アオーーーーンッッ!!!!
「電気の呪力性質を持つ竜の式神ッ! 厄介なモン持ってんね!」
「ジンオウガボーナァス! ってな! そういうお前もブルドーザーだのロードローラーだの便利使いしてっけど、土建屋でもやってんのか?」
「最近は重機もレンタル出来るらしいぜッ! こんなふうにな!」
「いやクレーンは振り回して使うモンじゃねえだろ! いってぇな!」
「俺はある程度出したもんを操れるんでね!」
などと言葉の応酬を交わしつつ、行われるのは怪獣大決戦とでもいうべき大破壊。
先程『モンスターハンター月下雷鳴ZX』のボーナス演出を引き当てた秤が呼び寄せた雷狼竜ジンオウガがダイナミックお手*1でレジィに襲い掛かり、それを横から突っ込んできたブルドーザーが阻止。
そこから逆襲とばかりにクレーン車がその鎖を振り回して秤を強襲し、派手に吹き飛んだ秤は地面へと叩きつけられる。
だが、その直後。倒れ伏す彼の姿にどこからともなく現れて悲痛な叫びをあげたのは、ピンクの服の女の子。
「ケーーーーン!!!!」
と叫んだその声と共に、全身から青い呪力のオーラを迸らせて立ち上がる金次は、膨れ上がった筋肉でシャツを弾け飛ばして、その胸に北斗七星を模る7つの傷を浮かび上がらせる。
「いやケンって誰だよ!?」
「そりゃケンシロウだろ」
なんて突っ込むレジィに対し、秤が見舞うのは目にも止まらぬ100連パンチ。その直後、馬鹿でかい文字と共に聞こえるのは、絶叫めいた男の声。
「北ォ斗ッ!! 百裂拳ッ!!!!」*2
「いってえな……! この手のお前自身に効く演出もあんのかよ!」
「おう! おもしれぇだろ? だけど忘れちゃいねえか? 演出ってのはあくまでパチスロを盛り上げる為の仕掛けであって、本命はスロットの出目なんだぜ?」
そう告げる秤の言葉通り、よりにもよって『7』が揃ったスロットが告げるのは
その結果を受けてついに発動する 坐殺博徒の真髄は————!
テーレッテー!
————直前の演出に因んだBGMが鳴り終わるまでの秤金次の呪力のリミッター解除と、同じく演出にちなんだオマケ能力の付与!
そして北斗の拳(4号機)での当たりを引き当てた金次に付与されるオマケは————!
「アァァァタタタタタタタタタタタァァァッッ!!!!」
「何つぅ体捌き!? これが大当たりかよっ!?」
などとレジィが困惑している通り、今回秤が呪力のリミッター解除と同時に得た『オマケ』はフィジカルの強化。残念ながら北斗神拳というわけでは無いものの、無尽蔵無制限の呪力と組み合わさればシンプルに強力な効果を発揮するオマケと言えるだろう。
だが、別にビームが出るでもなし。勝機はまだあると判断したレジィは、とっておきの『契約』を持ち出して、自身の術式を全力で行使する。
彼の術式『再契象』は、『契約の再現』。そして彼が持ち出した契約書の中で、最も強力なその一枚は————!
「俺は名古屋にワープじゃなく自力で来たクチでね。ちょっとばかり、この近所に用があったんだよ」
そう告げた彼が持ち出したのは契約書というよりは『計画書』。大型のファイルに収められたその図面や契約書の集合体を一気に呪力で焼き切ることで生み出されるのは————!
日本製鉄名古屋製鉄所第三高炉
ここが秤の領域内であるのを良いことに炉容積4300立方メートルの巨大建造物を『秤を内部に取り込むように』生み出したレジィは乾坤一擲の呪力を吐き出して脂汗をかき、酸素を求めて喘ぎながらも、その『式神』に着火を命じる。
「鉄鉱石すらドロドロになる2000度の無酸素空間だ! 熔けて崩れて死んじまえよ! 秤金次!」
そう叫ぶレジィの咆哮と共に起動した高炉が内部のコークスと鉄鉱石諸共に秤を加熱し、夥しい熱量を周囲へと振り撒いていく。
領域内での死闘は今、最終局面を迎えようとしていた。