今は眠りについているのだろう。自由に相応しく国が神の手から離れている。神とは、その国の理念を、そのあり方と共にある物だ。

 

ならばこの璃月はどうなのか?勿論神がいる。この国は岩神モラクスを神とした世界有数の港だ。ここには世界中の物が集まり、世界中に物を持っていく。

 

良い国だ。そこまで問題点もないし、特に策謀入り乱れるこの都は国としての強さがある。もし七国を相手にするとして最もやりにくい相手を上げるとしたら、それは間違いなく璃月だろう。その政治体制が良いからな。

 

この国のトップ、つまり商売の実権を握っているのは璃月七星だ。その名の通り七人の政治を執り行い璃月を統治する組織だ。彼らは非常に仕事が出来る。この商売の国の手綱を握るには政府が優秀でなくてはならないのだから。

 

モンドと比べれば明らかだろう。あの国は自由の国だ。その特色故に、彼らの政治は弱い。あまりに政府の権力が無さすぎる。

それを担うのが西風騎士団なんだが、行ってるのは実質ジン一人だな。ガイアも裏で頑張ってはいるし、ジンに出来ない搦め手を用いて何とかしている。しかし他が駄目だ。

 

実際ファデュイに入り込まれてるしな。あの国はアビスの活動も多い。とにかく表の人手も裏の暗部の人手も足りねえ。言ってしまえば脳がねえ。他国との外政で牽制出来るほど上手い奴が足りない。

 

璃月にはそんなのがゴロゴロといる、がまあその代わりに悪どい考えを持つ奴も多い。商人ってのは総じてそうであるべきだとは思うがな。そしてモンドはそういう考えを持つ奴が少ない。その時が全て。酒が飲めりゃ満足って感じだな。

 

どっちが良いとか無いが、国の感じ的にはモンドの方が明らかに合ってるんだよな俺。璃月は何も考えない内に引きずり込まれてそうで怖い。俺は頭が回る方じゃないからな。ま、そこは経験が何とかしてくれる

 

何でこんな話をしたかっつうと、俺はこれから璃月で暮らすってのもそうだが、仕事をしなきゃならねえからだ。この璃月で仕事をするってのはつまり頭脳の戦いだ。

勉強や研究じゃねえよ?それはスメールだ。璃月では商売や生活において自分を守るために相手を知り、危険を回避しなきゃいけねえからな。

 

璃月では冒険者はやる気が無い。理由は上手くいかねえから。冒険者ってのは求められる物が多い癖して要求スペックも高い。

サバイバル技術もそうだが、書類仕事への適正、気転の利く頭や咄嗟の応用力、依頼主を見抜く観察力、そして厳しい道を往く運動能力や戦闘力。書類仕事に関しては主人公は例外だな。冒険者は普通にやる機会が多い。

 

俺にはここまでのことを同時平行したりは出来ないんだ。例えばスメールのファルザンのように何処かに閉じ込められたらどうする?スネージナヤの公子タルタリヤの子供時代のように全く分からない謎の場所に落ちたら?

 

ファルザンは頭脳を用いて脱出、タルタリヤは、あれはもう分からん。ま、運だな。

 

ああ、そうだ。冒険者に一番必要なのはたぶん、というよりこういうのに一番必要なのは運と諦めない心だ。そこが生死を分ける。

 

話が逸れた。つまり咄嗟に気転を利かせるとか俺出来ねえ。書類仕事は出来るさ。これでも現代日本にいた身だ。勉強とかそういうのは普通ぐらいはある。戦闘力もまあ転生前の力を使えば何とでもなる。しかしそれ以外無理だな。嘘をつくのは得意だけど相手の心を読むとか無理だし。

 

そうとなったら普通に就職しようとなる訳だ。つまり、なんだ。長々と語った訳だが、言いたいことは簡単。フリーター脱却だ!!(別にそんなことはない)

 

璃月港の門を抜け、中国風の店を横通っていく。確かあそこは、ゲームでは貴重品的なの売ってる場所だったか?北国銀行も無視して先へ行く。そうして付いたのは璃月港を分断する橋。この橋を渡って港の部分に向かうんだが、今はそっちじゃない。その横、橋の脇にある店だ。

 

往生堂、璃月の生と死の境界を操ることを役割とした場所。ま、簡単に言えば葬儀屋だ。人間や仙人の葬儀を執り行っている店だな。裏では色々腹黒いことも行ってそうだが、まあ普通に就職する分には大丈夫だろう。

 

何故ここに就職するかっていうとやりやすいからだ。後で分かるってか知ってると思うがここの社長?的なのは凄くフランクなんだ。ま、会ったことねえけどな。だから二年くらいだけのバイトとか、雇ってくんねかなあっていう魂胆だ。

 

まあ正社員として雇ってくれても良いが、二年で辞めるような野郎を正社員にすると情報漏れとか怠いだろうしな。流石に無いだろう。

 

………こういうのって事前に色々言っとくべきだよなあ。どうしよう。いきなり社長に会わせて欲しいと言うわけにもいかないし、どうすれば良いんだ?ここと繋がりとかねえし、

頼れるツテとか………まあ、いるにはいるが。それはそれで怠いんだ。アレに貸しは作りたくねえ

 

ま、行ってみるか!

 

「すいませーん、誰か居ませんかー」

 

…………

 

「すいませーん」

 

「無理かあ……」

 

後は……あの木の札だが、いやあ流石にバチ当たりだ。これは葬儀の依頼の為の物だ。それをこんなことの為に使うなんてねえ。あっちは葬儀の為に来るんだからな。俺が使う訳にはいかない。

 

……………

 

「はあ………帰るか」

 

仕方ない、今日のところはもう宿に帰って寝よう。………いや万民党にでもよるか。あそこの料理は上手いからな。うん、そうしようかな。

いやあ最近プレイアブルキャラ達と会えてフィーバーが来てると思ってたが、それももう終わりかね。さて行くか。

 

「あっれれぇ~」

 

「え」

 

嘘だろ?マジか?聞き間違いが無いとしたらこの独特な抑揚を持った声は!

 

「もしかしてぇ~お客さ~ん?」

 

「え、えとあなたは」

 

うおお!来たあ!よしっ!よしっ!よしっ!久し振りに運が来てるぞ俺!二百年ぶりくらいか!?奇跡だあ……。やりますねえ!

 

「私は往生堂77代目堂主!フータオだよお!」

 

そこにいたのは焦げ茶色の長髪を棚引かせた美少女。閻魔大王みたいな帽子とチャイナドレスにスポーツを足したような衣装に身を包んだその姿はゲーム通りの容姿でそこにいた。

 

「ああ!往生堂の方でしたか!それにあなたが…。あの実は私頼み事がございまして……」

 

「ええ~依頼じゃないの~?」

 

「うっ、はい。その、往生堂で働きたいんです」

 

用件は早めに言っておいて損はない。先手必勝だ。それにしてもこんな理由で働くなんてバチ当たりすぎるか?いや考えるだけ無駄だな。

 

「なるほどおー、うーん、理由は?」

 

「私はここに就職したい。だからこそ、ここに就職したいと思っている」

 

「????」

 

あれ、伝わらんかったか?おかしいな。

 

「私はここに就職したい。だからこそ、ここに就」

 

「いらないいらない!二回目はいらないよお!」

 

「いやだって伝わってなさげだったんで……」

 

「いやいや今のは理由じゃないよ?」

 

「????」

 

妙だな……。小泉構文が伝わらない……?(米花町名探偵風)

 

「ちょっと何言ってるか分からないですね」

 

「ええ!?」

 

「まあ本音は生きるためのモラが欲しいからです」

 

「いきなりぶっちゃけすぎだよ~!」

 

うーんふざけすぎたな。こりゃ受からないかな。

 

「というか何でうちなの?他にもそういうところはいっぱいありそうだけど…….」

 

うっ!また答えにくいことを……。他のっても船の積み込みとか、後は政府関係の業務だろう。……うーん、ちょっと避けたいところだ。

 

「あー、他の所は、まあちょっと難しいというか」

 

「あー、何かあるんだねえー?分かった!取り敢えず面接しよう!貴方の名前は?」

 

マジか!?終わったと思ったが、案外いけるもんだな!よしっ!気合い入れて行くぞ!

 

「田中です。よろしくお願いいたします」

 

「田中?………へぇー、なるほどおー。分かった、よろしくねえー」

 

?何か今寒気が……。いや気のせいだろうな。

 

「はい、それで面接というのは?」

 

「うん、今やっちゃおう!ほら、入って入ってー?」

 

おお、往生堂に入れるのか。………うーん、ゲームと変わらんね。憧れの場所って程のことじゃないが、やっぱりゲームの中のことを実際に体験出来るのは感動物だ。

 

「ほら、座りなよー」

 

「あっ、すいません。ありがとうございます」

 

対面に胡桃が座る。いやあやっぱこの世界の人は美人だねえ。俺だけが浮いちまってる。次の国に行くときは仮面でもしようかね。

特にプレイアブルキャラは美人やイケメンしかいない。どいつこいつも絶世の美男美女だ。まあ、俺はまだその半数にも会えてない訳だが。

 

「それで、貴方どうしてうちを選んだの?」

 

「え?それはさっき」

 

「それ以外にも理由があるんじゃない?」

 

バレてるか………。やっぱ案外人を見てるなこの人は。ま、そこに関しては嘘を付く気は無かったからな。仕方ないだろう。それにしても俺からそういうのを感じ取るか。頭は悪くてもこういう心理戦とかは得意なんだが。

 

「あー、実は二年程で辞めさせて戴きたいんです」

 

「え~!?何で~?」

 

「いやー、実は夢がありまして、その夢の為には後二年程で他のことをやらなきゃいけないんです」

 

「夢?」

 

「ええ、世界を、七国を回りたいんです」

 

そう、将来的にはスメールやフォンテーヌなんかも行きたい。それも旅行じゃなくて長い期間滞在する形でだ。

 

「へぇ~、じゃあ今は準備期間?」

 

「ええまあ、そうなりますかね」

 

「確かにそうなるとモラは必要かも。でもどうして二年後?」

 

どう言えば良いのかなあ。少し頭のおかしい人になってしまうが、でもまあ推測が外れたとしても、よしんば旅人が訪れなかったとしてもだ。最悪俺が解決する。面倒事に首を突っ込みたくはないが……それでも七国崩壊を止めねばならない。その為に璃月を選んだ。本気を出せばモンドの監視など楽だからな。

 

「二年後には動き出してますから」

 

「どういうこと?」

 

そう、稲妻が鎖国してもう一年程経つ。あと少しすれば旅人が来て色々解決してくれるだろう。正直旅人には関わりたくない。面倒事に巻き込まれるのは嫌だ。

 

稲妻の鎖国は旅人が終わらせるんだ。あと数年、俺の見立てでは二年で全て解決していくのでは考えている。その為の方針だ。最悪解決にもう少しかかっても俺は璃月の問題に関わらなくて済む。どっちでも最高だ。

 

「まあそれはお楽しみという奴です」

 

「え~、何それつまんなーい」

 

「あはは……」

 

「そっか。分かった。うん、じゃあ最後。貴方って何をしてた人なの?」

 

何をしてたか、か。うん、これは簡単だな。俺はしっかり働いてたよ。冒険者としてここ二年程は頑張ってた。

 

「私は冒険者でしたね。まあ今もそうではあるんですが、向いてないので他のことをしようかと思った次第です。これ、冒険者の証明の……」

 

「冒険者?……そう、そうなんだ。うーん、じゃあ採用!明日からここに集合ね!」

 

「え!?本当ですか!ありがとうございます!」

 

え?これマジ?マジだよな!?よしっ!きたあ!あんなに日本じゃ落ちた俺もやれるもんだなあ!今夜は焼き肉っしょー!

 

◆◆◆

 

「それじゃ、ありがとうございましたー!」

 

「はぁーい、じゃあねえー」

 

「………ふふっ」

 

さっきまでここにいた男の背中はみるみるうちに小さくなっていく。

 

あれが田中、かあ。一見普通の人だったけど、でも田中なんてあの人しかいないもんね。

 

田中が戻ってきたなんて、知られたら凄いだろうなあ。そこら辺に行列が出来ちゃうかもっ。

 

「この二年は楽しくなりそうだね。逃がさないよ、田中」

 

そこには、少しだけいたずらな笑みがあった。

 

◆◆◆

 

それからというもの俺は往生堂で見習いとして働いていた。その様は正に平穏の一言。最初の頃は感じていた不安も今はない。何だか今はちょっと楽しい。忙しいのも考え物だと思ってしまった。

 

「堂主、お疲れ様でした!」

 

「うーんお疲れ~」

 

明日は休日。何をしようかな。久し振りに冒険でもしようかなあ。鈍ってるといけねえからなあ。と言っても何処に行くか。ま、適当にヒルチャール討伐でも行こうかねえ。宝箱封印用のヒルチャールとかいたら嬉しいんだがなあ。

 

……酒でも飲もうかな。モンドでガイアと飲んだ日以来飲んでねえからな。ちょっと一杯やってくか。安酒で良いな。今はてきとうに飲みたい気分だ。

 

「ちょっとすまない、ここら辺で辛乖さんを見なかったか?」

 

「え?」

 

あん?誰だいきなり?ま、今は上機嫌だからな。快く対応して

 

「「あ」」

 

そこにいたのは赤を基調とした服装に特徴的な帽子をした少女。ピンクともオレンジともとれる服に、翡翠の輝きを灯した目は、まるでこの世の物とは思えないと感じられる。まあつまりはプレイアブルキャラクターということだ。

 

「いつ帰ってきたんだ!?」

 

「ははっ、お久しぶりです。煙緋さん」

 

璃月最高の法律家が、そこには立っていた。

 

 

 




別にフータオはヒロインではありませんのであしからず。タグに書いてないようにね、ヤンデレはいないのですよ。何故なら私が恋愛を書けないからね!

感想、評価、ありがとうございます。
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