不死の個性じゃなくて不死の"病"   作:けー

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 完全見切り発車。書き次第投稿してくつもりです。他作品と並行でやるので遅めかも。ヒーローサイドに行くかヴィランサイドに行くかくらいしかまだ決まってない……
 最初鬱かもしれないんで気をつけてください。 途中少しだけ? 性描写もあり


私が死んで産まれた日

「個性は……あります。どんな個性かは分かりませんが……」

 

 私が4歳になって2月がすぎたころ、親に病院へ連れて行かれて医者にそう言われた。私は4歳になっても個性が発現しなかった。少なくとも目に見える形では。

 

永遠(とわ)、よかったわね……! 気長に待ちましょう?」

 

「うん、ほんとによかった……」

 

 

 医師からの診断を聞くまで、私は母の腕の中で震えていた。もしも無個性だったら……そう考えるだけで鳥肌が立ってくる。

 

 8割の人間が個性もちのこの世界でマイノリティな無個性は非常に冷遇されている。もしかしたらいじめられるかもしれない。そう思うと、震えが止まらなかった。

 

 でも、もし私にこの個性がなかったらどれだけ楽だったろう……とそう考えてしまう。いや、コレはもはや個性なんかじゃない。"病"だ。不死の個性ではなく、不死(ふじ)の病。

 

 何があっても、どんなに死にたくても死なない、私に刻み込まれた呪い。

 

 

永遠(とわ)ちゃーん! また明日ー!」

 

 私の個性が判明したのは、私が9歳の頃。(ヴィラン)が逃げ回っているとの情報が出てきており、集団下校が言い渡されていたときだった。

 

 途中までは他の皆と通学路は一緒なのだが、途中から私一人だけだけになってしまうのだ。と言っても家まではせいぜい500メートル程度。大した問題にならないだろうとその頃の私は考えていた。

 

 女児が一人でというのは、(ヴィラン)からすれば格好の餌食なのだろう。

 

 私は、抵抗する暇もなくあっという間に連れ去られてしまった。連れ去られた先はどこか知らない家。

 

「けひっ……楽しもうねえ……?」

 

 私を攫った男は下品な笑みを浮かべ、ゆっくりと近づいてきて私の服に手をかける。

 

「いや……っ! やめて……!!」

 

 そして私を犯した。

 

「やだ! やめっ!! やあ!!」

 

 

 抵抗も虚しく、犯されて、犯されて、そしてその果てに"殺された"……はずだった。

 

 二度と開くはずのなかった私の両目が、ゆっくりとその姿を現す。目の前は先ほど見た天井だった。そして男の驚いた顔。ただ、その顔はすぐに醜いものへと変貌した。もともと醜かったのに、さらに醜悪な笑みを浮かべている。

 

「ひっ……」

 

 醜悪な笑みを浮かべながら、男はまた私を犯し、殺した。でも私は目を覚ます。何回、何十回、何百回? 

 

 いつからか私は目が覚めた瞬間に、舌を噛み切って自死を選んでいた。何度死んだだろう? 何百、何千、下手をすれば万回は死んでいるかもしれない。首を絞められた(絞殺)腹を裂かれた(刺殺?)

死ぬまで風呂の浴槽に頭を押し付けられた(溺死)

自ら舌を噛み切った(自死)

そもそも食事を与えられなかった(餓死)

 

 無惨に殺された。その全てを今でも鮮明に覚えている。

 

 そして死ぬたびに、自分の持っていた力がそのまま引き継がれ、足し算方式で力が増していくことに気がついた。力をストックする、とでも言えばいいのだろうか。反抗すればおそらく勝てるだろう。けれど、その時の私にそんな気力はもはやなかった。

 

 犯され、殺される。性と死が間近にあったこの生活も、2年が経った頃ついに終わりを告げた。

 

「もう大丈夫、何故って? 私が来た……!」

 

 2年前には毎日見ていた人が、私の前に立ったからだ。

 

「すまない……遅くなった……!」

 

 どうやら私を攫った男は、隠れるのが相当上手くてなかなか尻尾を掴むことができなかったらしい。

 

 2年前なら叫んで喜んでいたであろう平和の象徴との邂逅を、私はただ無感情に眺めているだけだった。他人事のように返事もせず、ただぼーっと。

 

 オールマイトにより一瞬で伸された男を背に、私はようやく解放された。

 

 

永遠(とわ)……! よかった……!」

 

 病院でカウンセリングを受けた後、約2年越しの母との再会。これすらもどこか他人事のように感じてしまう。やはり私は壊れてしまったのだろう。

 

「ただいま。お母さん」

 

 私の感情が抜け落ちたその声に、お母さんは複雑そうな表情を浮かべながらも、強く抱きしめてくれた。

 

「ごめんね……ごめんねえ……」

 

 何度も謝りながら。

 

 家に帰ってきた後は、あの男のいた場所とは違う暖かい空間で、"恐らく"美味しい食事を毎日食べていた。

 

 2年ぶりの食事に、味はなかった。まるでゴムを噛んで飲み込んでいるような、そんな感触。

 

 お父さんもお母さんも美味しそうに食べている。それなら私も美味しそうに笑顔で食べないと……いけないのに……なんでか笑えない。笑い方がわからない。2年前はあんなに友達と笑い合えていたのに。なんで? どうして? なんで私がこんな目に遭わないといけないの? 疑問と怒りだけが、私の中に積もっていく。あの男への怒りだけは、他人事ではなく自分のことのように、心の奥底からふつふつと湧き出てきた。強くならなきゃ、あの男を惨たらしく殺せるように。

 

 幸いと言うべきか、あの男のおかげで強くなる方法はわかってる。死ぬことだ。死ねば死ぬだけ私は強くなる。それなら何万回でも死んでやろう。あの男を殺せるまでは。

 

 そこから私は色々と試した。どうやって死ぬのが一番楽なのか。ナイフ、体に刺さらず折れてしまう。飛び降り、普通に無事だった。そのほかにも色々と試すも、どうやらこの体の強度は相当なものらしい。ただ一つ、ようやく死ねる方法を見つけた。窒息だ。どれだけ肉体強度が上がっても、窒息死だけは有効らしい。

 

 両親には部屋に入らないように言ってあるため、バレる心配もない。あの男が出てくるまでおよそ三年、その頃には私も中学2年生。楽しみだな、三年後が。

 

 自分でも分からない程の回数死んだ私だからこそわかる。死なないギリギリのライン。そこでずっと苦しんでもらうんだ、あの男には。




プロフィール
名前:石長永遠(いわながとわ)
性別:女
年齢9歳→11歳
個性:不死、力の引き継ぎ? 名前は後ほど。
死んで復活するたびに強くなる。最初の体を1とした時、一回死んだらそこに1がプラスされていく感じ。
 1回死んだら2、2回死んだら3、3回死んだら4。という感じで、あくまでも増えるのはベースである1の分のみ。(わかりにくくてごめんなさい)
ちなみに、欠損部位は再生される。

まだ1話目ですが、感想、評価もらえたらありがたいです。
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