不死の個性じゃなくて不死の"病"   作:けー

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久しぶりに。
リハビリがてらなので少し短めです。


戦闘訓練が始まった。

 敵チームは先に準備を開始していて、五分が経つと私がビルに侵入し演習スタートになる。

 もちろん一人なので、誰かと作戦を立てたりすることもない。

 Bチーム演習終了後の話を少し盗み聞きしたところ、障子くんには索敵能力があるみたいだ。

 さっきの試合を見る感じ、きっと中に入ったら即氷結が飛んでくることだろう。

 

「……あのビルでいいかな」

 

 となれば正面突破は下策だろう。

 別に他の建物を使ってはいけないとも言われてないため、私は他の建物に目をつける。二人がいるビルがよく見えるところを東西南北で四ヶ所。

 

 そしてオールマイトの開始の合図と同時に、二人が潜伏するビルから離れる。

 開幕氷結を警戒してのことだったけど、ビルにはなんの変化もないまま。やっぱり障子くんの索敵に引っ掛かったら氷結が飛んでくるんだろう。

 

 あまり時間もないな手早く行こう。

 

 まずは西側のビルの屋上に登り、ビル側面を見渡す。……見える範囲には轟くん、障子くんもおらず、核も見当たらない。ハズレみたいだ。

 次は南側、ここもハズレ。

 東もハズレだった。

 私ってほんと運が悪いんだな……

 最後に残った北側のビルに登り、屋上から見渡す。……見つけた。

 最上階の一つ下、そこに核が置いてあって、障子くんは壁に何やら複製したであろう腕を当てている。轟くんは入口に立って、氷結の準備をしているんだろう。

 

 核のある部屋を見据えながら、私は屋上の柵を乗り越える。足先に残った鉄の冷たさを最後に、体は空へ投げ出された。

 

 跳躍。空気が一気に耳を裂き、視界が上下に揺れる。ビルの窓面が加速するように迫り、目の端でガラスが陽光を反射する。その身で受ける風圧に呼吸が少し乱れるが関係ない。

 狙うは一点、最上階の一つ下――先ほど見つけた核の部屋。

 

 ガラスが眼前に迫る瞬間、両腕で顔を庇った。直後、轟音とともに硬質な抵抗を感じ、無数の破片が爆ぜるように四方へ飛散する。光を反射した鋭い欠片が宙を舞い、背後へ流れていった。

 

 床に叩きつけられる直前に体を丸め、衝撃を膝と肩で逃がす。そのまま靴裏を地面に擦らせながら滑り込む。止まった位置は、核の真正面。

 

 障子くんの複製した腕が壁から跳ねるように動き出すが、爆音に一瞬反応が遅れたものの、個性を利用してこちらに手を伸ばそうとしてくる。轟くんも即座に氷を展開するが、氷結が床を走るより先に私は手を伸ばしていた。

 

 ただ、それよりも早く指先が冷たい金属に触れる。

 勝敗を分けるその刹那、私は一言つぶやいた。

 

「油断大敵、だね」

 

「ヒーローチームWIN!!」

 

 オールマイトのコールとともに、私の勝利が確定した。

 

「……氷、溶かしてもらえない?」

 

「ああ……わりぃ」

 

 轟くんの氷は、試合を勝利に導くことはなかったものの、私と、味方であるはずの障子くんまでも凍らせてしまっていた。

 

 それにしても、悔しそうにしている障子くんとは対照的に、全く悔しがる様子もなく、どこか遠くを見ている轟くんが少しだけ気になった。

 

 

 その後の講評、私は高評価をもらうことができた。

 先んじて見た戦闘から相手の戦略を予測してそれを打ち破った手腕は見事だと。

 かといって轟くんと障子くんも評価が低い訳ではなかったらしい。

 突然の侵入に驚きながらもすぐに対応した点は評価さられみたいだ。

 褒めてくれたのはオールマイト――ではなく八百万さん。

 もしかしたらカンペを読んでるオールマイトよりも先生してるかもしれない。

 

 

 

「それにしても石長凄かったね!」

 

「テストの時も思ったけどすごいパワー? というか身体能力? だよね!」

 

 教室に戻った瞬間、褒め殺されそうになる。

 初日の朝に話した芦戸さんや葉隠さんの他にも、初めて話す人がたくさん。

 

「そうだ、みんなで反省会やらねえか!?」

 

 赤髪の男の子(切島くんっていうらしい)の提案にクラスが湧き立つ。

 さっさと帰ってちゃった轟くんと爆豪くん、あと不在の何人かを除いて反省会をすることになった。

 

『ごめん、しばらく帰れなそうだから先帰ってて』

 

『OK! クラスで友達できたんだね、よかった!』

 

 一緒に帰る予定だった未来にも一言だけメッセージを入れる。なんか失礼な言葉が入ってたような気もするけど、スタンプで返信してスマホから目を上げた。

 

「とりあえず石長、八百万! 俺らの試合どうだった!?」

 

 一人じゃ反省会も何もないと思ってたけどどうやらお互いに意見交換をするみたいだ。

 そこで真っ先に白羽の矢が立ったのがよく発言してた八百万さんと、何故か私だった。轟くんに勝ったのが割とインパクト残ったのかな? なんて思いつつ見てて覚えてた範囲で喋ってみる。

 どうやらA組はよほど人がいいらしく、普通なら嫌味に取られてしまうかもしれないような言い方でも、嫌な顔一つすることなく聞いてくれる。

 

 そうしてしばらく意見交換をしてたら、緑谷くんが帰って来た。……けどすぐにどっか行ってしまった。怪我も治ってないのによく動くなあ……

 

 ちなみに八百万さんはめっちゃぷりぷりしてた。

 

 




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