Rusted Dáinsleif   作:暁真

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んじゃ(対策委員会編主人公介入できる余地ないので)流しますね……


ユキと先生の決断

 

 

「ふむ、つまり私が覆面水着団なるどう見てもアビドスの皆さんな強盗犯の画像に困惑していた頃」

「先生は無謀にも爆発騒ぎに連られてのこのこと市街地におびき出され」

「テロリストと協力して無謀にも三大学園であるゲヘナの風紀委員会に立ち向かい捕縛されかけた、と」

 

「貴方自分の立ち位置を理解してます?」

 

『はい。なんとなくは……』

 

「なんとなくじゃダメに決まってるでしょうがそんなんだから書類もまともに作れないんですよ!」

 

『そ、その件に関しては本当に申し訳ございませんでしたぁ!』

 

「もう終わらせたからどうでもいいし今やるべきは事後処理です、まさかシャーレの先生がやるべきことをサボって部員と無駄話をしているとか、あり得ませんよねぇ!?」

 

『返す言葉もございません……』

 

「このやりとり何回目になるのやら……はぁ、分かればよろしい。私は今日も書類が溜まっているので連絡は最低限でお願いします。それでは」

 

 

 最早恒例となっている先生の行動への説教を終え、今日も元気にシャーレの業務に励む。……相変わらず突拍子もない行動を繰り返すのは困ったものだが、着実にアビドスでの活動を経て度胸と覚悟は付いてきている。突然アビドスに行く、などと言い出した時は頭おかしくなったのかこいつと思ったが、案外送り出して正解だったのかもしれん……って、何考えてるんだ私は、あいつの親じゃあないんだぞ感慨に浸るな書類仕事に戻れ……うへぇ。

 

 

「はい、こちら連邦捜査部シャーレ、名前と要件を」

『……私はゲヘナ風紀委員会委員長、空崎ヒナ』

 

……はい?なんでついさっきアビドスでひと悶着起こしたゲヘナの委員長が?

 

「……かける先を間違えてはいませんでしょうか。こちらは連邦捜査部」

『合っている。要件は……』

 

『本日昼、アビドス自治区にてゲヘナ風紀委員会が無断で兵力を運用し、騒ぎを起こした。その過程で偶然とはいえシャーレの先生を巻き込んでしまった』

『このことについて私、空崎ヒナよりゲヘナの風紀委員会委員長として、連邦捜査部シャーレ部長、鞘野ユキに正式に謝罪したい』

 

……なるほど、そう来たか。アビドスの生徒達には謝ったとのことだが、一応こちらにもと……待て、部長?

 

「……恐縮ですが、私はシャーレの1部員でして、部長という立場では」

『?昨日の夜に発表があったと思うのだけれど……』

「……失礼、確認致します」

 

発表?昨日の夜は思いっきり仮眠を取って寝ていたから見逃していたのか……あ、よく見たらデスクに私宛の封筒が、差出人は……リン会長代行?

 

任命書

鞘野 ユキ 殿

貴方を当生徒会が定める規定に従い、連邦捜査部シャーレの部長として正式に任命する。

連邦捜査部部長は規定に伴い、顧問である先生が出張等やむを得ない事情で不在の間、シャーレにおける臨時代表者として扱う。

連邦生徒会

会長代行 七神リン

 

 

 

 

 ……嘘だろ、臨時最高責任者とかそういう肩書いらないって……しかしまあ、なんで今になって急に……いやこれあいつがアビドスに行ってる間私がほぼワンマンしてたから急遽作ったやつだな!?……はぁ、辞めるに辞めれなくなったな……元からだいぶ先に想定してたが、どうしたものか……っといけない、対応に戻らねば。

 

「……昨日は休日だったので確認が遅れていました。確かに先日付けでシャーレの部長に任命されていたようです。それとお待たせして申し訳ありません」

『大丈夫。それと……謝罪したとはいえ、先生を巻き込んだのは事実。どんな要求でも受ける覚悟はしている』

「……あくまでシャーレは先生の理念の元活動する組織ですので、臨時代表者という立場ではありますがそれについては先生の帰還を待ってから話をさせていただきたく」

『……わかった、この件は先生に通しておいて』

「わかりました。本日は」

『ここからは、貴方個人に話がしたい』

「……はい?別に時間はありますし、構いませんが……」

 

……三大学園の風紀委員長様がこんなエリート崩れに何の用なのだろうか、あわよくば取り込もうとでも?

 

『感謝する。……では、単刀直入に』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『1年間も行方不明になっていたSRTの英雄、『W()O()L()F()』の鞘野ユキが、何故今になってシャーレの部員として戻ってきたの?』

「……っ!?」

『貴方は2年前の「あの事件」から半年後、SRTから突然姿を消した。一体何が……』

「……申し訳、ありませんが、その質問には、お答え、出来かねます……」

『……そう、やっぱり貴方にも事情があるのね。ごめんなさい、こんなことを聞いて』

「……はは、平気、ですよ」

『私は「あの事件」で何があったかも、貴方の「相棒」についても知っている』

「……それは、脅しですか?」

『違う。私には貴方にあの後何が起きたのかわからないし、知ることもできない』

『だからこれは本日の件についてのせめてもの罪滅ぼし。今後シャーレの存亡に関わる何かが起きたのなら、私を頼って貰って構わない』

「……」

『信用できないというのは重々承知している。けれどこれだけは覚えておいてほしい』

「……わかりました。先生に伝えておきます」

『……本日は対応ありがとう。それではこれにて失礼する』

「ご利用、ありがとうございました……っ、う……」

 

 

 

 

 

 

 

 

やめろ、思い出すな、思い出すな。狂気(正気)に戻れ、忘れろ、あの時「鞘野ユキ」は死んだ。それだけが、それだけが事実なんだ……!

 

『……キ、ユキ』

 

頭を激しく振って聞こえてくる声を押し流そうとする。違う、違うんだ。私は……私はもう、ユキじゃ……

 

『……なにボケっとしてんだ。とっとと飯食いにくぞ。アタシはなんかごっついの食いたいな~』

『……太りますよ、先輩』

 

五月蠅い幻聴が!黙れ、黙れ!私も、「先輩」も!「皆」も!あの時、あの日、あの場所で!死……

 

『ユキ』

 

……ぁ……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「……さん!ユキさん!起きてください!?」

「…………ぅ……?」

 

……目を覚ますともう日が暮れようとしていた。珍しいな、過労には慣れているはずなんだが。誰が起こしてくれたのか見てみると、大変慌てた様子のリン会長代行が必死に肩を揺らしていた。

 

「……やっと起きた……大丈夫でしたか、ユキさん」

「……ん、どうして会長代行が此処に?」

「追加の書類の連絡をしようとシャーレに連絡を取ったのですが繋がらなくて、ユキさんが電話に出ないのを不自然に思って急遽シャーレに来てみたら、貴方がデスクに倒れ込んでいたんです」

「……倒れ込む、ですか」

 

……あれ、何があったんだっけ?ゲヘナの委員長から謝罪の電話が来て、その後……ダメだ、思い出せない。

 

「何かあったのですか?まさか何かの病気……」

「……多分過労ですよ。最近は当番の皆さんも忙しいらしくてほぼほぼ一人でシャーレを回していましたから」

「……ならいいのですが、一応保健室で検査を受けてください。ただでさえ現在先生が不在だというのに、部長の貴方まで倒れてしまったら、シャーレはしばらく活動できませんよ」

「そうさせてもらいます……明日は検査のために休みを貰っていいですか」

「ええ、いつもユキさんには無茶をさせてしまっていますから、此方で当番を手配しておきますね」

「ありがとうございます。……では、一応今やれる書類を終わらせてから今日は帰りますね」

「……無理はしないでくださいね」

 

 リン会長代行も予定がかなり詰まっているのにご苦労なことだ。きっとただの過労で倒れただけだろうに……1年前からずっとこうだ。たまに何の前兆もなくふっと倒れてしまうことが稀にある。気づいていないだけで疲労が溜まっているにしては頻発しないし、直前まで全く疲労感を感じていないのに気絶していたり……なんなんだろうな、ほんと。

……ひとまず、さっさと仕事を終わらせてから、帰ろう……先生用に武器も作らないといけないのだし……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 あれから数日、検査を受けたが特に異常なしだったり、当番のユウカがこっそり先生のマグカップに口紅を付けているのを発見したり、どうもアビドスが大変なことになっているらしいことを先生からの連絡でしったりと、色々あったが、相も変わらず私はシャーレの部長として社畜仕事に励んでいた。先生が注文した武器も完成したし、アビドスから帰ってきたらシャーレに送られてきた体で渡してやるか……っと。

 

 

「はい、こちら連邦捜査部シャーレ」

『ユキ、時間大丈夫?』

「……なんだ先生ですか、個人での連絡は個人携帯の方に……」

『今夜、アビドスに来てくれないかな』

 

「……わかりました。伺いましょう」

 

いつもの馬鹿とは思えない覚悟の決まった一言に、私は動かざるを得なかった。

 

 

 




これはもう告白なのでは?(違)

番外編、いります?

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