Rusted Dáinsleif   作:暁真

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まーた筆が乗らない状況が続いて遅れました(土下座)


夏の特殊作戦!RABBIT小隊と消えたエビの謎 5

 

「……結局勢いのまま食事会に参加してしまいました……やるべきは調査してる感を出すことだったのに……」

(あの子達の話だと水上バイクを乗り回してる姿をだいぶ目撃されてましたから別に関係ないと思いますが……というか勢いのままという割には割と乗り気で魚捌いてませんでした貴方?)

「一応はあの子たちの保護者代わりということになっていますから」

(こんなこともあろうかとと言いたげな顔でサバイバルナイフを引き抜いたのは忘れてませんよ)

「今ある刃物の中で一番切れ味がよかったのがあれだったので……ってはい?私そんな顔してました?」

(はい)

「はいじゃないですが……おかしいなぁ、昔はもう少しポーカーフェイスだったはずなのに」

(必要ない場所で気を張り詰めることもなくなった、と考えてみてはどうでしょうか)

「……あまり認めたくないですが、そういうことにしておきます」

 

 時刻は深夜、霧が出てきて視界は最悪。あの後周囲の雰囲気に飲まれて食事会に参加してしまい少々予定が狂ったが適当に腹ごなしの運動でもしてくると会場を後にし、現在私は磯の近くでドローンのコンソールを弄っていた。

 

「……この高度でも霧が濃い、か。グラニ、カメラを赤外線に切り替え」

『了解。引き続き指定海域を監視します。バッテリー残量残り10時間』

「あくまで船を発見できればいいんです。発見次第座標を記録してドローンを帰還させるように、監視がバレて逃がしたとなれば大失態ですよ」

『了解』

 

……さて、後は網にかかるのを待つだけ、か。

 

 

(確認ですが、本当に今日実行に移すとみて間違いないんですね?)

「この濃霧です、あいつらからしてみれば絶好の密輸日和でしょう」

 

ドヴェルグとしての経験則だが、ああいう後ろ暗い取引を商いとしている輩、特に新参者はやたらと安全な場所ではなく目立たない場所で事を運びたがる。大体が証拠隠滅が楽だとかいざという時すぐ逃げれるから、とかそういう理由で。だから予測もしやすい。

 

(決行プランは?)

「密輸船の座標を確保後明朝08:00にRABBIT小隊各位に作戦を伝達、08:20に作戦開始予定です。密輸船のサイズにもよりますが推進器の破壊後船舶に上陸、散開して制圧行動に移ります……まあ、彼女たちならば大丈夫でしょう。先生の指揮ありきとはいえ私を倒したんですから」

(そうですね、あの子達ならば問題ないでしょう。とはいえあなたもやることをやるように、後輩たちの成長を見守るのもよろしいですが全て任せてしまっては面目ありませんよ?)

「何当然のことを。錦の御旗は戦場で振られてこそ意味があるのです」

(ならばよろしい、全力で任務に当たるように)

「無論です、シロ」

 

……あ、明日の分の水上バイクの借用忘れてた。早朝に借りておこう。

 

(さっきの私の安心感を返してくださいクロ)

「実体のないものをどう返せっていうんですか」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「それで、あの「再来の船」―――いや、正体不明の船を追い払う方法はあるのか?」

「それは……あれ、電話?」

「こんな時間だし迷惑電話の類じゃないの?」

「いえ、これは先輩からです、でもこんな時間に……?」

「昨日忘れ物をした……とか?」

「そんなわけないだろ。とりあえずミヤコ、出てくれ」

「わかりました……もしもし、先輩?」

 

『寝ぼけてないようで何よりです』

「流石に早朝とはいえ睡眠はしっかりとりましたので」

『それは結構』

「……先輩、何故この時間帯に連絡を?こちらも今立て込んでまして『【WOLF2】から【RABBIT1】へ』……!」

『八戸浦湾近海にて密輸船と思われるバージ船を確認、現在座標X〇〇にて停泊中。現時刻08:00よりシャーレ部長の権限で目標の制圧作戦を立案、作戦概要を伝達後08:20より実行に移すものとします。質問は?』

「こちらも八戸浦湾漁港から目視でバージ船と思わしき正体不明船を確認しています。作戦目標は同一とみて問題ないでしょうか?」

『07:50時点で近海に目標以外の船舶は確認できません、同一で間違いないと判断します』

「了解、質問は以上です。作戦概要をお願いします」

 

 

「作戦……?……もしかして君たちは……」

「人違いじゃないか?私たちはただの観光客だぞ」

「そうそう、ちょっと知識があるだけの観光客」

 

 

『RABBIT2が水中用装備を携行してきたのは嬉しい誤算でした。RABBIT1.3.4はゴムボートにて目標付近の指定座標で待機、RABBIT2は水中より接近し推進器を爆破。爆破と同時に乗船し目標の制圧を』

「先ぱ……WOLF2は?」

『こちらも爆破と同時に乗船後、別方向から制圧行動に移行。合流タイミングはそちらに一任します』

「了解しました。八戸浦村の住民も一部同行を申し出ている者達がいるのですが……」

『許可します、ただし万に一つでも傷を負わせるようなことがあってはいけません。いいですね?』

「勿論です、我々の誇りにかけて」

『よろしい、これよりこちらは作戦準備のため座標X〇×にて待機する。連絡終了後、通信は無線機を介して行うこと、伝達事項は以上です……頼りにしてますよ』

「っ……はい!」

 

 

 

 

 

 

 

 

「……後輩に作戦指示を出すのなんて何時ぶりでしょうか……まあ指示を出していたのはシロですが」

(結構決まっていましたよ)

「正直褒めるべきところでもないと思いますが」

(見栄というのは意外と大事なものですよ?……主に先輩から学びました)

「なるほど、確かに威勢は重要ですが……」

 

 後輩達への伝達を終え、水上バイクで待機しながら作戦開始時刻まで待機がてらシロと言葉を交わす……うん、素直にボートにしておけばよかった、バイクはバランスが取りにくい。

 

(ボートじゃ小回りが利かないし速度も出ないなんて言ってたのはどの口でしたっけ?)

「だまらっしゃい、あくまで待機中のバランスが取りにくいというだけで他の要素はボートに勝っています」

(随分と口が悪くなってしまいました……少し悲しいです)

「元からです元から……グラ二、一応ですがミズガルズの方は?」

『特にショートもオーバーヒートもしていません。しかしミズガルズに水上走行機能はないため万が一の備えにはなり得ないかと』

「念のため、です。一応ドローンも飛ばせるでしょう?」

 

ミズガルズでは流石に海上を走れないため今回はグラ二と一緒にお休みである。何かあるたびにどちらも酷使してきたためたまにはこう休ませてやるのもいいかもしれない……機械に疲労の概念があるかはともかくとして。

 

(さてクロ、そろそろ時間ですよ)

「ええ、手筈通りなら……来ました」

 

双眼鏡で密輸船と思わしきもの(実際には裏取りもしているが)に近づく後輩達と村人の乗るボートを確認、時間もピッタリだ。

 

『RABBIT1からWOLF2へ、指定座標に到達。これより作戦を実行する』

「WOLF2了解、手筈通りに」

『RABBIT1了解』

 

通信と同時にバイクを起動し急加速、正面から乗り込む後輩達とは対称に背面へと回り込む。

 

「このまま侵入します、飛び込みますよ!」

(ええ、行きましょう、クロ)

 

背面の窓に一発弾丸を放ち、そのままバイクを蹴って跳躍。放置することになるが許してほしい……あれ、何か身体が少し軽いような。

まあそれはともかくとして。

 

弾丸で罅の入った窓に跳躍の勢いのまま突っ込み、さながらアクション映画のように盛大に窓を破壊して突入……ビンゴ、此処は休憩室だったか。

 

「なっ……窓から!?」

「報告では正面からの筈だったろ!?クソッ、伏兵か!」

 

……数は、8人。恐らくは後輩達への対処に大半が持っていかれているな、予備兵力と見た。

 

(やれますよね?)

「当然」

 

ショットガンを引き抜き、動揺している内に接射と回し蹴りでまずは1人、そのまま踏み台にして牽制射撃と飛び蹴りで2人……うん、やっぱり身体が少し軽い、何かが支えてくれているような、そんな感じ。

 

「残り、6」

「一体どこの生徒だ!?事と次第では……ガハァ!?」

「密輸してる輩がどの口で言うんですかね、次」

「なっ……どうしてそれをぉ!?」

「下調べもせずに乗り込む馬鹿がいるわけないでしょう、次」

 

ミズガルズが使えないことを考慮して軽装にしたのは正解だったようだ。彼らは甲板での戦闘を想定していたのだろうが、こんな狭い部屋を襲撃されることは想定外だったことは想像に難くない。まあそもそもこんなところの窓を突き破って侵入されるとは微塵も思っていなかっただろうが。

 

「文句を言うならさっさと逃げなかった雇い主に言うんですね、次!」

 

顔面と腹部に1発づつ撃ち込んでこれで残り3……奇襲したのもあるが、随分と呆気ないな。これならそこらのヘルメット団の方がまだ張り合いがあるぞ。

 

(……)

 

3人目辺りでようやく冷静さを取り戻してこちらに襲い掛かってきたが……まあ普通に避けれるし、なんなら誤射も狙う余裕がある。新参企業に雇われた木っ端とはいえ、此処まであっさりしたものなんだろうか。比較対象の後輩達やアリウスがおかしいだけかもしれないけど……っと、不意打ちをしたかっただろう背後からの一撃をストックで殴り返して返しに一発、これで残り……2。

 

「クソッ、化け物が!報告に……!」

「行かせるわけないでしょう」

 

逃げようと出口へ向かう一人をヘッドショット、残り「貰ったぁ!」……!

 

「な……完全な不意打ちの筈だったろ!?」

「惜しかったですね、これでラストです」

 

「完全な」不意打ちをかましてきた最後の一人の弾丸をなんとか掠るだけに留めて返しにに3発。これでクリア……

……さっき身体が軽い、なんて言ったけど正直これは軽いだけじゃ済まない。少なくとも今までの私ならさっきの一発は直撃コースだ。一体何が原因であれを掠るだけに留めれる身体能力を持つに至ったんだ、私は……

 

(……)

 

……シロ?

 

(……)

 

シロ、起きてください、シロ!

 

(……ん、あれ……?私、いつの間に寝ていたんですか……?)

 

「ええ……?」

 

シロが起きると同時、体を支えていた軽い感じが消えた。最初に体が軽いと感じた時点ではシロはまだ起きていた筈、ただ、だんだんと頭がクリアになっていく感覚があった、もしかしたらその時に……?

……現状では何もわからない、それに原因究明は帰ってからでもできる、私は今やるべきことをしよう。

 

「このまま甲板に出ます、残りの戦力は……多分後輩たちがどうにかしてくれているでしょう」

(……そうですね、あの子達なら)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「クソッ、残りの奴らはどうした!?いくらなんでも来るのが遅すぎるぞ!?」

「まだいるのか、数だけは多いなほんと!」

「待ってくださいRABBIT2、あの様子だと恐らく……」

『……もしかして私の出番、ある?』

「やめろって言っただろうが!」

 

 

「……ようやく来たか、来るのが遅「holdup」……なっ……」

 

「……上手くいったようですね、先輩」

『……やっぱり私の出番、無い感じ?』

「やっぱりも何も対艦ミサイルを撃つのはやめろと言ってるだろRABBIT3!?」

 

「WOLF2 、sternクリア。並びに……」

 

「レッド・フック・エキスプレス代表、連邦捜査部シャーレ部長及びSRT特殊学園の権限を行使し、貴方を密貿易、横領、脱税等の罪状で緊急逮捕します」

 

(……SRTの権限は今は関係ないと思いますが)

 

言ってたじゃないですかシロ、威勢は大事だって。

 

(……まあ、そうですね)

 

 

ひとまず、これで一見落着……でいいんだろうな。

 

 

 

 

 

 

 

 




多分次で夏イベは終わります。

何とは言いませんが

  • 先生(男)
  • 先生(男)、ミヤコ
  • 先生(女)
  • 先生(女)、ミヤコ
  • ミヤコ
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