Rusted Dáinsleif   作:暁真

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これにてSRT水着イベ完結です。


夏の特殊作戦!RABBIT小隊と消えたエビの謎 完

 

「……で、先生、私は無事海老の流通に関する一連の事件を解決して戻って来たわけですよ」

「はい」

「それは勿論私が居ない間も先生がしっかりと業務をこなしてくれると信用した上での行動です」

「はい……」

「そういうわけで、敢えて聞きましょう」

 

 

 

「進捗は?」

「9割です……」

「期限を過ぎた書類は?」

「それは皆に手伝ってもらってなんとか……」

「ミスは?」

「5~6か所……」

「……」

 

 

「……まあ、及第点としておきましょう。初めのころに比べれば万倍マシですし」

「これでまだ及第点なの……?」

「当たり前でしょう、本来なら期日までにすべて終わらせるのが当然なのです。まあ先生の多忙は理解しますし考慮していない訳でもありませんがそれはそれ、これはこれ。相手からすれば先生の都合とかほぼ考えてないも同然なんですよ」

「流石に少しくらいは考えているところもあるよね!?」

「だから「ほぼ」と言いました……まあ話過ぎて仕事の時間が無くなっても困るので今回はこの辺でしまいにしておきましょう。さ、業務開始です」

 

 八戸浦村での一件から数日後、事件解決ついでに後輩たちと少しばかり観光を楽しんだ私は無事シャーレに帰還。赴任当初に比べれば遥かにマシになった先生の業務効率に口では呆れながら多少は感心しつつ報告書の作成に取り掛かっていた。……とはいえどうしたものかこれ、レッド・フック・エキスプレス代表の処遇についてはぼかした方がいいか?

 

(現地住民に身柄を引き渡した、で終わらせればいいんじゃないです?ヴァルキューレも関わってますし正当性はあるかと)

 

そうですね、そうしましょう……後は後輩たちのやらかしは水に流してもらえたからよしとして……あれ、割と普通の報告書になりますね。

 

(逆にどんな報告書が出来上がると思っていたんですかクロは……)

 

正直始末書の1~2枚は覚悟していました。話によればRABBIT3……モエが対艦ミサイルを持ち込んでいたらしいですし。使うことにならなくて本っ当によかったです、本当に。

 

(まあまあ、無事に終わったことですし考えないようにしましょう……報告書なんてのはそうしないとやっていられないので)

 

そうですねシロ……そういややっぱりアレについては?

 

(結局原理については分からずじまいですが……恐らくの条件と感覚くらいは)

 

寧ろそっちは分かるんですか……

 

(何回かそうなりかけたことがあるので、多少は)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「……完全にそうであるとは言い切れませんが、一考の余地はありますね」

(まあ数回程度ですからね……)

 

 

 片手間で報告書の作成を進めながら、シロの考察した「条件」について考える。

曰く、あの現象が発動する条件は私とシロの思考が強く一致すること。「強く」というのがミソでただ単に「あれが食べたい」「ああしたい」程度の日常的な思考ではダメらしく、「あいつを倒す」「任務を遂行する」など確固たる意志を持つことが必要……らしい。ついでに言われた発動時の感想は「クロの中に思考が溶けていく感じがする」だそうだ……ちょっと気味が悪いな。

 

(気味が悪いと言われましても……こう形容するしか表現のしようがなかったんですよ。そういうクロも何か変化あったんじゃないですか?)

「まあ……ありましたけど」

 

妙に軽くなった身体と異様にスッキリした頭。そして偶然というには出来すぎた弾道予知……正直変な薬でもやってしまったのかと思うくらいにはあの時の私は動きが冴え過ぎていた。真っ先に受けた検査で特にドーピングの類はないことは証明済みだが、未だに違和感が拭えない。……とはいえあれを狙って発動できるのなら戦力になることは確かだ、何か裏付けるものでもあれば解明に近づくのだが……ないものをねだっても仕方がないか。

 

(……うーん、ちょっと心当たり、あるかもしれません)

 

え、あるんですか?

 

(まあその……前に言ってたじゃないですかクロ、神秘と恐怖が真に交わり崇高に至りし時~って)

「……あの男の話ですか、それがどうかしました?」

(確かその話によれば私が神秘、クロが恐怖、じゃないですか)

「それがどうし……まさか」

(はい)

 

 

(もしかしたらこの現象は……その男の言っていた「神秘と恐怖が交わる」なのかもしれません)

 

……可能性としてはなくはない。1つの身体で分かれた2つの意識が同調することでまた一つに還る……数々のオカルトじみた現象を経験してきた今なら与太話ではなくもしかしたら、の可能性として考えられる……まあ、現状確証はないし、確かめる術もないのだが。

 

(まあ、今はそんなことより報告書を作りましょうクロ、あんなことを言っておきながら自分の仕事が遅い、は許されませんよ?)

「わかっていますよ……なんならもう8割は終わっていますよ、後は見直しとサインだけです」

 

片手間でやってしまったので少し誤字が心配だが……うん、大丈夫そうだ。

 

「先生、報告書は終わりましたので積んでおきます、そちらの書類が全部終わったら纏めて連邦生徒会に提出してきますね」

「ありがとうユキ……え、早くない?30分も経ってないよ!?」

「そりゃあ報告書なんですから事実をそのまま書き記せばすぐに終わりますよ」

「羨ましい……って言ってる場合じゃないか、こっちも手伝ってくれる?」

「わかってきたじゃないですか、無論手伝いますよ」

 

私が先生の扱い方を心得てきたのか、先生が私の扱い方を心得てきたのか。まあどっちでもいいことだ、今はこいつが早く書類の山から解放される手伝いをしてやろう。

 

(正直じゃないですねぇ……)

 

何がですかシロ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「誤字確認よし、サイン確認問題なし、数もしっかり合っています……ええ、これで終わりですね。お疲れ様です先生」

「ふぅ……やっぱりユキが居てくれた方が効率が段違いだよ」

「そりゃあ一人より二人の方が早く終わるでしょう。で、後は連邦生徒会に提出しに行くだけですが……ん?」

 

 数時間後、量が比較的少なかったのもあるがなんとかして二人で書類を全て終わらせ、後は提出しに行くだけ、というところで先生の端末に着信……ミヤコ?

 

『こんにちは、先生。いまお時間、大丈夫でしょうか?」

「ああ、多分大丈夫だけど……どうかしたの?」

「正直猶予があるだけで大丈夫とは言い難い気がしますが……」

『あ、先輩もいたんですか』

「そりゃあシャーレの部長ですもの、それで何用です?ミヤコ」

 

『その、先日のシュリンプ・トラップ作戦のお話なのですが……』

 

……こちらからは何かあったとの報告は受けてはいないが……先生を呼ぶほどのことが起きたのだろうか?

 

『凄い神妙な顔をしてるけど別に何かあったわけじゃないぞ先輩』

「あ、そうなんですか。少し安心しました」

 

特に問題が起きたわけじゃないようだ。

 

『そ、その。あの時は先生と先輩に大変お世話になりました……それで、ええっと……』

『……何をそんなにモジモジしてるんだ。二人とも困惑してるだろ』

『恥ずかしいなら皆で言っちゃう?』

『じゃ、じゃあみんなで―――』

 

……うん?恥ずかしいって、一体どんな

 

『『『『―――今度は私たちが二人をおもてなしします!』』』』

「……おもてなし?」

『あ、その……先日のお礼として夜戸浦村から差し入れで海老を貰いまして……』

『結構量が多くてさ、私たちだけじゃ食べきる前にダメにしちゃうからさ、先生と先輩も一緒にどう?って』

「……成程、理解しました」

 

……時間的には……

 

「……今日は後提出しに行くだけだから、それが終われば自由、だよね?」

「まあ大丈夫でしょう。せっかくだし何か買っていきましょうか」

 

『……!』

『よし、決まりだな。バーベキューの準備をして待ってるぞ、先生、先輩!』

 

 

……少し、というかかなりミヤコの顔が明るくなっていたのは気のせいじゃないだろうな。

 

 

「……何処で買い出しする?」

「ラミニタウンでいいでしょう、というかシラトリ区であそこ以外を選ぶ理由がありますか?」

「ないね、よし行こう!」

「あっ……ったく、提出しに行くのに書類を忘れてどうするんですか……」

 

なんだかんだ成長はしているのだろうが、相変わらず少し抜けている先生を追って書類を抱え、ビルを降りる。

 

「先生、もしやとは思いますがドッキリでもするつもりでした?」

「ドッキリって……あ、書類の存在抜けてた。ありがとうユキ」

「天然でしたか」

 

相変わらず一緒にいるとズボラというか注意が足りないところが目立つが、これがいざというときにはしっかり決めるんだから不思議なものである。

 

「どうせ提出した後はそのままラミニタウンに直行ですよね?ミズガルズを使いましょう」

「……二人乗り?」

「今日は他にバイクもありませんしそうなりますね。ああ、もちろん先生が後ろですよ」

 

流れるようにビルを出て駐車場へ。書類をしまい先生を乗せてミズガルズに跨る。

 

『おはようございますマイマスター……おや、今日は先生も一緒ですか』

「成り行きでこうなりました。ナビゲーションは連邦生徒会、その後ラミニタウン、最後に子ウサギ公園までで」

『了解しました……デートでもなさるのですか?』

「んなわけないでしょう……行きますよ」

 

ミズガルズのエンジンを吹かし、連邦生徒会へ向けてハンドルを握る……先生も何か反論してくれればいいものを。誤解されると針の筵になるのはそっちのほうだぞ、先生。

 

(……はぁ、ここまでくるとじれったいですねぇ)

 

何がですかシロ……って、いきなり赤信号か、ちょっとついてないな。

 

「そういえばユキ」

「なんです先生?」

「これのことだけど……」

「これ……?」

 

……特に問題になるようなものは残した覚えがない……筈……だ……が……

 

「な……ななななななな」

「グラニから送られてきてさ」

「グ、グラニ!?あれは消したんじゃなかったんですか!?」

『消したのは「保存済みの写真」です。「送信済み」の写真を消したとは一言も』

「んなぁ!?」

 

……おのれグラニ、あのどうとも形容しがたい水着姿をちゃっかり残しやがって……!

 

「と、というかそれがどうしたんです!?別に何か問題を起こしたわけでは」

「いや、安心したんだよ」

 

 

「ユキもようやく普通の女の子に戻れたんだなって」

 

 

「……」

「あれ、ユキ?」

「……なさい」

「へ?」

「消しなさい、それを、今すぐに」

「え、あの、なんで!?」

「いいから!消 し な さ い!」

「えちょ、ってもう青信号!青信号だからぁ!?」

 

 

 

 

 

 

『マスターは何故そこまでして水着を見られるのを嫌がるんでしょうか。不可解です』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




これからも今まで通り気が向いたらちょくちょく番外編を投げて行こうと思います。

何とは言いませんが

  • 先生(男)
  • 先生(男)、ミヤコ
  • 先生(女)
  • 先生(女)、ミヤコ
  • ミヤコ
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